戦時下の竹槍訓練を皮肉ることは罪か? 水ダウを非難する人たち2024/09/01 20:53

『水曜日のダウンタウン』(TBS) 2024年8月28日放送
「水曜日のダウンタウン」がやってくれた。
「コロナ対策いまだに現役バリバリの現場があっても従わざるを得ない説」と題して、馬鹿げた「コロナ対策」を揶揄というか、反省?するような内容。
まともな思考をしているテレビ制作陣が生き残っていることが分かっただけでも、少しだけホッとした。
しかし、ネットでは「元医療従事者としては感染症対策バカにされた気分」「こっちは後遺症でまだ悩んでるんだよ」など、批判の嵐。
本当に闘った医療関係者は、軒並み攻撃され、排除されてきた。今でもまだそうだ。
……あのねえ……馬鹿なことは馬鹿なの。
馬鹿なだけでなく、大変な害を与えたの。特に子供たちへの害はとんでもなかった
そうした国家的犯罪、社会の暴力を、真面目な番組できちんと反省していない中で、まずはこうした方法で風穴を一つ開けようとすることこそ、メディアの最低限の良心であり矜持だろうに。

あの馬鹿げたマウスガードやらアクリル板やらが「感染症対策」だとまだ言う人たちがいることに脱力するが、そういう人たちが世界一多いこの国で、これからも生きていかなければならない。それも、これ以上免疫力を下げないように、NK細胞を増やすために極力楽しく、分かっていない人たちとも摩擦なく、自分を失わず……これ、相当難しいことだよね。



『水曜日のダウンタウン』(TBS) 2024年8月28日放送



たまたま同じ日に、我が家ではこんな番組↓も見ていた。2023年4月放送の『かまいたちの掟』(さんいん中央テレビ)の再放送(BSよしもとで)。地方局制作番組は呪いから解けるのが最も遅かったかもしれない。
あの期間に収録されたロケ番組は、今後、再放送率が下がるだろう。違和感とガッカリ感、無力感、怒り……が先に立ってしまい、普通の感覚で観ていられないから。仕方なく従っていた出演者たちは本当に気の毒だ。


『かまいたちの掟』(さんいん中央テレビ)2023年4月放送


知る限り、最も早くマスクを外したのは2023年3月18日放送の『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』だった。
これも遅すぎるけれど、他の番組が軒並みマスクだらけ、アクリル板だらけだった中で、先頭を切ったことはしっかり覚えている。

マスメディアが国民を煽動した戦前戦中の文化

水ダウがネットで炎上しているのを見て、明治以降の日本は何も変わっていないのだなと、つくづく思った。

↑これは昭和18(1943)年の流行語トップ10だそうだ。どうやって順位をつけたのかよく分からないが、戦時中も政府に抵抗する庶民がいたことは分かる。
金鵄(きんし)上がって十五銭」がよく分からなかったのでネット検索したところ、↓こういう替え歌だった。
元歌は「紀元二千六百年」という「国民歌」↓。
Wikiによれば、
1939年(昭和14年)8月、内閣奉祝会・日本放送協会(現在のNHK)の主宰によって広く国民から「奉祝歌」を募集する企画によって誕生したもので、約1万8000の応募の中から、東京・神保町の教科書出版所店主増田好生の歌詞が一等に選ばれ、同時に募集した作曲は当時東京・杉並区在住だった音楽教諭森義八郎の曲が採用された。
だそうだ。
Wikiにはさらに
(作曲者の)森は後年、作曲家に転身し井の頭音頭や小学校の校歌などの作曲を手がけたが、酒癖があまりよくなかったとも言われ、この「紀元二千六百年」作曲直後に行った飲み屋での飲食酩酊の上で、「此の曲は大塚の花街で遊女を抱いた時の腰のリズムを使って作曲した」と放言して物議を醸した。

……ともある。

この曲を一般募集したNHKは、1981年5月に↓こんな番組を放送していた
ちなみに「金鵄」とはタバコのゴールデンバットのこと。敵性語として名称変更させられていたのだね。

NHK戦争証言アーカイブズ 「金鵄(きんし)上がって十五銭」
その1⇒こちら  その2⇒こちら

↑この番組、「その2」では、翼賛選挙に大量の無効票(投票用紙に落書きや不平を書き連ねたもの)があったことや、特高が膨大な資金を得て反戦思想と思えるものを徹底的に弾圧し、替え歌を歌っていた子供まで取り締まった記録などが紹介されている。

