「マイルド・サバイバー」という生き方2022/07/02 20:11

久しぶりに新書を出す。
一般的な本の出版進行としては相当短期間だったが、とてもていねいに書いた。気も使った。だから、心残りはない。
特にあとがきの部分……かな。このあとがきを書き残せただけでも十分に満足している。
書きながら、俺っていろんなこと経験してきたんだなあ……とも、改めて思った。

PR用のページを takuki.com と note に作ったのだけれど、同じものをここにものせておきます。
予約が増えるとAmazonの仕入れ数も増えるので、ぜひ!
<(_ _)>福助足袋。



「マイルド・サバイバー」 (たくき よしみつ・著、MdN新書)

   
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「マイルド・サバイバー」とは?


コロナパンデミック騒動が勃発した2020年以降の世界は、それまでの常識では考えられないような変貌を続けている。食料やエネルギー資源の供給が危機的状況に陥り、それに異常気象や天変地異も加わって、ゲームや比喩ではない、生きるか死ぬかのリアルなサバイバル時代に入った。
「グレート・リセット」の時代などともいわれるが、端的にいえば「今までの常識が通用しなくなり、多くの人は生き残れず脱落し、まったく新しい秩序の世界になる」ということだ。
戦後生まれの日本人は人生の中で飢餓や戦争の恐怖を経験していないので、食べるものがなくなって飢えるとか、都市が壊滅し、あってあたりまえだったインフラや住む場所さえも失うといった事態を想像できない。「不安な気持ちはあるけれど、どうしていいか分からないし、動けない」「今は厳しいけれど、このまま耐えていればそのうちなんとかなるだろう」と諦めてしまうが、その惰性と「正常化バイアス」こそが命取りだ。
大金持ちや天才ではない「普通の人」は、社会を変えるような力は持っていない。政治や社会体制に怒ったり、間違いを指摘したりしても、それで社会が急によい方向に向かうわけではない。
どんなにひどい社会になっても、従来の生活スタイルや価値観を見直して、合理的な方法を見つけ、自力で生き抜く術を構築していくしかない。
今の生活環境や生活のスタイルを変えることは自力でできる
悪化していく社会環境の中で、正気を保ち、幸福感を維持するためのささやかな方法論。ゆるく、賢く生き抜く「普通の人が普通に生きる」ためのサバイバル術

今まで自分の中で「常識」「絶対」だと思っていた尺度を根底から見直すことから始め、発想の転換と少しの工夫、そしてそれを柔軟かつ合理的に実行していく決断力を持った「マイルド・サバイバー」生き証人が提案する具体策の数々がここに。

内容

序章 二度の震災被災で学んだこと

  • 揺れ続ける我が家を庭から見ていた
  • よく行くスーパーの隣で原発が爆発した
  • 生死を分ける「正常化バイアス」の怖さ
  • 「同調圧力」が招いた悲劇
 

第一章 間違った「常識」こそが日本を滅ぼすモンスター

  • 「リアル・サバイバル」時代がきた!
  • 日本はもはや「先進国」ではない
  • 思考硬直が命取りになる
  • ノイジー・マイノリティにはならない
  • 「家族保守主義」の落とし穴
  • 抗うよりも柔軟にのりきるという戦略
 

第二章 まずは今の自分の身を守れ

  • 「命あっての物種」
  • 原発爆発が東京湾岸の発電所で起きていたら
  • 危険度がいちばん高いのは高層マンションとゼロメートル地帯
  • 都会人は電動アシスト自転車を買え
  • 誰でもできるリアルサバイバル対策
  • 必需品は「予備」を買っておく
  • 「衣・食・住」ではなく「食・住・通」
  • 若い人たちは「生涯現役」の覚悟が必要
  • リタイアしてから考えるのでは遅い

第三章 都会を脱出せよ

  • 都会に食料が届かなくなる日
  • 東南海地震、富士山噴火、首都直下型地震は必ず起きる
  • 都市ガス、上下水道は災害に弱い
  • 医療・介護も大都市ほど崩壊しやすい
  • 二地域居住という「二股保険」のすすめ
  • キャリアを捨てられないという固定観念
  • 子どもがいるから都会を離れられないという思いこみ
  • 都会の「ミニマリスト」は生き残れない?
  • 一年間暮らせる預金があるなら仕事は後から考えてもよい

第四章 移住するなら北関東

  • 「ほどほど」の田舎がいちばん暮らしやすい
  • 年代別、タイプ別の移住先選び
  • 認知症老人の一人暮らし
  • 年金も預金もない老後の場合
  • 役場と地元のお店に行ってみよう
  • 北関東こそ魅力度ナンバー1
  • 「不人気」地域こそが狙い目
  • 土砂災害・水害の危険性のある土地は絶対ダメ
  • 迷惑施設建設地として狙われる可能性
  • クルマを使えない人は地方移住は無理か?
 

