食糧危機宣言をしない日本政府 ― 2022/04/04 16:09
ぷちぷちサミット とは?
2022年4月1日。コロナ禍に疲れ果て、アメリカ+NATO陣営によるロシア叩き情報に踊らされるだけの日本で、「縄文村」の数少ない常連さんがオンライン会議的な雑談会を始めました。サミットなんて言っていますが、あまりにもちっぽけなので「プチ」×2で「プチプチ」。エアクッションのぷちぷちをつぶして気を紛らせる程度のノリで語り合いましょうという意味も込めての「ぷちぷち」。
参加者は以下の3人です。
山多 吾狼 :オカルト系?ライター白祥司 幽大 :岩木山麓で隠遁生活を営む自称「予言者」- アラン・イシコフ:限りなく無職の作家?
吾狼:今日は4月1日ってことで、嘘ばかり言い合うんじゃないかと思われちゃうかもしれないですけど、そんなことはありませんよね。
まずは、このメンバーが集まるのは久しぶりなんで、近況報告をサラッといきませんか。
幽大さんは今も青森県内にお住まいですか?
幽大: 居場所は変わらんよ。岩木山麓の奥まった神社の宮司ってことでやってるんだが、神社庁とかとは何の関係もない「勝手宮司」でね。頼まれればイタコみたいなこともしておるよ。
ただ、最近はめっきり訪ねてくる人は減ったな。あの変な流行り風邪のせいかね。
吾狼: コロナのことですね。幽大さんのとこは一種の観光業ですからね。影響が大きい、と。
幽大: 観光業か……そんないいもんじゃないがね。
吾狼: あ、いえ、冗談で言ったんですが……(苦笑)
イシコフさんはどうですか。実は、メールでは何度かやりとりしてきましたが、お顔を拝見するのは初めてですよね。
イシ: まあ、ZOOMならいいかと思って。私は相変わらずですよ。毎日ステイホームでネット三昧。コロナとか関係なく、だいぶ前からこんな感じだね。私も歳で、出歩くのがどんどん億劫になってね。
目下最大の課題は食糧危機への対応
吾狼: お二人ともどうやって生きているんだろうと不思議に思ってるんですが、まあ、それは私も同類みたいなものだから触れないでおきますね。今日は、まず、急激に変化し始めた世の中で、今いちばん心配なことはなんだろう、みたいな話からしていきますか。どうでしょう。
イシ: いちばん心配なのは食糧危機でしょ。
幽大: 間違いないだろうな。
吾狼: 瞬時に意見が一致ですね。ぼくもそれは同感です。世界中でえらいことになってますよね。
イシ: エネルギー危機というのもあるけど、それも結局は食料調達ができなくなる原因のひとつだしね。命に関わる問題としては、まずは食料でしょ。食えなければ餓死だから。その前に暴動とかあるかもしれないし。
吾狼: 世界的な食糧危機の原因はウクライナ紛争ですか?
イシ: それだけじゃないよね。干魃だの洪水だのイナゴの被害だのという自然由来の原因、コロナによる労働力不足や物流困難の問題なんかもある。でも、いわゆる西側諸国によるロシアへの経済制裁という愚策が大きく影響しているよね。
吾狼: 完全にブーメランになってますよね。ロシアを制裁するとか言って、逆に自分たちの首を絞めている。ドイツなんか、ロシアからの天然ガスが来なかったらあっという間に国が壊滅しちゃうのが分かりきっているのに。だから、ドイツは「エネルギーに関してはロシア制裁には加わらない」と言ってますね。つまり、ロシアに生殺与奪権を握られている。
図表は日本経済新聞社サイトより
幽大: 余輩の予言では、これから西欧の国々は一気に食糧危機と極端な物価高騰で七転八倒、阿鼻叫喚の時代に突入すると出ておるな。
イシ: 予言とか言わなくても、あらゆるデータや今の状況を考えれば、それは普通に導き出される近未来図だね。
ロシアの穀物自給率は180%を超えているともいわれている。他の国から食料がまったく入ってこなくなっても国民が飢えることはない。
一方、西欧諸国のほとんどは日本同様に食料を輸入できないと飢えてしまう。
↑世界各国の食糧自給率比較 (農林水産省のWEBサイトより)
日本の食料自給率はカロリーベースで37%となっているけれど、穀物だけに限ればさらに低くなって28%くらいだよね。特に小麦や大豆といった主要品目はほとんど輸入に頼っている。
ロシアからの輸入量は少ないとかいうけれど、アメリカ、カナダ、オーストラリアといった穀物輸出国も、今は自国内の消費をまかなうだけで精一杯になっている。
NOAA (アメリカ海洋大気庁)は、今春のアメリカは西部と中央部で極端な水不足になるという予測を出していたけれど、すでに干魃で冬小麦などに深刻な影響が出ているのよね。
↑アメリカの干魃状況(https://droughtmonitor.unl.edu/ より)
そんな中でロシアが肥料の元になる硝酸アンモニウムの輸出を停止したり、カナダとアメリカを結ぶ鉄道がストライキをしたためにカナダからの肥料輸入が途絶えたりして、農家が肥料を手に入れられない。そうなると当然作付けも遅れる。
原油価格の高騰で農業機械やハウスの暖房などの運用コストがまかなえない。
他にも数え切れないほどの問題が生じていて、とにかく全世界的に食糧が不足することは確実なんだよね。
小麦と大豆が入ってこなくなったら日本の食糧供給が壊滅するのは明らか。それなのに、日本政府はまったく危機意識を持っていないで、ロシア制裁を強化するとか言っている。
メディアもウクライナを応援しようみたいなキャンペーンばかりやっていて、国民もごっそりそれにのせられている。
あまりの馬鹿さ加減に頭くらくらするよね。
吾狼: そもそも、ロシアはそんなに困っている風でもないんですよね。日本のメディアは相変わらず、ロシアはこのままでは孤立して自滅するみたいなことを言ってますが、困っているのは西欧諸国ばかりで。
ルーブルも、ロシアが天然ガスの支払いはルーブルでしか受け付けないと言ったら、たちまちレートが回復していますしね。
↑ZeroHedge より
イシ: マクドナルドがロシア国内の847店舗すべてを閉鎖して引き上げた後、そっくりそのままUncle Vanyaという名前の店に変わって営業が続けられているという話に至っては、落語みたいだよね。
↑chicagobuisiness.com より
制裁どころか、プレゼントになってる。
原料となる小麦も牛肉もロシア国内で調達できる。店員は今まで通りだから何も困らない。
VISAやMasterカードが引き上げたら、すぐにロシアの全国決済カードシステム(NSPK)に切り替えた。それまで海外資本のカード会社に入っていた手数料が国内に入るようになっただけ。
幽大: まさに濡れ手に粟、ということか。あまり笑う気にはなれん、出来の悪い落語だな。
ウクライナ紛争の構図(1) ― 2022/04/04 16:20
吾狼: そもそも今のウクライナ紛争って、どういう経緯で始まってしまったのかという説明が、どの国のメディアもきちんと伝えていないような気がするんですよね。
幽大: 西側諸国のメディアは「悪の帝国ロシアと欲ボケした独裁者プーチンが平和に過ごしていた農業国ウクライナを侵略して傀儡政権を作ろうとしている、という図式で説明しているようだが……。実際はもっと複雑なんだろう?
イシコフさんはロシア人の血が流れていると聞いたが、ロシア側の論理というのはどうなんだね。
イシ: 確かに私の父はロシア人、母はハンガリー生まれの日本人ですけど、物心ついたときからずっと母方の祖父の家、つまり、日本で暮らしてきましたから、ロシアの国情とかロシア人のものの考え方とかは分からないですね。
父は貿易商で、日本とロシアを行ったり来たりしていましたが、私は父とはほとんど接触がないんですよ。というのは、私が二歳になる前に母は病死してしまって、貿易商の父は仕事が忙しくて私の面倒をみられなかった。金は持っていたので、たっぷり養育費をつけて母方の実家に私を預けたんです。その後、父は再婚しています。
というわけで、私は日本で育ったんですが、通っていたのはインターナショナルスクールで、そこで英語を話す子供たちと一緒に育ったんです。だから、日本人の感性ともかなり違うのかな。
幽大: 相当特殊な生い立ちなんだね。それならロシアの国情が分かるということではないか。
イシ: でも、インターナショナル時代の友人とは今でもやりとりしていますから、いろいろ情報は入ってきますよ。私の友人たちはみんな一筋縄ではいかないので、裏情報的なものや怪しげな噂話も多いですけどね。
吾狼: いいですねえ! そういうのを聞きたいわけですよ。ぼくたちは。
イシ: 大した情報じゃないよ。吾狼さんも知っているような話ばかりだと思うけど。というか、吾狼さんのほうが情報量は多いんじゃない? 吾狼さんはどう分析しているの?
吾狼: え? ぼくですか? なんかブーメランだな。まあいいや。
ぼくとしては、ここ数十年繰り返されてきた戦争の構図とあまり変わらないんじゃないかと思ってます。中東戦争とかアフガンとかと。
イシ: 具体的にはどういうこと?
