タヌパックブックスの現状2023/06/03 20:43

出版事業者としてISBNコードを取得したのはいつだったろうと日記を検索したら、2019年のことだった
あれから4年。タヌパックブックスでISBNコードを振っている本は37冊になる。コードは100冊分取得しているので、あと63冊余裕があるわけだが、もちろん、生きているうちにあと63冊作ることは不可能だろう。

当初から黒字経営は諦めていた。オンデマンド本は1冊単位で発注し、印刷・製本するので、単価が高い。それに取次業者の手数料と送料、さらにはAmazonへの手数料が高い。1冊売上ごとの手数料の他、売れても売れなくても毎月定額の契約料を取られている。ストレスになるだけなので細かい計算はしないことにしているが、黒字になっていないことは間違いない。
サメだかマグロだかは泳ぎ続けていないと死んでしまうとか。それと同じで、爺は創作し続けていないと生きていく気力が失せてしまう。ただ食べて、寝て、楽しいことだけしていればいいという毎日はありえない。もっとも、食べて、寝て、楽しいことをする時間がある生活というだけで、今の日本では相当贅沢なことなので、「それだけじゃ嫌だ」なんて、大っぴらには言えないんだけどね。

タヌパックブックスの出版物37冊の中で断トツのヒットは『新・狛犬学』で、今も週に1冊は売れ続けている。

↑「新・狛犬学」を検索すると……
↓Amazonのページでのランキング


これ以外はほとんど売れないのだが、最近ようやく狛犬関連以外の本もポチポチ注文が入るようになった。

↑現時点での発送待ちリスト

正直なところ、狛犬関連以外の本の注文があると嬉しい。本業に近い(ヽヽ)のはそっちなんだよ、という気持ちがあるから。

生の会話がない生活


今朝、起きたときにふと思った。
ここ何年かは、助手さんとネコ以外とは生の会話をしていないな、と。

お店のレジで「お願いします」「ありがとうございます」と声をかけるだけでは会話とは言えない。宅配便のお兄さんに「ありがとうございます」と言うのも同じ。
それ以外は、散歩の途中でたまに近所の人に会って立ち話をするくらい。
それも世間話みたいなのが多いし、ここ3年は特に「内容のある話」を意識的に避けるようにしているところがある。
先日、散歩の途中で会った近所の老人(80代)が「酸化グラフェン」という言葉を発したので、そこからナノパーティクルだのシェディングだのスパイクタンパクだのという単語が出てくる会話が始まったのだが、今思うと、生の会話の中で相手から「酸化グラフェン」という単語が出てきたのは後にも先にもそのときだけだ。
文字としては一時期毎日のように見ていた単語だし、日記などにも何度か書いているが、助手さんを除けば、生の会話の中で使った(実際に声に出した)ことは一度もなかったと思う。
話す相手がいないからだ。
これって、ものすごく異常なことだよね。

本来なら学校や職場での会話の中に何度でも出てくるべき単語だろう。
今の自分の生活にそうした集団の中にいる時間がまったくないので、世の中全般ではどうなっているのか分からないが、おそらく知識や情報を吸収すべき中高生の間でも、そうした会話はほぼないのではなかろうか。

集団の中にいる時間がゼロである爺の今の生活は、世間一般から見ればかなり特殊なものだろう。
でも、毎日職場に通っているような人でも、仕事の伝達事項や客とのやりとりといった「定型」の会話以外の会話(例えば「酸化グラフェン」とか「アゾフ」とか「WHO」などの単語が出てくる会話)を、家族や友人と生で交わしている時間はほとんどないのではなかろうか。

超過死亡と自殺の推移

この3年間を振り返ると、遺伝子製剤注射が始まるまでの2020年には超過死亡は前年より減っていたが、注射が始まってからはどんどん増えている。
超過死亡が減った2020年でも、自殺者は増えている。ストレスを溜め込んだまま吐き出せない人が増えたからだろう。

