ズブズブと森のおともだち2020/11/27 13:45

NHK総合で年に1度やる「コントの日」。過去2回はいまひとつスッキリしない感じが残って、まあ、NHKだからなあ……と受け流していたのだが、今年は面白かった。
すでにネットでも⇒こんな記事が出ていたりして、そこそこ話題になっているようだ。
概要は⇒ここにもまとまっているので、見逃した人はNHKの見逃し配信(あれって有料なんだっけ?)で見てみよう。
文春のサイトに、劇団ひとりと東京03のインタビュー記事も出ている。
テレビ雑誌のミニコラムでこれを取り上げようと思い、録画を復習見した。裏話とか読んでから見ると、2度楽しめる。

冒頭の「袋、いりません」は、アベノマスクやらレジ袋有料化で世の中に不必要な混乱と迷惑をもたらしたバカ政治への風刺が効いているし(しかも、あのコントなら文句も言えない)、「ステイホームで覚えたラーメン」は、本当の自分と向き合うことの難しさ、そして勇気という哲学的な?テーマを扱っていながら、東京03角田の怪演で、誰もそんなことを考えないまま笑っていられる。さすがは1年に1度の練り上げられたコントだわ。

そしてなんといっても、今回は「ズブズブと森のおともだち」の直球ぶりがすごかった。
ざっと内容をまとめると……

「ズブズブ」(劇団ひとり)はズルくて、闇の人脈を駆使して甘い汁を吸うのに長けた森のふくろう。ロボットの「マジメカ」(ロッチ・中岡)が買ってきたケーキを一人でこっそり食べてしまう。
そこに紅茶を持って「みんなでお茶にしましょう」とやってきた美少女・アリス(新川優愛)に、マジメカが「ズブズブさんが一人で僕のケーキを食べてしまった」と訴える。
アリスはズブズブを「人のものを勝手に食べたら、それはドロボーになるの」と戒める。
⇒「ひとのもの」(税金)、「勝手に食べる」(横領)

しかしズブズブは、歌手志望のアリスに「今度の森の歌手オーディションの審査員長は村長で俺の友達だ。今夜会うから、きみのこと話しておくよ。共存共栄。もちつもたれつでやっていこうじゃありませんか」と持ちかけると、アリスはそれに乗って、マジメカを「証拠はあるの? そもそもケーキなんてあったのかしら」と、逆に責める。
驚いたマジメカが「この森に正義はないのですか?」と訴えると、アリスは「真面目か!」と切り返す。
「あんたみたいなタイプ見てると、イライラするのよね」
(⇒真面目な人が上の地位に就いてきっちり指示されるより、悪代官やバカ殿に支配されているほうが気が楽だという、現政権支持層の声を代弁)

そしてナレーション:
「何はともあれ一件落着。みんなおともだちを大切にしようね。そうすればいけないことをしても、もみ消してくれるから

このへんで「森のおともだち」⇒森友 ってことに気づく人がどれくらいいたか……。
第2話はさらにすごい。
森の運動会で「かけっこ」で競うことになったズブズブとマジメカ。ズブズブは鳥なので走るのは苦手。そこで審判員のアリスに「鳥は走るのが苦手なんだよね。1位の賞品のいちごは大好物なんだけどなあ……」と耳打ちする。
アリスは、ズブズブの口利きで森の音楽会に出られたお礼として、ズブズブのスタート地点をゴールテープの直前にするというとんでもない贔屓をする。「私はただ、いちごが好きって言っただけですよ」とにんまりするズブズブ(⇒直接指示はしない。相手に忖度させるという暗喩
それでもほとんど歩けずにマジメカに負けてしまうズブズブ。
すると今度は村長がこっそり、1位と2位の賞品を入れ替えてしまう。1位がドングリのキーホルダー。2位は山盛りのいちごに。「ズブズブさんのおかげで例の誘致の件もうまくいきそうですしねえ」と村長(東京03豊本)。
憤慨するマジメカに、マジメカを作った博士(ロッチこかど)がやってきてこう言う。「だから俺はおまえを作ったんだ。この森の深い闇と戦うために。でも、正面からまともに行っても無理なんだ」(⇒野党の非力さを嘆く人々の声を代弁

このへんで、徒競走とかじゃなくて「かけ」っこと言っていることに気づく人はほとんどいなかっただろうなあ。
最後は劇団ひとり作詞、竹内まりや作曲のテーマソングをみんなで歌う。

♪友達大好き。僕はズブズブ。芸能プロの社長さん、闇カジノのオーナーさん、演歌歌手のタニマチさん、家族ぐるみさ。みんな大好き。ズブズブになれば笑顔になれるから。甘い蜜舐めようよ。盃交わそうよ。骨までズブズブ♪

そこに桜の花びらが舞い落ちるという、ど直球なエンディング。

江戸末期、お上の華美禁止令に負けず、「じゃあ、色をつけなければいいんだろ」と、白木彫刻を極めていくという楽しみ方を追求した彫刻屋台の彫刻師たちや、その屋台を繰り出して祭りを続けた町民の精神で、このトンデモな時代をのりきりたい。

テレビ番組制作者たちよ、庶民を軽く見てコントロールしようとする番組作りではなく、庶民と共に文化を作り上げるのが君たちの仕事だ。
いつかまたルネッサンスはくる。そう信じて、こういう番組作りをじっくりつづけるのじゃよ。

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