そして私も石になった(15)これから起きること2022/02/14 19:48

これから起きること


「10年後くらいに起きる『本番』について、もう少し具体的に知りたいものだな」
 俺はNに言った。

<そうだねえ。我々は神ではないから、未来が見えるわけじゃない。でも、今までの人類史を見てきたから、Gが考えること、仕掛けてくることを予想することはできる。
 今から話すことは競馬の予想のようなもので、その通りになるかどうかは分からないという前提で聞いてくれ。もちろん、競馬の予想よりはずっとまともな予想だと思うけれどね>

「分かった分かった。いいから教えてくれ。あんたらが予想するこの世界の近未来を」

<まず、社会の大まかな方向性は変わらない。変わらないというよりも、ますます加速する。
 人の思考は唯物論的な方向に突き進む。この世界を構成しているのは自分たちが認識できる物質のみであって、物質を支配することが人間にとっての進化であり、正しい道だという考え方が揺るぎないものになる。哲学、文学、純粋芸術といったものの地位が下がり、科学、工学系の価値が尊重される社会になる。
 物と人を支配するためには金がいる。資本主義社会の中で成功を収めた小金持ちたちは、ますます拝金主義に走る。
 拝金主義と結びついた権力依存症もますますはびこる。これは大昔から人間が抱えている病理だけれど、そうしたものがかつてより簡単に増殖し、排除・修正しにくい社会になる。
 技術革新は主にデジタル技術と生命科学の分野で急速な発展を続ける。情報伝達の手段はほぼ完全にデジタル化され、形というものが失われる。音も映像も文章もすべてデジタルデータに変換され、デジタルデータのまま伝達、保存される。形が残るのは入口と出口だけだ。音声であれば入口にあたるマイクと出口にあたるスピーカー。映像ならば入口のカメラと出口のディスプレイ。その途中は形も質量もないデジタルデータ。この変化がさらに進む。
 伝達の手段がデジタル化されたことで、人々の意志疎通もデジタル化される。直接顔を合わせて会話をすることが減り、デジタルデータを介して、ある種バーチャルなやりとりをすることのほうが多くなる。そうしたやりとりではニュアンスが間引かれるため、誤解、曲解、怨嗟、嫉妬、逆恨みといった要素が入り込みやすくなる。
 不特定多数を相手にした一斉送信的な情報発信を誰もができるようになったために、欠陥を抱えた情報が大量に飛び交うようになる。
 そんな社会が続くと、さすがに社会には閉塞感が充満してくる。
 個人がどんな努力をしたところで、不条理や矛盾を抱えたままの社会は変わらない。目の前の手っ取り早い快楽だけを求めて、死なない程度に生きていければいい、といった諦観が支配する社会。
 特に若い世代がコントロールしやすくなる。妙に聞き分けがよく、用意された小さな型に収まりやすい。適当な入れ物を与えれば、そこに自分から入り込んでその型どおりのゼリーになる。
 一部の能力のある子どもたちは、社会の欠陥を正そうとするのではなく、社会をそのまま受け入れ、その中で自分を最大限に表現できるものを見つけようとする。ある種の芸能分野やスポーツの世界では、10年前、20年前よりはるかにレベルの高いことを成し遂げる子どもが出てくる。しかし、それも結局は、社会に与えられる娯楽の材料として消費されていく>

「なんだかあたりまえのことを聞かされているような気がするな」

 俺は少し苛立ちを覚え始めていた。
 Nはかまわず続けた。

<さて、そんな世界ができあがったところで、Gの計画はいよいよ最終コーナーに入っていく。
 来年か再来年あたり、新種のインフルエンザ騒動が起きて、人間社会が浮き足立つだろうということはすでに言ったね。これはほぼ確実に起きる。
 しかしこれは予行練習、リハーサルなので、すぐに騒ぎは収まる。
 「本番」はその10年後くらいだろうと我々は踏んでいる。
 2020年前後、やはり新種のインフルエンザが出てくるはずだ。
 なぜインフルエンザか? それは今までに十分準備を重ね、成功してきたからだ。これがやはりいちばんいい方法だと、Gは確信しているはずだ>

「致死率100パーセントみたいな超強力なやつか?」

<いや、そんなものは出してこない。スペイン風邪を超えるようなものではない。むしろもっと弱いもので、極度に恐れるようなものではないはずだ。
 というのは、ウイルス自体が強烈で、人が一気にバタバタ死んでは困るからさ。
 そんなことになれば人間はパニックになり、予測不能な事態になりかねないからね。
 ウイルスが人為的に作られたものだということもバレてしまい、それを作った国に向けて報復が始まったりする可能性もある>