超過死亡は注射のタイミングと連動しているが、自殺者は緊急事態宣言なる準ロックダウン政策のタイミングで急増している。

爺は歳のせいもあるが、今はもう人と生で接したい、会話したいという気持ちがなくなっている。むしろ、接することによる面倒やリスクを避けたいと感じている。
しかし、若いときにこんな世界が訪れていたらどうなっていたかと思うと、心底ゾッとする。

こういう世の中になってしまって、その原因が分かってきていても、未だに「瞞されていた!」「間違っていた」と認める人はほとんどいない。

そこで思うのは、戦前戦中の日本はどんな社会だったのだろうということだ。
欧米を相手に戦争をするなど馬鹿げている、他にやるべきことがあると考える人はそこそこいたのではないか?
そうした人たちはどのように日々を過ごしていたのだろうか。
想像してみようとしても、材料がない。社会の空気や大衆の心理状態を正確に伝える資料がほとんどない。
嘘を並べて人々を煽りまくった新聞記事や、一部の反戦を訴えた人たちの書いたもの、弾圧の記録などはあるが、そうした社会で人々が実際にはどんな気持ちで毎日を過ごしていたのか、なかなか見えてこない。
でも、「見えてこない」というのは今も同じだ。友人、隣人がどんな気持ちで生活しているのか、見えてこないし、見えてしまうことへの恐怖心もある。

そんな世界に向けて創作物を発表するという行為に張り合いがもてないのは当然だ。それでも創作をやめることは自分の命を縮めることだから、最後は自分という観客、自分という読者に向けて何が創り出せるかを考える。

「子供の世界」が消されていく

何度も言うようだけれど、この見えにくい戦争における最大の被害者は若年層だ。
特に自分の意思や努力では身を守れない子供たちは悲劇だ。
子供の世界が大きく変わってしまったことに、大人たちは気づいているのか?
おそらく分かってはいても、自分ができることは何もないと諦め、直視しないようにしている大人が大多数なのだろう。
厚生労働省と警察庁は2023年3月14日、2022年中における自殺の状況(確定値)を公表した。小中高生の自殺者数は514人で、1980年に統計を開始してから初めて500人を超え、過去最多となった。



心の病という面では、これも異常だ。



知力・体力・免疫力の低下もひどい。身体(脳ももちろん含めて)をしっかり作っていかなければならない時期に、それを疎外するものを半ば強制的に与えられてしまった。
今日も、インフルエンザで学級閉鎖だの、運動会の予行練習中に熱中症で生徒32人が体調不良を訴え、23人が病院に搬送されたなどというニュースがあった。


じわじわ進んでいるなあ。このじわじわぶりが実に巧妙で、現在進行中の戦争に対しての無力感だけが残る。

3回接種後の医療従事者の死亡率がSARS-COV-2出現前のそれと比較して有意に増加したかどうか、統計学的に検討を試みた。方法として標準化死亡比(Standardized Mortality Rate SMR)とその信頼区間を求めた(詳細な標準化死亡比に関する記載はSupplementary materialに別記とした)。

標準化死亡比(SMR)は、3回目先行接種をした医療従事者の実死亡数(1年間当たり)4,860人/予想死亡数2,882人から1.69となった。すなわち、3回目先行接種後に死亡した医療従事者の人数はSARS-COV-2出現前の一般人口よりも1.69倍多いと考えられた。

この「1.69倍」が有意に高いと言えるのか、信頼区間(95%、99%)を求めた。結果、標準化死亡比の95%信頼区間は1.64-1.73、99%信頼区間は1.62-1.75で、99%の確率をもって3回目ワクチンを先行接種した医療従事者の死亡率はSARS-COV-2出現前の一般人口より高いと考えられた。
新型コロナワクチン3回接種後の医療従事者の年間死亡率は?  大里 忍 Agora


何かを伝える、残すという望みもほぼ絶たれて……

若い人たちには、爺の経験や技術の伝達をしたいという思いは強いのだが、こちらから接近しても老害だのなんだのと思われるのがオチだという気持ちがある。
もちろん求められればできる限りのことをしたいし、するつもりだが、求められることもない。価値観が違う世界の間では有益・有効な交流は生まれない。