43年前のNHKは、このように、いい番組いっぱい作っていたのにね。この数十年で大本営発表代行機関みたいになってしまった。
でも、こうしてネット上に残して、誰もが見られるようにしているのは、心ある職員が頑張っているということかな。
この番組で戦時中の替え歌を歌っている東京放送児童合唱団の子供たちも、2024年の今は50代くらいだろう。この収録のことを覚えているかな。

水ダウの「馬鹿げたコロナ対策」を思い出させる企画は、このNHKの「戦争証言アーカイブズ」シリーズに通じるものがある、と言えば、そんな馬鹿な、全然違う、無理がある……と、またまた非難囂々だろうか。
しかし、「金鵄上がって十五銭」の替え歌と、パカパカのマウスガードやアクリル板の絵面を揶揄する(あるいは「反省する」)企画は、どちらも、正面切って反対すると潰される庶民の精一杯の抵抗ではないだろうか。
それを理解できず、ただただ不謹慎だ不届きだ許せないと騒ぐ人たちは、歴史に何も学んでいないのではないか。
戦時中の竹槍訓練を戯画化した作品があったとする。おそらく今回水ダウを非難した人たちは同じように「命がけで戦った銃後の人たちをバカにしている」「人として許せない」などと攻撃するだろう。
しかし、作品の意図は竹槍訓練をしている人たちを馬鹿にすることではない。そういうことをさせる世の中を作った人たち、馬鹿な為政者だけでなく、時代の空気感や、ある日簡単にそうした世界になってしまう怖ろしさを訴えようとしているに違いない。
歴史を学べば、国が(権力者集団が)国民を殺してきた記録が延々続いていることが分かる。今もその最中なのだということを、平和ボケしている人たちには、いくら言っても分からない。
ましてや、マスメディアが一斉に大政翼賛会、いや、大本営発表広報担当となり、暗黙のうちに特高化までしてしまっている今の日本を異常と感じない人たちが大多数を占めているのを見るにつけ、これはもう、徹底的に破壊されるまで、何も変わらないのかなと、暗澹たる気持ちになる。

精神をこれ以上乱さないための訓練?


「金鵄上がって十五銭」が流行語トップ10に入っていた昭和18(1943)年の3年後、敗戦直後の昭和21(1946)年の流行語を見てみると……

なるほど、戦時中とはだいぶ印象が変わってくる。このなかの「ハバ・ハバ」が分からなかったので、これもネット検索したところ、↓こんな「高齢者向けクイズ」なるページがヒットした。


「ハバハバ」は「早く!早く!」という意味で、敗戦後、日本に駐留した米国軍が持ち込んだ語だそうだ。語源はパプアの原住民の言葉らしい。
「オフリミット」がなぜこの時代の流行語になったのかもよく分からなかったが、

(「戦後昭和史」WEBサイトより)

……なるほど、である。
要するに日本は完全に占領地となってしまい、それを庶民は受け入れるしかなかった受け入れながらも、どこか醒めた目で現実を見つめていたという空気感が読み取れる。
今またそれと同じこと(敗戦~占領)が、あの頃には想像もできなかった巧妙な方法で起きているのだが、ほとんどの日本人は気がついていない。あるいは、薄々感じていても、考えないようにしている。考えたくないので、不都合な情報はシャットアウトするように身体が覚えてしまっている。

私は昭和30(1955)年生まれなので、敗戦直後の昭和20年代のことは知らないが、小学校に上がるまで家には風呂はおろかトイレがなかった(長屋で、トイレは戸外の共同便所を使わなければならなかった)。
テレビが買えたのは小学校の後半くらい。電話は中学に入ってから。
平成生まれ、あるいは21世紀生まれの人たちの中には、「チャンネルを回す」とか「(テープを)巻き戻す」とか「(電話機の)ダイヤルを回す」といったフレーズが通じない。さらには「アベック」や「股引」といった言葉を、いわゆる「昭和言葉」として嘲笑するわけだが、単語のみならず、「あたり前田のクラッカー」のような昭和の駄洒落フレーズには、敗戦後の日本を生き抜いてきた人たちの逞しさや老獪さも込められているような気がする。

