福島の本当の姿、福島からの本当の声を Threshold: Whispers of Fukushima2013/11/01 16:59

Threshold : Whispers of Fukushima PR動画より
アメリカ在住の映像作家・Toko Shiiki Santosさんのプロジェクト『スレッショルド:福島からのつぶやき』(福島の今を世界に知ってもらうためのドキュメンタリー映画制作プロジェクト。現地における本当の事情や、福島の人々、特に子供たちの声や活動報告を中心にまとめる予定)を手伝うことになりました。
彼女は2011年に一度南相馬市の原町第一中学校を訪れていて、そのときのつながりも生かしつつ、今回はさらに、川内村から一家で岡山に避難した後、福島の子供たちの保養プロジェクトや避難者相互連絡会、各種講演などに奔走してきた大塚愛さん(「子供未来・愛ネットワーク」代表(獏原人村の「大工の愛ちゃん」)、福島第一原発の現場の窮状について訴え、講演、情報発信を続けている元東電社員の吉川彰浩さん山木屋太鼓(川俣町)の面々、そして僕(たくき よしみつ)も取材対象としてピックアップされました。

来年の4月から5月にかけてメインの取材をする予定ですが、急遽、今月の終わり頃にTokoさんが単身来日し、いわきの吉川さん(元東電社員)、南相馬市立原町第一中学校ブラスバンド部、そして川俣町の山木屋太鼓の映像取材を先行してやることになりました。僕もお手伝いします。

当初は個人で活動できる範囲内でやるつもりでしたが、アメリカの友人たちの強い勧めもあり、IndiGoGoを使ったクラウドファンディング(ネットを通じて不特定多数の人たちから少額の資金調達や協力を呼びかける手法)も行います。本日(11月1日)開始で12月22日終了。目標額は10000ドル。
PR用ショートムービーの日本語字幕バージョンも用意しました。
⇒こちら

A short movie about documentary of people in Fukushima "Threshold: Whispers of Fukushima" 日本語字幕入 from Toko Shiiki on Vimeo.



Tokoさんからのメッセージ↑



大手企業からは「Fukushimaはもういいよ」と断られたそうで、あとはできる範囲での個人からのサポートのみでやっていくとのこと。

●プロジェクトのサイトは⇒こちら

●クラウドファンディングのページは⇒こちら

よろしくお願いいたします。

7月23日 東松山市で福島原発問題についての報告講演2011/07/11 11:00

講演会チラシ
7月23日、埼玉県東松山市で福島原発問題についての現地報告講演を行います。

■福島原発事故 現地からの報告■

「福島原発30km圏内に住む」
~いま、何が起こっているのか~
たくき よしみつ

●日時 2011年7月23日(土) 午後2時~4時半
●場所 埼玉県東松山市高坂市民活動センター視聴覚ホール
(東武東上線高坂駅下車 東松山市宮鼻860-2)
●入場無料(定員194名)
●主催 大工塾ネットワーク 協同組合「杢人の会」
●問い合わせ先 東松山市松山2339-3 080-1151-9100 みやうち
http://mokujin-no-kai.com/

危険な地域の地名を隠している!2011/03/18 19:15

周辺の線量測定値地図3月17日
文科省のサイトでは、モニタリングカーを走らせて原発周辺の線量測定値を公表しています。
この中で気になるのが、原発から北西30km地点(R114 津島付近。葛尾村と川俣町の境界あたり)での計測値が、

17日 14時00分 170.0マイクロシーベルト
17日 15時00分 158.0マイクロシーベルト
17日 15時15分  78.2マイクロシーベルト
18日 11時33分 140.0マイクロシーベルト
18日 13時32分 150マイクロシーベルト

……と、常に他よりも2桁高いということです。
原発正門前とかのごく近くでの計測値が280マイクロシーベルト前後で推移していますので、30km離れていて同じ3桁数値は異常です。

例えば、ここよりも距離的には10kmも原発に近い川内村の計測点(R399と小野富岡線がぶつかる交差点から少し南)では、

3月17日11時50分 2.1マイクロシーベルト
3月17日15時00分 2.0マイクロシーベルト
(これ以降、川内村内での測定値見つからず)