第五章 田舎物件の選び方

  • 今から家を建てようとするな
  • 農家の空き家物件は覚悟が必要
  • 田舎物件の価格は疑ってかかれ
  • リゾート空き家物件の注意点
  • 農村に隣接した新興住宅地は狙い目
  • 道路と玄関の位置関係
  • 設備面でのチェック
  • 建物はまず基礎と屋根を見る
  • 建物内部のチェックポイントと改装
 

第六章 田舎暮らしに必要な技術と道具

  • 高速光回線とWi-Fi環境
  • 田舎暮らしの「足」問題
  • 電動アシスト自転車で得られる幸せ
  • 最強の移動手段は中古自動車
  • 日本には軽自動車がある!
  • 不人気車を狙う
  • 燃費の差についての考え方
  • 田舎暮らしに必要な道具
 

終章 柔軟で持続性のある分散型地域経済を作るには

  • ナチュラリスト思考の移住者と地元民の対立
  • 「ほどほど農業(マイルド・アグリ)」のすすめ
  • 田舎におけるマイルド・サバイバーの立ち位置
  • 一人で始められる商売を考える
  • 「仕事ができる大人」が集まる地域社会に
  • Amazonでビールを買ってはいけない理由
  • 分散型地域社会を構築するためのデジタルサバイバル
  • マイルド・サバイバーになる
 

■おわりに ~ グレート・リセット vs マイルド・サバイバー


  • 書名:マイルド・サバイバー
  • 発売:2022年8月8日
  • 著者:たくき よしみつ
  • 種別:新書 256ページ
  • 版元:エムディーエヌコーポレーション
  • ISBN 978-4-295-20410-7
  • 価格:1000円+税
  • 情報戦争、天変地異、食糧危機、エネルギー危機、経済崩壊……「リセット」世界で淘汰されるがままになってたまるか。金も地位もない「普通の人」が無理なくできる生き残り術を具体的に提案。「マイルド・サバイバー」という生き方とは?

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安倍元首相銃撃事件考2022/07/16 15:26

安倍氏銃撃事件はその後いろいろ報道されていて、どんどん状況が分かってきた感じだが、ネット上では「ヤラセではないのか」「狙撃犯が別にいる」などなどのコメントが飛び交っている。
撃たれたときの状況があまりにも不自然に見えることからだ。
有名になったこの映像↓を見ると、

1発目は誰にも当たらず、安倍氏は「?」という感じで音のほうを振り向いている。
2発目で倒れるのだが、その倒れ方がなんだか、自分から台を降りて、ゆっくり屈んでいるように見えてしまう。確かにこの映像は奇妙な点が多くて、ヤラセ説が出てくるのも無理はないかもしれない。

しかし、その後の山上容疑者の供述が伝えられるとおりであれば、彼が何らかの組織に利用された可能性は低いだろう。現時点では、完全な単独犯だと思う。

別に狙撃犯がいたというなら、その狙撃犯と山上容疑者はこの計画に対して綿密な打ち合わせをしていなければならないが、そういう感じはまったくない。
不自然すぎるほどのぶっとい銃声や白煙は、使われた銃が自作銃であり、弾丸も自作だったことによるものだ。市販されている猟銃や散弾銃の常識が通用しないのだと思う。散弾も自作のようで、自供によれば弾丸1発に6個の散弾を入れたという。であれば、2発撃っているから散弾は12個。そのうちの少なくとも2つが致命傷を与える結果になったという。銃創が小さすぎるという不自然さも、この「自家製弾丸」のためだろうか。
発表によれば、1つが左上腕から入り、左右の鎖骨下にある動脈を損傷して大量の出血を引き起こした。もう1つは首から入った。そのうちどちらかは心臓にも到達して瞬時に心停止に至ったらしい。つまり、ほとんど即死だった。
散弾のような細かい弾は、体内で骨などにぶつかり、不規則な動きをすることがあるという。印象としては、相当運が悪かったのではないだろうか。
となると、少なくとも安倍氏がどこかですり替わっていて今も生きている、などということはありえないだろう。アメリカで起きたことならともかく、日本ではそこまで大がかりな芝居を遂行できるほど、広範囲に警官や医療関係者などを台本通りに動かせるとは思えないからだ。


