コロナから考える近現代史─「大量死」が起きる構造2021/11/20 19:08

最近読んだ3冊

最近読んだ本

このところ、本を買っても全部は読まないことが多かったのだが、この3冊はすぐにほぼ読了してしまった。
「ひとりも、死なせへん」のことはすでに書いた。2020年1月31日から2021年8月4日までの長尾医師のブログ(日記)をほぼそのまま収録した記録。
この本は10年後くらいに、貴重な現場の記録として資料的な価値が高まるだろう。テレビなどで報道されていることと現場で起きていることがどれだけズレているか、政府や厚労省がいかにデタラメでいい加減で無責任な対応を続けてきたかがよく分かる。
長尾医師が当初から主張している「2類から5類への指定変更」ということを解説してきたメディアは極めて少ない(ほぼ皆無)。政治家や、医師でさえ、今なおきちんと理解していない人が多いのではないだろうか。
散々悪者にされた保健所の人たちも、ほとんどはいい加減な政治、厚労省の身勝手の犠牲者だ。

保健所の所長もこう訴えている↓
第5波までの経験で得られたことは、この新型コロナウイルス感染症対策は、早期発見早期治療、重症化後の対策から重症化させない対策への転換、治療しないで自宅・ホテル宿泊療養(療養とは名ばかりの単なる隔離)から治療して自宅へ。そして、医師の管理下におくことが最適だとわかったのではないか!
新型コロナウイルス感染症の特徴は一過性のウイルス増殖期とそれに引き続く全身に波及した強い炎症期、つまり、重症化。したがって、ウイルス増殖期にウイルスをたたく、つまり早く見つけて、早く治療して全身の強い炎症・重症化へ向かわせないことが肝要、そのための地域連携。それらのことが全く活かされていない。重症化後の対策では、医療資源を大量に消費し、病床等はどれだけ用意しても用意しきれない(スタッフの問題が大きく重症化に対応できる医療資源の更なる確保は困難)。また、それには経口抗ウイルス薬の使用がキーとなるはずなのに、そこに対する記述は乏しい。
(中略)
コロナ対策を真面目にやって疲弊した保健所や医療機関を更に追い詰める対策。数(病床等)が足りなかったからということで、責任逃れの単なる数合わせ! 沢山専門家?もおられるはずなので、少しはこの夏までの経験を活かした総合的な(まともな)な方針をたてて欲しい。
第6波への備え:第5波までの経験を活かさない厚生労働省の方針 「今までも酷かったが、さすがにこれは、、、」 某保健所長 医療ガバナンス学会 (2021年11月9日


早期発見・早期治療ができれば怖くない病気なのに、わざわざ重症化させてから逼迫している入院先を捜すような馬鹿げた対策を続けている。
コロナ専門病床を増やしても、重症化した患者を治療できる人的資源は増やせないのだから、解決にはならない。重症化させないためにはどうしたらいいのか、という方法は、2年近くの現場の臨床経験で分かってきているのに、そこに学ぼうとしない「専門家」と呼ばれる人たち。利権やメンツが最優先で、非合理なルールを現場に押しつける厚労省。その構図がいかにひどいものかを認識できない政治家。
先の選挙でも、与党野党に関係なく、そうした問題を取り上げて訴える候補者はほとんどいなかった。

この救いがたい状況が当面変わりそうもない以上、あとは自力で防衛するしかない。
幸いデルタ株は変異しすぎて自滅してくれたが、ここから先のことは分からない。
食事や運動に気を配り、特にビタミンDや発酵食品の摂取に気を使い、罹患したと思ったときにすぐに「例の薬」を飲めるように所持しておく。
具体的にはそういうことかな。