吾狼: 日本を含めて西側メディアは、プーチンが仕掛けた一方的な侵略戦争みたいに報じてますけど、基本的にはアメリカがウクライナに仕掛けた「内戦」が引き金になっているんじゃないか、と。
イシ: うんうん。
吾狼: ウクライナの歴史はあまりにも混沌かつ凄絶で、ぼくたちみたいに戦争を直接知らない人間が簡単に口にするのは許されないでしょうけど、直近では、2014年のマイダン革命と呼ばれているクーデターとクリミアを巡るパワーゲームのもつれ、ドンバス地域の治安の問題が絡み合ってもともと不安定だったウクライナの内政という土壌があったわけですよね。
それを利用して、アメリカがウクライナの分裂と西側寄りの政権樹立を企てたのがあのクーデターだったんじゃないですか。
一方で、アメリカをリーダーとするNATO勢は、ロシアの封じ込めと弱体化を狙ってじわじわとロシアに圧力をかけていった。ロシアがそれに乗ってアフガンのときみたいに軍事行動を起こせば、それを利用してロシアの国力を落とすことができると踏んだんじゃないですかね。
イシ: アフガンがきっかけでソ連は崩壊していったからね。その再現を目論んだ、と。
吾狼: でも今回、ロシアは簡単には乗ってこなかった。反発しつつもしっかり準備を整えていた。で、ここにきてバ~ンと……。
ロシアとしては、しっかり準備を重ねてきたんだから、この機会をうまく利用してロシアと中国が中心となる新しい世界経済圏の成立を目指すぞ……みたいな感じですか。
イシ: うんうん。まあ、私の周囲でも概ねそうした見立てではあるね。
で、バ~ンと弾けた後の展開については、ロシア側もNATO側も誤算があった。
本来なら圧倒的な軍事力を持つロシアが簡単に制圧すると思われていたのが、ウクライナ軍が予想以上に踏ん張っているのがロシアにとっては大誤算だったと報じているメディアが多いけれど、現在のウクライナ軍というのはNATO軍と同じだからね。アメリカがイラクを一方的に攻撃して破壊したときとはまったく違う。
2014年のマイダンクーデター以後、ウクライナ軍はウクライナ国内と国外でアメリカ軍とNATO軍によって訓練されてきた。最新兵器を装備して、高度な命令系統下で敏速果敢に行動できる軍隊になっているそうだ。ウクライナの外に派遣されても、世界中どの地域にいるNATO軍とも即座に連携できるらしい。
一方、ロシアとしては肥沃な穀倉地帯であるウクライナの土地をなるべく傷つけないで制圧したいわけだから、ドカドカ爆弾を落とすみたいなことはしたくない。だけど、ウクライナ軍が強力だから簡単にはいかず、前線では焦りから指揮系統が乱れたり、やりすぎたりもしているだろうね。
幽大: その結果、どんどん一般市民が死んでいる。
イシ: たまらないですね。でも、戦争を仕掛けている連中としては、ウクライナの一般市民がどれだけ死のうがあまり関心はないでしょう。目的を果たすための駒としか見ていない。昔からずっと、戦争というのはそういうものですよね。
吾狼: 人命第一、平和な暮らしが第一だと考えたら、なんとかこぎ着けたミンスク合意を実行して、不必要にロシアを刺激しないというのが現実的な最良解だったはずですしね。でも、NATO側はそうしなかった。
イシ: どう考えても、NATO側の挑発がいきすぎだよね。
2008年4月にルーマニアの首都ブカレストで開かれたNATOの首脳会議では、アフガニスタン紛争とNATOの拡大戦略が主要議題だった。加盟国の拡大については、旧ソ連のウクライナとグルジアの加盟候補国への格上げが議論された。結局、ロシアを配慮して見送られたんだけど、その会議後、アメリカの政治担当国務次官に就任したばかりだったウィリアム・バーンズは、こんなメモを残しているそうだよ。
「NATOの加盟国拡大については、ダメなものはダメだ。ロシアは本気だ。もし、我々がロシアの要求を真面目に受けとめなければ、遅かれ早かれロシアは軍事行動に出るだろう。それはウクライナの破壊を意味する。その結果、ウクライナはクリミアとドンバスを失うだろう」と。
吾狼: まさにそれが今起きているわけですね。
イシ: そういうことだね。
このときのNATO首脳会議では、アフガン問題について、NATOがアフガン指導部を強化し、軍部と民間NGOなどの協力を進めるというようなことも決議されている。その手法も、マイダンクーデター以降、ウクライナでNATOが進めてきたことと一致するよね。
今回、ロシア軍がまっ先に空爆したポーランド国境近くにある軍事訓練施設は「国際平和維持軍訓練センター」という名称だもんね。そこではNATO軍から派遣された外国人指導官たちが、年間5大隊のペースで精鋭部隊を育て上げ、ドンバス地域に派遣していたといわれている。
ウクライナ紛争は今始まったわけじゃない。2014年以降、東部ドンバス地域では多くの市民が殺されてきた。ウクライナ軍精鋭部隊の中には、ロシア語を話すウクライナ人は殺してもかまわないというような極端な思想を持つ連中もいるという。目の前でロシア語を話す同胞が殺されるのを黙って見ているわけにはいかない、というのがロシアの言い分だよね。それを一方的なロシア側のでっちあげプロパガンダだという人もいるけれど、本当にそうなのか?
ちなみに、2008年の時点でNATOの拡大政策に懸念を示していたウィリアム・バーンズという人物は、2005年から2008年まで駐ロシア大使をつとめていたから、ロシア国内外のことには精通していた。その後、2008年から2011年までアメリカの政治担当国務次官。2011年から2014年まで国務副長官という経歴を持つインテリ外交官なんだけど、なんと、2011年からはバイデン政権下でCIA長官に就任しているんだよね。
ウィリアム・ジョセフ・バーンズ(写真はWikiより)
吾狼: 彼の頭の中を覗いてみたいですね。
イシ: 吾狼さんは若いなあ。私は嫌だよ。あまりにもドロドロの怖ろしい闇に吸い込まれそうで怖い。
吾狼: お二人に比べたら若輩者ですけど、ぼくももうすぐ50ですよ。あ、若いのか。
幽大: ひよっこだな。ピヨピヨ。
吾狼: はいはい。ピヨピヨ。
まあ、とにかく今のウクライナ紛争の背景は、複雑すぎて、外野から見ていてもよく分からない、というのは確かですね。
ロシアにしても、NATOから挑発されたといっても、本当にこの段階でバ~ンといっちゃったのはどうなのか、と。後悔しているんじゃないですかね、プーチンは。
イシ: そのへんは分からないよね。入ってくる情報があまりにもグチャグチャで、どこまで信じていいのか分からない。
大枠の構造は見えるんだけど、個々の要素が見えにくいんだな。
例えば、プーチンが惚けてるんじゃないかとか、甲状腺癌なんじゃないか、いやパーキンソン病だろとか、そういう情報の真偽については、私は判断できないでいるんだ。バイデンの認知症説にしても同じだね。
入ってくる情報について、100%事実かもしれないし、まったくの嘘かもしれない。両極端がありえる。だから、情報の真偽を可能性の割合みたいなもので振り分けながら整理していく必要があると思ってるんだ。
吾狼: 同感です! 具体的にはどんな感じですか。
まずは、2014年のクーデターをアメリカが仕掛けたという話は?