お袋が死ぬ数か月前くらいに電話の向こうで言っていた言葉が何度も甦る。
「死ぬ前ってこういう感じなのね」

そのときはまともに相手にしなかったし、「こういう感じ」がどういう感じなのか想像できなかったけれど、今の自分はまさに「そういう感じ」なのだわ。
なんというか、違う世界に隔離されたような感じ。
この隔離された世界がどんどん狭まっていき、最後は自分しかいない世界になったときが死ぬときなのかもしれない。

多分、最後まで手を動かし続けるのは文章を書くことだろう。
今考えている本は2冊ある。
一つは『情報宗教』『情報宗教が世界を滅ぼす』といったタイトルのもので、現在の社会を分析し、人間の本性を見つめ直すようなもの。
これはだいぶ前にストップしたまま。

もう一つは、社会を分析しても虚しいだけだという思いから、自分の死への準備として『神は成長する』というタイトルのもの。
これは完全に自分に向けて書いている。

↑『情報宗教』 の一部
↓『神は成長する』 の一部



肉体は消滅し、現世での記憶も消えるが、その肉体(脳)とリンクしていた「神」が存在している。それは普遍・不変・絶対という神ではなく、肉体と共に変化(成長)しうる「何か」である

……と、そんな想像を文章化しようとしている。

自分の中の「神」を少しでも成長させ、あるいは変化させてから、量子の世界に戻っていきたい。

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WEBブラウザを使い分ける2023/04/22 11:31

ブラウザによってこんなに違う

最近、いくつかのWEBブラウザを試している。
Chromeを使っていた時期が長かったのだが、グ社のポリシーがどうにも信用ならない。Windowsに最初からついてくるEdgeも余計なお世話機能が多く、情報もMicrosoftにダダ漏れしている感じで使いたくない。
それで、FirefoxベースのFloopというのに変更して、よさそうなのでしばらく使っていた。

Amazonで買い物カゴに進めない

しかし、Floopは表示フォントが(設定で大きく指定していても)サイトによっては小さすぎたり、文字が重なってしまったりすることがある。
もっと困るのは、Amazonで買い物したときに、買い物カゴに商品が入らない。どうもアフィリティ付きURLでAmazonに入っていると、悪意のあるリンクだと判断して遮断してしまうようだ。
普通のFirefoxやBraveでやっても同じだった。
ささやかながらタヌパックの収入が拒否されるわけで、これは困る。

↑Firefox系ブラウザやBraveでアフィリエイトリンクからAmazonに入ると、買い物ができない

ChromeやEdgeだとちゃんと買い物カゴに入るし、そのまま決済までいける。

ただし、Braveでは、「設定」⇒「プライバシーとセキュリティ」⇒「Cookieと他のサイトデータ」で「サードパーティのCookieをブロックする」がデフォルトで有効になっているが、その下の「常に Cookie を使用できるサイト」に「https://www.amazon.co.jp/」を追加することでアフィリティリンクから入っても買い物カゴに進めるようになった。

↑ここにhttps://amazon.co.jpを追加すると、ようやくリンクから入っても買い物できるようになった

画像が表示されない

Firefox系ブラウザだと、画像読み込みを拒否して無地になってしまうサイトが出てくる。

The Sun Snores Press を表示させたとき
↑Floop  ↓Chrome



Corobuzzを表示させたとき
↑Floop  ↓Chrome

↑このようにFirefox系では外部からの画像読み込みがされない。
Brave、Chrome、Edgeではちゃんと表示される。

Facebook動画の埋め込みが表示されない

Facebook動画に関する動作も違う。
前回の日記でも、Facebookに投稿した動画を貼り込んでいる部分があるが、FloopやFirefoxにDuckDuckGoを入れていると表示させない。

↑Floop+DuckDuckGo 「Unblock Video」をクリックしても表示されない



↑Firefoxでも同じ。さらに不思議なのは、再読込させると、ページの下のほうに貼り込んであるこれが表示される



↑Chromeでは普通に表示される



↑Braveでは「Unblock Video」をクリックすれば表示される



↑ちなみにこの部分のページソースはこうなっている


セキュリティ強化はいいのだが、DuckDuckGoの動作はいろいろ困ったことも引き起こす。
Firefox系では、DuckDuckGoをOFFにしても、今度は何も表示されなくなる↓。

↑nikko.usでは作動しないように設定すると、
↓今度は何も表示されなくなる



↑この動画、あなたのブラウザでは再生できますか?