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子どもに新コロワクチンを打ってはいけない


『新型コロナワクチン 誰も言えなかった「真実」』は、医療系のテーマで多くの記事を書いてきた鳥集(とりだまり) 徹氏が4人の現役医師と1人のウイルス学者に取材したインタビュー記事を集めたものだ。
長尾医師の主張はすでにいろいろ読んで知っていたが、他の4人がそれぞれの立場で、個性を出しながら語っている内容が非常に興味深かった。
京都大学の宮沢准教授の抑え気味ながら淡々と事実やデータをあげていく姿勢は、むしろ説得力がある。
ワクチン接種に最も前のめりの国であるイスラエルで、接種後に超過死亡が増えているのはどう説明すればいいのか?
彼はまた、感染の「現場」と言われた居酒屋、ホストクラブ、風俗店といったところに実際に出かけていき、聞き取り調査もしている。その結果、「要は感染が拡大したり収束したりするのは、気候やウイルスの変異によるもの」という実感を得ている。

この本に登場する5人はそれぞれいろいろな点で主張が違っているが、若い年代への新コロワクチン接種に賛成している人はひとりもいない。
「子どもは誰のために打つんですか? おじいちゃん、おばあちゃんのために打つんですか? その理由もよく分からない。にもかかわらず、頻度は少ないかもしれないけれど、一定の確率で強烈な副反応が起きる。免疫反応は多様で、百人百様だから、誰に何が起こるかわからない。そもそもそこまでして、ワクチンを打たなきゃならない相手ですか? 普通に元気な子どもは、コロナに感染しても死なないでしょ。京都大学の宮沢孝幸先生たちが警鐘を鳴らしているADE(抗体依存性感染増強)が起こる可能性も当然あると思う。なのに、こういう話はマスコミでは封印されていますよね。」(長尾和宏・医師)

「小児もコロナで重症化しているとか、後遺症が残るからなどと言いますが、リスクとベネフィットを十分に比較してほしいと思います。また、欧米のデータを基に、小児も亡くなっている、重症化していると言われていますが、日本のデータではありません。欧米では小児でも肥満率が高い傾向があります。」「今回のワクチンでは、接種対象の大半が健康な人なのに、きわめて例外的に使用を推し進めていると言えます。正直、うしろめたさを除けば、研究者としてはうらやましいですよ。こんなに規制が緩いなら、誰だってもっと楽に新薬や先進的なワクチンの開発ができる。」(宮沢孝幸・京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授)

(15歳の少女の例で)「1回目の接種の後、嘔吐が止まらないと言って、夜中に救急外来に来ました。打った直後から吐き気が始まって、家でゲーゲーしながら我慢していたそうです。血液検査をしたら、横紋筋融解症といって筋肉が壊れている所見と、肝障害の所見がありました。」「私も子どもにだけは打つなとずっと言っています。子どもが死んでしまったら、日本の将来はもうないわけですから。ですが、ツイッターを見ていると、高校生の息子に打たせて、もう何週間も熱が下がらないと投稿している親がいる。にもかかわらず、熱が下がったら2回目を打たせると書いていたりします。」(いしいじんぺい・医師)

「若年層はワクチン接種による心筋炎のリスクのあることが指摘されており、長期的な副反応も不明です。今後、mRNAワクチンが改良される可能性や、より安全な遺伝子組み換えタンパクワクチンや経鼻ワクチンが出てくる可能性もあるので、若い人たち、とくに10代の接種は全面的には賛成しません。」(鈴村泰・医師)

「健康な未成年に限っていえば、コロナ感染死はゼロです(2021年10月現在)。(略)若い人、とくに子どもは打つべきではないと思っています。だって子どもはコロナのリスクがほぼゼロに等しいんですよ。リスクがないということは、ワクチンを打ってもメリットがほぼゼロということです。しかも、確率はかなり低いかもしれないけれど、心筋炎のような決して軽くない副反応も報告されている。ロシアンルーレットみたいなものじゃないですか。(略)そもそも子供たちは、自分の免疫でコロナを撃退できている。ならば、コロナにかかって自然免疫を獲得したほうがいいわけで、子どもにワクチンを打つメリットなんて、まったくありません。」(森田洋之・医師)


……それはそうだ。しかしこういう意見をテレビ報道で聞くことがあるだろうか? 新聞記事で読むことがあるだろうか? 普通に考えればあたりまえのことを言えなくなっている今の社会は、戦前戦中の日本のように、すでに異常な状況にある。

