新生銀行を名乗るフィッシング詐欺メール2015/05/05 16:08

送られてきたメールのヘッダ情報の一部(クリックで拡大)

新生銀行を名乗るフィッシング詐欺メール

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このところ銀行を名乗るフィッシング詐欺メールが立て続けに来る。
少し前まではみずほ銀行が多かったが、今は新生銀行を名乗るものがほとんど。毎日複数来る。
今日も来ていた。htmlメールで、送信者アドレスはaccount@shinseibank.com となっている。shinseibank.com は実際に新生銀行が使っているドメインなので、引っかかる人もいるだろうから、情報としてここにまとめておく。

今朝来たメールはタイトルが「 【新生銀行】メールアドレスの確認」で、送信者は「新生銀行 」となっている
htmlメールの中身がこれ↑。
銀行から来るメールが「こんにちは!」で始まるわけがないだろうにね。詰めが甘いというか……。

このメールはhtmlなので、僕のメールソフトでは本文は表示されないが(htmlのみのメールは本文を表示しないように設定してある)、今回は敢えてブラウザで表示させてみた↑

このメールのヘッダ情報を見ると↓こうなっている


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実際の送信者アドレスは163.com というドメインから送られていることが分かる。
しかし、From: だけでなく、Reply-To: も shinseibank.com なので、このメールに「返信」すると、送信者ではなく新生銀行にメールが届く。つまり、返信する者は最初から切り捨てているわけだ。

次に、htmlメールのソースを見てみる。クリックすると飛んでいく先はどこなのか?
表示ではあたかもhttps://pdirect08.shinseibank.com/~~~~ にアクセスするかのようだが、ソースのa href の先を見ると、haoluosc.com というドメイン名のサーバーであることが分かる↓ そこでJava Scriptを起動する仕組み。

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リンク先の真のURLは……
では、メールを送信している 163.com と リンク先の haoluosc.com とは何者なのか? Whois情報を見るとこうなっていた↓
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どちらも所有者の実体は中国にある。
163.comのレジストラーであるMarkMonitorという会社は、企業の情報秘匿やセキュリティ保護を代行する会社らしい。
当初はこの会社にWhois情報を代行させて所有者情報を隠していたと思われる。しかし、こうした犯罪行為が発覚したため、MarkMonitor社でも情報を公開したのではないだろうか。

ちなみに送りつけてきたアドレスは銀行に登録しているものではなく、楽天やYahoo!など、ネットショップ関連で使っているもの。つまり、アドレス流出は銀行からではない。
銀行に登録していないアドレス宛に銀行からメールが来るわけはないので、その点からもおかしいとすぐに分かるわけだが、このように、メールアドレスは複数使い分けることが大切だ。
重要度別にいくつも使い分けて、重要度下位のアドレスはいつでも切り捨てられるようにしておくとよい。

そして何よりも重要なのは、
  • htmlメールは使わない、すぐに開かない
  • 少しでも怪しいと思うメールには触らず完全削除
  • 少しでも不審なメールの要求には応対しない
……ということ。

被害者でもある新生銀行ではトップページで注意喚起している↓

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自動車税における許し難い不正義2015/05/12 17:34

庶民の味方・ワゴンRに長く乗ると増税、クラウンマジェスタは免税
こういう話題はそのうち「特高」に引っ張られる要因となりそうだから控えておこうと思いつつも、どうにも腹が立って仕方がないので書く。
すでにほとんどの人は気がついていることだとは思うが、ここまでひどい不正義をこれ以上許しておいていいのか、という話。

上の写真は、軽自動車のスズキ ワゴンR 2001年発売モデルと最新型のトヨタ クラウンマジェスタ(2014年発売)を並べたところだ。(Gooネットより)

ワゴンRは排気量660cc、重量が800kgで、燃費は22.5km/l。(N-1グレード)
クラウンマジェスタは排気量が3500cc、重量が1830kgで、燃費は18.2km/l。
この2車、ワゴンRは新車登録13年を超えれば自動車税が増税になるが、排気量が5倍以上、重量が2倍以上のクラウンマジェスタは、重量税、自動車取得税はゼロ(免税)措置を受けられるだけでなく、自動車税が75%OFF(本来58000円が14500円)になる。

先日、今年度分の自動車税を払ってきた。うちの車は2台とも登録13年を超えるので、自動車税が今年からさらに増税されて、2台で9万円を超えた。









↑このように、古い車は否応なしに増税されるのである。

では新型クラウンマジェスタはどうかというと、平成27年燃費基準、平成32年燃費基準を20%上回っている「優等生」なので、自動車税は75%減税されるのである。
3500cc乗用車の本来の自動車税は58000円だが、75%軽減されて14500円。つまり、2000cc以下で13年超の古い車を大切に乗っている人には増税して45400円を取るが、3500ccの高級車を買える富裕層からは75%減税で14500円の税金しか取らないという、とんでもない法律を知らないうちに作っているわけだ。