イシ: それは80%くらい事実だろうね。
デモ隊の中に訓練されたスナイパーがいて、デモ隊の民衆を狙い打ちしたというのは、映像でも証拠があがっているようだし。
ステパン・バンデラという超国家主義、ファシズム思想の持ち主を死後も崇拝している過激派グループが、マイダンクーデターを先導した。彼らをアメリカ国内の訓練施設で養成していたのはCIAだという話も、60%は本当だろうと思ってる。
ステパン・バンデラ(1909-1959) 写真はWikiより
バンデラの評価は真っ二つに割れていて、バンデラとナチスを結びつけてネオナチ勢力のシンボルのように言うのはロシア側のプロパガンダに過ぎないという人たちもいるけれど、彼が国粋主義的な思想で行動していたことは確かなんじゃないかな。
今はウクライナ愛国党のアンドレ・ベレツキーが人種差別と暴力肯定のアジテーターの代表で、ヨーロッパを再び白人だけのものするとか、ウクライナはその前線基地になるといったことを公言しているらしい。そんなベレツキーが率いるアゾフ大隊のことや、そこに軍事支援しているのがアメリカだということは、日本ではまったく報道されていないよね。これらの話はバンデラとは違って現在進行形のことだから、全部でっち上げだと言うのはさすがに無理があるんじゃないかと思うよ。
で、ベレツキーの人種差別というのは「言語の違い」による差別というのが含まれていて、ロシア語を話すウクライナ国民は非国民であり、排除していいという論理らしい。実際、現政権によるロシア語禁止令が可決されようとしたとき、ドンバスの人たちは猛反発して、衝突が激化した。明日から関西弁は禁止するという法律が日本の国会で真面目に審議されるようなものかな。もっと極端だろうけど、そういうことが東欧では今も普通に起きているってことだよね。
ロシア語を話すウクライナ国民というのは、具体的には東部ドンバス地域の人たちのことで、ウクライナの正規軍になっているアゾフ大隊を始め、ウクライナの軍隊や警察は、マイダンクーデター以後ずっと、ドンバス地域への砲撃や虐殺を続けているという。
これも60%以上は事実だと思う。現地で生の体験をしているわけではないから90%とは言えないし、この手の内戦では双方に非人道的な行動が出るだろうから、どちらかが100%正義だとかも言えない。
でも、犠牲になるのが一般市民だということは間違いないわけで、今も毎日紛争に巻き込まれて人が殺されている。これは100%事実。まったくやりきれないよね。
吾狼: 第二次大戦後、ウクライナやポーランドにはナチスのホロコーストに加担した人たちが大勢残ったそうですね。その思想がじわじわと広がっていって、教育にも影響を与えた、と。
子どもにバンデラ主義という白人至上主義や超国家思想が植えつけられることは、軍事支援とかよりずっと怖ろしいことだと思うんですよ。
イシ: その通りだね。ウクライナという国は、そうした複雑な要素が絡み合っているから、今の紛争に関しても問題解決の糸口がなかなか見えてこない。ロシアが一方的に攻め込んだみたいに考えている人たちが多いだろうけど、実際にはこれはウクライナという広大で肥沃な土地で起きている「内戦」に、東西冷戦時代のゾンビみたいなものが介入している悲劇なんだよね。
ザックリ言って、ウクライナの西側の国民と、ロシア語を日常語にしてロシアとのつき合いが深い東側の国民では、文化や思想が違う。
でも、西側の人たちだって、今まで何度も最悪の戦場にさせられてひどい経験をしてきているから、国に再びナチズムが入り込むことの怖さを知っている。だからこそ選挙でヤヌコーヴィチのような中道派路線の大統領を選んだんだと思うよ。でも、その政権が暴力で倒された。そのクーデターに参加したのも同じ西側の一般市民。巧みに先導されたとはいえ、今の政権を決して傀儡政権だとは思っていないだろうし。
幽大: どうも西洋人ってのはやることが極端だな。肉食ってるからかな。
吾狼: あ、それちょっと問題発言かも……です。幽大さん。
幽大: まあいいじゃないか、このくらいは。ここはただの酒呑み話なんだからさ。
吾狼: え? 幽大さん、呑んでるんですか、今。
幽大: だめなのか? 余輩は別に酔って暴れたりはせんぞ。
イシ: どうせオンラインですしね。暴れても私たちは困らないですから、適当にやりましょう。深刻になったところで、私たちにはどうすることもできないわけですからねえ。
幽大: 西側諸国のメディアは「悪の帝国ロシアと欲ボケした独裁者プーチンが平和に過ごしていた農業国ウクライナを侵略して傀儡政権を作ろうとしている、という図式で説明しているようだが……。実際はもっと複雑なんだろう?
イシコフさんはロシア人の血が流れていると聞いたが、ロシア側の論理というのはどうなんだね。
イシ: 確かに私の父はロシア人、母はハンガリー生まれの日本人ですけど、物心ついたときからずっと母方の祖父の家、つまり、日本で暮らしてきましたから、ロシアの国情とかロシア人のものの考え方とかは分からないですね。
父は貿易商で、日本とロシアを行ったり来たりしていましたが、私は父とはほとんど接触がないんですよ。というのは、私が二歳になる前に母は病死してしまって、貿易商の父は仕事が忙しくて私の面倒をみられなかった。金は持っていたので、たっぷり養育費をつけて母方の実家に私を預けたんです。その後、父は再婚しています。
というわけで、私は日本で育ったんですが、通っていたのはインターナショナルスクールで、そこで英語を話す子供たちと一緒に育ったんです。だから、日本人の感性ともかなり違うのかな。
幽大: 相当特殊な生い立ちなんだね。それならロシアの国情が分かるということではないか。
イシ: でも、インターナショナル時代の友人とは今でもやりとりしていますから、いろいろ情報は入ってきますよ。私の友人たちはみんな一筋縄ではいかないので、裏情報的なものや怪しげな噂話も多いですけどね。
吾狼: いいですねえ! そういうのを聞きたいわけですよ。ぼくたちは。
イシ: 大した情報じゃないよ。吾狼さんも知っているような話ばかりだと思うけど。というか、吾狼さんのほうが情報量は多いんじゃない? 吾狼さんはどう分析しているの?
吾狼: え? ぼくですか? なんかブーメランだな。まあいいや。
ぼくとしては、ここ数十年繰り返されてきた戦争の構図とあまり変わらないんじゃないかと思ってます。中東戦争とかアフガンとかと。
イシ: 具体的にはどういうこと?
吾狼: 日本を含めて西側メディアは、プーチンが仕掛けた一方的な侵略戦争みたいに報じてますけど、基本的にはアメリカがウクライナに仕掛けた「内戦」が引き金になっているんじゃないか、と。
イシ: うんうん。
吾狼: ウクライナの歴史はあまりにも混沌かつ凄絶で、ぼくたちみたいに戦争を直接知らない人間が簡単に口にするのは許されないでしょうけど、直近では、2014年のマイダン革命と呼ばれているクーデターとクリミアを巡るパワーゲームのもつれ、ドンバス地域の治安の問題が絡み合ってもともと不安定だったウクライナの内政という土壌があったわけですよね。
それを利用して、アメリカがウクライナの分裂と西側寄りの政権樹立を企てたのがあのクーデターだったんじゃないですか。
一方で、アメリカをリーダーとするNATO勢は、ロシアの封じ込めと弱体化を狙ってじわじわとロシアに圧力をかけていった。ロシアがそれに乗ってアフガンのときみたいに軍事行動を起こせば、それを利用してロシアの国力を落とすことができると踏んだんじゃないですかね。
イシ: アフガンがきっかけでソ連は崩壊していったからね。その再現を目論んだ、と。
吾狼: でも今回、ロシアは簡単には乗ってこなかった。反発しつつもしっかり準備を整えていた。で、ここにきてバ~ンと……。
ロシアとしては、しっかり準備を重ねてきたんだから、この機会をうまく利用してロシアと中国が中心となる新しい世界経済圏の成立を目指すぞ……みたいな感じですか。
イシ: うんうん。まあ、私の周囲でも概ねそうした見立てではあるね。
で、バ~ンと弾けた後の展開については、ロシア側もNATO側も誤算があった。
本来なら圧倒的な軍事力を持つロシアが簡単に制圧すると思われていたのが、ウクライナ軍が予想以上に踏ん張っているのがロシアにとっては大誤算だったと報じているメディアが多いけれど、現在のウクライナ軍というのはNATO軍と同じだからね。アメリカがイラクを一方的に攻撃して破壊したときとはまったく違う。
2014年のマイダンクーデター以後、ウクライナ軍はウクライナ国内と国外でアメリカ軍とNATO軍によって訓練されてきた。最新兵器を装備して、高度な命令系統下で敏速果敢に行動できる軍隊になっているそうだ。ウクライナの外に派遣されても、世界中どの地域にいるNATO軍とも即座に連携できるらしい。
一方、ロシアとしては肥沃な穀倉地帯であるウクライナの土地をなるべく傷つけないで制圧したいわけだから、ドカドカ爆弾を落とすみたいなことはしたくない。だけど、ウクライナ軍が強力だから簡単にはいかず、前線では焦りから指揮系統が乱れたり、やりすぎたりもしているだろうね。
幽大: その結果、どんどん一般市民が死んでいる。
イシ: たまらないですね。でも、戦争を仕掛けている連中としては、ウクライナの一般市民がどれだけ死のうがあまり関心はないでしょう。目的を果たすための駒としか見ていない。昔からずっと、戦争というのはそういうものですよね。
吾狼: 人命第一、平和な暮らしが第一だと考えたら、なんとかこぎ着けたミンスク合意を実行して、不必要にロシアを刺激しないというのが現実的な最良解だったはずですしね。でも、NATO側はそうしなかった。
イシ: どう考えても、NATO側の挑発がいきすぎだよね。
2008年4月にルーマニアの首都ブカレストで開かれたNATOの首脳会議では、アフガニスタン紛争とNATOの拡大戦略が主要議題だった。加盟国の拡大については、旧ソ連のウクライナとグルジアの加盟候補国への格上げが議論された。結局、ロシアを配慮して見送られたんだけど、その会議後、アメリカの政治担当国務次官に就任したばかりだったウィリアム・バーンズは、こんなメモを残しているそうだよ。
「NATOの加盟国拡大については、ダメなものはダメだ。ロシアは本気だ。もし、我々がロシアの要求を真面目に受けとめなければ、遅かれ早かれロシアは軍事行動に出るだろう。それはウクライナの破壊を意味する。その結果、ウクライナはクリミアとドンバスを失うだろう」と。
吾狼: まさにそれが今起きているわけですね。
イシ: そういうことだね。
このときのNATO首脳会議では、アフガン問題について、NATOがアフガン指導部を強化し、軍部と民間NGOなどの協力を進めるというようなことも決議されている。その手法も、マイダンクーデター以降、ウクライナでNATOが進めてきたことと一致するよね。
今回、ロシア軍がまっ先に空爆したポーランド国境近くにある軍事訓練施設は「国際平和維持軍訓練センター」という名称だもんね。そこではNATO軍から派遣された外国人指導官たちが、年間5大隊のペースで精鋭部隊を育て上げ、ドンバス地域に派遣していたといわれている。
ウクライナ紛争は今始まったわけじゃない。2014年以降、東部ドンバス地域では多くの市民が殺されてきた。ウクライナ軍精鋭部隊の中には、ロシア語を話すウクライナ人は殺してもかまわないというような極端な思想を持つ連中もいるという。目の前でロシア語を話す同胞が殺されるのを黙って見ているわけにはいかない、というのがロシアの言い分だよね。それを一方的なロシア側のでっちあげプロパガンダだという人もいるけれど、本当にそうなのか?