ChromeとEdgeは普通に再生できる。
Braveでは「Unblock Video」をクリックすると再生できる。

……といろいろ試してみたが、いちばんよさそうなのはCookieの設定をカスタマイズしたBraveかな。
ただ、Braveはサイトによってはログイン画面での動作がおかしくなることがある。保存してあるIDとパスワードが消えてしまい、表示されたそれをクリックしようとするとパッと消える……とか、そういう動作。マウスではなく、カーソルキーで移動させて確定させるとOKだったり、コツがいる。

……とまあ、どのブラウザも100点満点というわけにはいかない。しかしまあ、結論としては、普段使いはBraveで、Braveでログインがしづらいサイトに関しては他のブラウザを使うか、我慢して面倒な操作を指に覚えさせるか……かな。


★↓下のリンクをクリックしてAmazonに入った後、買い物をしようとしてエラーになる場合は、Firefox系のブラウザがブロックしているから。ChromeやEdgeだと問題ない。Braveは、「設定」でAmazonをサードパーティのCookieを許可する例外に指定することでようやく買い物できるようになる。
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(まえがき より)


(p.101 より)



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50年前のカセットテープに入っていたAKAIのラジオCM2022/08/28 20:29

少しでも断捨離しなくちゃ、と思ってゴミの山に向かったのだが、古いカセットテープの山から、ああ、これは捨てられないよなあと思うようなものが出てきて、また作業が止まってしまった。
大元のテープからダビングを重ねて編集したものばかりだが、一番古そうなのは1972年と記されたもの。
中2の秋に結成したフォークバンド「巨蕭(きょしょう)」も、もうすぐ大学受験だし、最後に録音でもしようか、と、河原君の家に集まって録ったものらしい。
あたしと河原君、石井くん、そして録音係として佐野くんもいるみたいだ。野口くんがいないのは、すでに受験勉強に専念して抜けていたからかな。
聴いてみたいが、カセットテープを再生するプレイヤーがない。
何年か前に買ったUSB出力のついたカセットプレーヤーがあるはずだと思って部屋中捜したが出てこない。数時間後、ようやく見つけたのだが、再生してみたらモケモケの音で、聴けたもんじゃない。
これはテープそのものがダメなのか、それともプレーヤーが劣化してダメになっているのか?
動作はするので、何本か差し替えて試したのだが、どれもひどい音でグニョグニョ。
そこで、どこかにラジカセがあったはずだと、かわず庵に戻って持ってきたが、ラジオは受信できたが、カセット部分は音が出なかった。
悩んだ末に、メルカリやAmazonでカセットテープ再生機を探した末に、Amazonで前に買ったのと同じようなやつをポチした
「残り1点」で2,480円だったが、今確認したら「残り1点」のまま3000円に値上げしていた。「残り1点」はおそらく「釣り」だろう。

翌日届いたのだが、なんと、前に買ったサンワサプライの製品とまったく同じものだった。OEMで何社にもフタと裏のシール部分だけ替えて供給しているようだ。
サンワサプライのは4980円で出ているので、半額で購入できたわけだ。


