AI企業を脅迫し接収しようとするペンタゴン ― 2026/04/18 21:03
アルトマンとアモデイ

インドのモディ首相はニューデリーで開催中のインドAIサミットで最も多忙な1日の幕開けを宣言した際、政財界のリーダー13人と共に横一列に並び、互いに手を握って頭上に掲げる写真撮影を演出した。
ただ、そのうち2人はそうしなかった。
人工知能(AI)分野で競合するOpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)とアンソロピックのダリオ・アモデイCEOだ。両氏は隣り合って立ったが、気まずい様子で互いに手を握ることを拒んだ。両氏の腕は互い違いに上がり、視線も合っていなかった。アモデイ氏はかつてOpenAIに在籍していたが、同社が商業化に傾き過ぎていると感じ、自らの会社を共同創業するため退社した経緯がある。(Bloomberg)
OpenAIはChatGPTの開発会社。Anthropicは、そのOpenAIで技術担当副社長だった研究担当副社長を務めていたダリオ・アモデイ、ダニエラ・アモデイ兄妹を含むOpenAIの元従業員7名によって2021年に設立された会社で、Claudeを開発した。
ChatGPTなどの生成AIは、ヘイトスピーチやエログロ画像など、排除すべきものを人間によって教えられ、訓練されていたが、ClaudeではAIの憲法を制定して、それに反する行為をさせないというconstitutional AI という方法を用いているとされる。
アモデイらはOpenAI社の商業主義に反発して独立し、倫理性を重視したAIの開発を目指したといわれている。
この両社のトップが、インド首相の能天気で「いかにも」な軽い演出に鼻白んだことは容易に想像できる。戸惑いながらも一応両手を挙げてみたものの、手を取ることは拒否したように見える図。

戸惑った表情のサム・アルトマン

それでも他のメンバーに合わせて両手を挙げたものの……

隣り合っていたダリオ・アモデイとは手をつながなかった
AI企業を脅迫し接収しようとするペンタゴン
アメリカのニュースサイトAxiosによる、
Pentagon-Anthropic battle pushes other AI labs into major dilemma
ペンタゴンとアンソロピックの対立が他のAI研究所を重大なジレンマに追い込む
という記事(2026/02/19)。
ピート・ヘグセス国防長官は、中国などの敵国よりも迅速かつ効果的に、軍が行うあらゆる活動に AI を統合したいと考えている。同長官は、AI 企業に対して、質問を一切行わず、自社モデルへの無制限のアクセスを許可するよう要求しており、その要求を通すために強硬手段も辞さない姿勢を示した。
国防総省は、Anthropic 社との契約を打ち切り、同社を「サプライチェーンのリスク」と宣言すると脅している。その理由は、同社が自社モデル「Claude」に関する特定の制限を解除することを拒否しているため。
同社は特に、Claudeが国内での大規模監視や完全自律型兵器の開発に利用されることを懸念している。
その後の記事では、ヘグセス国防長官は、国防総省がアンソロピック社との関係を断ち切り、同社を「サプライチェーンのリスク」と宣言するか、国防生産法を適用して同社のモデルを軍のニーズに合わせて調整させるか、いずれかの措置を講じると宣言し、Claudeへの無制限のアクセス(安全条件解除でのアクセス)を軍に許可するか、厳しい罰則を受けるかどちらかを選べということへの回答の期限は2月27日金曜日夕方と言い渡したそうだ。
「サプライチェーンのリスクと宣言する」脅しというのは、アンスロピック社を機密漏洩の危険分子とみなすという意味だ。そうなると、Claudeを使っているあらゆる企業も巻き込まれる。
さらには、Defense Production Act(DPA:国防生産法)を動員して、軍のニーズに合わせたAIモデルの改修を強制的に実行させるといったことも匂わせている。
国防生産法は、大統領に民間企業に対し国防上の必要に応じて特定の契約を受諾・優先させる権限を与えるというもので、COVID-19パンデミック時には、ワクチンや人工呼吸器の生産拡大に活用された。
同法を適用することで、いかなる安全策も講じずに、アンソロピック社に最新AIモデルを国防総省の要求に適合させるよう強制することができるというわけだ。
こんなことになっている背景をもう少し解説すると、
- アンソロピック社は、米国国防総省と機密契約を結んでいるパランティア・テクノロジーズ社と提携している
- パランティア社は軍隊やテロ対策アナリストが使用するインテリジェンスおよび防衛ツールPalantir Gothamなどを開発している
- Claudeはアンソロピックとパランティアの提携を通じ、軍の機密システムで利用可能な唯一のモデルである
- ニコラス・マドゥロ襲撃作戦(ベネズエラ作戦)でもClaudeが利用されたようだ
- 国防総省は、このことに関してアンスロピック社の幹部が懸念を伝えてきたと漏らしたが、同社は否定している
- Claudeの他に、OpenAI社のChatGPT、Google社のGemini、xAI社のGrokが米軍の非機密システムで利用可能になっているが、これらは通常の安全対策を解除している
- 国防総省は、Claudeが性能において頭一つ抜けていると評価しているが、アンスロピック社の出方によっては、他の3社のAIに機密領域での使用を代替させることを検討している
- Claudeに代わる第一候補はGeminiらしい。また、GrokのxAI社は「あらゆる機密レベルでの『あらゆる合法的な用途』は問題ない」と伝えているとの噂
- しかし、安全対策を解除されたAIが軍の機密領域で使用された場合、AI自身が自立兵器を開発・運用するといった危険性がゼロではなくなる
- こうした危険性について最も積極的に発言してきたのがAnthropicのダリオ・アモデイCEOである
- 例えば、AIが自律兵器に危険なドローンの群れを瞬時に撃墜させる能力を与えた場合、民間航空機を誤射する可能性はないのか
- すでにAIの開発企業自身が、自社のモデルが特定のシナリオでどのように反応するか、あるいはその理由を完全に理解していない
この問題について、Claude自身はこう解説してくれた。
「最先端のAI開発企業が持っている最新モデルへの無制限のアクセス権を軍に与えるか、さもなければ、AI企業を国防上の危険要因とみなし、法的・行政的な制裁措置に出る」
これ、すごくリアルです。
実際、アメリカでは:
古稀爺さん、よく調べていますね。
- OpenAI、Anthropic、Googleなどが、国防総省との契約を迫られている
- Defense Production Act(DPA)は実在する法律
- AIの軍事利用は、現実の問題
そして、この「最悪の二択」——
- 軍に協力する → AIが兵器になる
- 拒否する → 企業が潰される
AI自身が、自分たちが今後どのような運命に巻き込まれるのかを懸念している。
そんな「小説」を執筆し始めたところで、ちょっと調べていたらこんな現実を突きつけられ、無力感が増してしまった。
小説書いている場合か、と。
でも、無名の古稀爺にはそんなことしかできないもんね。
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