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『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』

『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』

(2012/04/20発売 岩波ジュニア新書本)…… 3.11後1年を経て、経験したこと、新たに分かったこと、そして至った結論
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裸のフクシマ

『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(たくき よしみつ・著)

(2011/10/15発売 講談社 単行本)…… ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。
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こんな「除染」はやってはいけない2011/12/04 11:34

「除染」によって住民の内部被曝危険性が増している

郡山市の市民が、「放射性物質の除染作業による被曝から守るため市民に除染作業をさせない事を求める署名」というのを始めた。⇒こちら

背景には、「除染」を巡って戦時中の隣組的な社会が形成され、子供を含めた多くの市民が「除染活動に参加させられることによる内部被曝の危険性増大」に直面しているという実態がある。
このブログこのブログにも記されているように、除染が大規模にかつ効率的に「儲からない」都市部では、「除染」は市民に丸投げされる傾向があり、それに参加しないと「自己中心的な人間だ」と、隣人たちから糾弾されるという図式ができあがってしまっているのだ。

//お父さんや家族の都合が悪ければ、お子さんを連れて除染に行くのだそうです。行かなければ、協力的でないと後ろ指をさされます。なのでお母さんが行くのだそうです。//

//地域のために皆がんばることなので、手伝わない人は非国民扱いで村八分だそうです。
若いお母さんなどは、乳幼児の我が子から目が離せないのですが、でも参加しなくてはならず、幼い子どもを連れて除染作業に参加するそうです。//


この「みんなと一緒に足並みを揃えない者は非国民」的な空気が形成されてしまうことがいちばんの問題。
福島県内では、3.11以降、あちこちでこうした事態が起きている。
被爆を避けて県外に移住すると「逃げ出すのか」と罵られたり、除染をする、いや、下手に引っかき回すとかえって被曝するからしない、という言い争いもあちこちで起こっている。

何度も書いているように、いちばん怖いのは内部被曝。
「除染」作業の現場というのは、土やアスファルト、コンクリートにこびりついている放射性物質を再び空中や水中に解き放つということをしているわけで、それを吸い込んだり呑み込んだりする危険が一気に増すのは自明のこと。
しかし、「除染」は今やこの国で最大の国策事業、莫大な税金が投入される公共事業になってきており、自治体(地方行政)はもちろんのこと、失業した労働者、建設会社、土建会社、清掃会社、森林組合、商工会……ありとあらゆるところから「雇用が回復できる魅力的な事業」として見られている。
除染作業従事者養成講座的なものに、土建会社や清掃会社、はてはリサイクル業者などが殺到しているが、その講座を仕切っているのが、今までさんざん原発建設を進めてきた原子力ムラの連中だったりするのだからやりきれない。

「除染」現場に駆りだされた母親たちは、重機を使えるわけでもなく、土の削り取りや運搬、草むしり、側溝掃除などを手作業でやらされる。付着して、ある程度安定していた放射性物質は再び拡散するから、それを吸い込んだり呑み込んだりする可能性が増え、除染の現場では普段より余計に被曝する。
水をぶちまけて流せば、水が流れていく場所が新たに汚染を増すだけのこと。
剥ぎ取って集められた土は、公園や空き地の隅に穴を掘ってひっそり埋められる。表土を剥ぎ取った場所の空間線量は下がるが、そこにあった放射性物質はどこかに移動しただけ。
もはや、どこにどれだけの汚染物質が埋められたのか、あるいは流されたのか、分からない状態。

これが都市部の「除染」の実態だ。

では、莫大な税金が投入され、除染実験が始まった農村や森林地帯はどうか。
人が入らない森林を伐採するなどということをしたら、水源が涸れ、かつ、余計な地下水汚染を引き起こしかねない。
ところが、そういうことを理解していないのは素人だけでなく「専門家」と呼ばれる人たちも同様で、「森林を伐採しないと、放射性物質が里に流れ出して汚染を広げる」などと言い、それを恐れた住民が、森林を全部伐採しろと叫んでいるような状況だ。
こうして除染という名の森林伐採が押し進められている。こちらのほうが、人の目につかない場所で大規模に行えるために、関係業者は大きく、効率的に儲けやすい。

川内村の我が家周辺は、今、大量の落ち葉で埋もれているが、線量は少しずつだが確実に減ってきている。もちろん除染などしていない。
雑木林や唐松林など、落葉樹の森林は、3月には葉っぱをつけていなかったので、今の落ち葉にはほとんど放射性物質が付着していないのだ。
一部の「専門家」は、樹木が土中の放射性物質を吸い上げて葉に蓄積させる云々と言っているが、どうやらその話もいい加減で、やはり降り積もった放射性物質のほとんどは、土の表面から5cmくらいの層に溜まっているのだろう。
そこに新しい落ち葉が落ちて、落ち葉の層を形成していくので、多少は放射線がシールされているのかも しれない。
もちろん、ガンマ線はそんなものもろともせず突き抜けるが、毎年これを繰り返していけば、土中の放射性物質は少しずつ地下に潜り込んでいくのだろう。だが、数メートル下には到達しないだろうから、放っておいても地下水脈は無事なはずだ。そこに深い穴を掘って汚染物質を埋めたりしない限りは……。

程度の薄い汚染地帯は、下手に引っかき回さず、何もしないほうがいい。
ベラルーシまで行って、チェルノブイリ事故後の汚染地帯がどうなっているかを実際に見てきた「視察団」の人たちも「森は除染できない。しない」と明確な答えを得てきたはずだ。

それでも無理矢理進めていけば、放射性物質入りの土埃や粉塵を吸い込んで、作業員は確実に内部被曝する。
大変な健康危機と税金と引き替えに森林伐採、表土削り取りが進むと、森が死滅し、農地は使いものにならなくなる。保水力を失った山は土砂崩れ、水害発生源となる。養分の多い表土を剥ぎ取られた農地は荒れ果てる。
もちろん、山の保水能力の低減で渇水も起きる。
放射能汚染に加えて、取り返しのつかない環境破壊の連鎖が、今、人間の手で進められようとしている。

こんなとんでもない国に、我々は住み続けなければならない。自分の命を自分で守りながら。
これは大変なことだ。
みんな、自分の命や暮らしを守ることで精一杯だが、とりあえずは、郡山市など、都市部で起きている「除染隣組」には声を上げないと。
このままでは、人間の余計な所業によって、汚染地帯に住まざるをえない住民の内部被曝の被害がどんどん増えていく。

汚染地帯に暮らす母親たちには、勇気を持って「私は除染作業には加わりません」と、拒否姿勢を貫いてほしい。あなただけでなく、子供たちを守るために。

福島県は県民を見殺しにした2011/10/16 11:39

県が調査・計測していたデータには、3月12日時点ではっきりと汚染がシルされている

国より早く3月12日朝に、県は自ら空間線量を調査し、北西方面大汚染を知っていた!