辛い話ばかりだと身体に悪いので、最後はそんな駄洒落フレーズを鑑賞しながら終わろうか。


あたり前田のクラッカー
あたりまえやがナイアガラ
ざまあ味噌漬け
ほんまかいな、そうかいな、かいな返して上手投げ
そんなの聞いとらんペット
ごめんめんめん明太子
さんきゅ~よんきゅ~母号泣
インド人もビックリドンキー
アイムソーリーヒゲソーリー
おつかれさんだーす軍曹
汗がダーダーダースベーダー
もういくつ寝ると和尚が来る?
なんまいだ~なんまいだ~オ~マイガ~
あとはよろしくさんじゅうろく
冗談はよしこちゃん
ありがとうさん、しみがかあさん
ありがたいわにアリゲーター
泣くなよしよし、よし!行くぞー
とんでもハップン歩いて10分
うまかった~ 牛負けた~


……さて、あなたは↑この中のいくつを知っているかな?

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『私たちは売りたくない!』を読んで2024/09/21 01:00

9月18日、方丈社という小さな出版社から↑こんな本が出版された。
『私たちは売りたくない! “危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭』
10月から世に出てくるという「世界初の自己増殖型mRNAワクチン」、いわゆる「レプリコンワクチン」(製品名は「コスタイベ」)の製造・販売元であり、日本最大のワクチンメーカーでもあるMeiji Seikaファルマの現役社員たちが書いているということでたちまち注目を浴び、販売開始と同時に売り切れてしまった。
すぐに1万部の重版がかかったが、それもすでに予約で売り切れ、現在は10月8日の3万部増刷を待つしかないという状況だ。

↑販売開始と同時にAmazonの「本総合」で売れすじ1位、売り切れ。
楽天ブックスや大型書店でもあっという間に売り切れてしまった。転売目的なのか、まとめ買いしていく人が多数いるらしい
大手出版社ならもっと思いきった数を刷るのだろうが、弱小出版社ゆえ、それができないのがもどかしい。
転売ヤーたちが買い占めたり、複数冊予約して高額で転売しているが、電子書籍のKindle版は売り切れるということがないので、Kindleで読むことをお勧めする。最初の数十ページは無料サンプルでも読める

本書の最大の注目点は、今までワクチンを売ってきた製薬会社社員が声をあげた、という点だ。
mRNAワクチン(ファイザーやモデルナの新型コロナワクチン)の危険性については、当初から世界中の医師、医学者、ウイルスやワクチンの専門家らが声をあげていたが、厳重な言論統制が敷かれ、多くの人が瞞されて注射を受け入れてしまった。
ワクチンを売る側の会社の社員も同様で、「(わが社でも)2回もしくは3回接種したという社員が一番多いのではないかと思います。我々『チームK』も同様です」と告白している。
つまり、日本国民の8割を占める多数派グループに所属している、普通のサラリーマンなのだ。
それ故に、今まで医師や研究者たちの警告を無視し続けていた「積極的には知りたくない人たち」「多数派に属していれば安心だと考える人たち」にも届くのではないかと期待している。

著者グループは、病院を訪問して医師に自社製品の説明をするMR(Medical Representative=医療情報担当者)という職種の専門知識を持った営業マンだという。
mRNAワクチンがいかに危険であるかという説明も、学者たちの著書などよりずっと分かりやすく、読みやすい文章で書かれている。
専門知識がない一般人でも、常識的に考えればこれがいかに異常なことかは分かるはずだ、という、「下から目線」の論法で淡々と事実を並べているところがいい。


↑冒頭部分より(このあたりはAmazonのページで無料で読めます)


すでにmRNAワクチンという名の遺伝子製剤注射がいかに狂気に満ちたことかを、機序も含めて十分理解している人たちは、本書に書かれている内容に物足りなさを感じるかもしれない。
人口削減計画とか、ディープステートとか、ニューワールドオーダーとか、WEFとか、電磁波によるマインドコントロールとか、そうした話もまったく出てこない。ただただ、製薬会社で医師や病院を相手に商品(医薬品)を売ってきた専門営業職として、いくらなんでもこれは異常だろうということを、誰もが分かるように述べている。
しかし、だからこそ本書は貴重なのだ。