ちなみに、2008年の時点でNATOの拡大政策に懸念を示していたウィリアム・バーンズという人物は、2005年から2008年まで駐ロシア大使をつとめていたから、ロシア国内外のことには精通していた。その後、2008年から2011年までアメリカの政治担当国務次官。2011年から2014年まで国務副長官という経歴を持つインテリ外交官なんだけど、なんと、2011年からはバイデン政権下でCIA長官に就任しているんだよね。
ウィリアム・ジョセフ・バーンズ(写真はWikiより)
吾狼: 彼の頭の中を覗いてみたいですね。
イシ: 吾狼さんは若いなあ。私は嫌だよ。あまりにもドロドロの怖ろしい闇に吸い込まれそうで怖い。
吾狼: お二人に比べたら若輩者ですけど、ぼくももうすぐ50ですよ。あ、若いのか。
幽大: ひよっこだな。ピヨピヨ。
吾狼: はいはい。ピヨピヨ。
まあ、とにかく今のウクライナ紛争の背景は、複雑すぎて、外野から見ていてもよく分からない、というのは確かですね。
ロシアにしても、NATOから挑発されたといっても、本当にこの段階でバ~ンといっちゃったのはどうなのか、と。後悔しているんじゃないですかね、プーチンは。
イシ: そのへんは分からないよね。入ってくる情報があまりにもグチャグチャで、どこまで信じていいのか分からない。
大枠の構造は見えるんだけど、個々の要素が見えにくいんだな。
例えば、プーチンが惚けてるんじゃないかとか、甲状腺癌なんじゃないか、いやパーキンソン病だろとか、そういう情報の真偽については、私は判断できないでいるんだ。バイデンの認知症説にしても同じだね。
入ってくる情報について、100%事実かもしれないし、まったくの嘘かもしれない。両極端がありえる。だから、情報の真偽を可能性の割合みたいなもので振り分けながら整理していく必要があると思ってるんだ。
吾狼: 同感です! 具体的にはどんな感じですか。
まずは、2014年のクーデターをアメリカが仕掛けたという話は?
イシ: それは80%くらい事実だろうね。
デモ隊の中に訓練されたスナイパーがいて、デモ隊の民衆を狙い打ちしたというのは、映像でも証拠があがっているようだし。
ステパン・バンデラという超国家主義、ファシズム思想の持ち主を死後も崇拝している過激派グループが、マイダンクーデターを先導した。彼らをアメリカ国内の訓練施設で養成していたのはCIAだという話も、60%は本当だろうと思ってる。
ステパン・バンデラ(1909-1959) 写真はWikiより
バンデラの評価は真っ二つに割れていて、バンデラとナチスを結びつけてネオナチ勢力のシンボルのように言うのはロシア側のプロパガンダに過ぎないという人たちもいるけれど、彼が国粋主義的な思想で行動していたことは確かなんじゃないかな。
今はウクライナ愛国党のアンドレ・ベレツキーが人種差別と暴力肯定のアジテーターの代表で、ヨーロッパを再び白人だけのものするとか、ウクライナはその前線基地になるといったことを公言しているらしい。そんなベレツキーが率いるアゾフ大隊のことや、そこに軍事支援しているのがアメリカだということは、日本ではまったく報道されていないよね。これらの話はバンデラとは違って現在進行形のことだから、全部でっち上げだと言うのはさすがに無理があるんじゃないかと思うよ。
で、ベレツキーの人種差別というのは「言語の違い」による差別というのが含まれていて、ロシア語を話すウクライナ国民は非国民であり、排除していいという論理らしい。実際、現政権によるロシア語禁止令が可決されようとしたとき、ドンバスの人たちは猛反発して、衝突が激化した。明日から関西弁は禁止するという法律が日本の国会で真面目に審議されるようなものかな。もっと極端だろうけど、そういうことが東欧では今も普通に起きているってことだよね。
ロシア語を話すウクライナ国民というのは、具体的には東部ドンバス地域の人たちのことで、ウクライナの正規軍になっているアゾフ大隊を始め、ウクライナの軍隊や警察は、マイダンクーデター以後ずっと、ドンバス地域への砲撃や虐殺を続けているという。
これも60%以上は事実だと思う。現地で生の体験をしているわけではないから90%とは言えないし、この手の内戦では双方に非人道的な行動が出るだろうから、どちらかが100%正義だとかも言えない。
でも、犠牲になるのが一般市民だということは間違いないわけで、今も毎日紛争に巻き込まれて人が殺されている。これは100%事実。まったくやりきれないよね。
吾狼: 第二次大戦後、ウクライナやポーランドにはナチスのホロコーストに加担した人たちが大勢残ったそうですね。その思想がじわじわと広がっていって、教育にも影響を与えた、と。
子どもにバンデラ主義という白人至上主義や超国家思想が植えつけられることは、軍事支援とかよりずっと怖ろしいことだと思うんですよ。
イシ: その通りだね。ウクライナという国は、そうした複雑な要素が絡み合っているから、今の紛争に関しても問題解決の糸口がなかなか見えてこない。ロシアが一方的に攻め込んだみたいに考えている人たちが多いだろうけど、実際にはこれはウクライナという広大で肥沃な土地で起きている「内戦」に、東西冷戦時代のゾンビみたいなものが介入している悲劇なんだよね。
ザックリ言って、ウクライナの西側の国民と、ロシア語を日常語にしてロシアとのつき合いが深い東側の国民では、文化や思想が違う。
でも、西側の人たちだって、今まで何度も最悪の戦場にさせられてひどい経験をしてきているから、国に再びナチズムが入り込むことの怖さを知っている。だからこそ選挙でヤヌコーヴィチのような中道派路線の大統領を選んだんだと思うよ。でも、その政権が暴力で倒された。そのクーデターに参加したのも同じ西側の一般市民。巧みに先導されたとはいえ、今の政権を決して傀儡政権だとは思っていないだろうし。
幽大: どうも西洋人ってのはやることが極端だな。肉食ってるからかな。
吾狼: あ、それちょっと問題発言かも……です。幽大さん。
幽大: まあいいじゃないか、このくらいは。ここはただの酒呑み話なんだからさ。
吾狼: え? 幽大さん、呑んでるんですか、今。
幽大: だめなのか? 余輩は別に酔って暴れたりはせんぞ。
イシ: どうせオンラインですしね。暴れても私たちは困らないですから、適当にやりましょう。深刻になったところで、私たちにはどうすることもできないわけですからねえ。
NATOはなぜまだ拡大し続けようとするのか? ― 2022/04/05 11:40
幽大: 余輩の認識が正しければ、NATOというのは旧ソ連とその傘下にある東欧諸国の軍事力に対抗するために結成された軍事同盟だったんじゃないのか? ロシアは国連内で旧ソ連の権利をそのまま引き継いだ形にはなっているが、かつてのソ連とは明らかに違う国だろう?
そもそも、1991年に今のロシア共和国と当時は白ロシアと呼ばれていたベラルーシ、ウクライナの3者が秘密会談を開いて、俺たちが率先してソ連から抜けよう、そしてEC(欧州共同体)のような連合を作ろうと決めたことが、ソ連崩壊の最終的な引き金になったんじゃなかったのか?
イシ: そうですね。「ベロヴェーシ合意」というやつですね。
幽大: そうそう、それそれ。確か1991年の12月8日ではなかったかな。その後、12月21日にはロシアを含めた12の共和国がソビエト連邦に代わる新しい共同体として「独立国家共同体(CIS)」というの作って、ソ連はもう終了ですよ~と宣言した。その4日後の12月25日には、当時のソ連大統領・ゴルバチョフが「今日をもって私は大統領をやめま~す」と言って本当に辞めてしまった。あれよあれよという間にソ連という軍事大国が消えたということで、世界中がポカ~ンとしたのを覚えておるよ。おいおい、本当かいと、余輩も最初は耳を疑ったもんだ。
つまりは、ロシアこそ、ソ連を消滅させたいちばんの立役者ではないのか?
吾狼: 幽大さん、すごい記憶力ですね。
幽大: 一応「歴史研究家」の端くれを自負しておるんでな。
吾狼: 予言者であり、歴史家であり、霊能者であり、宮司でもあると。
幽大: おちょくっておるだろ?