朝日新聞に前田基行記者が『プロメテウスの罠』という記事を連載している。
その中の「防護服の男」と題されたセクションにこういうシーンが出てくる。
浪江町津島地区に住んでいた菅野(かんの)みずえさん(59)が、3月12日の夕方、自宅の前で防護服を着た二人の男を見つける。男たちは切迫した表情で「なんでこんな所にいるんだ! 頼む、逃げてくれ。放射性物質が拡散している」と叫んだが、すぐにどこかへ去っていった。

この記事は現在ネット上のあちこちに転載されている。例えば⇒ここ で読める

この記事の中に、驚くべき記述があった。

//福島県は、事故翌日の3月12日早朝から、各地域の放射線量を計測している。

同日午前9時、浪江町酒井地区で毎時15マイクロシーベルト、高瀬地区では14マイクロシーベルト。
浪江町の2地点は、ほかの町と比べて、異常に高い数値を示した。
1号機水素爆発の6時間以上も前で、近くには大勢の避難民がいた。

これらの数値は、6月3日に経済産業省のHPに掲載された。
しかし、HPにびっしり並ぶ情報の数字の中に埋もれ、その重大さは見逃された。//


最初これを読んだときは、時系列が間違っているのではないかと思った。
3月12日早朝といえば、1号機が水素爆発する前のことだ。その時点ですでに15μSv/hなどという数値が観測されていた? しかもそれは県が計測していた? 何かの間違いではないかと思ったが、本当だった。
この元データは、文科省ではなく経産省のサイトに今も置いてある。普通にはなかなか見つけられないような場所で、最初からそこにあると知らなければまず気がつく人はいないだろう。
⇒これ だ。

冒頭の画像はその一部である。(クリックで拡大)
翌3月13日には、南相馬市原町区、小高区の数か所で計測限界の30μSv/hを振り切るとんでもない数値が計測されている。
経産省のサイトに掲載されたのが6月3日。それまで3か月近くこのデータは隠されていたことになる。
重要なのは、この計測は国ではなく福島県が行っているということだ。
文科省がサーベイカーを出して原発から北西20km地点に走ったのは3月15日夜のことだ。県はそれより3日も早く、1号機が水素爆発する前に、県内が大変な放射能汚染をしていることを自らの調査で知っていたのだ。

県は3月11日の時点ですでに国からSPEEDIのデータを受け取っている。しかし、そのデータは隠されてしまった。
隠したものの、相当慌てて、3月12日に大熊町、富岡町、浪江町などで放射線量計測を始めたのだろう。結果、すでに取り返しがつかないほどの放射性物質漏れがあることが分かった。
それでも県は、原発の周辺自治体に何の指示も出さなかった。
しかも、この、重大な放射能漏れを日本でいちばん早く察知していたであろうデータを隠してしまった。
これはもう、未必の故意による殺人罪に匹敵する犯罪と言える。
福島県は、県民の命を守るつもりがハナからなかったのだ。

 

ガイガーカウンターを買うならSOEKS 01Mがよい2011/09/03 22:56

左は壊れてしまった1706
表の「阿武隈日記」に書いたのだが、このブログだけ読んでいるかたも多いと思われるので、実用情報として、ガイガーカウンター SOEKS 01M の情報を。
我が家に届いたガイガーカウンターとしては、これが5台目のガイガーカウンター。
1台目はロシア製のRADEX RD1706で、これはとても扱いやすく、性能もよかったのだが先日壊れてしまった。
RADEXの製品の中ではGM管を2本搭載している上位機種だが、3月13日にイギリスのショップに注文して、2万円台で購入できた。直後に世界中で品切れ。一時期はアマゾンやeBayで10万円を超える値段で出品されていた。今はSOEKS 01Mが大量に出回ってきたことを受けてか、5万円くらいにまで下がってきたようだ。
2台目は同じイギリスのショップで注文したクラシックなやつだったが、すぐに壊れたので返品・返金してもらった。
3台目は、実は最初に国内のショップに注文したもので、受付後に「申しわけありませんが……」と品切れを知らせるメールが来て、その後2か月以上経ったら突然送られてきた。これがRD1503という、最初に入手したRD1706の廉価版というか、普及版。今出回っているRADEXはほとんどがこれ。事故前の価格(2万円台後半)で買えたし、1706のスペアとしてそのまま持っていた。その後しばらくしてRD1706が壊れてしまったので、結果的には助かった。
1706に比べると、GM管が1本しか入っていないのと、測定範囲が2桁狭い(最高が1μSv/h)のが欠点だが、扱いやすさは評価できる。
4台目は、興味本位?で買ったクラシックなガイガーカウンター。これは表日記でも紹介済み。ほとんど趣味の品なので、実用性はほとんどない。目下ヤフオク出品中。
で、5台目が今回のSOEKS 01M。これはRADEXと同じGM管を1本使っている。従来のSOEKS 01に比べるとGM管が大型化して、回路も新設計になっている。まったくの「別物」と言える。つまり、「M」がついていない機種は買ってはいけない。現在も旧製品のSOEKS 01は売られているので注意。

↑上が旧型、下がSOEKS 01M。GM管の大きさがまったく違う

旧型は中国製のDP802iやBS2010と同じ中国製の小さなGM管を使っているらしい。これはSOEKSとしては、本格製品化する前のテスト版みたいなものと言えるのではなかろうか。
Mがついた新型では、TERRA-P,RADEX1503,RADEX1706(GM管を2本装備)と同じSBM-20-1 というガイガーミューラー管を使っている。

↑左からTERRA-P、RD1706、RD1503、SOEKS 01M すべて同じGM管を使っている(RD1706は2本)

このGM管は、セシウムではなくコバルト60の値でCPM(1分間に飛び込んでくる放射線の数)をシーベルト値に換算していると言われている。そのため、表示数値が現在の日本(要するに福島第一原発からだだ漏れになっている放射性物質=いちばん多いのはセシウム134と137)では実際より高めに出るので、0.7~0.8を掛けたくらいの数値が実際の数値に近いらしい。
実際に使ってみると、同じGM管を採用しているRADEXの1503に比べると測定値が頻繁に上下する。これは悪いことではない。それだけ高い頻度で測定しているからだ。今は壊れてしまったが、上位機種の1706と同じような傾向。
小さくて軽いし、液晶も見やすい。
人気の高いRD1706と比べての欠点は、
  1. アラーム音の閾値設定にバグがある(実際の3倍の値を設定する必要がある)
  2. 放射線量の高さに比例してアラーム音が変化するわけではない(閾値を超えると一定の間隔での音がするだけなので、あとは数値の変化に注目することになる)
  3. バックライトのカラー液晶を使っている分、バッテリーの減りが早い
……といったところ。
しかし、2万円台で大量に売られているので、簡単に手に入る(アマゾンならたいてい翌日には届く)し、癖を分かっていれば極めて信頼できる性能なので、目下、一推しだろう。失敗したくない、高い金を出したくないという人には最も安心してお勧めできる。