  「どこかの国が作ってばらまくのか?」

<いや、そんな単純な構図ではない。一国の首脳クラスがどうこうできるような話であるはずがないじゃないか。複数の人間、組織、国家が、とてつもなく複雑に絡んでいるんだよ。
 計画はGだけでは実行できないから人間に実行させている。でも、実行役が1つの国、あるいは企業や組織だと、Gのコントロールが効かなくなって暴走する可能性が高まる。Gはアダム型生物の時の失敗で懲りているからね。
 Gは長い時間をかけ、複雑な関係図を描き、唯物論や資本主義が支配するシステムを構築してきた。その中にいるのは選ばれた少数の人間で、一人一人は強い使命感を抱いて動いているわけだが、そういう連中でさえ、システムの正確な全体像は把握できていない。だからうまくいく。
 システムを完全に見通せるほどの人間が現れたら、Gの支配が危うくなりかねないからね>

「はあ~、分かるような分からないような話だけど、まあいいや。
 で、そのウイルスはスペイン風邪ほど強烈ではないわけだろ。それなら大量の人間を殺せないんじゃないか?」

<いや、最終的には多くの人間が間引かれることになるんだろうが、時間をかけるんだよ。
 単に時間をかけるだけじゃない。その間も、人間がGの計画に気づかないでいることが重要になる。
 自分たちが徐々に死んでいくのはあくまでもウイルスという自然災害に近いものによる。それを防ぎきれず、ダラダラと死者が出続けているのは、政治や行政の責任だ。あるいは、平気でウイルスをばらまいている無自覚な感染者のせいだ、と思い込ませる。その状態がなるべく長く続くようにする。
 そのためには、ウイルス自体は弱いものでいい、というか、短期間で人が死ぬような性質のものではまずいんだ>


           


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そして私も石になった(14)戦争より効率のよい手段2022/02/14 19:46

戦争よりもずっと効率のよい「手段」


<では続けるよ。
 Gは、今の世界から人間を大幅に間引きたい。
 それにはどうすればいいか?
 人間をまとまった数「間引く」のが目的なら、戦争は効率が悪い。
  •  戦争では相手が抵抗してくる。やっかいだ。
  •  戦争ではそれまで築いてきた社会インフラや環境が破壊される。資源も浪費される。もったいない。
  •  戦争では主に若い男子が死ぬ。労働力としていちばん使える世代を減らすのは合理的でない。
  •  今までは、戦争によって技術革新が進むというメリットがあったが、第二次大戦以降はその効果も薄れてきた。
 となれば、当然、戦争以外の方法を使うよね?>

「戦争以外に人間を大量に死なせる方法……天災とか伝染病とかか」

<その通りだ。
 ここでスペイン風邪のことを思い出してほしい。
 第一次大戦で死んだ人間は、兵士、民間人合わせて1700万人。しかし、同時期に世界中で流行したインフルエンザで死んだのは1億人。世界人口19億人から一気に1億人が消えたんだよ。
 これはデマでも神話でもなく、歴史上の事実だ。
 おっと、「すぐに信じるな」と言ったばかりだったね。すぐには信じなくてもいい。これも、事実かどうかは、しっかり考えてみてくれ>

「あんたも結構面倒なやつだな。そんなこと、いちいち断らなくていい。俺はとりあえずあんたの話を聞いているだけだ。
 で、1億人が死んだとして、それもGが仕組んだことだったというのか?」

<そうだ。
 1918年に世界的に大流行して1億人を死なせたインフルエンザウイルスは、自然に発生したものではないんだ>

「じゃあ、どこかの研究所で人為的に作られたものだとでもいうのか? ありえないだろ、そんなこと。大正時代だぜ。人間はウイルスというものの存在さえ知らなかったじゃないか。顕微鏡の性能も悪かったから、ウイルスを見ることさえできなかったはずだ」

<そうだね。人間が自力で(ヽヽヽ)ウイルスをつくることは到底できない。でも、Gが介入していれば?>

「ああ~、それこそ……まあ、いいや。続けてくれ」

<後に、人間は電子顕微鏡も発明して、ウイルスの存在を知るようになった。それで、各国のいろいろな研究機関がスペイン風邪の正体をつきとめようと研究した。
 それで分かったことは、あのときのインフルエンザウイルスはそれまで地球上にはなかったタイプのウイルスらしいということだった。
 H1N1型と名づけられたそのウイルスは、その後もいろいろ変異して、毎年世界のあちこちでインフルエンザを流行らせた。その母体みたいなものがスペイン風邪のウイルスだったと。
 今ではそれが常識となって、毎年インフルエンザが流行りそうな冬が来る前に、製薬会社はインフルエンザ予防ワクチンというものを作って、接種を勧めるようになった。
 今度のインフルエンザは多分こんなタイプだと予想できるから、それに効きそうなワクチンを作りましたよ、と宣伝して。
 国もそれを援助した。
 これは、ひとつにはビジネスという側面がある>