著者グループが本書を世に出すと決意したきっかけは、健康そのものだった仲間の社員が、2回目のワクチン接種の3日後に、26歳という若さで突然死したことだったという。
医師や学者が、自分の専門知識や職業倫理からして遺伝子製剤の危険性を訴えないわけにはいかない、という一種の正義感や使命感で本を執筆したり、発言したりするのとはだいぶ違う。普通の生活をしていた普通の人間が、普通に考えてありえないような出来事に接したことで、自分ができる範囲でその出来事の背景を探っていった記録といえる。

異常事態を続けてきた厚労省とそれに加担した者たち

第3章の「mRNAワクチンは、神か、悪魔か?」では、製薬業界、医療業界の人間なら誰もが知っている「イエローレター(緊急安全性情報)」「ブルーレター」というものについて説明している。
因果関係が分からなくても、医薬品などが原因で不測の有害事象が発生したと疑われる場合に緊急発出されるという。
イエローレター、ブルーレターの例(本書内より)

ところが厚労省は、新型コロナワクチンでは当初からこの常識をまったく無視した異常な対応を取った。
2021年、新型コロナワクチン接種が始まった直後、接種後3~4日で、60代の女性と26歳の女性が突然くも膜下出血で死亡するという事例が立て続けに起きたのに、それを周知させることもなく、強引に接種事業を推進させた。
その結果、接種後の死亡事例報告は2024年7月29日公表分までで2204例になり、そのうちの99.4%が「評価不能」とされている。こんなことは業界の常識からしてありえない。本来ならば、2例目の26歳の女性の死亡事例が出た時点で、ワクチン接種は一旦中止にして、広く注意喚起し、徹底的な原因究明をしているはずだという。
他にも、新コロワクチンだけが有効期限が何度も大幅に伸ばされたことなども「従来の常識を覆した異常事態」であり、「常識外の連発だった」と述べている。

こうした主張は、別に医療現場や製薬業界の外にいる我々「一般人」でも、ごくあたりまえだと思える。

また、新コロワクチンが効果があるように見せるために、厚労省が極めて悪辣な手法でグラフを作成したり、そのグラフを見せながら「専門家」たちがテレビで接種を煽ったことも、はっきり告発している。


本書では個人名をあげての告発や非難はほとんどないが、さすがにこうした悪質な煽動をしていた河野太郎大臣や忽那賢志医師、西浦博医師らの名前は出てくるが、彼らを正面から攻撃するのではなく、彼らが実際にどんなことをしてきたかを思い出させる形で、事実のみを書いている。
一般人ならまだしも、国民を守る立場の人間がここまで無責任な行動をしたことは「人として許せない」という気持ちからだろう。

医者にはワクチンの知識がない

日々、現場の医師に接して自社製品を説明し、売り込む立場の筆者たちから見て、医師たちのワクチンの知識が乏しいというやんわりとした「告発」にも注目したい。
これは私自身感じていたし、それこそ遺伝子治療最前線にいた専門家からも直接聞いていたことだったので、ああ、やはりな、と思った。
そして、そんな「ワクチンの知識に乏しい」現場の医師たちも、今はさすがにmRNAワクチンに疑問を抱きつつあることを感じるという。



このように、製薬業界の人間、それも研究者ではなく、医療現場に製品を売り込む営業マンの視点で書かれていることが、本書の出版意義を格段に高めている。
製薬業界の空気感や今後の展望なども伝わってくるので、ぜひ読むべき本だ。

↑このあたり、特に今までの「ワクチンは危険」本にはなかった事柄なので、読めてよかった



↑これなどは「売る側」の人間の本音が出ていて興味深い。本書が実際にMeiji Seikaファルマの社員によって書かれたという信憑性にもつながる



そして、終始一貫しているのが「これ以上分断社会を加速させたくない」という筆者たちの願いだ。


これは私もまったく同感なので、ネット上の発言などにもずっと神経を使ってきたが、本書が出たことで、今まで無視を決め込んでいた大勢の人たちに、軋轢なく、これ以上の悲劇を広げないための情報発信のチャンスだと思い、今、これを急いで書いている。

Xなどを見ても「よく書いてくれた」「今までいくら説明しても分かってくれなかった親にも、この本なら分かってもらえるかもしれない」といった応援メッセージがたくさん寄せられていた。

↑自身が薬害被害の経験を持つ川田龍平議員の応援メッセージ
これが最後のチャンスかもしれない
本書が大きなターニングポイントとなることを願ってやまない。


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