「斑目スケール」だといくつでしょう2012/05/09 11:19

斑目春樹
日本では珍しい竜巻被害で、久しぶりに「藤田スケール」という言葉を聞いた。
Wikiで確認すると、ものすごいことが書いてある。

F5:ありえないほどの莫大な壊滅的被害。強固な建造物も基礎ごと吹き飛んでいってしまい、自動車大の物がミサイルとなって数百メートルを超過して空を飛び交い、どこからともなく大型トラックが降ることもあるという。樹木も根こそぎ宙を舞い、とにかく信じられないような大惨事になる。

ちなみに、今回の北関東での竜巻被害はF2に相当するらしい。

藤田教授には失礼だが、これにならって「斑目スケール」というのを考えてみた。


藤田スケール F(竜巻被害の度合を示す指数)と斑目スケール M(原子力事故被害の度合を示す指数)の比較



F0:被害は比較的軽微。煙突の損傷、木の枝が折れる、根の浅い木が傾く、道路標識等の損傷など。
M0:被害は比較的軽微。パイプの損傷、少量の冷却水漏れなど。うまくやれば隠蔽できる。

F1:中程度の被害。屋根がはがされたり、自動車で引く移動住宅などは壊れたりひっくり返ったりする。移動中の自動車は道から押し出される。壁続きのガレージは破壊される。
M1:中程度の被害。もんじゅの燃料装填クレーンの部材が炉心に落ちたりする。隠しきれないが、莫大な金を注ぎ込んで何度でも挑戦すれば収拾できるかもしれない。

F2:大きな被害。家の壁ごと屋根が飛び、強度の弱い木造住宅や移動住宅などは破壊され、貨車は脱線したりひっくり返ったりし、大木でも折れたり根から倒れたりする。軽いものはミサイルのように飛び、車は横転したり数十メートル程度飛んだりする。
M2:大きな被害。JCO事故のように強力な放射線が施設の外に漏れ、住民が被曝する。作業員は急性放射線障害で悲惨な死に方をする。しばらくは騒がれるが、やがて人々の記憶からは消えていく。

F3:重大な被害。建て付けの良い家でも屋根と壁が吹き飛ぶ。列車は脱線転覆、森の大半の木は引っこ抜かれ、ダンプカーなどの重い車でも地面から浮いて飛んだりする。
M3:重大な被害。建て付けが良いと思っていた建屋も水素爆発で屋根と壁が吹き飛ぶ。汚染水はだだ漏れ。敷地内の「野鳥の森」の木は伐採され、汚染水を貯めたタンクの貯蔵場所に変わる。それでも原子力ムラは解体されず、地位や利権構造はしっかり守られ、除染ビジネスという新たな利権を生み出すこともできるので、そうそう悲観することはない。

F4:深刻な大被害。建て付けの良い家でも基礎が弱いものはちょっとした距離を飛んでいき、車は大きなミサイルのように飛んでいく。
M4:深刻な大被害。どうも単純な水素爆発ではなさそうだぞというような大爆発が起き、使用済み核燃料プールに貯蔵されていた燃料棒がミサイルのように飛んでいく。海外の専門家からは「即発臨界による爆発ではないか」と指摘されるが、一般の人たちには知られないように情報隠蔽はできる。

F5:ありえないほどの莫大な壊滅的被害。強固な建造物も基礎ごと吹き飛んでいってしまい、自動車大の物がミサイルとなって数百メートルを超過して空を飛び交い、どこからともなく大型トラックが降ることもあるという。樹木も根こそぎ宙を舞い、とにかく信じられないような大惨事になる。
M5:ありえないほどの莫大な壊滅的被害。強固な圧力容器ごと吹き飛んでいってしまい、原発を構成していたあらゆる構造物がミサイルとなって数百メートルを超過して空を飛び交い、世界中どこにいてもどこからともなく放射性物質が大量に降ることもあるという。土も水も根こそぎ放射能汚染され、とにかく信じられないような大惨事になる。

F6:もし発生するようなことがあるならば、未曾有(みぞう)の超壊滅的な被害が予想される。この階級以上の竜巻の発生率は全体から見てもごくごくまれな割合である。
M6:もし発生するようなことがあるならば、未曾有(みぞう)の超壊滅的な被害が予想される。この階級以上の原子力事故の発生率は全体から見てもごくごくまれな割合である。そんなことになるまで自分は生きていないと思うので、知ったことではない。

「今まで(壊滅的な事故にならなくて)よかったよかったで来ています。ただし、よかったじゃないシナリオもあるでしょうね。そのときは原子力発電所とまっちゃいます」
「安心なんかできるわけないじゃないですかぁ、あんな不気味なもの~」
「最後の処分地の話は……最後は結局お金でしょ」(by 斑目春樹)


この人が今でも原子力安全委員会のトップなのである。
本当の「危険物」は人間。こういう危険物を取り除く「除染」をまっ先にやらなければいけないのは、議論するまでもないだろうに。

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