「製薬会社が儲かる、ということか?」

<そう。これは分かりやすいよね。治療薬やワクチンが生み出す利益は莫大なものだからね。
 だけど、Gにとって大切なのはそこじゃない。
 こういう世界があたりまえだと、世界中の人々に思い込ませることが主目的なんだ。
 インフルエンザという流行病が毎年のように出てくる。それで死ぬ人がたくさんいる。死なないように、ワクチンを開発して予防接種をしましょう……という社会が、人道的でありがたい社会だと思わせる。
 現代の医学、医療技術、医療システムというものを、自分たちの味方であり、保護者だと信じこませる。
 誰も「それってなんかおかしいんじゃないか」とは疑わないようにする。
 そのために、病院は命を救う場所で、医者は自分たちの命を守ってくれるありがたい人たちだと、子供のときから教え込ませる>

「違うのか?」

<医者にもいろいろいるだろ。
 真剣に病人や怪我人を助けたいという情熱や信念を持って日々働いている医者はもちろんいる。でも、親が医者だったから継いだとか、医学部に入れるだけの学力があったからなんとなく医学部を受験したとか、医者になれば周りから尊敬されて、金にも不自由しなくて、カッコいい人生を過ごせるんじゃないかとか、その程度の動機で医者になってしまったというのもいっぱいいる。
 患者を治療するのは面倒だしダサい。最先端の研究だけしたいという者もいる。人体解剖や動物実験は好きだけど、老人のシワシワの身体に触るのは嫌だ、とかね。
 病院も同じだ。経営に行き詰まっている病院はたくさんある。利益を生むためには、製薬会社が勧めてくる薬価の高い新薬をどんどん与えていくのが手っ取り早いと考える病院経営者は少なくない。
 だから、医者の中にも、新種の病原体の開発こそが世界を激変させる最も有効で効率的な手段だという認識を持っていない者が大勢いる>

「なんだか話がどんどん極論になっていくというか、悪意を込めて歪曲しているように聞こえるなあ」

<そう感じるのは、きみの思考回路に「正常化バイアス」が組み込まれているからだよ。
 虐殺が成立する4つの条件を思い出してくれ。
 1つめは「相手を油断させること」「正常化バイアスを作ること」だったね。
 津波が来るぞ、と警告されても、まさかここまでは来ないだろうと思い込もうとする。
 身体に悪いものを与えられても、権威ある者や組織が「これは安全が証明されている」といえば、嘘であるはずがないと思い込む。「いや、危険かもしれない」と警告する者がいても、その意見は無視してしまう。
 ……もう気づいたかな? インフルエンザワクチンがたとえ身体に悪いものであっても、まさかそんなことがあるはずはないと信じ込ませる。これは周到な「準備」なんだよ>

「だけど、インフルエンザワクチンを打って死んだというニュースなんて聞いたことがないぜ。あったとしても極めて例外だろう? 飛行機はたまには墜落して乗客が死ぬとしても、その確率は極めて低い。飛行機は墜ちることがあるから全面禁止する、とはならない。インフルエンザワクチンだって同じことじゃないのか?」

<そう。まさに今きみが言った論理もまた、準備された「仕掛け」なんだ。
 メリットとデメリットを比較したらメリットのほうがはるかに大きい。だからメリットのほうを選ぶのは当然だ──と、そういう論理が理知的でスマートだという風潮を作っておく。自分は人より賢いと思いたい人間ほど、その論理を振りかざし、疑ってかかる者を馬鹿にする。
 実際には、ワクチンだけでなく、医薬品にはかなり危険なものがたくさんある。でも、危険性や、薬が引き金となって健康を害したり死んだりした例は、あまり報道されない。メディアは巨大スポンサーである製薬会社に都合の悪い情報は自主規制してしまうからね。政治もそうだ。
 これはまさに虐殺の2番目の条件である「抵抗する手段を持たせない」ということだね>

「だけど、大正時代にあったスペイン風邪がすでにGに仕掛けられたものだというなら、世界人口はとっくに激減していてもいいんじゃないのか? ウイルスをばらまけば殺せるんだから、わざわざ製薬会社とか政治なんて面倒な手段を使う必要もなさそうだけれどな」