1発目。右側に白煙が見える

これは完全に外れた

2発目。これが命中

この瞬間、弾が致命的な場所に

ここからの動きが不自然なのだが、人間は致命傷を受けた直後も数秒は無意識に筋肉を動かせるのだろう


そのため、自分の足で台を降りて屈んだように見えてしまう



犯人を取り押さえるSP

現場に駆けつけた近所の内科医も、すでに心臓が止まっていて、まぶたの裏は真っ白、指先に刺激を与えてもピクリとも動かなかったと証言している。この内科医までが芝居に加担していたなどとは到底思えない。

とにかく安倍氏はあの場で即死だった。これは間違いない。
ひどいのは、心停止で病院に運ばれた後のことだ。
高市早苗政調会長が「安倍元総理が搬送された奈良県立医大との連絡役を続けた。昭恵夫人が病院に到着するまで生命維持処置をお願いした」と明かしている。
そのため、奈良県立医科大学附属病院では、夫人が到着するまで100単位以上の輸血を続けたという。
輸血の1単位というのは200mlの血液から作られる血液製剤だ。つまり、200ml×100で20リットルの血液を使っている。200mlの血液から約140mlの血液製剤が作られる。それだけの量の血液製剤を即死状態の体内に注入し続けたということだ。
ある医師の見解によれば、「本来は主に白血病患者用に病院に置いてあった血液製剤で、それをほぼ使い尽くし、周辺からも集めたのではないか」「目的としては、延命というよりも、夫人が来るまで血液を流し込み続けることで体温を保つことだったのだろう」とのこと。
このことの意味を、よく考えてほしい。「いろいろな意味で」これほど怖ろしいことはない。
ところが、ネットの反応などは、ほとんどが「当然の処置だ」「なぜそんなことを記事にするのか」といったもので、これもまた読んでいるだけで怖ろしくなる。
ちなみに私の義父は難病(一種の血液癌)に冒され、晩年は有効な治療がなく、輸血しか手立てがなくなったが、入院してからは例の「90日ルール」で転院を強制され、ようやく受け入れ先となった遠方の病院でも「これ以上入院させておくわけにはいかない」と宣告された。
最後は「輸血用の血液は貴重なものです。輸血を続けても延命効果は限られていますがどうしますか?」と担当医に言われ、「無理な輸血はこれ以上しないという条件なら入院を続けてもいい」という条件を出された。本人はまだ意識もしっかりしていて、ちゃんと会話もできる状態だったが、私は笑顔で「お義父さん、安心してください。このままここにいてもいいことになりましたよ」と告げるしかなかった。
義父が亡くなったのはそれから間もなくのことだった。

単独犯行の背景


山上容疑者の動機や生い立ちについては、本人の自供や周囲の人たちの話によって、かなりはっきり分かってきている。
  • 山上容疑者の母親は奈良市内で建設会社を営んでいた男性の娘で、父親はその会社に勤めていた社員。つまり、社員が社長の娘と結婚した。
  • 山上容疑者はその家庭に次男として生まれ、兄と妹がいる。兄は幼少期の怪我で身体が不自由。
  • 一家は三重県内に住んでいたが、母親は子供の世話をせず、父親は自殺。母親の実家(容疑者の母方の祖父の家)に3人で身を寄せる。
  • 当時はバブルで会社経営がうまくいっていた祖父のもとで、容疑者一家もかなり贅沢な暮らしをしていられた。
  • しかし母親は統一教会(現・世界平和統一家庭連合)にのめり込み、子供はほったらかして韓国旅行したり教団に寄附を繰り返すなどしていた。
  • 「家に食べるものがない」と、容疑者ら子供たちは大阪に住む叔父に助けを求めたりもしていた。
  • 1998年、祖父が亡くなったのに合わせるかのように母親は統一教会の正会員になり、相続した財産(不動産、会社、預貯金)をそっくり教団に寄附してしまう。
  • 一家はたちまちアパートでの貧乏暮らしとなり、2002年には母親が破産。
  • 容疑者は郡山高校在学中から優秀な成績で、同志社大学工学部に進んだものの、家庭崩壊で中退。その後は任期制海上自衛隊員となった後、宅建やファイナンシャルプランナーの資格を取りながら就職し、一時は月1600万円以上売り上げるなどの優秀な仕事ぶりを発揮したが、トラブルも多く、飲食店や派遣でフォークリフト運転などの職業を転々とした。
  • 2017年頃、兄も自殺。これで決定的に統一教会への憎しみが膨らんだらしい。
  • 容疑者は統一教会に対して恨みを果たすべく、教団のトップを殺そうと計画を練った。2019年に韓鶴子総裁が来日したときは火炎瓶を持って集会の会場に行ったが、中には入れず断念。その後はコロナ禍になり、自分が教団トップがいる韓国に渡ることも、教団トップが日本に来ることも難しくなった。
  • そこで、標的を統一教会の広告塔、強力な後ろ盾となっていた安倍元首相に変更した。
  • 当初は爆弾を作ろうとしたが、それだと周囲の人を巻き込んでしまうため、ターゲットを絞りやすい銃に変更。ネットで知識を得て、材料もネットで調達。何回かテストを繰り返して実行のチャンスを窺っていた。
  • 実際に最初に狙ったのは犯行前日で、岡山での自民党候補者応援演説会場に向かったが、屋内だったために諦めた。帰りの電車で、自民党のWEBサイトにアクセスし、翌日、予定を変更して自宅のすぐそばで応援演説をすることを知って、銃撃を決行することを決めた。