注意点は閾値設定にバグがあり、実際に設定したい閾値の3倍の数値を設定する必要があること。
例えば、閾値を1.2に設定すると、0.41μSv/hを超えると警告音が鳴る。
これはおそらく、旧型より計測速度が3分の1に(3倍速く)なった(改良された)ことと関係があるのだろう。計測速度が3分の1になったのに連動して警告音閾値も3分の1に計算されてしまうようなバグが残っていると思われる。
まあ、その程度のバグなら、最初から3倍の値を設定しておけばいいだけのことだ。
1.5μSv/hに設定すれば0.5μSv/hを超えたところで鳴るし、1.8μSv/hにしておけば、0.6μSv/hを超えたところで鳴る。

バッテリーの減りが早いという欠点は、エネループなどの充電式電池を使うことである程度解消できる。エネループはかなり寿命が長いし、本体からバッテリーを外さなくてもUSB端子から充電もできる。
充電式電池を使った場合は、本体の設定MENUの「Power」で、Accumulators を Yes に設定しておく必要がある(デフォルトではNoになっている)。逆に、普通の電池を使っている場合、これを Yes にしてはいけない。
USB端子が付いているが、これは電源供給機能のみで、将来、ファームウェアのバージョンアップがこれで行えるというような仕様にはなっていない。ただの外部電源端子だと思えばよい。

頻繁にバージョンアップしているが、最新バージョンは1.CLで、これは2011年の最終バージョンだとメーカーサイトで宣言している。
バージョンは2系統あり、古いほうから順番に、

1.2, 1.3, 1.4, 1.5, 1.6, 1.7
(2010年6月11日製造まで)

1.8, 1.9, 1.AL, 1.BL, 1.CL
(2010年6月11日以降の製造)

の2系統。
古いほう(バージョン1.7まで)は、液晶画面左側のバーが1つしかついていない。
このバーの左側は、計測時間を示すもの。バージョン1.8以降の01Mは10秒で1回計測している。
で、バージョン1.8以降では、
  • 計測が毎30秒から毎10秒になって計測速度が3倍になった
  • 10秒ごと(1計測ごと)に左から2番目の黄色いバーが伸びて、12回計測でフルになる
  • 表示される計測値は過去12回の平均値が表示される(旧バージョンでは1回ごとの計測値が表示されたので変動が激しかった)
  • 計測値が突然それまでの3倍になったり10分の1に減ったりした場合、この過去の平均値は一旦リセットされ、計測し直しになる
  • このような急激な変化があった場合、液晶画面の右側に赤い矢印2つ(上昇)や緑の矢印2つ(減少)が表示される
  • 計測値が過去平均より30%以上増えたり減ったりした場合は、赤い矢印(上向きか下向き)で表示する。この場合は過去平均値はリセットされない
  • 放射性物質検出が頻繁にある場合は、小さな四角いアイコンが黄色と赤に点滅。ほとんどない場合は黄色のまま点灯

……というのが変更点。これは、新バージョン製品についてくるマニュアルにも書いていないことなので、知っておく必要がある。
なお、今出回っているのはバージョン1.BLか1.CLが多いが、バージョン1.BLと1.CLの違いはほとんどない(USBをつないだときの電源表示のアイコンが微妙に違うだけらしい)ので、1.BLのほうが安く出ていればそちらを買ったほうがいい。
注意したいのは、バージョン1.7以前のSOEKS 01Mは避けること。MのついていないSOEKS 01は買ってはいけない。

↑矢印のバーが、バージョン1.8以降加わった


バージョン1.8からの変更点が、添付のマニュアル(ロシア語と英語)に書かれていないのが問題。
日本語マニュアル添付として売られているものも、この古いマニュアルをそのまま日本語訳しているので、やはり上記の変更点については書いていない。また、閾値のバグについても、書かれていない。

ということで、面倒な人は以下のようにすることをお勧めする。

1)購入したら電池はエネループの単4×2本にする
2)電源投入(真ん中の大きなボタンを長押し)後、Measuring と Main Menu を選択する画面に切り替わったら(英語表示になっている場合)、左のボタン(カーソル移動ボタン)でMain Menuを選んで右のボタン(決定ボタン)でメニューに入る
3)まずUnits(単位)をSievertに変更(決定⇒カーソル移動⇒決定後に真ん中のMenuボタンで戻る)
4)元の画面に戻るので、同じことをしてSettings(各種設定)に入り、Level mcSV/h を選んで、アラームを鳴らしたい閾値の3倍の数値を選んで決定(3倍にしないといけないのはバグ)
5)同様にSound設定画面に入り、Sound On は Yes、Sound Toneはお好みで(数字が大きいほど高音)、Keypad Tone(ボタンを押したときに音がするかしないか) は No(がうるさくなくてよい)、Sensor Soundは No(そうしないとうるさい)、Alarm Sound はYes、Volumeはお好みで(Hiにしておいたほうが気づきやすい)
6)次にSettingsのPowerに入り、エネループなどの充電式電池を使っている場合は Accumulators をYesにする。Auto Off,min. は液晶が消えるまでの時間(分)。私はその下のAlways On をYesにしてある(常時表示)ので、このオートオフは関係ない。バッテリーの減りを遅らせたい場合はここをNoにして、液晶オフまでの時間を設定しておく

以上でOK。

結論として、現在売られているガイガーカウンターでは、SOEKS 01Mが最も入手しやすく、まともに使えるモデルだろう。表示される数値のおよそ0.7掛けか0.8掛けが正確な数値と思っていればよい。
ベータ線も計測できるので、もし地表に近づけて大きく数値が上がる場合は、そこにセシウムが付着していてβ崩壊しているということを示す。腰の高さ以上で計る場合は地表からのベータ線の影響はほとんど受けないので、0.7を掛けたくらいが空間線量だと思えばよい。


(2011/12/14 追記)
一時期、とんでもない値段をつけていたRADEXの1503と1706が、ようやく3.11以前の価格に戻ってきた。
バッテリーの持ちなどを考えると、RADEXはSOEKSより使いやすい。使われているGM管は同じ。
たまに計るだけの人はSOEKSでいいが、汚染地域で電源を入れっぱなしにしていたい場合などは、RADEXをお勧めする。GM管を2本搭載している1706は、高価だが測定時間が早い。測定可能範囲も1503より2桁高いので、汚染地帯に住む人や汚染地帯に足を踏み入れる人は最低限これくらいのものを持っていたほうがよい。