<いやいや、そんな簡単なことじゃないよ。
 スペイン風邪を世界中に流行させた時代は、人間の持っている技術レベルや社会インフラが、まだGが望むようなレベルにまで達していなかった。だからもう少し時間をかけて、技術レベルを上げる必要があった。あれはまだ「予行練習」みたいなものだったんだ。実際に人間社会がどうなるかを確認するためのね。
 本番はこれからだよ。それも、いっぺんには来ない
 世界人口がいきなり10分の1に減るような急激な変化を起こしたら、人間はパニックを起こし、何をしでかすか分からない。それこそ核戦争みたいなものが起きたら元も子もない。
 だから、じわじわと何回にも分けて仕掛けてくるはずだ。
 おそらく数年以内には、Gは次の実験を行うだろう。新型のインフルエンザが出てくる。そのために、今からいろんな情報を流しているだろ。
 まず、学界ではスペイン風邪の正体は鳥インフルエンザが変異したものだったという説が定着し始めた。実際、鳥インフルエンザそのものがあちこちで流行している。その度に人間は慌てて、その地域の鳥を大量殺処分する。
 だけど、鳥インフルエンザは渡り鳥が世界中に運ぶわけだから、狭い地域のニワトリを一斉に殺処分しても意味がない。そういうことも理解させず、そうすることは「仕方がない」と思わせる。
 次は、鳥インフルエンザのウイルスは人間には感染しにくいが、変異はするので、人間に感染するような変異が起きれば、再びスペイン風邪のような億単位で人が死ぬ事態が起きかねないと宣伝する。そうして人々に恐怖心を植えつける
 恐怖を植えつけるのは虐殺の条件の3つ目だったね。
 そして、恐ろしい感染症に備えるために、国家規模で抗ウイルス薬を備蓄し、ワクチンの開発研究を進めるべきだという「常識」を作り上げる。恐怖とセットになった「誘惑」だ。
 実際、今はここまで「準備」が完了している。
 2003年に発生したSARSも「準備」の一環だ。SARSのウイルスは「一本鎖RNAウイルス」という種類のものだが、インフルエンザウイルスや一部の流行性感冒のウイルスと同じ仲間だ。SARSの出現によって、今までのインフルエンザより怖い感染症がいつ出てきてもおかしくないという不安が人々の記憶に植えつけられた。
 おそらく数年以内に、新たなインフルエンザウイルスが登場するだろう。そして世界中がまた浮き足立つ>

「そのインフルエンザで億単位の人間が死ぬのか?」

<いや、そうはならないはずだ。これもまだリハーサルだよ。その新型インフルエンザは騒がれるが、大きな被害は出さない。ただし、そのときに各国政府がどう動くのか動かないのか。新薬がどのように受け入れられ、どの程度の利益を生み出すのか、といったことを、Gはしっかり観察するはずだ。
 そこで製薬会社などが得た莫大な利益は、「本番」に向けて使われる。
 「本番」はそこから10年後くらいから進行していくんじゃないかと思うよ>
           


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そして私も石になった(13)信じるのではなく考えろ2022/02/14 19:44

「信じる」のではなく、考えろ


<では、改めて「戦争より効率的な方法」について話そう>
 Nが言った。
 私は黙って続きを待った。

<まず、Gの実体を思い出してほしい。
  •  Gは人間に似た生物である。
  •  Gの寿命は極めて長いが、肉体はクローン技術を重ねてきたためにひ弱になっていて、運動能力は人間に比べれば劣る。
  •  Gは非常に高度な科学技術を持って地球に来たが、地球上でそれを使うための材料や労働力を持っていなかった。
  •  Gは自分たちの望む世界を地球上に作るために、アダム型生物をつくったが、当初はうまくいかなかった。
  •  Gは人間を作り、時間をかけて科学技術を獲得させることで、G自身にとっての理想世界を作ろうとしている。