……新聞や週刊誌などが報じている内容をまとめると、およそこんな感じらしい。

分かりやすすぎるくらい分かりやすくて、これまたむしろ違和感を感じてしまうくらいなのだが、おそらく全部この通りなのではないか。

ここまで分かったなら、メディアとしては統一教会と安倍氏をはじめとする政治家たちの関係といったことを掘り下げていくべきだろう。
安倍氏を中心とした自民党議員たちと統一教会の深い関係については多くのメディアが問題だとして追及の姿勢を見せていた時期がある。
今回の参院選でも、自民党比例区の井上義行(第1次安倍政権首相秘書官)候補がLGBT差別発言を繰り返しているなどと話題になったが、その井上候補は旧統一教会の集会「神日本第1地区 責任者出発式」に出席し、教会の幹部から「井上先生はもうすでに信徒となりました」と紹介されているという。
皮肉なことに、統一教会問題を長年追及してきた有田芳生氏は今回の参院選挙で落選し、12年間の議員生活から去ることになったが、支援を受けた井上氏は当選して返り咲きを果たした。
有田氏によれば、統一教会の信者は無給で自民党議員の秘書を務めたり、選挙のときは応援に大量動員されているという。

ところが、信じられないことに、多くのメディアはなぜか今回の事件に関しては、容疑者が勝手に「関係があると思いこみ(ヽヽヽヽ)」などという報じ方をしている。

報道ステーション(テレ朝)でメインキャスターの大越健介氏が「なぜ、統一教会への恨みが岸元首相や安倍元首相に向かったのか到底理解できません」と発言し、これもネット上では大問題だという声が上がった。(検索結果は⇒こちら
大越氏が、安倍氏と統一教会(現・家庭連合)の関係を知らないはずはない。

(参考) 公開抗議文 衆議院議員 安倍晋三 先生へ 全国霊感商法対策弁護士連絡会

大越氏に限らず、マスメディアに出てくる人たち、報道を担当しているメディア関係者のほとんどは、自分が知っていることを一旦全部覆い隠して、どのように言えばいいか、どのような記事に仕立てればいいかを現政権に忖度して動いている。いわば、常にブレーキをかけながら運転している。その気持ちの悪い運転が「安全運転」だと信じているからだ。だからほとんど反射的に嘘をつくようになっている自分に対しても、感覚が麻痺してしまっている。
そんなことをしていたら、自分を含めてこの国全体が取り返しのつかないところまで壊れてしまうことに思い及ばないのだろうか。
この感覚の麻痺こそ私には「到底理解できない」し、ここまでメディアが腐りきってしまったのかと、背筋が凍る思いだ。

宗教団体と政治の癒着というと、公明党と創価学会のことだと思っている人が多いが、実際には今の自民党と旧統一教会、国際勝共産連合、日本会議といった組織の関係性のほうがずっと危険であり、国を滅ぼす病巣となっている。
今の自民党はかつての自民党とはまったく違う一種のカルト集団化している。「良識派がいた自民党」はもう存在していないのだ。
吉田茂の時代は、太平洋戦争で完全に叩きつぶされた日本を建て直すためには、圧倒的な支配者であるアメリカに対して従属するしかなかった。逆らえないけれども、ギリギリのところで国の体裁、日本という国のアイデンティティ(こういう横文字は使いたくないのだが)を守る腹芸や水面下でのアクロバティックな力技を駆使してきた。現代の政治はそういうものだ。
しかし、そうした腹芸で渡り合える政治家が消えていき、自民党内だけでなく、野党にもいない。
(どうやらアメリカもそうなってきているようで、今の世界的な混乱・危機を招いている)