イシ: まあまあ。話を戻しましょうよ。
東西冷戦時代にNATOに対抗して作られたワルシャワ条約機構もソ連崩壊とともに消滅させていますよね。その時点でNATOの役割は終わったはずなのにNATOは解散しないどころか、引き続きロシアを仮想敵国として組織を強化・拡大していったわけです。
1999年に、チェコ、ハンガリー、ポーランドのNATO加盟が承認された。その翌年の2000年5月にプーチンがロシア大統領に就任したわけだけど、この時点ではプーチンはNATOの拡大をまだ事実上容認していた。それどころか、ロシアもNATOに加わることで事実上の東西軍事対立を中和させようとしたという説もありますね。
2002年にローマ近郊で開かれたNATO首脳会議にはプーチンも参加しています。そこでNATO・ロシア理事会というものが設立された。ここまではまだよかった。
しかし、NATOはポーランドやチェコにミサイル基地建設計画を進めてロシアを刺激した。これでプーチンもぶち切れるわけですよ。
2007年にミュンヘンで開かれた国際安全保障会議の場でプーチンは、ロシアを敵対視し、ロシア国境に軍事施設を配備しようとするアメリカの当局者たちに直接強い口調で抗議しています。
「NATOの拡大がヨーロッパの安全保障とは無関係であることは明白だ。NATO拡大はいったい何を標的にしたものなのか? アメリカは国連の枠組みの外でも平気で軍事行動を展開している。世界はアメリカが支配しているのか」と。
翌年の2008年4月にルーマニアのブカレストで開催されたNATO首脳会議の際にも、NATO・ロシア評議会に大統領として出席したプーチンは、報道陣に向けて同じことを訴えていました。
その後、プーチンに代わってメドベージェフがロシア大統領になりました。で、アメリカはここぞとばかりにプーチン潰しを図るわけだけど、メドベージェフへの交代は単にロシアの憲法上の決まりを表面的に守るためで、メドベージェフが大統領に就任した後も実質のロシア最高権力者はプーチンだった。そんなことはロシア国民はみんな分かっていたのに、アメリカはメドベージェフを取り込んでプーチンを潰せるとでも思ったのかな」
吾狼: だとしたらアメリカもずいぶん甘いですよね。
イシ: プーチンはその間、アメリカがどのように自分を潰そうとしてくるのかしっかり観察していただろうね。
幽大: プーチンの苛立ちというのは、15年くらいずっと続いていたわけだな。それがついにぶち切れた、と。
プーチンはロシアを守れるのは自分しかいないと思っているだろう。屈強な身体を持つあの御仁も、歳には勝てない。これ以上耐えているわけにはいかん、今がギリギリだと思い詰めたのかな。
イシ: そういうことはあるんじゃないですかね。彼は、ロシアの経済を建て直したという自負がある。周辺の東欧諸国がソ連崩壊後にグチャグチャになっていったのも目の当たりにしている。アメリカに対抗できる指導者は自分しかいないと思っているでしょう。
旧ソ連というのは、もともと西側諸国との貿易をほとんどしなかったわけですよ。天然資源や穀物生産がほとんど領土内でまかなえたから、不足する物資のやりとりも東欧諸国との間でそこそこ融通し合えた。
でも、それは西側諸国の論理──資本主義経済の尺度からすれば、非力で閉鎖的な経済圏ということになる。国際競争力がない後進国だと。
さらにはソ連時代からの軍事費の膨張が産業の革新を阻害し、汚職や腐敗もはびこっていた。それをゴルバチョフはなんとか変えようとしたけれど、あまりにも問題が大きすぎて無理だった。
プーチンは力でなんとかしようと、旧ソ連的な専制政治手法を復活させながら経済崩壊を防ぎ、ロシアを再び大国へと導こうとした。
アメリカはそれが気に入らない。あいつがいなければ今頃世界はすんなりとアメリカ主導の下にまとめられたのに、という思いがある。だから、ロシアがこれ以上力をつける前に、なんとかプーチンを潰したい。
吾狼: ウクライナを戦場にしたプーチンとアメリカの最終戦争ですか? 巻き込まれるほうはたまりませんね。
幽大: まったくだな。
吾狼: 幽大さんの予言では、これからどうなるんですか?
幽大: 余輩にうっすらと見えている未来というのは、一言で言えばアメリカの一国支配が終わり、中国とロシアの下に世界がじわじわと再編されていくような未来だな。概ねヨーロッパはロシアの下に、アジアは中国の下に絡め取られていく……
吾狼: ええ~! それは嫌だなあ。絶対に嫌だ。
幽大: 嫌じゃない者などおらんだろ。わしらはその前に死ぬだろうが、吾狼くんたちの世代はこれから大変だな。
吾狼: そんなぁ~。なんとかならないんですか?
幽大: 余輩は神ではないのでな。なんともならんな。
そもそも、1991年に今のロシア共和国と当時は白ロシアと呼ばれていたベラルーシ、ウクライナの3者が秘密会談を開いて、俺たちが率先してソ連から抜けよう、そしてEC(欧州共同体)のような連合を作ろうと決めたことが、ソ連崩壊の最終的な引き金になったんじゃなかったのか?
イシ: そうですね。「ベロヴェーシ合意」というやつですね。
幽大: そうそう、それそれ。確か1991年の12月8日ではなかったかな。その後、12月21日にはロシアを含めた12の共和国がソビエト連邦に代わる新しい共同体として「独立国家共同体(CIS)」というの作って、ソ連はもう終了ですよ~と宣言した。その4日後の12月25日には、当時のソ連大統領・ゴルバチョフが「今日をもって私は大統領をやめま~す」と言って本当に辞めてしまった。あれよあれよという間にソ連という軍事大国が消えたということで、世界中がポカ~ンとしたのを覚えておるよ。おいおい、本当かいと、余輩も最初は耳を疑ったもんだ。
つまりは、ロシアこそ、ソ連を消滅させたいちばんの立役者ではないのか?
吾狼: 幽大さん、すごい記憶力ですね。
幽大: 一応「歴史研究家」の端くれを自負しておるんでな。
吾狼: 予言者であり、歴史家であり、霊能者であり、宮司でもあると。
幽大: おちょくっておるだろ?
イシ: まあまあ。話を戻しましょうよ。
東西冷戦時代にNATOに対抗して作られたワルシャワ条約機構もソ連崩壊とともに消滅させていますよね。その時点でNATOの役割は終わったはずなのにNATOは解散しないどころか、引き続きロシアを仮想敵国として組織を強化・拡大していったわけです。
1999年に、チェコ、ハンガリー、ポーランドのNATO加盟が承認された。その翌年の2000年5月にプーチンがロシア大統領に就任したわけだけど、この時点ではプーチンはNATOの拡大をまだ事実上容認していた。それどころか、ロシアもNATOに加わることで事実上の東西軍事対立を中和させようとしたという説もありますね。
2002年にローマ近郊で開かれたNATO首脳会議にはプーチンも参加しています。そこでNATO・ロシア理事会というものが設立された。ここまではまだよかった。
しかし、NATOはポーランドやチェコにミサイル基地建設計画を進めてロシアを刺激した。これでプーチンもぶち切れるわけですよ。
2007年にミュンヘンで開かれた国際安全保障会議の場でプーチンは、ロシアを敵対視し、ロシア国境に軍事施設を配備しようとするアメリカの当局者たちに直接強い口調で抗議しています。
「NATOの拡大がヨーロッパの安全保障とは無関係であることは明白だ。NATO拡大はいったい何を標的にしたものなのか? アメリカは国連の枠組みの外でも平気で軍事行動を展開している。世界はアメリカが支配しているのか」と。
翌年の2008年4月にルーマニアのブカレストで開催されたNATO首脳会議の際にも、NATO・ロシア評議会に大統領として出席したプーチンは、報道陣に向けて同じことを訴えていました。
その後、プーチンに代わってメドベージェフがロシア大統領になりました。で、アメリカはここぞとばかりにプーチン潰しを図るわけだけど、メドベージェフへの交代は単にロシアの憲法上の決まりを表面的に守るためで、メドベージェフが大統領に就任した後も実質のロシア最高権力者はプーチンだった。そんなことはロシア国民はみんな分かっていたのに、アメリカはメドベージェフを取り込んでプーチンを潰せるとでも思ったのかな」
吾狼: だとしたらアメリカもずいぶん甘いですよね。
イシ: プーチンはその間、アメリカがどのように自分を潰そうとしてくるのかしっかり観察していただろうね。
幽大: プーチンの苛立ちというのは、15年くらいずっと続いていたわけだな。それがついにぶち切れた、と。
プーチンはロシアを守れるのは自分しかいないと思っているだろう。屈強な身体を持つあの御仁も、歳には勝てない。これ以上耐えているわけにはいかん、今がギリギリだと思い詰めたのかな。
イシ: そういうことはあるんじゃないですかね。彼は、ロシアの経済を建て直したという自負がある。周辺の東欧諸国がソ連崩壊後にグチャグチャになっていったのも目の当たりにしている。アメリカに対抗できる指導者は自分しかいないと思っているでしょう。
旧ソ連というのは、もともと西側諸国との貿易をほとんどしなかったわけですよ。天然資源や穀物生産がほとんど領土内でまかなえたから、不足する物資のやりとりも東欧諸国との間でそこそこ融通し合えた。
でも、それは西側諸国の論理──資本主義経済の尺度からすれば、非力で閉鎖的な経済圏ということになる。国際競争力がない後進国だと。
さらにはソ連時代からの軍事費の膨張が産業の革新を阻害し、汚職や腐敗もはびこっていた。それをゴルバチョフはなんとか変えようとしたけれど、あまりにも問題が大きすぎて無理だった。
プーチンは力でなんとかしようと、旧ソ連的な専制政治手法を復活させながら経済崩壊を防ぎ、ロシアを再び大国へと導こうとした。
アメリカはそれが気に入らない。あいつがいなければ今頃世界はすんなりとアメリカ主導の下にまとめられたのに、という思いがある。だから、ロシアがこれ以上力をつける前に、なんとかプーチンを潰したい。
吾狼: ウクライナを戦場にしたプーチンとアメリカの最終戦争ですか? 巻き込まれるほうはたまりませんね。
幽大: まったくだな。
吾狼: 幽大さんの予言では、これからどうなるんですか?