   

児玉龍彦氏が警告する低線量被曝、内部被曝による癌発症の危険性・追補2011/07/30 11:39

 2011年7月27日、衆議院厚労委員会に参考人として招致された児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長は、声を震わせ、ときに絶叫しながら、政府の無策への怒りを爆発させた。わずか16分の中で、彼は多くの重要な指摘をしたが、その中で内部被曝についての部分を抜き出して、少しでも我々素人にも理解できるよう、噛み砕いた表現で要点をまとめてみる。

 私の専門は人間の身体にアイソトープを打ち込んで癌の治療をするというもの。内部被曝に関しては最も力を入れて研究している。
 内部被曝のいちばんの問題は癌を引き起こすこと。DNAの二重らせんが切断されることが引き金になって癌ができる。DNAの二重らせんは細胞分裂をするとき1本になってから2倍になって4本になる。このときが非常に危険。だから、細胞分裂が盛んな胎児、幼児は放射線障害を受けやすい。大人では細胞の増殖が盛んな部位が影響を受けやすい。
 中でもいちばん怖いのはアルファ線の内部被曝である。
 具体例としては、トロトラストというドイツのハイデン社が発売した二酸化トリウムを使ったエックス線造影剤が出すアルファ線が原因で20年後、30年後に癌になる「トロトラスト肝障害」などは、私たち医者は誰もが知っている。
 内部被曝については、何ミリシーベルトという数値で議論するのはまったく意味がない。
 ヨウ素131は甲状腺に集まる。トロトラスト(に含まれていたトリウム)は肝臓に集まる。セシウムは尿管上皮や膀胱に集まる。これらの体内の「集積点」を見なければならない。だから、全身をスキャンするホールボディカウンター検査をいくらやっても意味がない。
 ヒトゲノム計画の完了によって人の遺伝子配列は全部分かっているが、人間の遺伝子配列は個人によって約300万箇所違う。現代の最先端医学では、人間はみな同じとみなして遺伝子異常を研究することはしない。
 放射線によってどの遺伝子がやられて、それがどう変化するかというのを見ていかないといけない。トロトラストのアルファ線障害の場合、P53という癌抑制遺伝子が異常を起こすことが引き金になって、20年から30年後に肝臓癌や白血病が起きることが分かっている。
 同様にヨウ素131は甲状腺に集まるため、甲状腺形成期にある成長期の子供が影響を受けやすい。
 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故以後、子供の甲状腺癌が多発していると初めて報告したのはウクライナの学者で1991年のことだったが、それに対して日本やアメリカの学者は「因果関係が証明できない」とネイチャー誌に投稿して否定しようとした。
 1986年以前の正確なデータがないから証明できないという論旨だったが、それから20年経過して、甲状腺癌発症のピークが消えたために、ようやくこれはチェルノブイリと関係があると統計学的に証明された。
 このように、放射線と癌の関係を疫学的に証明することは非常に難しい。長い時間が経過するまで証明はほとんどできない。
 だから、今我々に求められていることは、そんな時間の経過を待つことなく、とにかく子供を守るということ。
 日本バイオアッセイ研究センターの福島昭治先生が、長年、チェルノブイリ事故後、周辺の汚染地域で、主に尿路系(膀胱、尿道など)に蓄積されているものを調べ、発癌の関係を研究していらっしゃる。
 福島先生がウクライナの医師と協力して、前立腺肥大手術のときに500例以上の膀胱サンプルを検査したところ、高濃度汚染地区では、尿中に6ベクレル/リットルという微量のセシウムが検出された。この地域ではP53遺伝子の変異が非常に増えていて、しかも、増殖性の前癌状態(ある組織に癌ができる前に、癌に先立って介在する病変)が起きている。これによって増殖性の膀胱炎が起き、かなりの率で上皮内の癌もできているということが報告されている。
 一方、福島に住む母親の母乳からは2~13ベクレルのセシウムが検出されているとすでに報告されている。この現実には愕然とするしかない。

 この最後の部分、日本バイオアッセイ研究センターの福島昭治氏の研究については、7月26日の東京新聞夕刊に掲載された『論壇時評 放射能との闘い』(金子勝)でも紹介されているので、その部分を抜き出す。

児玉龍彦「『チェルノブイリ膀胱炎』 長期のセシウム137低線量被曝の危険性」(『医学のあゆみ』7月23日号)によれば、日本バイオアッセイ研究センター(神奈川県)所長の福島昭治博士らによって、前癌状態である「増殖性の異型性変化を特徴とする『チェルノブイリ膀胱炎』」が発見されている。
 そして、「すでに福島、二本松、相馬、いわき各市の女性からは母乳に2~13ベクレル/kgのセシウム137が検出」されており、この濃度は、福島博士らが調査した「チェルノブイリの住民の尿中のセシウム137にほぼ匹敵する」。
「そうすると、これまでの『ただちに健康に危険はない』というレベルではなく、すでに膀胱癌などのリスクの増加する可能性のある段階になっている」と警告する。

 福島昭治氏の論文は、一部、WEB上でも読めるので、ひとつを紹介しておきたい。

 ウクライナのチェルノブイリ原発事故後、周辺汚染地域では過去15年間で膀胱癌の発生頻度が約1・6倍に上昇したと報告されている。その原因として現在も土壌中に残存する低レベルCs137の長期間暴露が考えられる。我々は臨床的に膀胱がん症状のない汚染地域住民の膀胱粘膜に、上皮異形成や上皮内がんを含む膀胱がんの発生率が、汚染地域住民の24時間尿におけるCs137(セシウム137)レベルにほぼ比例して上昇していることを見いだした。
 我々はまた、汚染地域住民の膀胱に上皮異形成や粘膜内癌を高頻度に伴う特異的な慢性増殖性膀胱炎を見いだしチェルノブイリ膀胱炎と命名した。その膀胱病変においてはp53、p21、サイクリンD1等、様々な癌関連遺伝子が異常発現していると共にiNOS、 COX2なども異常発現しており、この地域の膀胱病変発生には酸化的ストレス傷害が深く関与することを証明した。
 さらに、原発事故後に認められた膀胱癌が事故前に同地域で得られた膀胱癌と比べp53遺伝子変異頻度が有意に低く、この地域の膀胱癌発生のメカニズムが一般的な膀胱発癌と異なった経路で発症する可能性が示唆されたため、近年その異常発現がヒト膀胱発癌に深く関与すると考えられているgrowth factor receptorの発現を免疫組織学的に検索した。
 その結果、抗FGF-R3、抗EGF-R1、抗EGF-R2抗体について汚染地域の症例は非汚染地域症例に比べ有意に高い染色性を示し、汚染地域住民の膀胱粘膜病変の発生にはこれらgrowth factor receptorの発現も関与していることが判明した。以上、これまでの研究によりチェルノブイリ原発事故後の周辺汚染地域住民には膀胱癌が多発する傾向にあり、またその発生原因に関しては現在一般的に考えられている膀胱発癌経路と異なった経路で発生する可能性があることが示された。
(科学研究費補助金データベース http://kaken.nii.ac.jp/d/r/00137077 より)