日本という国の姿を守れるのは政治家ではない。むしろ政治家たちは国を壊滅させる道をまっしぐらに先導、あるいは扇動している

もはやテレビと新聞くらいしか情報源を持たない人たちは、この現実世界のことをまったく理解できないまま、日々、ただただ操られていくだけになってしまった。
ネット上ではまだしっかり自分の意見を書いている人たちがいる。
●統一教会はじめカルトが政権に…… 今、私たちは相当危険な時代に突入している(ブログ カウンセリング赤坂)

●選挙が終わって、私が思うこと(日々予め幸せ)

●民主主義を破壊したのは安倍晋三ではないのか - 今こそ安倍政治と戦う勇気を(世に倦む日日)

……が、これも風前の灯火のように思える。なにしろ安倍氏を国葬にすることが決まったそうだし、改憲への動きも加速することも確実だから。
日本はとんでもなく気持ちの悪い国になってしまった。
そう「怖ろしい」という以前に「気持ちが悪い」。理解不能な気味悪さ。

嘆いても怒っても震え上がっても、一個人としては何もできない。
これ以上書いていても、どんどん免疫力が落ちてしまうのでこのへんにしておこう。
しっかり栄養つけて、これから来るさらなる困難な状況に備えるしかないなぁ。

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「それは別にいいだろ」の精神と「そういう人もいるだろ」という諦観2022/07/20 17:16

『マイルド・サバイバー』が校了して、後は8月8日の発売を待つだけになった。
世の中は8月いっぱいちゃんとまともな状況であり続けるのかしら、何かとんでもないことが起きて本を買うだの読むだのというゆとりさえなくなるのではないかしら……という心配はあるが、手離れしたことで少しホッとしている。

今回の本はいろいろなところで神経を使ったが、あとがき部分を書けただけでも満足している、ということはすでに日記にも記した
特にこの部分かな↓

「それは別にいいだろ」「そういう人もいるだろ」の部分を伝えやすくするためにイラストを描こうと思って、ブラウザで「セーラー服」を画像検索していたら、助手さんが部屋に入ってきて「何やってるの!?」
あ~、いや、仕事(ヽヽ)でね……セーラー服ってどんな服だったかなと思って……ね……。

このゆるさというか、許容性こそが日本の強みだと思うのだが、最近ではその従順さが国の存続を危うくしている感が強い。
mRNAワクチンやDNAワクチンなるものがいかにインチキであり、危険なものであるかということは、この2年あまりの間に世界中で様々な証言、データ、研究発表が出ていて、もはやしっかり情報を集めている人の目には明らかだ。それなのに、日本は今では世界一のワクチン盲従消費国になっている。

なんとか現実に目を向けさせようとしてきた医師たちも、最近ではみんな諦めムードになっている。
例えばこの医師は今も懸命に訴え続けているが、

多くの医師は、今ももちろん危険だと言い続けているものの「それでも打つ人は打つのだから仕方がない」というスタンスになっている。
世の中がここまで壊れてきてしまった中では、この先、家族や友人がコロ枠を打ったことが原因で死んだり、寿命を縮めたりしていっても、それも「この世界の実態」の一つであり、見守るしかないという心境。
 医療従事者が自らが接種されることを拒否し、患者に打つことも止めれば波は最低限でおさまるはずです。
 しかし私は正直、もうそれは期待していません。打つ人は死ぬまで打つでしょう。潜在意識がそれを望んでいるのであり、それが本望なのだと思うより仕方ないように思います。
いしいじんぺい医師のnoteより)
子供は年齢が若い分これからの人生が長いです。コロナワクチンの重篤な後遺症は時には人生を奪うほどであり、命を落とす可能性すらあります。これほど低い有効性のためだけに子供達が命をかける値打ちは果たしてどれほどあるのでしょうか?
通常、治験には健康のリスクと引き換えに高額な謝礼が払われるものです。コロナワクチンに関しては謝礼も支払われない危険な実験に参加する人が何と多い事でしょうか。
荒川央博士のnoteより)
今回のコロナ騒動でよくわかったと思いますけど、信じすぎるのも危険です。
まさか国や医者が悪いこと勧めてくるとは思わなかった人が多かったのではないでしょうか?
疑う気持ちも必要です。
医療なんてウソばっかりですよ。
関根徹医師のブログより)
もう何も言うことは無い。
コメント欄を読めばわかるように、市民の見解と政治家・専門家で構成される大本営の見解が180度異なっていることだけは現実である。
では、その理由とは、なんなんだろう。
1)買収?
2)単にアホなだけ?
どちらなんだろう? いつもそう思う。
1)ならば、いくら啓発活動をしても無駄だけど、
2)ならば、啓発活動を続ける余地はあるのだろう。
長尾和宏医師のブログより)
なぜ、誰も怒らないのだろう?
「私も2回接種したが、効かないとはどういうことだ!効くというから打ったんだぞ!嘘じゃないか!」
「接種したけど、実際俺も感染した!どうしてくれる!」
「感染しやすくなるワクチンを、いまだに推奨してるってどういうことだバカヤロー!」
誰も怒らない。
接種を受けた8割が街で暴動を起こす様子はない。相変わらず、マスクをつけた羊たちが、この炎天下で汗水たらしながら歩いている。