 ……と、ここまで分かったところで、では、Gが望む世界というのはどんなものだと思う?>

「高度な科学技術に裏打ちされた快適で安全な社会……かな」

<そうだね。それを実現するために人間をつくり、ここまで育ててきた。時には戦争や虐殺という手段を使って、人間に科学技術を獲得させた。人間の集団行動をコントロールすることも学んできた。
 で、そろそろ最終段階にきているわけだけれど、忘れてはいけないのは、Gの数は少ないということだ。
 何千万とか何億とかいるわけじゃない。だから、今の規模の文明社会は必要ない。もっとコンパクトな世界でいいし、そのほうが管理もしやすい。
 そうした世界を作るには、今の人間社会を縮小する必要がある。
 地球で高度な機械文明社会を維持するのに必要なのは地下資源だ。特に石油とレアメタル。
 今の文明は石油が支えている。石油文明といってもいい。
 石油がなくなればこの文明は終わってしまう。原子力だのソーラー発電だの水素エネルギーだのというものはすべて迂回エネルギーであって、石油がなければ設備が作れないし維持もできないから使えない。
 石油はまだ豊富にあるが、今のペースで使い続けたら数百年で完全枯渇する。数百年なんていうのは、Gにとっては一瞬のような時間だ。
 レアメタルの枯渇はもっと早い。ジェット燃料があってもジェットエンジンを作る合金がなければジェット機は飛ばせない。
 ここまで石油文明を発展させるために、ある程度の世界人口は必要だった。でも、残された地下資源の量を考えれば、これ以上、石油やレアメタルを使う人間が無駄に増えていくのは困る。
 選ばれた少数の人間が、残った資源ときれいな環境を使って快適な文明社会を維持する。それがGの望みだ。そのためには、増えすぎた余剰人口はバッサリと切り捨てる必要がある>

「地球人口を減らすために動いている頭のいい連中がいる、という話──いわゆる人口削減陰謀論か。その手の話はだいぶ前からあるな」

<おやおや、ここまで説明してきても、きみはまだ「陰謀論」なんていう使い古された言葉を使うのかい? がっかりだよ>
 Nが言った。

<陰謀論という言葉ですべてが胡散臭い作り話になってしまう。便利な仕掛けだけれど、あまりにも単純だね。
 ああいう言葉を使って相手を馬鹿にしたがる連中は「そんな話を信じるのか?」という言い方をする。そう言う連中こそ、「この手の話は『陰謀論』だから唾棄してよい」という刷り込みを信じている。この「信じる」という行為がそもそもダメなんだよ。
 どんなことも、簡単に信じてはいけない。私が今話していることも、きみは「信じる」必要はないし、信じてはいけない(ヽヽヽヽヽヽヽヽ)「信じる」のではなく「考える」んだ。
 これは事実だろうかと考える。考えるためには、情報と、情報を偏見なく分析する力が必要だ>

「まあ、それはそうだな」

<例えば、第二次大戦中の1942年6月。世界ユダヤ人会議という組織が、ナチス・ドイツがユダヤ人絶滅計画を実行していて、すでに100万人以上が殺害されていると訴えた。でも、多くの人は、100万人という数字を誇張しすぎていると思った。たとえそういうことがあったとしても、100万人というのはいくらなんでもありえないだろうと。
 これはまさに「正常化バイアス」だね。
 ところが、戦後に判明した死者数は100万人どころではなかった。それを知らされ、世界中が驚愕した。
 しかしこれもひとつの「情報」であって、誰も実際に正確な数字を確かめることはできない。だから、この情報も事実か、とまずは考える必要がある。
 きみは、ナチスドイツが数百万人規模でユダヤ人を殺戮したという情報を事実だと思うかい?>

「それは本当だろうね。殺された側だけでなく、ドイツの側からもそういう情報が出ているし、認めてもいるわけだから。正確な数字は分からないとしても、100万人では済まないことは間違いないだろう?」

<そうだね。これを「陰謀論」だ「でっちあげだ」という人は少ない。多くの人が歴史上の事実だと受け入れている。
 大量虐殺はナチスだけじゃない。世界中で繰り返し起きてきた。そういう歴史を繰り返してきているのに、人は、自分が安全な社会に組み込まれた途端、すぐに忘れてしまう。忘れるというよりも、考えないようにしてしまう。
 簡単に「信じる」のは愚かだ。簡単に信じるということは「考えない」ということと同じだ。だから、きみにも私の話を「信じる」のではなく、「考えて」ほしいんだ>

「分かった分かった。陰謀論云々は取り消すよ。続けてくれ」

 
           


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そして私も石になった(12)戦争と虐殺2022/02/14 19:42

