スマホ料金月額500円時代を生きる2015/06/27 22:07

bmobileの500円SIM docomo のロゴが入っている

モバイルキャリアを乗り換え LTEも月500円時代に

クリックで拡大。アマゾンに注文して翌日届いた500円SIMと前から持っていたモバイルルーター
このところ、NTTから下請けしたセールス会社からの電話がうるさい。
「フレッツ光をお使いですよね? プロバイダと回線料金をセットでおまとめになると月額料金が安くなりますのでお手続きしませんか?」という内容。
もうすでに5回くらいはかかってきた。
この場合のプロバイダというのはOCNなどのNTT系列プロバイダを想定していて、うちはASAHIネットだと言うと、「あ、それだとそちらのほうがお安いかと思いますので……」と引っ込む。それなら最初からかけてくるなよ。

ASAHIネットなど、NTT系以外のプロバイダでも、フレッツ光などの回線料金とプロバイダ料金を一括支払いにまとめることでトータル料金を安くするというサービスを始めている。うちもASAHIネット側で一括支払いにまとめた。
ASAHIネットでは固定IPサービスも使えるのがポイント高い。

で、そのASAHIネットから、モバイルもASAHIネットが安いですよ、今ならスマホやアンドロイドタブレットとのセット購入割引きもありますよ、というセールスメールが来た。
毎月2GB使えて、月額850円だという。
今契約しているモバイルキャリアはIIJMioのミニマムプランで、これは3GBで900円。3GB使い切らなければ余った分を翌月に繰り越せるというのがいい。
大して変わらない、というか、わずか50円の差ならIIJのほうがいいから無視だな、と思いつつ、念のためさらに調べてみたら、日本通信(bmobile)は月額500円(1GB)まで下げているのね。
1GBを超えたら自動的に追加1GBごとに250円。上限は5GB(1500円)で、それ以上にはならない。5GBを超えるとその月は速度が200kbpsに制限される。
ショートメッセージ(SMS)やマルチメディアサービス(MMS)には対応していないが、IP電話やメールが普通に使えるので、致命的な問題はないはず。

というわけで、乗り換えてみた。
SIMの代金(初期費用)が3000円なので、IIJとの差額400円/月を回収すのに8か月かかる計算。

アマゾンでポチして、翌日午前中にSIMカードが届いた。
さっそく、利用中のモバイルルーター(docomoのL-03E)のカードを交換。
L-03EのSIMはマイクロSIMだが、注文したのはさらに小さいナノSIM。アダプター(数十円~)を使えば大きいSIMにもなるのだから、いちばん小さいサイズにするのは当然。将来、ナノSIM仕様の端末を入手したときにそのまま使えるし。

支払いはクレジットカード払いのみ。あと、SIMを登録・開通させるのに携帯電話での手続きがいる。携帯を持っていない人は要注意か。(持っていなければ、誰かにケータイを借りて手続きすればいい。1分くらいで終わる作業で、一度だけだから)
で、それでOKかというと、そうではない。
SIMカードはこれで有効化できるが、それをルーターに差しただけでは使えない。ルーターの中には今までのIIJの設定が残ったままなので、これを書き換えないといけないのだ。APN設定という。
これがちょっと面倒だった。
パソコンにUSBで接続して、ブラウザから設定画面にログインしてbmobile用の新しい設定プロパティを作って保存、それに切り替える。
ルーター側で「USBテザリング」というのをONにしないと機能しなくて(ブラウザに何も出ない)、これに気づくのにちょっと時間がかかった。
それと、書き換えたらルーター側で「ソフトウェアバージョンアップ」のお知らせが出て、バージョンアップして再起動したら、今設定したばかりの内容が全部消えてしまって、やり直し。
……と、なんだかんだで小一時間取られてしまった。

冷静に考えると、IIJのままでもよかったのかな、とも思う。SIMカード代の3000円を回収するのに8か月かかるわけだし。
余剰分の翌月繰り越しで、実際には常に2GB以上の余裕を持って接続していたから。
まあ、うちの場合、外出する頻度が極端に少ないので、月1GBでも十分だと思うけれどね。

モバイル端末使いこなし術


ここで、今回気づいたことのまとめを。

SIMの抜き差しは実用的でない

 複数の端末(タブレットとスマホとノートPCなど)に1枚のSIMを抜き差しして使い回すのは面倒だし、小さなSIMカードだから、紛失したり破損したりする危険性がある。月500円なら、使う端末の数だけカードを用意して複数契約したほうがいい。

モバイルルーターで1つにまとめる

 あるいはモバイルルーターをメインにして、それを介して複数の端末を接続すればいい。その使い方なら、iPod touchをiPhoneのように使うこともできる。
 うちで使っているL-03Eというモバイルルーター(LGエレクトロニクス社製でdocomo仕様)はバッテリー容量がでかいので、まずバッテリー切れの心配をする必要がないし、いざとなればスマホなどの充電器としても使える(ルーター側のバッテリーからスマホに充電できる)。この安心感も大きなポイント。