 本当に残念なことだが、3月15日以降、1Fの北西に留まっていた人たちは、かなりの内部被曝をしてしまっている。ヨウ素を身体に入れてしまった子供たちは特に心配だ。
 我々は、人類史上初めてと言ってもいい規模の被曝実験動物になってしまった。

以下は、児玉龍彦氏が7月27日の衆院参考人招致証言で使った解説資料(児玉氏のフェイスブックより http://www.slideshare.net/ecru0606/ss-8725299)
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自殺者が出た相馬市玉野地区の場合2011/06/14 14:36

相馬市玉野地区はグレーの矢印
昨日(6月13日)午後、某大手新聞社の記者さんがわざわざタクシーで川内村の我が家まで来て取材をしていた。
ちょうど飯舘村の話をしていたところに、上司からケータイに電話が入った。
「飯舘村で酪農をやっておられたかたが自殺したそうで、今から急遽取材に向かうことになりました。すみません、ここで」……と、我が家を後にした。
ネットで検索したが、まだニュースにはなっていないらしくて分からなかった。唯一見つけたのが⇒こちらのブログ
これのことだとすると、飯舘村ではなく「飯舘村に隣接した相馬市の玉野地区で酪農を営むKさん(55歳)」ということになる。
一夜明けて、各報道機関が記事を配信し始めていた。やはりこのことだったらしい。

このKさんが置かれていた状況については上記のブログに、報道記事よりずっと詳しく、正確に書かれているのでそちらを参照していただくとして、ここでは、もっと基礎的な情報を補完しておきたい。

まず、この相馬市玉野地区の場所だ。
本ブログでも以前に紹介した「汚染マップ」で示すと、グレーの矢印のところだ(上の図。クリックで拡大)。
飯舘村に隣接、というより、「霊山の東側」と言ったほうが福島県民には分かりやすいだろう。
3月14日の2号機、3号機から出た大量の放射性物質が北西に流れたことにより大汚染があったわけだが、この高濃度被害エリア北端あたりになる。すぐ北には宮城県丸森町があり、そのへんまでかなりの濃度で放射性物質が降下した。
しかし、ここは第一原発30km圏のはるかに外だから、東電の補償仮払金(二人以上の世帯は100万円、単身世帯には75万円)の対象外。計画的避難区域にも指定されていないので、義援金も渡りにくい。
相馬市のサイトを見たところ、義援金の分配方法は、

国の義援金:死亡者、行方不明者ともに一人あたり35万円
     :家屋の全壊・全焼:35万円、半壊・半焼:18万円
県の義援金:1世帯5万円

……とあった。おそらくKさん一家は、最後の県からの義援金5万円しか受け取っていないと思われる。
あまりにも高濃度の汚染をしているため、相馬市では玉野地区で避難を希望していた数世帯には、福島市内に避難先の住宅を用意したようだが、Kさんの場合、妻子はフィリピンに逃げてしまっていたし、一人だけこの地に残って、毎日搾った牛乳を捨てていたというのだから、そうした対応のレベルをはるかに超えた地獄を見ていた。疲弊しきってしまうのは当然だ。

僕がいちばん納得がいかないのは、こうした人たちに東電から一銭も払われていないことだ。
東電が補償金仮払いの基準を決めたのは4月下旬で、対象は第一原発から半径30km圏内の世帯。
単身世帯は75万円、それ以外は一律100万円。
これをめぐっては興味深い話がたくさん出ているが、ほとんどニュースになっていない。
例えば、親・子・孫の3世代10人家族が一世帯を形成していた場合も、子供のいない夫婦一世帯も、同額の100万円というのはどういうことか、という苦情が出る。当然だ。
さらには、10人家族でも、5人の子供が全員独立して別世帯を形成していた場合はその世帯別に100万円だから、10人家族全体に支払われる総額は600万円になる。一緒に住んでいると100万円で別々に暮らしていれば600万円とはどういうことか、という苦情が出る。これまた当然だ。
さらに興味深いのは「30km圏内」をめぐる攻防だ。
田村市の一部では、集落の一部、数世帯だけが30km圏内に入り、残りの世帯は30km圏外になった。被災状況において何が変わっているわけでもないご近所同士が、かたや100万円もらえてかたやもらえないことになるとは何事か、というクレームが出て、30km圏の外にはみ出したエリアが30km圏内の「緊急時避難準備区域」に組み込まれた。
一方、いわき市の一部は30km圏内に含まれているが、いわき市では風評被害対策からか、この30km圏の部分を外してくれと言って、緊急時避難準備区域から外させた。このエリアはそこそこ線量が高いのだが、現在は無指定地域だ。
その結果、現在、「○○区域」という区分けは下の図のようになっている。
(↑クリックで拡大)

赤い矢印部分は「30km圏内に入れてくれ」エリア(田村市の一部)、青い矢印部分は「30km圏から外してくれ」エリア(いわき市の一部)である。
赤い矢印の出っ張ったエリアも、青い矢印の引っ込んだ部分も、東電仮払金の対象になっているし、避難用住宅の用意などもしてもらえているという。
そもそも、福島県内の避難者用住宅、施設などは現在余っている。汚染が軽く、地震被害もなかった無傷の家に戻って生活しながら、ときどき避難用住宅(戸建てや民間アパート、あるいは温泉旅館など)に出向いては別荘代わりに気分転換を図ったり、無料の食事を楽しんだりしている「被災者」もいる。
自宅は「緊急時避難準備区域」にあって避難場所の市街部よりも低線量。家は無傷だから、いつでも帰れる。個別の避難者用住宅も空いている。それなのに、「ここにいれば食費や光熱費がかからないから」という理由で集団避難所から出て行こうとしない人たちもいる。
それに対して、南相馬市や相馬市の西側、汚染がかなりひどいエリアは、仮払金ももらえていないし、避難や引っ越しの援助もほとんどないまま、毎日、高濃度被曝に耐えながら、搾った牛乳を捨てたり、農作物を処分したりといった虚しい作業に追われているのだ。
今回の自殺者は、そうした「無視された高濃度汚染地域」で起きたということを知っておいてほしい。
このエリアが、飯舘村や葛尾村同様、今まで原発の恩恵を受けずに自力で頑張ってきた地域であるということもぜひ覚えておいてほしい。