戦争と「虐殺」の違い


「戦争より効率的な方法?」
 俺は問い返した。

<少し考えれば分かることだけれど、それを教える前に、ひとつ確認してほしいことがある>

「なんだ?」

<戦争と虐殺はGの計画を遂行していくための手段として使われてきたという話をしたわけだけど、戦争と虐殺の違いはなんだと思う?>

「戦争と虐殺? 戦争は大量殺戮だけど、虐殺は数の問題ではないということか?」

<いや、違う。戦争は大量殺戮でもある場合が多いけれど、殺す数が問題なのではない>

「じゃあ、戦争は広義の虐殺に含まれるということか?」

<いや、それも少し違う。
 戦争も虐殺も、殺す側と殺される側がいる。
 戦争は殺し合いだけれど、虐殺というのは無抵抗の相手を一方的に殺すことだ。
 ただ、日本語の「虐殺」という言葉には、殺す手段が残酷だという意味が含まれている。私が今から説明したいのは「手段にかかわらず、無抵抗の人間を殺戮する」ことについてだ。そういう行為をうまく表現できる言葉が日本語には見あたらない。言葉が存在しないということが、すでにある種計算されたことなんだが、それを意識する人はあまりいないね。
 例えば、太平洋戦争での日本軍の死者は、戦闘によって殺された数よりも、司令部が、兵站(へいたん)補給の目途がたたないのに無茶な行軍をさせたり島に置き去りにしたりして、兵士を大量に餓死、病死させた数のほうがはるかに多かった。これは「無抵抗の人間を殺戮する」行為だが、死の行軍や玉砕を「虐殺」と呼ぶ人は少ない。
 特攻隊のように、死を強制した命令も同様に「無抵抗の人間を殺戮する」行為だ。
 死の行軍や玉砕や特攻で死んだ者たちは、生き延びる方法があっても命令に従うことで死んだ、つまり殺されたわけだね>

「それはその通りだ」

<こうした「殺し方」も、他に適当な言葉が見つからないので、ここでは便宜上「虐殺」と呼ぶことにしたい。
 戦争は相手を屈服させ、相手の所有物や労働力を支配下におくこと、あるいはそういう侵略行為から自分たちが今営んでいる社会を守ることが目的になる。しかし、虐殺では単に人が死ぬという結果だけが残る。
 だから、まとまった数の人間を殺すことが目的の場合、戦争よりは虐殺のほうが効率がいい>

「殺すことそのものが目的だというのか? それなら、やはり玉砕や特攻は違うんじゃないか?」

<そうかな? 玉砕や特攻の直接の命令を下した者たちにとっては違うだろう。でも、馬鹿な司令官も単なる「手段」であって、そういう状況を生み出すことを望んだ意識が他にあるとしたら?>

「ああ……それがGだというわけか……」

<そういうことだね。人間をコントロールすることができると証明したい。まとまった数の人間を消去したい。そういうことが目的なら、ものの見方が全然変わってくるだろう?
 分かりやすくいえば、そういう意図を持ったGにとっての「虐殺」という手段について、私は今話しているんだよ。

 さて、虐殺が成立するにはいくつか条件がある。4つほどあげてみよう。

1)相手を油断させる
 殺されるはずがない、死ぬはずがないと思わせること。
 第二次大戦後にも世界中で戦争が起きたけれど、ヨーロッパでは1992年に起きたボスニア内戦は大規模なものだった。
 当時、ボスニア・ヘルツェゴビナの人口は約430万人。この内戦で20万人が死んで、200万人が難民になった。
 このとき、大規模な虐殺も起きたんだが、虐殺された都市の市長は、既に街がユーゴスラビア連邦軍の戦車で囲まれているのに「この街で攻撃が始まるとは考えられない」と言っていた。多くの市民もそれを信じた。
 これは災害時には「正常化バイアス」なんて呼ばれたりもする。津波が来るぞ、と警告されても、まさかここまでは来ないだろうと思い込もうとする。
 身体に悪いものを与えられても、権威ある者や組織が「これは安全が証明されている」といえば、他に「いや、危険かもしれない」と警告する者がいても、その意見は無視してしまう。

2)抵抗する手段を持たせない
 殺される側が、何かがおかしいんじゃないか、自分たちはもしかして殺されるんじゃないかと気づいたとしても、抵抗できないようにしておく。
 相手が武器を持っていたら、まずは武器を取り上げたり無力化させてから殺す。
 やはりボスニア内戦を例にとれば、ユーゴスラビア連邦軍がイスラム系住民を包囲した時、まず武器をすべて手放すように説得して成功した。
 「武器」は必ずしも兵器という意味ではない。言論や情報発信というのも強力な武器だ。
 抵抗しようとする者が、それは違う、おかしい、瞞されるな、と意見や情報を発信しようとしても、メディアを有効に使えなければ無力だ。有力なメディアに、反対意見を排除するように命じることができれば、簡単に情報統制ができる。これは武器を奪うことと同じだね。