妙な夢の中にいるんじゃないかという気がして、現実感を失いそうになる。
中村篤史医師のnoteより)

↑まさにこの状態。

私もそういう心境であり、そんな状況の中で自分はどう生きていけるのかというテーマに向き合うしかないと思っている。
医師たちは諦観と絶望を抱えながらも、診療や研究という仕事を続けることで毎日を過ごしていくしかない。
目の前の患者が苦しんでいればその苦しみを少しでも緩和できる方法を探りながら寄り添い、研究者であれば、信頼できそうなデータを集めて、今何が起きているのかをより正確に知る努力をする。
そうした定職を持っていない私は何をすればいいのか。
少しでも何かできないか、とは思うけれど、ギリギリのところで発信しても、手応えがないどころか、周囲の人たちが離れていくばかり。
↑こんな風に書くことが精一杯なのだった……

セーラー服を着た爺さんが街の中を徘徊していても、他の人に危害を加えないかぎりは何の問題もない。「それは別にいいだろ」と思う。
食うために稼ぐことに追われ、テレビや新聞以外の情報に触れられない人たちが瞞されて命を縮めることに関しては、悲しくなるけれど、大人なのだから、最後はしょうがないな、と思うようにしている。
ただ、自分の意思で行動を選べない子供が犠牲になるのを見ていなければならないのは、どうしてもやりきれない。
「そういう人もいるだろ」と納得することはできない。だって、子供は親に従うしかないのだから。
どれだけ自分の立場が危うくなろうと声を上げ続ける医師たちも同じ気持ちだろう。

コロ枠を子供に打つのだけはやめてくれと訴える医師たちのことを「信じない」「ごく一部のおかしい人たちがおかしなことを言っている」と考える人たち、特に子供を持つ親たちに言いたい。
医師や研究者が国の施策や業界団体の指示に真っ向から反対することで何か得することはあるのか、と。自分のキャリアが脅かされることはあっても、儲かることも、出世することもない。
その逆はある。嘘をつくことで金が入る、地位が守られる人たちがいる。
単純に考えて、どちらの言い分を信じるのか?

子供を愛しているなら、どんなに忙しくても1日時間をとって、「打て」と言う医師や「専門家」たちの根拠とするデータと、「打つな」と訴える医師たちが示す根拠とデータをしっかり比較してほしい。どちらが嘘をついているのか。どちらが人の命を救おうとしている医師なのか。先入観を持たずに、しっかり判断すれば、答えははっきり見えてくるはずだ。

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日本はすでに戦争を始めている2022/07/22 16:27

これは前にも書いたが、もう一度書く。
先の選挙でも「戦争絶対反対!」などと叫んでいた人たちが、すでに日本が戦争に参加していることをまったく理解していないという能天気かつオトボケな状況のことだ。

今年4月8日付けで、日本の外務省は8名の駐日ロシア大使館の外交官及び通商代表部職員を国外退去させると発表した
4月8日、森健良外務事務次官は、ミハイル・ユーリエヴィチ・ガルージン駐日ロシア連邦大使を召致の上、同大使に対して、以下のとおり伝達しました。
  1. ロシア軍の行為によりウクライナにおいて多くの市民が犠牲になっていることに強い衝撃を受けている。多数の無辜の民間人の殺害は重大な国際人道法違反であり、戦争犯罪である。断じて許されず、厳しく非難する。即刻全ての露軍部隊を撤収するよう強く要求する。ロシア軍による民間人殺害を否定し、ウクライナと西側によるフェイクと主張する露側のプロパガンダは全く受け入れられない。
  2. こうした状況も踏まえ、我が国として、総合的に判断した結果、8名の駐日ロシア大使館の外交官及び通商代表部職員の国外退去を求める。
これが外務省のサイトに公示された「報道発表」の全文である。

極力簡潔に言いたい。
「戦争反対!」「武力ではなく対話で」と主張する人たちが、なぜ対話の窓口を一方的に閉じて、相手に宣戦布告するような行為を支持するのか?

