「妻がパートで25万円」騒動の本質2016/01/16 20:48

安倍首相が1月8日の国会答弁で「妻のパートで月に25万円」というたとえ話で実質賃金の低下現象を説明しようとしたことに対して、庶民が反発しているという。
「ご指摘の実質賃金の減少についてでありますが、景気が回復し、そして雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えれば、一人当たりの平均賃金が低く出ることになるわけであります。私と妻、妻は働いていなかったけど、景気が上向いてきたから働こうかということで働き始めたら、(月収で)私が50万円、妻が25万円であったとしたら、75万円に増えるわけでございますが、2人で働いているわけですから、2で割って平均は下がるわけです」

この「妻が25万円」の部分だけを取り上げて、「現実認識がなさすぎる」「感覚がずれている」と反発する人が多かったわけだが、そもそもこの説明の主旨は、

  • 景気が回復すると雇用が増加する
  • 雇用が増加すると働く人が増える
  • その増えた人たちは低賃金で働くから、働いている人1人あたりの平均収入は減る
  • それだけの話ではないか

……と言っているわけだ。

つまり、安倍首相にとって、「景気回復」というのは、企業が元気になって雇用を増やすことであり、そこで働く人たち一人一人の生活の質なんてどうでもいい、という認識なのだ。
低賃金労働者が増えても企業が儲かるならいいじゃないか。動いている金の総額が増えることが「景気の回復」なんだから、それのどこが問題なのだ、と。

こういう認識の人が一国の首相をやっていて、「私の経済政策が成功しているから景気が回復しているのだ」と、どうやら本気で信じている。
これのどこが間違っているのか理解できていない。こんな人物に首相をやらせていて、しかも、周囲の誰もがこの出来の悪い人物を御しきれない。
これこそが今の日本の危機なのだよね。

そもそも、商売、あるいは仕事をして金を得るという行為を単なる「経済行為」、金の動きとしてしかとらえられない人たちが増えていくと、楽しい世の中にはならない。

現代では、いかに楽にたくさんお金が儲かるかが商売のすべてだと考える人たちが増えている。
株だの為替だの先物取引だのといったマネーゲームで巨利を得る人たちから見れば、100円200円で悩む生活なんて忌むべきものでしかない。

しかし、1個100円のコロッケにだって、命がけの工夫や努力が込められている。
だからおいしいコロッケを食べられる世の中が存在している。
商売を金のやりとりとしか考えない人なら、100円なんだからこんなものでいいだろう、と考える。
そんな商売ばかりになったら、世の中がどれだけつまらなくなるか、想像してみるといい。
100円だからこんなものでいいだろう、ではないのだ。
(そもそも1個100円のコロッケは十分に高級な値段である)



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