です。約80倍違います。
なぜこうなるのか?
乱暴な推察ですが、葛尾と川俣の境には山が続いていて、海側からそのへんにかけては概ね大きな谷状に低くなっているので、西風(海側に向かって吹く風)のときでも、風がゆるやかに逆流し、吹きだまる感じなのでは?
その先ずっと北西には福島市があり、福島市の数値も距離が相当離れている割には高いので、どうも原発から北西方向に風の通り道がある感じがします。
これが海側への風のときの数値なので、風が逆転して海側から内陸に向かって吹いたとき、どういうことになるのか? 簡単にミリシーベルト単位に上昇するかもしれません。
そうなってから、外に出て移動するのは放射性物質を吸い込む可能性が高く、危険。西風の今のうちに、山の稜線から東側の人たちは、極力山を越えて西側に避難すべきです。
葛尾村や川俣町に、県や国はきちんとこの情報を伝えているのでしょうか?
非常に心配です。
どうも、テレビでは地域を名指しで告げることを極力避けているようです。
今まで、パニックが起きていないことを見ても、それによってパニックになるようなことはありません。
ここは過疎の山村で、もともと人がほとんど住んでいないのですから、都会のような集団パニックは発生しえません。でも、私がそうだったように、情報を隠されていると察知したときは、慌ててしまい、冷静な行動が取れなくなります。メディア最前線にいる人たちへ。あなたがたの使命はなんなのか。今一度考えてみてください。
「パニックになることを避けるために」というお題目でなんでも免責されると思っていたら大間違いです。知っていて知らせないのは見殺しにするということです。
大して危なくないのだから今のうちにゆっくりと落ち着いて逃げなさい」というのが今の正しいメッセージの出し方でしょう。

過剰反応と間違った報道規制──両極端の危険性2011/03/18 14:33

海外のメディアでは、一部、落ち着いた報道に切り替えているところも出てきました。
アルジャジーラ経由で伝わってきたところによれば、国連原子力委員会は、「これ以上悪化はしないだろう」と予測しているとのこと。ただしそれは、あくまでも日本から離れた国から見ての話で、国内の事情はそう簡単ではありません。
2日前、ニコニコ動画の生中継では終始にこにこ笑顔で(彼の場合、テレビカメラの前ではいつもそうですが)話していた「安全な原発推進派」を宣言している武田邦彦氏は、ここにきてテレビ報道の重大な間違い or 意図的なごまかし報道について強い警戒を表明しています。
そのまま一部を引用します。

もう一つ極めて危険な報道があります。
これは NHK ではなく、民放の女性のアナウンサーでしたが、
「放射線レベルは低いので心配することはない。」
と大きな声で叫んでいました。
その番組で示された図は全く間違っている図で、アナウンサーが口にしている数字は「1時間あたりの放射線の強さ」であり、図に示しているのは「最終的にその人がどのくらいの被曝するか?」という値です。
女性アナウンサーは、
「10マイクロシーベルトだからこの図から言えばとても小さい。まったく問題ない」
と繰り返していました。このアナウンサーは放送を降りた方が良いと思います.?人の命に関係することですから「私はアナウンサーだから知らない」ということではすまないのです。
1時間に10マイクロシーベルとということは、たった1時間しかそこにいない人ならその数字で良いのですが、生活をしていて1ヶ月あまり同じ場所にいたら、10ミリシーベルトになります。これは法律でも許されてないような大きな値なのです。
重要なことなので繰り返して説明します。
時間に10マイクロシーベルとというのは放射線の強さですから、1秒あたりで言っても、1ヶ月あたりで言っても良いわけです。
1秒あたりで言えばとても小さな値になりますし、1ヶ月あたりで言えば大きな値になります。
瞬間的にその場所を通り過ぎるのならば、1秒あたりでも1分あたりでもいいと思いますが、今多くの人が判断しようとしているのは、「ここに住んでいて良いのか」、「赤ちゃんは大丈夫か」ということです。
そうなると1ヶ月はそこにいますし、子供は感度が高いのです.
恐らくは東京にいるアナウンサーだから、原発の近くにいて不安に思っている人の気持ちがわからないのだと思います。
またその横にいた専門家は、それに気がついたようでしたが、間違いを指摘しませんでした。だれかに「危険を煽ってはいけない」と言われて、逆に危険なことを言っているということです。

武田氏のような専門家ですら慌てる事態にあって、ましてや我々一般人が放射線・放射性物質汚染についての基本知識を学ぶことは困難です。しかし、今言えることは、「あらゆる情報を、一度自分の頭で整理し直し、判断しなければいけない」ということです。
とりあえず、