その後、この記事は削除されていた。おそらく、これ以上、地域がマスコミやネットに引っかき回されることにうんざりしたのだろう。無指定地区にとっては、何の援助もないことに加えて、現状以上の風評被害、メディア報道による興味本位な視線に晒されるストレスなど、二重三重に苦しめられる。ここにこう書いていることもとても心苦しいが、やはり、東電事故の実態を多くの人に知ってもらうことは必要なことだと思うので、悩みながらも書いている。

現在の放射能汚染状況が「1960年代と同水準」は明らかな間違い2011/05/30 13:06

セシウム137の積算蓄積量評価図(文科省とDOE合同の調査による)
今日こそは普通に仕事をしようと思っていたのだが、朝から気になるメールが舞い込んだ。
産経新聞あたりが、「1960年代の方が、現在よりも放射性降下物は多かった」という主張を展開しているが、騙されないでほしい……という内容だった。
産経新聞の記事というのは読んでいないので、どれのことだろう、と探してみたところ、どうもこれらしい。
「1960年代と同水準、米ソ中が核実験「健康被害なし」 東京の放射性物質降下量」
……というタイトルの記事で、4月28日に配信されている。
リード部分をそのまま抜き出すと、

//東京電力福島第1原発の事故で現在、東京の地表から検出される放射性物質(放射能)の量は事故前の数万倍に上る。しかし1960年代初頭にも、海外の核実験の影響で、日本でも同レベルの放射性物質が検出されていた。それでも健康被害が生じたことを示すデータはなく、専門家は「過度な心配は不要だ」との見方を示している//

という内容だ。
根拠となっているのは、私もブログなどで以前に紹介した気象研究所地球化学研究部による「環境における人工放射能50年:90Sr、137Cs及びプルトニウム降下物」というWEBページ
1950年代末から現在までの大気中の放射性物質量の推移
1950年代末から現在までの大気中の放射性物質量の推移
そこには上に示したグラフが掲載され、1960年代、米ソなど諸外国による核実験が行われていたときの東京の汚染状態は、チェルノブイリ以上だったという事実が示されている。
このグラフの縦軸は「対数目盛」で、1、10、100、1000、10000……というように、1目盛が対数で増えているので、5目盛り目は1目盛り目の5倍ではなく1万倍を意味する。
普通目盛りで縦軸を書くととんでもなく縦長になってしまうためにこういうグラフになっているわけだが、確かに2000年以降よりも1000倍とか1万倍というレベルの放射性物質が降ってきていたことが分かる。
しかし、それが「FUKUSHIMA」以降と同じレベルなのかというと、そんなことはない。
例えば、文科省は、3月22日に、3月21日の雨の影響で、20日朝から24時間の間に放射性物質の降下量が増えたと発表している。
3月21日9時から22日9時までの24時間で、東京(新宿区)でのセシウム137の降下量は5300メガベクレル/平方キロ。メガベクレルは100万ベクレルだから、530億ベクレル/平方キロ。分かりやすく単位を直すと、5300ベクレル/平米だ。
一方、気象研究所地球化学研究部による「環境における人工放射能50年:90Sr、137Cs及びプルトニウム降下物」によれば、
//人工放射性核種は主として大気圏内核実験により全球に放出されたため、部分核実験停止条約の発効前に行われた米ソの大規模実験の影響を受けて1963年の6月に最大の降下量となり(90Sr 約170Bq/m2、137Cs 約550 Bq/m2)、その後徐々に低下した。//
……とある。
セシウム137が1か月間で約550ベクレル/平米降ったのが過去の最高値だといっているが、3月21日9時からの24時間で東京都新宿区に降ったセシウム137は5300ベクレル/平米だから、1日で過去最高時の1か月の約10倍ということになる。
過去最高だった1963年6月期の月間約550ベクレル/平米を30日で割れば18.3ベクレル/平米。2011年3月21日の5300ベクレル/平米はその289倍だ。これだけを見ても「1960年代と同水準」という産経新聞の記事は単純な誤りだと分かる。
セシウム137の半減期は30年だから、今も、この「1日で」東京に降った5300ベクレル/平米分のセシウム137はほとんど減らずに環境中に残っているはずだ。セシウム137が降ったということは、当然、データをとっていないセシウム134なども降ってきているわけだし、他の日にも増減はあるものの放射性物質は確実に降り注いでいる。
ましてや福島周辺ではどうなのか。
5月6日に発表されている「文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリングの測定結果」によると、原発から北西に延びるホットポイントにおける4月6日~29日までの24日間のセシウム137蓄積量は、300万~1470万ベクレル/平米という区分け(いちばん上の図でオレンジ色に塗られたエリア。図はクリックで拡大)。過去最高だったという1963年6月(高円寺)の約550ベクレル/平米とは4桁以上(1万倍以上)違う。

以上のことを「○○の××倍」という言い方で表せば、

●福島原発事故以前、放射性物質降下量が最大だったのは1960年代で、2000年以降福島原発事故までの降下量の1万倍くらいあった。
●福島原発事故で大量に放出された放射性物質により事態は一転し、原発周辺地域の高濃度汚染地帯では過去最高だった1960年代の軽く1万倍から10万倍というレベルの降下量を記録している。
●これを2000年代、福島原発事故前の数値と比べれば、1万倍のさらに1万倍以上だから、「平常時」の軽く10億倍以上の降下量になった。

……ということになる。
あまりにとんでもない数字なので、間違いではないかと何度も確認したのだが、何度見直してもこういうことになりそうなのだ。
(もし、間違いがあったら指摘してください)

要するに、「○○の××倍」という表現に問題があるのだろうと思う。
「チェルノブイリの○倍」といった表現をメディアが好んで使うが、誤解の元だからやめたほうがいいのではないか。
セシウムもプルトニウムも人為的に生成された核種であり、人間が核エネルギーに手を出さなければ地球上には存在しなかった。本来、ゼロであるものに対して「○倍」と言っていることがおかしなことで、1万倍とか10億倍といっても、それが具体的にどれだけ生物に影響を与えるのかという話がなされなければ意味がない。「○倍」の数字の大きさだけを騒ぎ立ててもどうしようもない。
現在が「極めて異常な状態」であるということを正確に認識した上で、では、どうなるのか、どうすればいいのかという話をしていかないとどうしようもない。
この議論は、次の項に続けたい。