↑↓左が今回購入したもの。右が数年前に購入したサンワサプライのもの。まったく同じ製品だった


これも最初は苦労したのだが、なんとか今度はマシな音で再生できた。


↑50年前の私の歌声。
一緒に歌っているのは河原君と石井くん。

で、これよりもっと聴きたかったのがこれ↓

1971年頃、ラジオから流れてきたAKAIのオープンリールデッキのラジオCM。
FMの音楽番組を録音していて、たまたま一緒に録音されていたもの。ナベサダの番組か何かだったのかな。
3分45秒の楽曲を2分50秒まではまったくナレーションなしで聴かせてくれるので、そのときも最初はCMだとは思わなかった。
私が師匠と思っている樋口康雄氏さんの作風だが、AKAIだから、作・編曲はおそらく大野雄二さんだろう。
短調とも長調ともつかない、ドレミではとても歌えないような調性感のない?メロディなのだが、違和感などはまったく感じさせず、お洒落で耳に心地よい。
こんな贅沢な放送文化、音楽文化があった時代なのだと、改めて感じさせてくれる名曲。
これをカセットテープに入れてよく車の中で聴いていたのだが、長いことテープを紛失していて聴けなかった。

↑車で聴くために編集したテープ。「My Favorite Melodies」とある。昔はこういうことみんなやってたよね

↑安物のテープなので劣化が心配だったが……
今回はしつこく再生に挑戦した結果、なんとか聴けた。
埋もれさせたままなのはあまりにももったいないので、いろいろ問題はありそうだが、YouTubeにUPしてみた。

凄いよなあ。
50年前の日本はこうだったんだなあ。奇跡のようなかっこよさ。
「グリーン・スリーブズ」みたいなメロディックマイナーのメロディというのともちょっと違うし、かといって、メジャーでもマイナーでもないような調性感の摑みにくい曲。

↑冒頭の部分を譜面に起こしてみただけでも、転調やら変拍子やらテンポチェンジやら……滅茶苦茶凝っている。それなのに嫌みがまったくない。普通に聴いていたら「ああ、きれいなメロディだなぁ」で終わりそうな自然さ。
こういう音楽が50年前には一部の音楽家たちによって量産されていた。樋口康雄、大野雄二……この二人は一体どれだけの劇伴やCM音楽を書いたことだろう。そのすべてがかっこよくて、テレビのイヤホンジャックにコードをつないでテープデッキに録音したりしたものだ。
このメロディが頭から離れず、脳が興奮したままでよく眠れなかった。

50年経った今、こういうのを聴き直すと、自分がいかに中途半端で凡人なのかが分かり、静かなため息が出る。
残りの人生、数をまったく無視した創作活動をしようと、改めて思った。「一人に向かって」どころか、自分だけに向かって。
誰にもおもねない。受け入れられるという計算もしない。
そうして、肉体から抜けて行く準備をしていけないだろうか……。

ああ、やっぱり音楽は魔物だな。

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4K・8Kテレビ放送の虚無2020/11/27 14:57

デジタル放送開始当時のテレビと今のテレビのリモコン
居間のテレビが冬になると液晶画面がおかしくなり、しばらくウォーミングアップしないと映らなくなっていた。数年前からなのだが、どんどんひどくなって、今年は室温15度以下でもおかしくなる。
あと、ときどき地上波のTBSが電波が弱くて乱れる。これはテレビのせいではなく、アンテナの受信環境のせいだろうから、ブースターを追加したり、いろいろやってなんとかしのいできたのだが、先日、これもひどくなり、アンテナ配線を抜き差ししているうちに、今度はBSが映らなくなった。
不思議なことに、BSが映らなくなったのに、110度CSは映るチャンネルと映らないチャンネルがある。
それも、時間と共に映らないチャンネルが増えていく。
これはアンテナ関連ではなく、内蔵チューナーがいかれてしまったんだろうと判断。しょうがない。買い換えるか。
このテレビ(42型)は購入してまだ9年しか経っていない。その前に使っていた37型のほうはまだピンピンしていて、しかも画質がきれい。同じREGZAなのに、なんで新型のほうが画質が悪いのかと不満には思っていたのだが、まあ、うるさく言うほどではないので、いろいろ調整して使ってきたわけだが、9年でアウトかい~。

どうせ買い換えるならでかいやつ、ということで、当初は42型⇒55型を考えたのだが、妻が「ついでにこの両脇のスピーカーも片づけられないの?」と言うので(北欧のAudio Proだったかな、なんかお洒落なトールボーイ型スピーカーを使っている)、スピーカーをどけた場合の最大サイズ(壁の横幅いっぱい)に収まる65型にした。