1)X線検査のような瞬時に浴びる放射線量と1時間あたりの放射線量(テレビで発表されているマイクロシーベルトやミリシーベルトはすべて「毎時」で1時間あたりの量)を同じに比較しても意味がない。
2)「放射線」は一時的に浴びてもダメージは自然治癒力などで回復できるが、「放射能」(正確には放射性物質が放射線を発する能力のことだが、ここでは大まかに「目に見えない微粒子としての放射性物質」と同義)は体内に取り込むと、その後もずっと体内被曝をもたらすので、これも放射線量の数字と同義に考えることはできない。

ということです。

海外の過剰反応は怖いですが、今の日本のメディアの報道規制ぶりも怖いです。
とにかく、原発に近い人で、離れられる人は極力離れることが必要である、という状況には間違いないです。

首相官邸から今すぐ指示するべきことはこれだ2011/03/17 18:50

現場からの報告をとりあえず終えたということにして、今、何をするべきなのかについて書きます。

1)高速道路通行制限の緩和
現在、東北道、常磐道、磐越道はガラガラだと、民間ボランティアチームが報告しています。
まず、現在、許可証なしで車輌が通行できなくなっている高速道路に、物資運搬車、一般の運送トラック、ボランティアで現地に向かう一般車両などは簡単なチェックのみで通れるようにすること。
運送会社が放射能汚染を恐れて現地に近づかないといった現象が起きているので、安全だと宣言すること。
高速道路のサービスエリアにあるガソリンスタンドを災害対策本部管理下に置き、補給作業を行う人員を派遣すること。

2)リアルタイムで正確な風向きと各地の放射線測定量を知らせる
核爆発の危険がない以上(そう信じたい)、放射能漏れは相当ひどいけれど、ごく近い数キロ圏以外では自由に活動ができるということを周知させる。怖いのは放射線ではなく放射線を出す放射性物質を体内に取り込むことによる内部被曝。しかし、放射性物質の飛散は、風上には向かわないので、事故現場に近くても風上はかなり安全。
その安全エリア、危険エリアは、風向き、風速などで刻々と変わるので、その予想図を誰もが分かりやすい形で気象庁は全力を挙げて提供すべし。
これは「危険だ」というメッセージよりも「ここは安全だから動けますよ」という情報として活用させるために。

取り急ぎ、この2点は今すぐ実行する必要があります。
津波被災地では刻々と人が死んでいるのです。
原発に近い双葉町の病院では、数百人の入院患者を残したまま医療スタッフが全員消えてしまっているという、とんでもないことが報道されています。放射能は全然大丈夫なのに。なぜ? 物資が届かないから?
双葉町へは、陸路でいくらでも物資補給できるのに。なぜそんなことになるのですか!
三陸方面の病院でも、あちこちで入院患者が餓死!の危険にさらされているという報道があります。
「汚染は、平時に比べればひどい。でも、ごく近くでなければ、放射線の量は恐れる量ではない。放射性物質を体内に入れることは避けなければならないので、風下のときには注意を要するが、それ以外では命を賭けるようなことではなく、普通に作業できるレベルである」ということを周知させる。

一般人は徹底的に退去させ、移動できない人をケアする専門スタッフが動きやすくする。被災地人口が減ったほうが、活動はしやすいし、物資も有効に使えるのです。
「半径○○キロ」という指示は混乱をきたすだけで意味がない。市町村単位で指定すべき
「○○町、○○村……は、一般住民は極力退去して被災地活動を容易にさせる」といった指示に変える。

陸路が使えるのに、また届ける物資が用意されているのに、物資が届いていないというのはあまりにもひどすぎる。

また、津波から一週間が経過した今、完全に破壊された地区での瓦礫撤去作業よりも、孤立している避難所(公的なものだけでなく)、孤立被災者への救済、救援に全力を投入すべきでしょう。
首相官邸からはそうした指示が的確に出ているんでしょうか。

テレビメディアはヘリによる散水や放水車の放水シーンを劇的に流そうとしていますが、そんなものはどうでもいいんです。死にかけている被災者をいかに救えるかという報道に最重点を置いてください。
民間からの援助物資を集めるなどということではなく、企業や組織の援助がスムーズに届くよう、上から適確に指令が飛ぶこと。これが最重要。

★義援金にご協力を★取次業者、Reuter.FM様のご厚意により、2011年3月16日から同4月15日までの1か月間、タヌパックを含める全レーベルの音楽配信における取次手数料全額が東北関東大震災への義援金として使われることになりました。音楽を聴いて心を落ち着けながら、些少でも寄附ができるということです。右のアルバム試聴プレイヤーのBUYでご希望の配信ショップ(iTunesストアやAmazonなど)からご購入できます。小さな金額ですが、簡単で省エネな寄付行為になります。ご協力を!!