「第3極」キャンペーンに瞞されるな!(選挙前シリーズその3)2012/11/26 12:21

各政党の政策一覧(私設原子力情報室作成の表をもとにアレンジ)

■維新の会は「第3極」ではない!■

今度の衆院選挙をめぐる報道で、マスメディアは連日「第3極」という言葉を使っている。
この言葉の元々の意味は、「2つの大きな勢力に次ぐ3番目の勢力」という意味だ。政党でいえば、現在は民主、自民が二大政党だが、解散時の議席数で「第3極」、つまり3番目は「国民の生活が第一」(衆院議員47人。全議席数の約1割)であり、これは公明党(21人)の倍以上、日本維新の会(11人)の4倍以上にあたる(11月21日現在)。

しかし、マスメディアが「第3極」という言葉を使うときは、ほとんどが日本維新の会に注目してのことであり、実際、日本維新の会関連の報道量は飛び抜けて多い。

日本維新の会は大阪市長・橋下徹を代表にしていたが、石原慎太郎が立ち上げた「太陽の党」を迎え入れ、代表を石原慎太郎に譲り、橋下は「総大将がしっかりやってくれますから」と、代表代行という次席に一歩引いた。
石原慎太郎は海外メディアからはもっぱら「極右」の政治家として扱われており、実際、憲法は「改正」ではなく「破棄」して一から作り直せばいいとか、核武装しなければ国際的には認められないのだから、日本も核武装しなければならないといった論を堂々と展開してきた。
日本維新の会は、憲法を廃棄し、自衛隊を軍隊にして核武装するという主張をしている党首をいただく政党となったわけだ。

日本維新の会代表・石原慎太郎は、原子力について、

「人間だけが持つ英知の所産である原子力の活用を一度の事故で否定するのは、一見理念的なことに見えるが実はひ弱なセンチメントに駆られた野蛮な行為でしかありはしない」
「豊かな生活を支えるエネルギー量に関する確たる計量も代案もなしに、人知の所産を頭から否定してかかる姿勢は社会全体にとって危険なものでしかない」
(産経新聞掲載『原発に関するセンチメントの愚』より)


と語っており、この持論は今も変えていない。
その石原を党代表として迎えたことで、日本維新の会の政策から「原発ゼロをめざす」という条項は消えて、「ルールを厳格化する」というあたりまえすぎる文言に変わった。
ルールに合致しているとみなせば再稼働も新設も認めるということだろう。
橋下は当初から、原発の海外輸出はやっていくという、恐ろしく自己中心で無責任な政策を掲げていた。(ちなみに日本では国内で販売が禁止されたハードタイプの合成洗剤=環境負荷が高い=を、アジア諸国には輸出し続けて外貨獲得の足しにしてきたというような前例を持っており、こうした政策は今に始まったことではない。世界的にも、非戦・中立を国是としている国が武器輸出大国であるというような例はいくらでもある)。

■自公民は論外■

今度の選挙では、どこに入れていいのか分からないと嘆く人が多いが、政策を比べればおのずと「よりマシな候補者」「絶対に入れてはいけない政党」は見えてくる。
以下は、私設原子力情報室が作成した一覧表に少し手を加えて比較しやすくしたものだ。


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上側に分類した政党に投票することは、原発を今後もだらだらと動かし続け、処理不可能な放射性廃物を日本列島に増やし続けていくという選択を意味する。
「脱原発」などという曖昧なスローガンではダメだ。
●核燃サイクル事業計画の即時中止・撤廃
という一点だけでもいい。これを明言できない政党に投票することは、今までの過ちをまた繰り返すということであり、「フクシマ」に何も学ばず、天につばを吐いてまた愚行を続けていくということなのだ。あるいは、石原や安倍のように、どうしても核武装したいがために原子炉の保有・自前再処理施設の保有を続けるという意味なのだ。

『裸のフクシマ』でも紹介したが、「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」(地下原発議連)の面々をもう一度よく思い出してほしい。原発は地下に作れば安全だ、などと真顔で主張してきた狂人集団である。

 会長:平沼赳夫(日本維新の会 議員団代表 岡山3区)
 顧問:安倍晋三(自民党総裁 山口4区)、谷垣禎一(自民党前総裁 京都5区)、森喜朗(元首相、自民党 石川2区)、山本有二(自民党 高知3区)、鳩山由紀夫(民主党元代表=引退表明)、渡部恒三(民主党最高顧問=引退)、羽田孜(元首相、民主党最高顧問 長野3区)、石井一(民主党 参院比例区)、亀井静香(元国民新党代表、減税日本・反TPP・脱原発を実現する党幹事長 広島6区)
 事務局長:山本拓(自民党副幹事長 福井2区)

日本維新の会、自民党、民主党のトップが軒並み顔を揃えている。
こういう連中に日本の将来を託せるというのだろうか?

これは経済政策がどうのこうの以前の問題で、景気が回復するようになんとかしてくれなどという淡い期待を狂人たちに託すようなみっともない投票行動をとってはならない。

最後に、広瀬隆氏らが呼びかけている「選挙の戦い方」提案内容も併せて紹介しておきたい。⇒こちら