危険な地域の地名を隠している!2011/03/18 19:15

周辺の線量測定値地図3月17日
文科省のサイトでは、モニタリングカーを走らせて原発周辺の線量測定値を公表しています。
この中で気になるのが、原発から北西30km地点(R114 津島付近。葛尾村と川俣町の境界あたり)での計測値が、

17日 14時00分 170.0マイクロシーベルト
17日 15時00分 158.0マイクロシーベルト
17日 15時15分  78.2マイクロシーベルト
18日 11時33分 140.0マイクロシーベルト
18日 13時32分 150マイクロシーベルト

……と、常に他よりも2桁高いということです。
原発正門前とかのごく近くでの計測値が280マイクロシーベルト前後で推移していますので、30km離れていて同じ3桁数値は異常です。

例えば、ここよりも距離的には10kmも原発に近い川内村の計測点(R399と小野富岡線がぶつかる交差点から少し南)では、

3月17日11時50分 2.1マイクロシーベルト
3月17日15時00分 2.0マイクロシーベルト
(これ以降、川内村内での測定値見つからず)

です。約80倍違います。
なぜこうなるのか?
乱暴な推察ですが、葛尾と川俣の境には山が続いていて、海側からそのへんにかけては概ね大きな谷状に低くなっているので、西風(海側に向かって吹く風)のときでも、風がゆるやかに逆流し、吹きだまる感じなのでは?
その先ずっと北西には福島市があり、福島市の数値も距離が相当離れている割には高いので、どうも原発から北西方向に風の通り道がある感じがします。
これが海側への風のときの数値なので、風が逆転して海側から内陸に向かって吹いたとき、どういうことになるのか? 簡単にミリシーベルト単位に上昇するかもしれません。
そうなってから、外に出て移動するのは放射性物質を吸い込む可能性が高く、危険。西風の今のうちに、山の稜線から東側の人たちは、極力山を越えて西側に避難すべきです。
葛尾村や川俣町に、県や国はきちんとこの情報を伝えているのでしょうか?
非常に心配です。
どうも、テレビでは地域を名指しで告げることを極力避けているようです。
今まで、パニックが起きていないことを見ても、それによってパニックになるようなことはありません。
ここは過疎の山村で、もともと人がほとんど住んでいないのですから、都会のような集団パニックは発生しえません。でも、私がそうだったように、情報を隠されていると察知したときは、慌ててしまい、冷静な行動が取れなくなります。メディア最前線にいる人たちへ。あなたがたの使命はなんなのか。今一度考えてみてください。
「パニックになることを避けるために」というお題目でなんでも免責されると思っていたら大間違いです。知っていて知らせないのは見殺しにするということです。
大して危なくないのだから今のうちにゆっくりと落ち着いて逃げなさい」というのが今の正しいメッセージの出し方でしょう。

過剰反応と間違った報道規制──両極端の危険性2011/03/18 14:33

海外のメディアでは、一部、落ち着いた報道に切り替えているところも出てきました。
アルジャジーラ経由で伝わってきたところによれば、国連原子力委員会は、「これ以上悪化はしないだろう」と予測しているとのこと。ただしそれは、あくまでも日本から離れた国から見ての話で、国内の事情はそう簡単ではありません。
2日前、ニコニコ動画の生中継では終始にこにこ笑顔で(彼の場合、テレビカメラの前ではいつもそうですが)話していた「安全な原発推進派」を宣言している武田邦彦氏は、ここにきてテレビ報道の重大な間違い or 意図的なごまかし報道について強い警戒を表明しています。
そのまま一部を引用します。

もう一つ極めて危険な報道があります。
これは NHK ではなく、民放の女性のアナウンサーでしたが、
「放射線レベルは低いので心配することはない。」
と大きな声で叫んでいました。
その番組で示された図は全く間違っている図で、アナウンサーが口にしている数字は「1時間あたりの放射線の強さ」であり、図に示しているのは「最終的にその人がどのくらいの被曝するか?」という値です。
女性アナウンサーは、
「10マイクロシーベルトだからこの図から言えばとても小さい。まったく問題ない」
と繰り返していました。このアナウンサーは放送を降りた方が良いと思います.?人の命に関係することですから「私はアナウンサーだから知らない」ということではすまないのです。
1時間に10マイクロシーベルとということは、たった1時間しかそこにいない人ならその数字で良いのですが、生活をしていて1ヶ月あまり同じ場所にいたら、10ミリシーベルトになります。これは法律でも許されてないような大きな値なのです。
重要なことなので繰り返して説明します。
時間に10マイクロシーベルとというのは放射線の強さですから、1秒あたりで言っても、1ヶ月あたりで言っても良いわけです。
1秒あたりで言えばとても小さな値になりますし、1ヶ月あたりで言えば大きな値になります。
瞬間的にその場所を通り過ぎるのならば、1秒あたりでも1分あたりでもいいと思いますが、今多くの人が判断しようとしているのは、「ここに住んでいて良いのか」、「赤ちゃんは大丈夫か」ということです。
そうなると1ヶ月はそこにいますし、子供は感度が高いのです.
恐らくは東京にいるアナウンサーだから、原発の近くにいて不安に思っている人の気持ちがわからないのだと思います。
またその横にいた専門家は、それに気がついたようでしたが、間違いを指摘しませんでした。だれかに「危険を煽ってはいけない」と言われて、逆に危険なことを言っているということです。

武田氏のような専門家ですら慌てる事態にあって、ましてや我々一般人が放射線・放射性物質汚染についての基本知識を学ぶことは困難です。しかし、今言えることは、「あらゆる情報を、一度自分の頭で整理し直し、判断しなければいけない」ということです。
とりあえず、

1)X線検査のような瞬時に浴びる放射線量と1時間あたりの放射線量(テレビで発表されているマイクロシーベルトやミリシーベルトはすべて「毎時」で1時間あたりの量)を同じに比較しても意味がない。
2)「放射線」は一時的に浴びてもダメージは自然治癒力などで回復できるが、「放射能」(正確には放射性物質が放射線を発する能力のことだが、ここでは大まかに「目に見えない微粒子としての放射性物質」と同義)は体内に取り込むと、その後もずっと体内被曝をもたらすので、これも放射線量の数字と同義に考えることはできない。

ということです。

海外の過剰反応は怖いですが、今の日本のメディアの報道規制ぶりも怖いです。
とにかく、原発に近い人で、離れられる人は極力離れることが必要である、という状況には間違いないです。