3)恐怖や誘惑を植えつける
 これは関東大震災での虐殺ですでに説明したとおりだ。あらかじめ「朝鮮人は何をするか分からない恐ろしい連中だ」と思い込ませ、恐怖を植えつけることで扇動しやすくしておく。
 さらに、殺される側に、殺す側を味方、あるいは自分たちを守ってくれる保護者だと思い込ませれば、簡単に大量殺戮ができる。
 ボスニア内戦では、ユーゴスラビア連邦軍はイスラム系住民を「安全区域に送り届ける」と誘惑してトラックやバスに乗せ、そのまま虐殺した。
 身体に悪いものを、栄養剤だとか健康食品だといって与えていけば、すぐには死ななくても、時間が経てば病人が増えて死ぬ者も増える。

4)大義名分と同調圧力
 これも、関東大震災での虐殺の例で説明済みだね。朝鮮人狩りをした自警団の人々は、自分たちは「お国が非常時の時に、危険を排除するために奮闘した」と胸を張っていた。そう言って虐殺に走る連中をおかしいと分かっていても、異を唱えると自分の身が危ないと感じて、多くの人は、その場の空気に従った。
 ナチスのユダヤ人大量虐殺にしても、明治から太平洋戦争敗戦までの日本にしても同じだ。大衆は、国の指導者がおかしいと薄々気づいても、同調圧力に逆らえなかった。「お国のため」「自分や家族の安全を守るため」という言い訳を大義名分にして、自分たちの行動を正当化し続けた。

 ……とまあ、4つほど条件をまとめてみた。まずはこうした仕組み、構図をしっかり頭に入れておかないと、ここから先の話はなかなか通じないかもしれない。
 いいかな?>

 Nは完全に教師のような口調になっていた。いや、口調といっても、実際の音声ではなく、俺の頭の中にそんな風に響いていた、ということなのだが。
 俺は黙って頷いた。
 ……これも変な表現だな。首を実際に縦に振ったわけではない。脳内で無言の同意を示した、というようなことだ。

           


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そして私も石になった(11)戦争の持つ意味2022/02/14 19:41

戦争が持つ意味


「ひとつ提案がある」

 しばらく続いた沈黙の後、俺はNに言った。

<はいはい。なんでしょうか?>

「あんたがずっと『彼ら』と言っている連中のことを『神』と呼ぶのはどうにも気分が悪い。俺たちが一般に『神』という言葉で言い表そうとしているものとはあまりにもイメージが違いすぎる。だから、ここからは単に『』と呼ぶことにしないか?」

<God のGかな?>

「なんでもいい。ゴブリンのGでもゴキブリのGでも。あまりイメージを持たせたくないための単なるGだ」

<いいね。ではそうしよう。
 では、Gと人間の関係についての話を再開してもいいかな?>

「ああ。続けてくれ」
 脳の内側にべっとりと疲労の膜がこびりつくような嫌な感覚を覚えながらも、俺はそう答えた。
 Nは話を続けた。

<さてと、ここまで説明すれば、人類史が戦争を繰り返した歴史だった理由も分かるだろう?>

「分からないな。自分たちが生存するための文明社会を築くのがGの最終目的なら、破壊を繰り返す戦争は無駄なように思うけれどね」
 俺はあまり深く考えることもなくそう答えた。

<無駄……そうかな? 戦争がまったくない世界だったら、人間は今も原始時代とあまり変わらない暮らしをしていたと思わないかい?
 農耕や狩猟などで適度な衣食住を得て穏やかに暮らす人間社会。他の動物と同じように、環境に適合できなければ死んでいき、適当な数が生き延びる。
 もちろん、緩やかな進歩はあっただろうね。頭のいい者が農耕の技術を考えついて他の者たちに教え、それが広まって……といった変化は。
 でも、農耕の技術を手に入れると、必要以上に土地本来の力を収奪してしまい、再生産ができなくなる。古代文明の発祥地はみな砂漠になっているだろう? 土地から収奪しすぎて、土地が痩せ、塩化したからだよ。
 神は……おっと失礼。Gは、そうした失敗も、当初は辛抱強く見守っていた。痺れを切らして介入することもあったけれどね。
 それでも人間は何度でも同じ失敗を重ねる。そこでGは、人間同士戦争をさせることで技術革新の速度を上げることにした。
 戦争を繰り返すたびに、技術革新が進んでいった。産業革命後の第一次大戦、第二次大戦での科学技術の進歩と工業生産力の増大は今さら言うまでもないだろう?>