多分、65型でトリプルチューナーのやつではいちばん安い。USB外付けHDD4台つなげられる。540が出て、現在値崩れ中?Amazonで購入

ネットで調べて、いちばん安い店に発注したら、届くのに6日かかった。

機能的には満足のいくものだし、同じREGZAなので、使い方もほぼ一緒なのだが、案の定、音は悪い。
オーディオスピーカーは片づけてしまったので、なんとか調整して内蔵スピーカーで我慢……と思ったけれど、どうにも我慢できず、余っていたPC用のミニスピーカーを取り付けた。これ、なかなかの優れものなのよね。
大きさ的にも邪魔にならず、うまくいった。


こんな感じで落ち着いた。

4Kと従来のBSって、区別つく?

……で、ここからが本題。
知らないうちに、売られているテレビのほぼすべてが4Kチューナー内蔵になっていた。だから、届いたテレビも4Kチューナーが内蔵されていて、BSの4K放送が見られる。
しかし、4Kだの8Kだのって、まったくいらんなあ。
NHKの朝ドラなどは、BSプレミアム(解像度:1920×1080)と4Kチャンネル(3840×2160)が同じ内容を同時放送しているが、切り替えても違いが分からない。
もっと馬鹿げているのは、BSで4K、8K放送を開始するために、NHKのBS1や民放キー局のBSチャンネルの解像度が、それまでの1920×1080から地上波デジタルと同等の1440×1080に落とされた(2018年から)ことだ。
こういうのを本末転倒という。
このときも事情を知った視聴者や放送現場からは「なんとバカなことを」という声が上がっていたが、テレビメディアは一切このことを報じなかった。
しかも、「実際には放送各社のほとんどが番組の映像を1440×1080の規格で管理しているため、解像度が変更となった後も実際の画質はこれまでと変わらない」などという説明がされる始末。つまり、「ほとんどの放送コンテンツは1440×1080で編集・保存されているんだから、1440×1080で十分なのだ」と告白しているわけだ。
NHKの朝ドラはお金をかけて映像制作しているだろうから、解像度の違いが分かるはずだと思ってじっくり見てみた。
地上波(1440×1080)とBSプレミアム(1920×1080)の解像度の微妙な差はなんとなく分かる(画面に近づいてじ~~っと見て、そうかなぁ……と感じる程度)。でも、BSプレミアムと4Kの差は分からない。65型でも分からないのだから、42型くらいのテレビなら、まったくと言っていいほど分からないんじゃないだろうか。
ものすごく高いテレビだと液晶のクオリティが高くなって分かるのかもしれないけど、あたしゃ老眼だし、大画面テレビの目の前に座り込んで見ているわけではないので、意味なしホウイチだ。
ましてや、1日中通販番組をしている4Kチャンネルで「今ならお値段そのままで、もう一台オマケでついてきます!」なんてやっている人の顔をデカデカと映し出されてもねえ。

金のかけ方がおかしい

大宅壮一が「一億総白痴化」という言葉を使ったのはいつのことだったか。今ではその言葉を知っている人のほうが少なくなっているだろうなあ。
我々視聴者はもともとテレビによって白痴化していたのだが、テレビがでかくなっていき、4Kだ8Kだと騒ぐにつれ、さらにバカになっていく。
これ以上バカになっていいのか? 4K、8Kインフラに投資するより、質の高い番組を作るために金をかけようよ。それやらないと、俺たち貧乏人が作るYouTubeコンテンツにも負けるよ。

NHKにしても、昭和の懐かし映像を無理矢理高解像度化した変な映像なんて、元画像が粗いんだから、4Kで放送する意味はないでしょ。

貴重な電波の周波数帯資産、もっと違うものに割り当てられないのかと呆れるばかり。
テレビ放送が全部デジタル化したのはいいとして、あのとき、地上波の利権構造はリセットしておくべきだった。デジタル放送を受信可能エリアの狭いUHF帯中心でやる必要はまったくない。BSやネット回線が中心ということにして、地上波(AM、FM、UHFなど)はローカルメディアやデータ送信に割り当てていくべきだった。
それまでの利権を守るために、わざわざ狭くて性能の悪いメディアに固執した。これは総務省とテレビ局の癒着による罪。