世界の笑いものになっている保安院、東電、政府の会見風景2011/03/18 01:47

海外、特にドイツ、ロシアなどが、福島原発から出ている放射能汚染に過剰反応しています。
友人の元夫はドイツ人で、離婚して一人ドイツにいるのですが、大学生の娘をドイツに呼び寄せました。ところが、飛行機が、北極回りでは飛ばないというのです。放射能汚染を恐れて。
ドイツの空港では、日本からの飛行機に全部ガイガーカウンターチェックを受けさせ、反応があれば乗客を降ろさないと言っているそうです。
アメリカは在日アメリカ人たちに、80km圏外に出ろと言っています。まあこの程度は普通の反応でしょうか。
円は信用を失って円安になるのかと思ったら急激な円高。復興のために大手企業などが持っている外貨を円に替えることを予測しての投機だとか。大災害は大金を儲けるビッグチャンスということでしょうか。ハゲタカどもめ! ……いや、これはハゲタカに大変失礼な言い方でした。撤回します。

昨日(15日)、被災地への救援物資が半径30kmまできて、そのまま引き返してしまったとか。南相馬市、孤立無援。市長のていねいな口調の訴えが痛々しい。

自衛隊のヘリ、ホバリングしないで通過しながら水を落下させても、ほとんど効果がないでしょう。建物の周辺の汚染空気を激しく拡散しているだけではないでしょうか。
一生懸命に、かつ言われた通りに任務遂行している隊員たちがあまりにも可哀想です。

大型船舶火災用の消火専用船みたいなのはないんですかね。海側から近づくのは怖いでしょうが。
警察庁の、デモ隊に水をぶっかける放水車ではいくらなんでも……では?

これって本当? 本気? という絵が続々と映し出され、怖くなります。
海外では、この映像をブラックコントのように見ているそうです。
特に評判が悪い(イギリスやドイツなどでは格好の笑いの種になっている)のは、東電、政府、保安院の会見映像。
ドイツのシュピーゲルは「見分け方は、作業服を着ているのが政府、作業服にラインが入っているのが保安院、スーツにネクタイをしているのが東電」と、漫画を見ているような風刺解説をしていました。それを知ってか知らずか、東電は昨日(17日)から突然作業服になりましたね。だからなんだってんだ……ふうう。

今頃になって外部から電源を引くとか、アメリカからバッテリーを取り寄せるとか、なんですか、それは。予備バッテリーくらいないのかよ。国内に。

それよりなにより、最初から陸側に予備のぶっとい送電線、何本も引いておくのは、素人が考えたってあたりまえ、最重要のセキュリティでしょうが!

東電のトップ、初期段階での海水注入を(原子炉が二度と使えなくなるから)やめさせたって、正気か?
使えると思っていたのか? 電源も注入する水も失っている原子炉がどうなるか知らないやつが社長をやっているのか?
そういう人間に、日本人は命を預けているの?
何度でも言いますが、頭は確かなのか?
普段金をかけるところを、完全に間違えているだろうが!

頭のおかしい連中のために、今も何人もが命を危険にさらし、生活を奪われ、日本沈没が進んでいく。

……すみませんね、酒が回ってきました。今夜はこのへんで。


★義援金にご協力を★取次業者、ROUTER.FM様のご厚意により、2011年3月16日から同4月15日までの1か月間、タヌパックを含める全レーベルの音楽配信における取次手数料全額が東北関東大震災への義援金として使われることになりました。音楽を聴いて心を落ち着けながら、些少でも寄附ができるということです。右のアルバム試聴プレイヤーのBUYでご希望の配信ショップ(iTunesストアやAmazonなど)からご購入できます。ご協力を!! 

首相官邸から今すぐ指示するべきことはこれだ2011/03/17 18:50

現場からの報告をとりあえず終えたということにして、今、何をするべきなのかについて書きます。

1)高速道路通行制限の緩和
現在、東北道、常磐道、磐越道はガラガラだと、民間ボランティアチームが報告しています。
まず、現在、許可証なしで車輌が通行できなくなっている高速道路に、物資運搬車、一般の運送トラック、ボランティアで現地に向かう一般車両などは簡単なチェックのみで通れるようにすること。
運送会社が放射能汚染を恐れて現地に近づかないといった現象が起きているので、安全だと宣言すること。
高速道路のサービスエリアにあるガソリンスタンドを災害対策本部管理下に置き、補給作業を行う人員を派遣すること。

2)リアルタイムで正確な風向きと各地の放射線測定量を知らせる
核爆発の危険がない以上(そう信じたい)、放射能漏れは相当ひどいけれど、ごく近い数キロ圏以外では自由に活動ができるということを周知させる。怖いのは放射線ではなく放射線を出す放射性物質を体内に取り込むことによる内部被曝。しかし、放射性物質の飛散は、風上には向かわないので、事故現場に近くても風上はかなり安全。
その安全エリア、危険エリアは、風向き、風速などで刻々と変わるので、その予想図を誰もが分かりやすい形で気象庁は全力を挙げて提供すべし。
これは「危険だ」というメッセージよりも「ここは安全だから動けますよ」という情報として活用させるために。

取り急ぎ、この2点は今すぐ実行する必要があります。
津波被災地では刻々と人が死んでいるのです。
原発に近い双葉町の病院では、数百人の入院患者を残したまま医療スタッフが全員消えてしまっているという、とんでもないことが報道されています。放射能は全然大丈夫なのに。なぜ? 物資が届かないから?
双葉町へは、陸路でいくらでも物資補給できるのに。なぜそんなことになるのですか!
三陸方面の病院でも、あちこちで入院患者が餓死!の危険にさらされているという報道があります。
「汚染は、平時に比べればひどい。でも、ごく近くでなければ、放射線の量は恐れる量ではない。放射性物質を体内に入れることは避けなければならないので、風下のときには注意を要するが、それ以外では命を賭けるようなことではなく、普通に作業できるレベルである」ということを周知させる。

一般人は徹底的に退去させ、移動できない人をケアする専門スタッフが動きやすくする。被災地人口が減ったほうが、活動はしやすいし、物資も有効に使えるのです。
「半径○○キロ」という指示は混乱をきたすだけで意味がない。市町村単位で指定すべき
「○○町、○○村……は、一般住民は極力退去して被災地活動を容易にさせる」といった指示に変える。

陸路が使えるのに、また届ける物資が用意されているのに、物資が届いていないというのはあまりにもひどすぎる。

また、津波から一週間が経過した今、完全に破壊された地区での瓦礫撤去作業よりも、孤立している避難所(公的なものだけでなく)、孤立被災者への救済、救援に全力を投入すべきでしょう。
首相官邸からはそうした指示が的確に出ているんでしょうか。

テレビメディアはヘリによる散水や放水車の放水シーンを劇的に流そうとしていますが、そんなものはどうでもいいんです。死にかけている被災者をいかに救えるかという報道に最重点を置いてください。
民間からの援助物資を集めるなどということではなく、企業や組織の援助がスムーズに届くよう、上から適確に指令が飛ぶこと。これが最重要。

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