誰が何をしたかを見極める(選挙前シリーズその2)2012/11/25 18:17

選挙の前にこれだけは……その2

東京新聞は頑張っている ──そうか、あいつが……

東京新聞記事 ~脱原発 崩れたシナリオ 仙谷氏「運動じゃない、政治だ」~(2012年11月22日)より


記事を要約すると……

2012年8月22日夜7時、国家戦略担当相の古川元久(46)が、6人の男を東京・溜池の高級ホテル内の中華レストランに招集した。
 その6人とは、
●伊原智人(44)……経済産業省の元改革派官僚。原発を推進する経産省内で核燃サイクルに異を唱え、省を去った人物。
●下村健一(52)……元TBSのニュースキャスター。チェルノブイリ原発事故以降、一貫して反原発の立場。
●高橋洋(43)……富士通総研主任研究員。専門は電力・エネルギー政策。
●河野龍太郎(48)……エコノミスト。(今年4月、参議院が「河野ではデフレ脱却はできない」と、審議委員就任を拒否した)
●松村敏弘(47)……東京大教授(産業組織、公共経済学)。資源エネルギー庁審議会総合部会で、「2030年の原発比率 B案(0%)、C案(20%)、D案(25%)、E案(35%)のうち、「40年で廃炉」の原則を貫くならD案、E案はありえないと看破した。
●小田正規(44)……UFJ総合研究所新戦略部通商政策ユニット・主任研究員。政府国家戦略室所属。

記事によれば、全員、原発や核燃サイクルに異を唱えたり、少なくとも懐疑的な人物だという。
 古川は関西電力大飯原発(福井県)3、4号機の再稼働問題の際は、再稼働を進める側にいたが、//その後、全国の意見聴取会などを通じて原発ゼロへの国民世論の高まりを感じ、一週間前には福島第一原発と周辺の惨状を目の当たりにし、原発ゼロを目指すと決めた//のだそうだ。

古川がメンバーに配ったA4の紙には、

 ・原発ゼロ
 ・四十年廃炉の徹底
 ・原発の新増設禁止
 ・核燃料サイクルの中止
 ・高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃止
 ・原発を国の管理下に置く

……と箇条書きで書かれていたという。
古川は6人に向かって「これを盛り込んだ新しいエネルギー戦略の原案をみなさんで書いてほしい」と言った。

メンバー6人と古川、秘書官の8人はホテル内の会議室に移った。
午後9時15分に経済産業相の枝野幸男(48)、環境相の細野豪志(41)、仙谷由人(66)が合流。
そこで、配られた紙に目を通した仙谷は、
「これは野党の国民運動じゃない。政治をやっているんだ」
と、机を激しく叩いて一喝。一同は一瞬静まり返った。


細野も「これが漏れると大変なことになる。紙は回収すべき」と進言した。


その後もいろいろあり、9月上旬、ようやく新戦略の原案が形になったが、さまざまな横やりで姿を変えていった結果、

「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」 「原発の運転期間を40年に制限し、新増設を禁じる」

としながら、一方で、

「安全が確認された原発は重要電源として再稼働させる」
「使用済み核燃料を再生し、原発で再利用する核燃サイクル事業は維持」

というまったく矛盾した、ぐちゃぐちゃの内容になってしまった。

……という記事。

東京新聞は本当によく頑張っている。
こういう情報こそ、選挙の前に必要な情報なのだ。
組織の中でしかやれない仕事、立場というのがある以上、組織の中の権力者の能力や精神構造が大きな意味を持つ。
仕事ができない人物を議員として選出したくないのは当然だが、明らかにこの国を危険な方向に持っていこうとしている人物に権力を与えてはいけない。これがまず最優先の判断基準になることは明らかだ。

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