幽大: 余輩にうっすらと見えている未来というのは、一言で言えばアメリカの一国支配が終わり、中国とロシアの下に世界がじわじわと再編されていくような未来だな。概ねヨーロッパはロシアの下に、アジアは中国の下に絡め取られていく……
吾狼: ええ~! それは嫌だなあ。絶対に嫌だ。
幽大: 嫌じゃない者などおらんだろ。わしらはその前に死ぬだろうが、吾狼くんたちの世代はこれから大変だな。
吾狼: そんなぁ~。なんとかならないんですか?
幽大: 余輩は神ではないのでな。なんともならんな。
2022年後半からの世界 ― 2022/04/17 16:39
イシ: ロシアと中国を軸とした新しい政治経済圏ができるという前に、今目の前に迫っている数か月後のことを予測できますか?
幽大: 余輩の予言や予知は、正確な時間までは見えてこないことが多いのでな。数か月後というのは、今年、2022年後半ということだろう? その範囲なら、むしろ情報を持っている二人のほうがはっきり見えておるんじゃないかね。
吾狼: ぼくは仕事柄、いろんな職種の人、現場で実際に動いている人たちと会って話をすることが多いんですが、今年に入ってからは、誰もが異口同音に「日本はとんでもない窮地に陥る」と言いますね。
幽大: どういうふうにだ?
吾狼: とにかくありとあらゆるものが入手困難になり、価格が暴騰していくと。
幽大: その代表は食料だろう? 最初に話題にあがった通り。
イシ: それは間違いないですね。今はまだ、値段が上がったというだけで、店から食料品が消えたわけじゃない。でも、もうすぐ店に並ばなくなるものが出てくるんじゃないかな。
3.11のとき、スーパーの食料品棚から品物が消えたことがあったけど、あれはパニック買いで一時的に消えただけだった。でも、今度は本当に商品が入ってこなくなるかもしれない。秋にははっきりするでしょう。
吾狼: ぼくら、食料生産者じゃない人間はどう対処すればいいですかね。
イシ: 備蓄というのも限界があるしねえ。缶詰のような保存できるものはある程度ため込めるかもしれないけど、肉だの野菜だのという生ものはまったく無理だし。米だって、白米は冷蔵しないと長くはもたない。
吾狼: 先日、循環農業に取り組んでいる農家の人と話をしたんですが、彼は、都会に住む自称ミニマリストとかエコロジストたちは生き残れないだろうと言ってましたね。
幽大: ミニマ……?
吾狼: 極力物を持たない生活を実戦しようという人たちのことですね。部屋の中に余計な家具とか雑貨とかは置かない。道具や衣類も最小限に絞る。狭い部屋でもものを置かなければ快適に過ごせる、といった生活スタイル。一種の流行りになって、よくメディアでも取り上げられてますね。
幽大: それは結構なことのように思えるが。
吾狼: はい。それ自体はいいかもしれませんが、農家の人たちから見たら、そんな暮らしは、逆に、モノが十分あるからこそできるんだ、と。
すぐそばにコンビニがあって、夜中でも食料が買える。必要なものは何でもネットで注文すればすぐに家まで届く。便利すぎる世の中だからこそ「物を持たない」などと言っていられる。店から商品が消え、燃料高騰で物流が止まったら、たちまち飢える、と。
幽大: なるほど。それはそうだろうな。倉庫も持っていないから、食料の備蓄とかできないし、電気やガスが止まったときの代替策も持っておらんわけだからな。
吾狼: 都会の自称エコロジストというのも同様で、コンビニでレジ袋や割り箸はもらわず、マイバッグやマイ箸を使います、という人の中には、レジ袋や割り箸の有効活用を知らない人がいっぱいいる、と。
農家の人たちは、割り箸を見たら、焚きつけに使えるな、とか、ナイフで先を尖らせれば太い串になるとか思うわけですよ。レジ袋も何枚か重ねればバケツ代わりになるとか。
ノコギリや玄翁を使ったことがない、ドライバーも持っていない、クルマのボンネットを開けて中を見たことがないというような人たちが、これから来るエネルギー危機、食糧危機を乗り越えられるとは到底思えない、というわけです。
イシ: それはそうだろうね。農家の人は、職人的な仕事は何でも一通りできないといけない。建物や道具を修理したり、収穫したものを加工したり、車のメンテナンスや簡単な修理だってできてあたりまえ。
幽大: 百姓だけではないな。運ちゃんとか船乗りとか木こりとか、みんな生きていくための最低限の技術は持っておるだろ。
イシ: 話はちょっと脱線するかもしれませんが、イチエフ(福島第一原発)が爆発したとき、停電で何もできない中央制御室で、なんとか計測器類だけでも動かそうと、職員たちが駐車場に停めてあった通勤用の自家用車からバッテリーを外して集めてきて、そこから電気をとろうとしたということがあります。漫画みたいな話だけど、実際にあったんですよ。
原発でそんな事態になること自体とんでもないことなんだけど、普通の日常生活でも、電気、ガス、水道が長時間止まったら、じゃあどうしようか、と考えるでしょ。そんなとき、手元に何もない生活だったら対処しようがないわけで、食べ物と寝る場所を求めて都会を歩いて脱出するしかないでしょうね。
幽大: 身ひとつで避難するときは、そのミニマ……なんとかという生活はいいんじゃないか? 身軽で動きやすいから。
吾狼: 家財道具やら趣味の品やらが家にいっぱいあると、踏ん切りがつきませんからね。でも、食えないのは困るわけで、都会に居続ければ飢えてしまう。
食料はいちばん困りますけど、他のものもことごとく手に入りにくくなりますよね。今既に、建材とか住宅機器とか半導体とか金属類とか、あらゆる産業の基本となる部材、材料、部品が入手困難になってます。
工務店を取材したときは、新築やリフォームの受注があっても、モノが手に入らなくて仕事が成立しなくなったと。
なんとか家ができあがっても、トイレの便器が手に入らなくて引き渡しができないとか、給湯器がつけられないとか。
メーカーに在庫がないので、ヤフオクやメルカリで捜して、ようやく見つけたと思ったら、配送はしない、手渡しだけだというので、遠方まで引き取りに行ったなんて話もありました。
イシ: 今まではこういうことがあっても、ひと月もしないうちに徐々にもとに戻ったんだけれどね。今回ばかりはどうなることか。悪化する一方という気もするなあ。
ロシアと上手くやらなければ食料やエネルギーが入ってこない。中国と上手くやらなければレアメタルや半導体などのパーツ類が入ってこない。日本は工業国といっても、部材は外から調達しなければならないし、肝心の加工技術、製造品質も、今は他の国に比べて圧倒的な差をつけているわけじゃない。むしろ逆転されている分野もたくさんある。家電なんか、大手メーカーブランド製品でも国内生産のものはほとんどないでしょ。
吾狼: 東芝なんか、すでにブランドだけ残っていて、実体は中国企業だったりしますよね。テレビは5年も前に中国のハイセンスグループに丸ごと買収されましたし。今残っているのは東芝REGZAというブランドだけです。
それで、「中国の東芝テレビ」になって品質が落ちたかというとそんなことは全然なくて、むしろ今までより生産ラインが効率化されてコスパがよくなったりしている。こうなると、もはや日本は本当に工業国なのかと疑いたくなりますもの。
イシ: 今までずっとアメリカベッタリできた日本は、ここ数十年ですっかり日本ブランドという強みを失った今、他国からどう見られているか、だよね。
100円ショップを支えていたのは中国の家内工業や小さな工場だけど、今は日本の100円ショップ製品を作っても儲けがほとんどないので、欧米への輸出に切り替えている。100円ショップ商品が他の国では日本の2倍、3倍の価格がつけられて売られているからね。でも、日本では100円ショップの商品が200円、300円になったら買えないという貧乏生活の人たちがいっぱいいる。今までのつき合いもあるし、可哀想だからギリギリのところまではつき合ってあげよう、みたいなお情けで中国から商品が届けられているのが実状だよね。
売ってあげないと日本人が困るから可哀想だ、というお情け輸出。食料やエネルギー資源も同じでしょ。売ってあげないと日本人が飢えてしまうから、仕方ないなあ……みたいなことになってる気がする。でもそれも、いよいよ足りなくなれば当然切り捨てられる。
食糧の輸入に関しては、やはりアフリカとか東南アジアあたりの国々が先に深刻なことになって、餓死者も出るだろうけれど、その次は日本じゃないかな。
幽大: 餓死か……。ほとんどの日本人は想像できないだろうな。しかし、江戸時代には普通にあった。
今はあのときよりはるかに人口は多いし、食糧自給もできていない。外から食糧が入らなくなったら、地獄だろうな。
吾狼: なんかドヨ~んとしてきちゃいましたね。身も蓋もない終わり方になっちゃいますけど、とりあえず今日のところはこのへんにしておきましょうか。ぼく、これからちょっと買い物に行くので……。
イシ: はい。じゃあ、また。
幽大: 達者でな。
幽大: 余輩の予言や予知は、正確な時間までは見えてこないことが多いのでな。数か月後というのは、今年、2022年後半ということだろう? その範囲なら、むしろ情報を持っている二人のほうがはっきり見えておるんじゃないかね。
吾狼: ぼくは仕事柄、いろんな職種の人、現場で実際に動いている人たちと会って話をすることが多いんですが、今年に入ってからは、誰もが異口同音に「日本はとんでもない窮地に陥る」と言いますね。
幽大: どういうふうにだ?