音声通話をIP電話サービスに限定してしまえば、月500円のスマホ生活もできる

 スマホもSIMフリーが増えてきた。1万円前後でそこそこのスマホが買える。これを携帯電話会社と契約せず、bmobileやIIJのような格安データ通信SIMで使えば、月額500円のスマホ生活も可能になる。
 家やオフィスにWi-Fiがあるなら、そこではそのWi-Fi接続で使い、移動中だけ格安SIMで使う。
 音声通話が必要なら、SMARTalk、050Plus、LINEなどのIP電話サービスを使う。
 ちなみに、IP電話サービスには、発信しかできないものと050の固定番号をもらって受信もできるタイプのもの(これは月額基本料が300円くらいから)がある。完全に1台だけしか端末を持たずに音声電話も受けなければならない場合は固定の050電話番号も必要になるだろうから、それも含めると月額基本料は1000円くらいになる。(どのサービスが自分に向いているかの判断は⇒このサイトが便利)
 IP電話は、110番通報や一部の無料通話番号にかけられないという弱点はあるが、LINE中心で、音声電話はほとんど使わない、なんていう人もいるのだから、自分に合わせた使い方をよく考えて選べば、通信費が劇的に安くなることは間違いない。

iPhoneじゃなくて、iPod touchでOK

 SIMフリーになってアップルストアから普通に買えるようになったとはいえ、iPhoneは10万円近くする。Wi-Fi接続すればiPhoneとほぼ同じ機能が使い倒せるiPod touchは2万円台から。家ではWi-Fiで、外出時にはルーターと一緒に持ち出せばいいだけ。
 iPod touchは2015年6月現在、5のままで、iPhoneより1世代前だけれど、それでもiPod touch4に比べればサクサク動くし、不満はあまりないのでは? 実際、iPod touch+ルーターでiPhone同様の使い方をしている人がずいぶん増えた。  

いちばんの問題はモバイルSuica対応

 うちの場合、ケータイ(ガラケー)を手放せない最大の理由はおサイフケータイ(実際にはモバイルSuicaだけ利用)が必要だから。モバイルSuicaでしか使えない新幹線の割引き予約サービス(スーパーモバ得)、あらゆる公共乗り物の切符代わり、売店やコンビニでのキャッシュレス支払い……と、もはやケータイは通話よりもモバイルSuicaとして使っていることのほうが多い。
 このオサイフ機能、Felicaという規格が日本独自仕様のため、国外ではほとんど使えないし、そのために世界標準モデルのスマホには機能がついてない。
 アンドロイドスマホの一部(FeliCaチップ搭載機種)はiDなど一部を除くほとんどのおサイフ機能が使えることになっているが、これにもdocomoの端末(docomoが販売した端末)じゃないとダメとか、制限がある。(⇒このページの解説が分かりやすい)
 iPod touchにFeliCaチップが搭載されるなんてことは将来にわたってありえないだろうし、iOS系アプリでまとめている人がアンドロイドスマホと二刀流にするのも意味がなさそう。
 iPhoneにくっつける「おサイフケータイ ジャケット01」なんてのも出たが、せっかくお洒落に決めたのにその上からオムツ穿かせるみたいだし、肝心のモバイルSuicaに対応していないので論外。

月500円からのスマホ、タブレット生活! 日本通信おかわりSIM
 ……というわけで、我が家の利用方法は、docomoのガラケー契約×2人と、bmobileの月500円契約でiPod touch×2、iPad miniを外出時に使う(端末は別々でルーターは共用)というスタイル。
ガラケーの契約料金は家族割りだのなんだのを組み合わせれば結構安いので、500円モバイルと組み合わせても合計料金はスマホを通信会社で契約する料金より安い。いざというときは2種類の回線が使えるのでどちらかが不通になってもどちらかが生きている可能性も出てくる。
 年老いた親との通話で050電話は不便だし、モバイルSuicaとして使うときも、蓋が閉まるガラケーのほうがスマートだし落としにくい。
 そんなわけで、まだまだガラケー契約を切れない。

 昔はこんなことでいちいち悩むことはなかったのにね。便利になったんだか不自由になったんだか……。

(余談)
熟年世代でiPhoneやアンドロイドスマホを使っている人の中には、メールアドレスがガラケー時代から引き継いだxxx@docomo.ne.jpなどのケータイアドレスのままで、しかもケータイアドレス以外からのメールは受信拒否(ケータイ会社の初期設定のまま)だったりする。おかげでこちらから送ったメールがことごとく届かない。子供に教えられてちょっとだけLINEを使い始めたりするけれど、今まで通り、音声通話に使うことが多い。同世代の友人(固定電話)とスマホで長話していたりする。なんのためにスマホ(つまりインターネット環境)にしているのか分からない。
で、家には光回線引いているのに、コンピュータもWi-Fiも使っておらず、ひかり電話だけで高額な回線料金を払い続けていたりする。
子供が家にWi-Fi環境を作っても、Wi-Fiに切り替えてスマホでネット接続することを知らないから、馬鹿高い通信料を通信会社に二重に支払ってスマホでYouTubeを見ていたりする。家でしか使わないのに、わざわざ通信契約込みのタブレットを買ったりする。
そういう人たちは通信料金とかあんまり気にしていないようだ。年金や預金で余裕がある世代なのだろう。
だから「IT弱者」という呼び方もちょっと違うかな。
僕は60代に入ったので、世代的にはそうした人たちのほうに近いが、貧乏で百円単位のお金を節約するのに汲汲としているという点では若い人たちに近い。
貧乏なまま歳を取るのは辛いね。

文化の厚みを知っている熟年世代はデジタル革命についていけず、いいように金を吸い取られる。若い世代はワーキングプアの時期がどんどん長くなる中で、通信費節約術に頭を使わざるをえず、濃厚な文化を生み出す時間も知恵も足りない。

……なんだかなあ……。

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