ウクライナの人権監察官リュドミラ・デニソワがロシア兵による女性暴行の戦争犯罪を根拠なく捏造していたとして、ウクライナ最高会議が彼女を解任した。これは西側メディアも報じている事実である。
これについては当日記でもすでに書いた通りだ。
日本政府は「ウクライナと西側によるフェイクと主張する露側のプロパガンダは全く受け入れられない」というが、その根拠となる報道を西側メディアに流していたウクライナの人権監察官がフェイクの元だった。そのことをフェイクを流した側の当のウクライナ政府自身が認めざるをえなくなったわけだ。
デニソワからもらったフェイクニュースを検証もせずにそのまま垂れ流し続けていた日本のメディアは、これに対してなんの訂正もしていない。 日本政府もなんの見解も示していない。

The move to dismiss Denisova came after outrage about the wording used in public reports about alleged sexual assaults committed by Russians, as well as the alleged dissemination in those reports of unverified information. Despite accusations from Ukraine, the Kremlin has repeatedly denied that Russian soldiers have committed war crimes or sexual assaults during the invasion.
デニソワ解任の理由は、根拠も証拠もなく、扇情的な言葉を使ってロシア軍による性的暴行を公式発表し、喧伝したというもの。こうしたウクライナからの告発を受け、クレムリンは繰り返しロシア兵たちは侵攻に際して戦争犯罪や性的暴行などはしていないと否定し続けてきた。 (Newsweekの記事より)

情報戦争である以上、もちろん双方の言い分に嘘や誇張は含まれているだろう。しかし、極端な嘘をでっちあげていたのはウクライナ政府側であることを、西側の独立系ジャーナリストや元軍人、国連武器査察官といったそれこそ「専門家」たちは指摘していた。
いわゆる「西側諸国」でも、しっかり情報を集めていた人たちは一定数いるので、日本ほど極端には大手メディア(テレビと新聞)に瞞されることはないようだ。熱しやすい西欧諸国の人たちも、さすがにもう「ウクライナ疲れ」が出てきて、ゼレンスキーの嘘に辟易し始めている。
アメリカでは新聞・テレビの報道を信頼している人の割合は2割を切っているとのこと。(https://nofia.net/ より)
今年2月24日、ロシア軍がウクライナ侵攻を開始する前に、プーチン大統領は、なぜこのような事態になったのかということを説明する長い演説を全世界に向けて発信している。
NHKが日本語全訳をWEB上に出しているが、「武力ではなく対話を」と叫ぶ人たちのうち何人がこの演説内容をしっかり把握しているのか。
「対話を」と言うのであれば、当然、最初にすべきことは双方の言い分に耳を傾けることだ。

プーチンの長い説明を極力短くまとめれば、今回の「軍事作戦」の目的は、
  1. 8年間にわたってドンバス(ウクライナ東部地域)のロシア語話者ウクライナ人に対して現ウクライナ政府軍が行っている虐殺行為を終わらせ、その元凶となっているウクライナのナチス化に終止符を打つ
  2. ロシアを守るためにNATOのウクライナ基地化をやめさせる
の2つだ。

この2つの目的のために軍事行動を起こしたこと自体、つまり「手段」の是非はともかく、「目的」そのものが「間違っている」とは私にはとてもいえない。
そもそも、ロシアの軍事行動を非難する人たちは、その前に8年間にもわたってウクライナ政府が自国内のロシア語話者たちの住む地域を爆撃し、生活を破壊し、ウクライナ正規軍の虐殺行為を黙認し続け、結果として1万人以上のウクライナ人を殺してきたことを、なぜ非難しなかったのか。
殺し合いを回避するために決められたミンスク合意を破って、こうした虐殺を始めたのは誰なのか。それを仕組んだのは誰なのか。そういう根本的な原因について、日本政府はまったく関与せず、ただただ傍観を決め、この殺戮行為を仕組んだ者の側についていた。
「話し合い」を無視して、戦争を仕掛けた側に黙って従ってきた。

NATO主要諸国は、みずからの目的を達成するために、ウクライナの極右民族主義者やネオナチをあらゆる面で支援している。
彼らは(訳注:民族主義者ら)、クリミアとセバストポリの住民が、自由な選択としてロシアとの再統合を選んだことを決して許さないだろう。