今のテレビには最初からhuluだのNetflixだのというアプリがインストールされていて、視聴者に有料放送サービスを購入させるようにさせるようにと前のめりで攻めてくる。
クラウドサーバーに自動的に視聴者の視聴記録や嗜好を集めて、そのデータを裏で売買したり、あらゆる営業活動に利用したりする仕組みも入っている。
そこまでやっておいて、未だに地上波はBS、CSよりえらいとか、昔ながらのサンプル数が極端に少ない「視聴率」なんてものに振り回されていたりして、放送業界もバカで凝り固まっている。

道具に支配された人間

テレビの解像度が上がるにつれ、肝心の番組の質はどんどん劣化しているのは確かだ。
この「ハイテク道具に支配され、主人であるべき人間の知性や感性が劣化する」という現象は、テレビ業界だけでなく、あらゆる産業、文化の分野で起きている。
結局、道具ばかり進化しても、使う我々がそれに振り回されるだけで、道具によって想像力が奪われてしまうのだろう。
受け手の想像力が劣化すると、送り手(創り手)の創造力もそれに合わせて低レベルな方向に合わせていく。そうしないとビジネスにならないから。
道具が進化して、今なお安価で入手できることはありがたいのだが、ある程度、道具は不自由、不完全なほうが、創意工夫をしながら、形のない価値(芸術とか哲学とか)を育てる力が育つのだろうな、と思う。

私は一般家庭にテレビがない時代に生まれた。近所のお金持ちが初めてテレビというものを買って、それを庭から縁側越しに覗きに行っていた時代を知っている。
テレビは今も完全な受動態道具だけど、創作や自己表現のための道具──例えば楽器なんかも贅沢品だった。
紙と鉛筆でさえチビチビと使わなければ怒られた。
本も高くて買ってもらえなかったから、同じものを何度も読み返した。
子どもの頃に何度も読み返した「シートン動物記」の文章がしっかりしていたから、今の文章作成能力につながったのかなあ、なんて思う。

ワープロが出てきたのは20代後半だったかな。そのうちにパソコンが出てきて、デジタル信号ですべて処理・記録するようになって……と、その後の劇的なデジタル革命を全部見てきたから、今の「最初からデジタルだけ」の世代とは違う価値観や歴史観を持っている。
まあ、いい時代に生まれたんだろうなあ。

……と、ジジイ根性丸出しの戯言はこのへんにして、さっさと創作活動をしなさい、って。

……というわけで、オマケはこんなのを……。


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パソコンは中国製に限る?2020/10/25 22:14

今回メインマシンに昇格させた中国製ミニPCの中
画像編集ソフトのPhotoshop Elementsは常用アプリで重宝しているのだが、今使っているのは15年以上前のバージョンだ。
ElementsシリーズはAdobeの年間ライセンス契約ではなく単独購入できる最後の砦だが、これまでライセンス購入のみにされたらたまらないと思い、思いきって最新版を購入した。
ところが、Windows7にはインストールできないと判明! ショックだ。
1万円以上出したアプリがインストールさえできないのでは洒落にならない。いろいろ考えた末に、メインのWindows7マシンと、去年買って、サブ機にしているWindows10 のミニPC(格安の中国製)を入れ替えることにした。
その経緯と初期設定やトラブル解決法の詳細は⇒日記に3ページ以上にわたって詳しく書いたのだが、この作業をやっていて改めて考えさせられたのは、日本は本当にITに関してはアジアの中でも最底辺にいるなあということだ。