「それはそうだな」

<それと、戦争は技術革新だけでなく、経済力の増大や一部の人間への富と権力の集中、人口調整という働きもする。
 これも説明は不要だね?>

「富と権力を一部の人間に集中させると、Gにとってどういういいことがあるんだ?」

<簡単さ。技術革新や社会の変革が効率的かつ急速に行えるという利点だね。
 頭のいい人間が現れ、テレビというものを実現する原理を考え出したとしても、それを実際に作るには金がかかる。大量に作って社会に普及させるには、さらに金と労働力が必要だ。富と権力が集中していなければ、そうした過程が効率的に進まない。
 誰もがテレビを所有し、楽しめる社会が到来しても、ほとんどの人間はテレビを作る技術を知らないし、たとえ知っても、それを製造する工場を作る金を持っていない。だけど、誰かが作った工場で働くことはできて、そこで得た賃金でテレビを買い、テレビのある生活に浸る。
 テレビのある社会では、テレビがなかった社会よりもはるかに効率的かつ強力に人間を動かせる。人間を容易に動かせるようになれば、Gが望む計画を効率よく進められる。
 人間の社会を急激に変化させる方法はいろいろあるが、戦争や虐殺という手段も使われてきた。
 戦争や虐殺を起こさせるにはどうすればいいか。これは関東大震災のときの虐殺事件を例にとってすでに説明した通り「準備」と「スイッチの点火」だ。
 自分たちとは違うグループの人間に対する恐怖、不満、不安、鬱憤、差別意識、あるいは権力への服従や同調圧力を蓄積させる。これが「準備」だね。
 準備が整ったところでスイッチを入れる。準備にもスイッチ点火にも、教育とメディアが重要な役割を果たす。
 多くの人間は、戦争を特別なものだと考えがちだ。戦争は悪だ、非人間的だ、人道に反している、人類に愛を説く神に対する大罪だ……と。
 しかし、Gにとっては計画を遂行するための手段のひとつにすぎないし、そもそも戦争ほど「人間的」なものはない>

「だけど、戦争によって進みすぎた科学技術の弊害もあるんじゃないのか? 第二次大戦ではついに核兵器が使われたけれど、あれは一歩間違えば地球ごと破滅させられるようなものだ。そんなものを人間に持たせるなんて、Gにとっても危険なんじゃないのか?」

<ああ、それは第二次大戦後、世界中で声高に叫ばれてきたことだね。核兵器によってこの世が終わってしまうんじゃないかと。実際、Gは過去に同じ失敗をしているからね>

「同じ失敗?」

<そう。「洪水」の寓話に込められた失敗の中には、アダム型生物やネフィリムを使って技術革新を急がせすぎた結果、核爆発でそれまでに作った文明社会の卵が吹っ飛んだという痛い失敗も含まれている。
 古代の核爆発は、地球規模のものではなく、文明を築くための実験都市をひとつ失うという程度の規模だったからまだやり直しができた。
 しかし、今は人間が世界中にまんべんなく文明社会を作っているから、それを全部巻き込むような規模で核兵器を使った第三次世界大戦が起きてしまったら取り返しがつかない。それではGも困る。
 だから、第二次大戦の最後にヒロシマ・ナガサキを押し込んだ。こういう規模の破壊が起きるんだぞと人間に教えるためにね>

「ひどい話だな」

<その後、核兵器によって世界は滅んでしまうかもしれないという一大キャンペーンを広めたのもGの計算のうちだ。
 核開発というのは、Gにとっては兵器を作らせることが目的ではない。でも、原子物理学の知識や技術を進めることは必要なことだった>

「核をエネルギー源として使うためにか?」

<原子力発電のことを言っているのか? あんなものはただの蒸気機関の一種だよ。お湯を沸かしてその蒸気で発電機を回しているだけのものだ。科学技術としてはものすごく原始的だ。
 そんなくだらないことではない。人間に原子の世界を見せること、原子や電子といった極小の世界を教えることで、人間が物質を操作する力を飛躍的に向上させることが目的だった。
 核開発は、高度な電子工学、生命科学といったものにつなげるためには通らなければならない「橋」だったんだ。
 だから、その橋を渡った後には、あまり価値はない。
 核だけでなく、戦争を技術革新の手段にするという方法は、ある段階から徐々に不要になる。もっとずっといい方法があるからだ>

「戦争よりもずっといい方法?」

<そう。戦争よりずっと効率的な方法だ>
           


ジャンル分け不能のニュータイプ小説。 精神療法士を副業とする翻訳家アラン・イシコフが、インターナショナルスクール時代の学友たちとの再会や、異端の学者、怪しげなUFO研究家などとの接触を重ねながら現代人類社会の真相に迫っていく……。 2010年に最初の電子版が出版されたものを、2013年に再編。さらには紙の本としても2019年に刊行。
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