当然、彼らはクリミアに潜り込むだろう。
それこそドンバスと同じように。
戦争を仕掛け、殺すために。

大祖国戦争の際、ヒトラーの片棒を担いだウクライナ民族主義一味の虐殺者たちが、無防備な人々を殺したのと同じように。
彼らは公然と、ロシアの他の数々の領土も狙っていると言っている。
全体的な状況の流れや、入ってくる情報の分析の結果が示しているのは、ロシアとこうした勢力との衝突が不可避だということだ。

それはもう時間の問題だ。
彼らは準備を整え、タイミングをうかがっている。
今やさらに、核兵器保有までも求めている。
そんなことは絶対に許さない。
NHK 【演説全文】ウクライナ侵攻直前 プーチン大統領は何を語った? より)

日本で「戦争反対!」「武力ではなく対話を」と叫ぶ人たちの多くは、これを読んでも、なんのことだか分からないのではないだろうか。
かく言う私自身、今回のロシアの軍事行動が始まるまではちゃんと分かっていなかったことを告白しなければならない。
しかし、これだけ世界中を巻き込んだ大問題となった以上、学ばなければならない。
フェイク報道やプロパガンダが入り乱れる情報戦争の中から、事実だけを選び出して、なぜそういうことになっているのかを分析するのは簡単ではない。しかし、普通の頭で考えれば分かることがたくさんある。
数年前のことであっても「歴史的事実」として認識されつつある事柄がいくつもある。
そうした基本事実さえ知らないまま「戦争反対」を叫んでいるだけの人たちは、「マイダンクーデター」も「アゾフ大隊」も「ハンター・バイデン」や「ビクトリア・ヌーランド」も知らなかったりする。「ミンスク合意」さえも内容を把握していない人がいる。そういう人が政治家の中にも大勢いる。
その結果、多くの日本国民は、日本がすでにこの戦争に参加していることが理解できない。
現代の戦争とはどういうものかを理解していない。武器を使って殺し合いをすることだけが戦争ではない。その戦闘を援助することや、一方の側のプロパガンダだけを流してもう一方の主張を検証することもなく完全否定することは、戦争に参加していることだ。
ましてやロシアの外交官を国外追放するなどという行為は「宣戦布告」そのものである。

日本が今すぐにアメリカベッタリから抜け出して中立的な立場をとるなんてことは無理だということは分かる。だからこそ、政治家はアメリカに対して面従腹背の腹芸でウダウダと渡り合い、時間稼ぎをする技術が必要だ。
ロシアに対してもそう。
「アメリカに言われちゃってるんですよ。おたくに対しての経済制裁とやらをしろって。うちはアメリカさんに逆らえない立場だって分かるでしょ? なるべく影響のないような形で演出しますから、そこんとこは、ロシアさんも大目にみてくださいな。はい、もちろんロシアさんと喧嘩しようなんて思ってませんから。これからもよろしくお願いしますね。あ、これはここだけの話ですよ、もちろん」
……こういうスタンスで外交官レベルの「話し合い」をすることが、戦争を回避し、国を守る政治なのだ。
最先端戦闘機100機より、そういう腹芸交渉ができる優秀な官僚や政治家一人のほうがはるかに強力な「防衛力」となる。

かつての自民党には、そうした腹芸を当然の政治手法として認識し、実行した者たちがいた。自民党ができる前の吉田茂はその代表だろうか。吉田茂の時代はとにかく実質はアメリカが統治国だったから、日本という国の体裁を繕いつつ、多くの理不尽な要求を呑み込みながらも、じわじわと力をつけていくという戦略しかなかった。
日本が経済成長を果たした後も、宮沢喜一や野中広務といった政治家は最低限の良識をわきまえ、常に「アメリカを怒らせない」ことと「日本が戦争に巻き込まれない」ことのバランスを考えた国防を考える政治家だったと思う。
しかし今の自民党上層部はカルト狂信者の集団になってしまっている。
国のトップがアメリカや極右カルトに操られるという構図は、今のウクライナ政権と非常に似ている。
このままでは、日本は西側諸国の中では「いつでも戦争の駒として利用できるチョロい国」として見なされ続けることになる。
ロシアや中国からはすでに「話相手にすらならないオバカな国」と見られている。相手にされていないことが、今はむしろ相手を本気にさせないという皮肉な効果を生んでいるかもしれないが、緊迫した場面が訪れればもちろん相手は容赦してこない。

これほど危険なことはない。

これからは、アメリカ一国支配のパワーバランスは急速に崩壊していくだろう。自暴自棄になった大国に捨て駒のように使われる日本という構図だけは避けなければならないが、日本は自らそうなろうとしているようだ。



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