パソコンは中国製に限る?2020/10/25 22:14

今回メインマシンに昇格させた中国製ミニPCの中
画像編集ソフトのPhotoshop Elementsは常用アプリで重宝しているのだが、今使っているのは15年以上前のバージョンだ。
ElementsシリーズはAdobeの年間ライセンス契約ではなく単独購入できる最後の砦だが、これまでライセンス購入のみにされたらたまらないと思い、思いきって最新版を購入した。
ところが、Windows7にはインストールできないと判明! ショックだ。
1万円以上出したアプリがインストールさえできないのでは洒落にならない。いろいろ考えた末に、メインのWindows7マシンと、去年買って、サブ機にしているWindows10 のミニPC(格安の中国製)を入れ替えることにした。
その経緯と初期設定やトラブル解決法の詳細は⇒日記に3ページ以上にわたって詳しく書いたのだが、この作業をやっていて改めて考えさせられたのは、日本は本当にITに関してはアジアの中でも最底辺にいるなあということだ。

日記を読んだかたから、
  • Windowsは日本語バージョンと英語バージョンでは恐ろしく違う。
  • 日本語版はお節介機能が満載で、ストレスやトラブルが段違いに多い。
  • 日本語版WindowsがプリインストールされているPCは余計なバンドルソフトがプリインストールしてあったりしてますますトラブルが多いので、買わない。
  • 日本製のデバイスのドライバーもまともに動かないものが多い。英語版ではそういうことはまずない。
  • 同じiPhoneでも、日本で発売するものにはSIMロックがかかったりしていた時期もあったし、とにかく日本製の機器はストレスだらけである。
……といったコメントが寄せられた。
英語版Windowsを使ったことがないのでどこまでそうなのかは分からないが、さもありなん、だとは思う。


「仕事のためのパソコン」の理想像とは

だいぶ前から、私がPCに求めるのは、
  1. コストパフォーマンス
  2. 静かで小型であること
  3. いざというときに手当てできる分かりやすい構造

……の3点だ。

ノートPCでは快適な仕事環境にはならない。かといって、マジンガーZ(古い?)の操縦席みたいなゴツいものは邪魔でうるさいだけだからいらない。
デスクトップマシンはゲームマニアのものだけではない。普通に「仕事をする人」のものである。
そういう「普通の人」は、小さくて、静かで、サクサク動いて、安定しているPCを求めている。(こういうやつだ)


昨年購入した怪しげな中国製ミニPCは、3はともかく、1と2を満足させている。
これに匹敵するデスクトップパソコンは国内メーカーはおろか、DELLのような巨大メーカーの製品にも見あたらない。捜しまくっても、聞いたことのない中国製マシンしか見つからないのだ。
小さいのに強力。音はまったくしないし、重量級の外部HDDやらなにやら10個以上のUSB機器をつなぎまくっても、なんのトラブルもなくサクサク動く。 しかも、安い。
これを選ばない理由がない。

その中国製ミニPCをメイン機にしなかったのは、Windows7のメインマシンの環境を移行するだけで相当な手間がかかるし、あまりにも小さくて安いマシンだったので、イマイチ信用していいものかどうか迷ったからだった。
しかし、今回入れ替えてみて、このミニPCの実力がかなりのものであることが分かった。
兄弟機のような、もっと安い機種を妻が使っているが、1年以上何のトラブルもなく動いている。
こんなことならもっと早く入れ替えればよかった。

中国はIT産業の裾野がものすごく広く、活気があることを感じる。
専制国家体制の国なのに、なぜ産業の現場では活気があって、欧米をも脅かすほどに急成長したのだろうか。
思うに、商品開発や技術研究をする現場の人たち、特に上に立つ人たちが、「どうすればよりよく、合理的な製品を安く作れるか」を第一に考え、動いているからではないか。

それに対して日本では、「どうすれば売れるか」「どうすれば儲かるか」「どうすれば客をうまく瞞して商品を買わせられるか」を第一に考えているように感じる。
もちろん中国でも、そういう腐った根性でやりくりしている企業や輩もいっぱいいて、今も安かろう悪かろう製品はたくさん生まれている。でも、裾野が広く、活気があるから、山の中腹から上の部分がどんどん立派になっている。

日本は、企業の姿勢、製品開発や商売倫理という部分で、根本的な間違いをおかしているような気がする。だから、一部の優秀で真面目な人たちの努力が形にならない。山の中腹から上がしっかりしないどころか、上からも麓からもボロボロ崩れていく一方だ。
この「根本的な間違い」という病巣が、メディアの姿勢、官僚の働き方など、あらゆる分野に巣くっている。
この仕事は誰のために、どういう目的でやる仕事なのかという考え方の「だれの、何のために」が間違っているのだ。
目先の利益や保身を最優先させる結果、国全体の力が落ちていくという難病。

今の日本は、IT後進国というだけでなく、あらゆる面で、今までの歴史の中で何度もおかしてきた間違いを次々に甦らせ、その間違いに鈍感になっているのではないか。
その鈍感さと無責任さが導く先を想像するのが恐ろしい。
どうにもならなくなってからでは遅い。どん底を見る前に、なんとか山崩れを防ぐことはできないものだろうか。



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