日記を読んだかたから、
  • Windowsは日本語バージョンと英語バージョンでは恐ろしく違う。
  • 日本語版はお節介機能が満載で、ストレスやトラブルが段違いに多い。
  • 日本語版WindowsがプリインストールされているPCは余計なバンドルソフトがプリインストールしてあったりしてますますトラブルが多いので、買わない。
  • 日本製のデバイスのドライバーもまともに動かないものが多い。英語版ではそういうことはまずない。
  • 同じiPhoneでも、日本で発売するものにはSIMロックがかかったりしていた時期もあったし、とにかく日本製の機器はストレスだらけである。
……といったコメントが寄せられた。
英語版Windowsを使ったことがないのでどこまでそうなのかは分からないが、さもありなん、だとは思う。


「仕事のためのパソコン」の理想像とは

だいぶ前から、私がPCに求めるのは、
  1. コストパフォーマンス
  2. 静かで小型であること
  3. いざというときに手当てできる分かりやすい構造

……の3点だ。

ノートPCでは快適な仕事環境にはならない。かといって、マジンガーZ(古い?)の操縦席みたいなゴツいものは邪魔でうるさいだけだからいらない。
デスクトップマシンはゲームマニアのものだけではない。普通に「仕事をする人」のものである。
そういう「普通の人」は、小さくて、静かで、サクサク動いて、安定しているPCを求めている。(こういうやつだ)


昨年購入した怪しげな中国製ミニPCは、3はともかく、1と2を満足させている。
これに匹敵するデスクトップパソコンは国内メーカーはおろか、DELLのような巨大メーカーの製品にも見あたらない。捜しまくっても、聞いたことのない中国製マシンしか見つからないのだ。
小さいのに強力。音はまったくしないし、重量級の外部HDDやらなにやら10個以上のUSB機器をつなぎまくっても、なんのトラブルもなくサクサク動く。 しかも、安い。
これを選ばない理由がない。

その中国製ミニPCをメイン機にしなかったのは、Windows7のメインマシンの環境を移行するだけで相当な手間がかかるし、あまりにも小さくて安いマシンだったので、イマイチ信用していいものかどうか迷ったからだった。
しかし、今回入れ替えてみて、このミニPCの実力がかなりのものであることが分かった。
兄弟機のような、もっと安い機種を妻が使っているが、1年以上何のトラブルもなく動いている。
こんなことならもっと早く入れ替えればよかった。

中国はIT産業の裾野がものすごく広く、活気があることを感じる。
専制国家体制の国なのに、なぜ産業の現場では活気があって、欧米をも脅かすほどに急成長したのだろうか。
思うに、商品開発や技術研究をする現場の人たち、特に上に立つ人たちが、「どうすればよりよく、合理的な製品を安く作れるか」を第一に考え、動いているからではないか。

それに対して日本では、「どうすれば売れるか」「どうすれば儲かるか」「どうすれば客をうまく瞞して商品を買わせられるか」を第一に考えているように感じる。
もちろん中国でも、そういう腐った根性でやりくりしている企業や輩もいっぱいいて、今も安かろう悪かろう製品はたくさん生まれている。でも、裾野が広く、活気があるから、山の中腹から上の部分がどんどん立派になっている。

日本は、企業の姿勢、製品開発や商売倫理という部分で、根本的な間違いをおかしているような気がする。だから、一部の優秀で真面目な人たちの努力が形にならない。山の中腹から上がしっかりしないどころか、上からも麓からもボロボロ崩れていく一方だ。
この「根本的な間違い」という病巣が、メディアの姿勢、官僚の働き方など、あらゆる分野に巣くっている。
この仕事は誰のために、どういう目的でやる仕事なのかという考え方の「だれの、何のために」が間違っているのだ。
目先の利益や保身を最優先させる結果、国全体の力が落ちていくという難病。

今の日本は、IT後進国というだけでなく、あらゆる面で、今までの歴史の中で何度もおかしてきた間違いを次々に甦らせ、その間違いに鈍感になっているのではないか。
その鈍感さと無責任さが導く先を想像するのが恐ろしい。
どうにもならなくなってからでは遅い。どん底を見る前に、なんとか山崩れを防ぐことはできないものだろうか。



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