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「虐殺」の歴史を考える


上記の本に登場する5人の中で、いしい医師はかなり先鋭的ともいえる世界観・哲学の持ち主だと窺える。しかし、それをもってして、陰謀論者、トンデモと批判するのは安直すぎる。彼の根本にある考え方には、いくつも「なるほどそういう視点もあるか」と思わされるものがあった。
「人類の歴史を振り返れば、強いものが弱い者を支配して、滅ぼした国の国民を皆殺しにするということは頻繁に起こってきた」という指摘はその通りだし、人口が増えるのは戦争の前触れというのもその通りだろう。
この本のインタビュー記事を読んで興味を持ち、彼のブログも読んでみたが、「虐殺論」は特に印象に残った。
無抵抗の相手を一方的に殺すのが虐殺
抵抗する相手と戦って殺すか殺されるのが戦争

……なるほど。あまり考えたことがなかったけれど、確かにそれはそうだ。
では、どういうときに戦争ではなく虐殺が起きるのか。その条件としていしい氏は次のようなものをあげている。
油断(正常性バイアス)
 相手が油断しているところを一方的に攻撃することで成立する。ボスニア内戦で虐殺された都市の市長は、既に街がユーゴスラビア連邦軍の戦車で囲まれているのに「この街で攻撃が始まるとは考えられない」と言っていた。

抵抗力の排除
 相手が気付いても抵抗できないように、虐殺する側はまず抵抗力そのものを奪おうとする。ボスニア内戦でユーゴスラビア連邦軍がイスラム系住民を包囲した時、まず武器を全て手放すように説得した。

恐怖と誘惑
 相手が最も抵抗しないのは「虐殺する側」を自分の「味方」さらには「保護者」だと思い込んでいる場合。ボスニア内戦では、ユーゴスラビア連邦軍はイスラム系住民を「安全区域に送り届ける」と誘惑してトラックやバスに乗せ、そのまま虐殺した。

大義名分と同調圧力
 他人を虐殺する側に参加させるためには、大義名分が必要。ユーゴスラビア連邦軍のムラジッチ将軍は虐殺作戦に臨んで「セルビア人がイスラム教徒に対しオスマン帝国時代からの恨みをはらすべき時が来たのだ」と言って大義名分を与えた。兵士たちは、その大義名分にすがると同時に、異論を唱えれば自分が「される側」に回される恐怖(同調圧力)を感じていた。


ここに実例として出てくるボスニア内戦における虐殺事件(スレブレニツァの虐殺)のことを、私は詳しく知らなかった。1995年といえば私はすでに40歳になっている。現代情報社会に生きていた40歳の大人が、ボスニアで起きていた異常事態にさほど興味を示していなかった、あるいは無意識のうちに深入りして知ることを避けていたのだ。これはかなりショックなことだった。
また、いしい医師があげている「虐殺が成立する条件」は、自然災害で理不尽な死を迎えてしまう事例にもかなりあてはまる。3.11のときの大川小学校の悲劇は、地元の区長が「ここまで水が来るはずはない」と強く主張したことで教頭が避難の決断を下せず、生徒たちは校庭でじっとしていた。裏山へ上りましょうと主張した教師の主張も退けられ、本能的に裏山に走って行った生徒は叱られて呼び戻され、死んだ。
まさに子供が大人の正常性バイアスと同調圧力に飲み込まれた悲劇だ。


