福島第一原発は東北有数の「電力消費地」2016/02/17 21:29

「凍土壁には関心ない」と言い放った田中委員長


1Fの「凍土壁」というの、まだやっていたんだなあ。
いくらなんでももうやめているんじゃないかと思っていたのだが、どれだけ税金や電気料金を無駄に使うのか……。
これに関してはどうも「税金を食い物にしたい」というよりも、今の日本、頭悪すぎる人が上にいることの悪夢、なんだろう。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は13日、東京電力福島第1原発を視察した。汚染水の増加抑制策として1~4号機建屋周囲の土壌を凍らせ、地下水の流入を減らす凍土遮水壁も視察したが、「少しばかり水が入るのを減らしたからといって、汚染水問題は解決しない。あまり関心はない」と述べた。
 田中委員長は「処理した水は海に捨てるという持続性のある形をつくらないと、廃炉は進まない」と指摘。汚染水の放射性物質を減らした上で海に放出するよう改めて求めた。
時事ドットコム


言葉を穏やかにしているが「関心ない」というのは「バカじゃないの?」と言っているに等しい。
まともな頭の人ならみんなそう思う。
一体これにどれだけの金を使っているのか。
凍らせるのは電力で凍らせるわけだが、今、1Fの現場では一体どれだけの電力を使っているのか。
東電はそれを公表すべきだ。
「私たちは本来電気を作る施設である発電所の不始末を片づけるために、毎日○○の電力を使用しています。これは一般家庭の使用する電力○○戸分に相当します。その分の電気料金はみなさまからいただいている電気料金に上乗せさせていただいております」
……とね。

こういうことがあと何十年続くのか分からない。多分、何十年では済まないだろう。100年後も、1Fを完全に後始末できているとは到底思えない。
これから先、たとえ過酷事故が起きなかったとしても、原発を動かせば放射性廃物が出続けることに変わりはない。
そして、その処分方法を人類は未だに知らない。


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「いるだけ支援」のアニメを見て考えた2016/02/17 22:54

アニメ「いるだけなんだけど」より

「道を造りましたから通ってください」ではなく……


福島県が、『みらいへの手紙~この道の途中から~』というアニメーション動画を作って公開した。

一応全部見てみた。
8つ目の「いるだけなんだけど」がいちばん印象に残った。
(↑脚本・浅尾芳宣、演出・CGアニメ・佐藤貴雄)

このアニメーション制作にしても税金で作っているわけだが、いろんなプロジェクトが「支援」ていうことにしておかないと認められないようなところがある。
ちょっと調べてみると、この「いるだけ支援」というのは福島大学災害支援ボランティアセンターが企画したものらしい。

アニメでは、本当に「いるだけ」みたいな感じで、なんかいいなあ、と思ったのだが、実際にはどうなっているのか分からない。
まずは自分の名前を覚えてもらえるように大きく書かれた名前カードを首にかけて挨拶まわりを実施。後は普段通りに生活を送っていきます。
ここから大学に通い、アルバイトにも出かけていきます。
時間が空けば、庭先で日向ぼっこしながらおじいちゃんおばあちゃんと世間話にはなをさかせ、草が抜けないと聞けば代わりに草むしりに精を出す。頼まれたら快く引き受けます。
その姿は孫に近いものに見えました。
Spotlight の記事より)

……なんていうリポートを読むと、なんだ、「いるだけ」じゃないじゃないの。相当大変なんじゃないの? と思ったりもする。

アニメから感じたことは、必要なのは「支援」じゃなくて「開放」だということ。
とりあえず「開放」して、後は放っておくだけでもいいんじゃないか、と。

仮設住宅に空き家がいっぱいあるから、とりあえず学生に「ここに入ってきてもいいよ」と「開放」する。
お金のない学生が、アパートより家賃が安いならいいかな……というノリでやって来る。
ノルマはなんにもない。
無理にイベントやったり、笑顔を作って話しかけたりする必要はない。普通に生活をするだけでいい。
積極的には何もしなくても、コミュニティに変化が生まれる(かもしれない)。
アニメの中で描かれているのはそんな情景だった。
そういうやつならいいんじゃないかなあ、と思ったのだが、実際にはお上からの許可を得るために、いろいろな名目やらなにやらを上奏しなければいけないのだろう。(結構大変だったと思う)

しかし、この「いるだけ」というフレーズは、とかく勘違いや余計なお節介ばかりになる公的「支援」策に一石を投じる可能性を秘めている気がする。

要するに、目的は村だの町だのじゃなくて、個人なのだ。
いろんな状況、立場、考え方の個人が、相対的に見て、より幸せになっていくようなシステム再構築。
映画『Threshold:Whispers of Fukushima』の中でマサイさんが言っていた言葉。

「ここに道を造りましたから通ってください、じゃなくて、一人二人とそこを通って行く人がいて、気づいたら自然に道ができていた──そういうのが好き」

……これ、すごく大切なことなんだよね。


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