なぜこんな馬鹿なことになるかというと、「エコカー」であると認定するための「燃費基準」が車重別に定められているからだ。↓


これを見ると分かるように、重量が800kgの軽自動車は燃費基準が21km/lで、その20%UPは25.2km/lという非常に厳しい数値をクリアしないと「エコ」であると認定されないが、車重が1800kgを超えるクラウンマジェスタは燃費基準が11km/lで、その20%UP値は13.4km/l。最新型クラウンマジェスタは公称燃費18.2km/lなので、軽くクリアしている、というわけだ。
どんなに燃費性能がよくても、大排気量の高級乗用車を新たに作るための資源消費、エネルギー消費と、それよりも燃費がよく、はるかに省資源、省エネで作られた軽自動車を長く乗り続けるのとではどちらが環境負荷が少ないかくらい、子供でも分かる。
しかも、クラウンは人を乗せて移動するための車であり、バスやトラックではない。ワゴンRに一家4人が乗って移動している図はよく見るが、クラウンマジェスタに4人も5人も乗っているのはあまり見ない。たいていは運転手付きで後部座席に一人で乗っているか、オーナーが一人で運転しているかだ。

軽自動車ユーザーは生活必需品として乗っているので、10万キロ、20万キロ、15年、20年と乗り続ける。だから軽自動車は中古車価格もあまり値崩れしない。
しかし、高級大型乗用車のオーナーは5万キロも走らないうちに平気で新車に乗り換える人が多い。セダン型の中古車は人気がないので、あまり走行していない車でも廃車になることが多い。
どちらが環境負荷が大きいかは、考えるまでもない。


燃料消費量に課税するのは間違っていないが、それならガソリン税で取ればよい。
資源浪費を防ぐという目的であれば、乗用車の重量税をしっかり取ればよい。
その上で、排ガス規制や製造過程で消費される資源の量、エネルギー、廃棄するときの環境負荷や廃棄のために使われるエネルギーの計算をしっかりやって、なるべく省資源、省エネルギーで行きましょう、と指導していくのが行政というものだろうに。

環境負荷の高いライフスタイルは減税、省エネ省資源でつましく暮らしている者には増税という不正義を国が行う裏には、トヨタのような巨大企業にどんどん儲けてもらうため、まだまだ使える車をどんどん廃棄して新車を買わせようという狙いがある。それを正直に言えばいいものを、「地球温暖化防止」だの「環境負荷」の軽減だのという嘘を平気でつく。
嘘を平気でつく国、行政のもとで暮らしていかなければならないことほどストレスフルなことはない。

オマケ クラウンじゃ嫌だレクサスにしろと駄々をこねた地方創生大臣

クラウンマジェスタとワゴンRは分かりやすく例にしただけで、別にクラウンのオーナーに恨みがあるわけでもなんでもないのであしからず。好きなクルマに乗ればいいのである。ただ、税金という社会的な負担ルールにおける不正義は許せない、という話だ。
ちなみに、軽自動車が必需品の地方の文化や経済を応援する立場の石破茂 地方創生大臣は、クラウンがお嫌いらしい。
石破は 内閣府が2013年11月に購入した公用車のトヨタ「クラウン」を、たった1年3カ月で“乗り捨て”。今年2月に月39万円のレンタカー代を支払ってトヨタ「レクサスLS460」に乗り換えた後、さらに3月、今度はワンランク上の「レクサスLS600HL」を購入した
という記事が⇒こちらに紹介されている
2015年3月30日の衆院予算委で、民主党の玉木雄一郎議員が、閣僚の公用車について質問したことで明らかになった。
内閣府の運用ルールでは、大臣の公用車は「12年間使用か、10万キロ走行」をメドに買い替えるのが一般的で、わずか1年余りで乗り換えるなんて聞いたことがない。しかも、クラウンは新車で約500万円で、レクサスはその2倍の約1100万円もする。
「石破さんは農相の時、トヨタの最高級車『センチュリー』が公用車だったが、地方創生相はクラウン。そのため、『なぜセンチュリーじゃないんだ』とダダをこねたらしい。慌てた内閣府が『LS600HL』の購入を決めたが、石破さんは納車までの2カ月間がガマンできず、やむを得ず『LS460』をレンタルしたようです」(永田町事情通)

……なんだそうである。
これ全部、我々が払っている税金なのである。