理不尽な大量死が起きる要因

いしい医師の「虐殺が成立する条件」という考察を読んで、近現代史ではどうだったのだろうと改めて考えてみた。
近現代史において、大量虐殺をした人物としてまず思い浮かべるのは、スターリン、毛沢東、ヒトラーといったところだろう。「3大大量虐殺者」などとも言われている。
結果として殺された人の数(為政者の施策が原因で餓死などに追い込まれた人も含めて)でいえば、確かにこの3人は「大量虐殺者」になるのだろうが、数だけでなく、方法の非情さ、残酷さや理不尽さなどの要素も含めれば、数え切れないほどの「トンデモ虐殺者」が歴史上存在した。中には「歴史上の偉人」などと祭り上げられている者もいる。
そうしたことも含めて改めて考えてみると、ある時代に大量の人が理不尽に殺されたり見殺しにされたりする事件には、必ず主要原因となる人物(ほとんどの場合は権力者、為政者)がいるが、そのタイプは一様ではない。
虐殺する側の主要人物は広義の「異常者」だが、頭のよさ(単純に脳の性能)という意味では、平均レベルをはるかに超えた者(カリスマ性のあるサイコパス)もいれば、「愚者」(時の運や自己顕示欲、強引さを主要因として権力の座を手に入れた者)も相当数いる。明治以降現在に至るまで、日本では後者のタイプが多い。
東條英機などはどう考えても「頭のいい」人ではなかった。歴史を詳細に検証すれば、極めて無責任で鈍感な愚者だったことが分かる。
実際にはサイコパスと愚者気質のハイブリッド型が多いだろう。スターリンなどはそのタイプではないだろうか。
さらには、権力を手に入れた人物が、歳を取り、認知症を異常な形で発露させ続けるケースも多い。自己保身や、自分の能力が老化で落ちていくことへの恐れから側近を次々に殺したり、一般大衆を自分と同じ人間と見なさず、単なる国家形成のパーツとして扱うことをまったくためらわなくなるという症例……これはほぼすべてのケースにあてはまるように思う。

そういう人物が時の権力者になり、誰もその残虐で愚かな言動を制することができなかったという歴史を、現代に生きる我々はしっかり把握していなければいけない。
サイコパスや気合いだけの愚者を権力者に祭り上げ、その下で高揚感や擬似的な優越感や満足感に酔いしれた大多数の民衆がいたからこそ虐殺や大量見殺し(戦死よりも餓死・病死がはるかに多かった太平洋戦争時の日本軍はその典型)が起きたのだ。
また、サイコパスや愚者によって間違った方向に進んでいく社会の流れを修正する仕組みが機能しなかったことをしっかり検証しなければならない。
危険な権力者を止めることができたかもしれないサブキーマン的人物が必ず複数いたはずだが、そういう人たちが結局は権力者の暴走を止められなかった。

現代の戦争や虐殺は、最新兵器を使った効率的な大量殺人という側面だけでなく、知らないうちに進行する洗脳や感染症、飢餓などの要素が非常に大きい。
権力欲・支配欲依存症、サイコパスといった異常性に加えて、金銭欲依存症の要素が大きい者たちの見えにくい支配力が極めて大きくなった。しかも、始末が悪いことにこの集団は頭はとてもいい。
かつての戦争と同じような構図で歴史が刻まれていても、情報が格段に豊富になっても、庶民はなかなか危険に気づかない。

ウイルスが生物兵器として開発されたかどうかに関係なく、ウイルスが蔓延した後に世界が、特に権力者や超富裕層がどう動いたか、彼らにコントロールされているメディアがどう動いているか、それによって庶民の行動がどう変化させられるのかを冷徹に分析する目を持ちたい。
2020年からの世界の動きは、明らかにそれまで以上におかしなことになっている。爆弾が降ることもミサイルが飛び交うこともない国々で、世相があっという間に異常な方向に進んでいく。その気味悪さ……。

しかしまあ、そこまで考えたところで、民衆の力で世界の流れを変えられるというのは幻想であり、個人ができることは極めて限られている。
自分がたまたま戦争や虐殺や飢餓を逃れた環境(時代、地域)に生まれ、ここまで大きな苦痛も悲劇も経験せずに生きてこられた幸運を、改めて奇跡的なことだなと思う。
そう思うことしかできないのは虚しいのだけれど、人間社会というのはそういうものなのだろう。
現世の向こう側……のようなものを夢想しながら、現世の限界の中で精一杯自分らしく、最大限に生き抜く。それしかないかなぁ。
           




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