吾狼: とにかくありとあらゆるものが入手困難になり、価格が暴騰していくと。
幽大: その代表は食料だろう? 最初に話題にあがった通り。
イシ: それは間違いないですね。今はまだ、値段が上がったというだけで、店から食料品が消えたわけじゃない。でも、もうすぐ店に並ばなくなるものが出てくるんじゃないかな。
3.11のとき、スーパーの食料品棚から品物が消えたことがあったけど、あれはパニック買いで一時的に消えただけだった。でも、今度は本当に商品が入ってこなくなるかもしれない。秋にははっきりするでしょう。
↑↓2011年3月のスーパー
↑2011年3月のガソリンスタンド
吾狼: ぼくら、食料生産者じゃない人間はどう対処すればいいですかね。
イシ: 備蓄というのも限界があるしねえ。缶詰のような保存できるものはある程度ため込めるかもしれないけど、肉だの野菜だのという生ものはまったく無理だし。米だって、白米は冷蔵しないと長くはもたない。
吾狼: 先日、循環農業に取り組んでいる農家の人と話をしたんですが、彼は、都会に住む自称ミニマリストとかエコロジストたちは生き残れないだろうと言ってましたね。
幽大: ミニマ……?
吾狼: 極力物を持たない生活を実戦しようという人たちのことですね。部屋の中に余計な家具とか雑貨とかは置かない。道具や衣類も最小限に絞る。狭い部屋でもものを置かなければ快適に過ごせる、といった生活スタイル。一種の流行りになって、よくメディアでも取り上げられてますね。
幽大: それは結構なことのように思えるが。
吾狼: はい。それ自体はいいかもしれませんが、農家の人たちから見たら、そんな暮らしは、逆に、モノが十分あるからこそできるんだ、と。
すぐそばにコンビニがあって、夜中でも食料が買える。必要なものは何でもネットで注文すればすぐに家まで届く。便利すぎる世の中だからこそ「物を持たない」などと言っていられる。店から商品が消え、燃料高騰で物流が止まったら、たちまち飢える、と。
幽大: なるほど。それはそうだろうな。倉庫も持っていないから、食料の備蓄とかできないし、電気やガスが止まったときの代替策も持っておらんわけだからな。
吾狼: 都会の自称エコロジストというのも同様で、コンビニでレジ袋や割り箸はもらわず、マイバッグやマイ箸を使います、という人の中には、レジ袋や割り箸の有効活用を知らない人がいっぱいいる、と。
農家の人たちは、割り箸を見たら、焚きつけに使えるな、とか、ナイフで先を尖らせれば太い串になるとか思うわけですよ。レジ袋も何枚か重ねればバケツ代わりになるとか。
ノコギリや玄翁を使ったことがない、ドライバーも持っていない、クルマのボンネットを開けて中を見たことがないというような人たちが、これから来るエネルギー危機、食糧危機を乗り越えられるとは到底思えない、というわけです。
イシ: それはそうだろうね。農家の人は、職人的な仕事は何でも一通りできないといけない。建物や道具を修理したり、収穫したものを加工したり、車のメンテナンスや簡単な修理だってできてあたりまえ。
幽大: 百姓だけではないな。運ちゃんとか船乗りとか木こりとか、みんな生きていくための最低限の技術は持っておるだろ。
イシ: 話はちょっと脱線するかもしれませんが、イチエフ(福島第一原発)が爆発したとき、停電で何もできない中央制御室で、なんとか計測器類だけでも動かそうと、職員たちが駐車場に停めてあった通勤用の自家用車からバッテリーを外して集めてきて、そこから電気をとろうとしたということがあります。漫画みたいな話だけど、実際にあったんですよ。
原発でそんな事態になること自体とんでもないことなんだけど、普通の日常生活でも、電気、ガス、水道が長時間止まったら、じゃあどうしようか、と考えるでしょ。そんなとき、手元に何もない生活だったら対処しようがないわけで、食べ物と寝る場所を求めて都会を歩いて脱出するしかないでしょうね。
幽大: 身ひとつで避難するときは、そのミニマ……なんとかという生活はいいんじゃないか? 身軽で動きやすいから。
吾狼: 家財道具やら趣味の品やらが家にいっぱいあると、踏ん切りがつきませんからね。でも、食えないのは困るわけで、都会に居続ければ飢えてしまう。
食料はいちばん困りますけど、他のものもことごとく手に入りにくくなりますよね。今既に、建材とか住宅機器とか半導体とか金属類とか、あらゆる産業の基本となる部材、材料、部品が入手困難になってます。
工務店を取材したときは、新築やリフォームの受注があっても、モノが手に入らなくて仕事が成立しなくなったと。
なんとか家ができあがっても、トイレの便器が手に入らなくて引き渡しができないとか、給湯器がつけられないとか。
メーカーに在庫がないので、ヤフオクやメルカリで捜して、ようやく見つけたと思ったら、配送はしない、手渡しだけだというので、遠方まで引き取りに行ったなんて話もありました。
イシ: 今まではこういうことがあっても、ひと月もしないうちに徐々にもとに戻ったんだけれどね。今回ばかりはどうなることか。悪化する一方という気もするなあ。
ロシアと上手くやらなければ食料やエネルギーが入ってこない。中国と上手くやらなければレアメタルや半導体などのパーツ類が入ってこない。日本は工業国といっても、部材は外から調達しなければならないし、肝心の加工技術、製造品質も、今は他の国に比べて圧倒的な差をつけているわけじゃない。むしろ逆転されている分野もたくさんある。家電なんか、大手メーカーブランド製品でも国内生産のものはほとんどないでしょ。
吾狼: 東芝なんか、すでにブランドだけ残っていて、実体は中国企業だったりしますよね。テレビは5年も前に中国のハイセンスグループに丸ごと買収されましたし。今残っているのは東芝REGZAというブランドだけです。
それで、「中国の東芝テレビ」になって品質が落ちたかというとそんなことは全然なくて、むしろ今までより生産ラインが効率化されてコスパがよくなったりしている。こうなると、もはや日本は本当に工業国なのかと疑いたくなりますもの。
イシ: 今までずっとアメリカベッタリできた日本は、ここ数十年ですっかり日本ブランドという強みを失った今、他国からどう見られているか、だよね。
100円ショップを支えていたのは中国の家内工業や小さな工場だけど、今は日本の100円ショップ製品を作っても儲けがほとんどないので、欧米への輸出に切り替えている。100円ショップ商品が他の国では日本の2倍、3倍の価格がつけられて売られているからね。でも、日本では100円ショップの商品が200円、300円になったら買えないという貧乏生活の人たちがいっぱいいる。今までのつき合いもあるし、可哀想だからギリギリのところまではつき合ってあげよう、みたいなお情けで中国から商品が届けられているのが実状だよね。
売ってあげないと日本人が困るから可哀想だ、というお情け輸出。食料やエネルギー資源も同じでしょ。売ってあげないと日本人が飢えてしまうから、仕方ないなあ……みたいなことになってる気がする。でもそれも、いよいよ足りなくなれば当然切り捨てられる。
食糧の輸入に関しては、やはりアフリカとか東南アジアあたりの国々が先に深刻なことになって、餓死者も出るだろうけれど、その次は日本じゃないかな。
幽大: 餓死か……。ほとんどの日本人は想像できないだろうな。しかし、江戸時代には普通にあった。
今はあのときよりはるかに人口は多いし、食糧自給もできていない。外から食糧が入らなくなったら、地獄だろうな。
吾狼: なんかドヨ~んとしてきちゃいましたね。身も蓋もない終わり方になっちゃいますけど、とりあえず今日のところはこのへんにしておきましょうか。ぼく、これからちょっと買い物に行くので……。
イシ: はい。じゃあ、また。
幽大: 達者でな。
コロナとワクチンは世界規模の詐欺なのか? ― 2022/04/17 16:43
吾狼:
2週間のご無沙汰でした。前回は食糧危機とウクライナ紛争が話題になったんでしたね。
食糧危機については概ね意見が一致しましたが、今日は、ここ2年以上続いているコロナ禍とワクチン論争についての話とかしませんか?
これも食糧危機と並ぶ世界規模の危機だと思いますが、それこそウクライナ紛争以上に様々な情報が飛び交っていて、何が本当なのか判断が難しいですよね。
幽大: そろそろ2年半が経つのか。余輩は当初は、何かまたおかしな流行病 が出てきたか、くらいに思っておったんだが、まさかこんな風に世の中が変わってしまうとは予想できなかったな。
吾狼: 幽大さんでも予想できなかったですか。
幽大: だから、余輩は神ではないと言っておるだろ。
時系列で振り返ってみると、最初はダイヤモンドプリンセス号ですかね。乗客を降ろす降ろさない論争とか、厚労省の女性医系技官が現場をかき乱したとか、いろいろあったね。あれが2020年2月のことだったか……。
吾狼: ああ、ありましたね。文春に首相補佐官との不倫疑惑がのって有名になったあの人ですね。
幽大: 「あの人」なんてぼかさず、ちゃんと言いたまえ。ここは個人レベルの呑み会なんだから。
吾狼: 幽大さん、相変わらずガンガンきますね。はいはい。厚労省の大坪寛子大臣官房審議官と、当時の安倍晋三総理の側近・和泉洋人首相補佐官ですね。文春で「なんとか不倫」なんて記事にされた後でしたね。今でも二人がお口あ~んで食べさせていたり腕を組んでデートしている写真がネット上にいっぱいありますよ。
幽大: 「コネティングルーム不倫」だな。
吾狼: なんだぁ~、幽大さんのほうが詳しいじゃないですかぁ。人が悪いなあ。
幽大: 余輩は歴史研究家だからな。あれも立派な日本の現代史の一コマだ。
イシ: 文春砲で有名になった直後だっただけに、「悪名高いトラブルメーカーの大坪が『健康危機管理・災害対策室担当』というのもお笑いぐさだが、そんな人物を、ただでさえ混乱をきたしているダイヤモンドプリンセス号に送り込むとはどういう神経だ」と叩かれましたね。
そこにさらに岩田健太郎医師(神戸大学医学研究科感染症内科教授)が、以前から親交のあった高山義浩医師(厚労省技術参与)の助言を受けてDMATの一員という名目でダイヤモンドプリンセスに乗船したものの、すぐに退出を命じられるという騒動も加わって……。
吾狼: ありましたありました。岩田さんが船内の状況を問題視する動画をYouTubeで公開して、それがたちまち拡散されたんでしたね。それを受けて、夜、高山医師がFacebookで同動画について一部の事実誤認などを指摘する冷ややかな状況説明の文章を載せて……。
一方、岩田医師を船から退出させたことについて、橋本岳・厚労副大臣がTwitterで「お見掛けした際に私からご挨拶をし、ご用向きを伺ったものの明確なご返事がなく、よって丁寧に船舶からご退去をいただきました。専門家ともあろう方が、そのようなルートで検疫中の船舶に侵入されるというのは、正直驚きを禁じ得ません」などと書き込み、「ちなみに現地はこんな感じ。画像では字が読みにくいですが、左手が清潔ルート、右側が不潔ルートです」と、写真を掲載したところ、それを見た人たちから一斉に「清潔ルートと不潔ルート? なんだそれ」「入口入った途端、同じ動線じゃないか」「やっぱりグチャグチャなんだな」と嘲笑と共に大反響が起きて、橋本副大臣はすぐにツイートを全削除……と。
イシ: そういう現場で、結果的に長期間船内に閉じ込められた乗客や乗組員はたまったもんじゃなかったね。ウイルス培養器の中に監禁されていたわけだから。後になって「三密」なんて言葉が流行ったけど、あれはまさに三密空間だったものね。
当時、乗客はすぐに降ろすべきだと主張していた医師もいたね。長尾和宏医師とか上 昌広医師とか。
上さんは「とにかくPCRを増やせ。民間の検査会社に委託すればすぐにできる」と主張していました。
テレビではテレ朝の「モーニングショー」で玉川徹氏が連日PCR検査拡大を叫んでいましたね。
岡田晴恵白鵬大学教授という人も連日テレビに出ていて、やはりPCRをしろと。検査しないのは厚労省の医系技官がデータを独占したいからだと発言して、ネットではちょっとした騒ぎになりました。
幽大: 岡田……ああ、すっかり有名人になって、後にはクイズ番組の解答者で出てきてたな。
吾狼: え!? 幽大さんはテレビのクイズ番組も見るんですか?
幽大: いかんのか? 日本史研究家としては何事も勉強だからな。庶民の娯楽がどうなっておるのかを知っておく必要もある。
イシ: まあまあ、それはいいとして……。
PCRについては、最初は「こんなに検査していないのは日本だけだ。何やってるんだ」という声が大きかったよね。
一方で、元厚生労働省医系技官の木村盛世医師などは、当初から不要論を主張していた。PCR検査は増幅サイクルの回数設定で結果が大きく変わるし、増幅サイクルを増やせばウイルスのカケラが検出されるだけの擬陽性が多数出るから、むやみやたら検査を増やしても意味がない。それによって保健所の通常業務が圧迫されるのはナンセンスだ、と。でも、テレビの討論会みたいな場でそう主張すると、他の出演者から集中砲火を浴びて、「なにこの人たち。馬鹿なの?」みたいに呆れた顔になったのをカメラに抜かれていたのを覚えてますよ。
幽大: とにかくやかましかったな、あの頃は。今ではすっかりウクライナ紛争の報道に取って代わられたようだが。
イシ: PCRについては、私は当初、だいぶ誤解してたなあ。最初はやはり、検査しないのはおかしいと思ったんだよね。でも今は、ほとんど意味がないと思ってる。長尾医師や木村医師の言っていたことがようやく理解できるようになったというか。
吾狼: あの時点では、真剣に問題に取り組もうとしていた医師たちの間でも意見が真っ二つに割れてましたからね。ぼくたち素人が揺れ動くのは仕方がないですよ。
真っ二つという意味では、今でもいくつかのテーマについては両極端の意見が対立していますよね。ワクチンはその代表だけど、マスクとかイベルメクチンとかシェディングとか二類五類問題とか……。
イシ: ワクチンが怪しすぎるというのは当初から直観的に理解できたけれどね。普通なら10年はかかるはずのワクチンが半年でできるはずがない、と。人種や地域によって重症化率が極端に違うウイルスに対して、同じワクチンを打つというのもありえない。アジア人への臨床試験なんかゼロ状態なのに、そんな得体の知れないものを国が前のめりで売ってくれと懇願して打ちまくる。異常としかいいようがないのに、メディアも一緒になって打て打てどんどんプロモーションだったからね。
二類指定がまずいというのも理解しやすかった。あれのおかげで一般の開業医が診察できなくなり、保健所がパンク。本来起こらなくていい医療崩壊が起きて、コロナ以外の病気や怪我で死ぬ人が出た。最初にコロナは怖いと脅しすぎたんだよね。インフルエンザと同等に扱っていれば、その後の実質的な被害はずっと少なくできたはずだ。
この2点については、今ではほぼ100対0で自分の中では答えが出ているかな。ワクチンは世界規模の詐欺。コロナの二類指定は間違いだった、と。
でも、マスクとかイベルメクチンとかシェディングとかは、今でも100対0という感じではないなあ。
イシ: マスクは意味がないどころか有害だと主張している医師も多いんだけど、私自身は抵抗まではしてないよね、実生活で。店とか病院とかでは、マスクしてないと入れてくれないところが多いでしょ。そういうところで敢えて「それはおかしい!」とか声を上げてノーマスクで入って行くことはしてないよ。同調圧力と言われるかもしれないけど、黙ってマスクしてから入るね。そんなことでエネルギーを使いたくないから。
吾狼: ぼくも同じです。
幽大: 余輩はそもそもマスクなんてものは持っておらん。
吾狼: え~!? じゃあ、マスクしてないと入店お断りみたいなところでは店員と喧嘩するんですか?
幽大: そんな無駄なことはせん。そもそもあまり町には出ないが、どうしてもそういう店や施設に入らなければいけないときは、風呂敷で忍者みたいに目だけ出してほっかむりだな 。それで文句言われたことはまだない。黙っておっても距離を開けられるから、密になることもないな。
吾狼: おぉ~、さすがですね。カッコいいなあ。
幽大: ちゃかしておるだろ?
吾狼: いえいえ、これは本心からカッコいいと思います。
イシ: 大人は今のところはそういう態度で摩擦を避けてるけれど、子どもに四六時中マスクさせるのはまずいよね。あれは絶対まずい。家の中で親子がマスクしているなんていうのは異常でしかない。
子どもはいろんな細菌だのウイルスだのアレルギー物質だのに接して抵抗力や免疫をつけることが重要なんで、それを過度に避けさせたら病弱な大人になってしまう。周囲の大人がマスクをしていることで言語や感情の習得も阻害され、知能の発達や精神の安定にも悪影響が出る。これははっきりしてると思うよ。だから、幼稚園や学校で全員がマスクしているのはまずいでしょ。
一方で、マスクをしていると酸素の取り込みが阻害されて健康被害が増えるというのも、そこまでかな、と思うしね。花粉症でくしゃみや咳が止まらない人がマスクするのは当然だと思うし。
とはいえ、全体的にマスク着用社会が行きすぎであることは間違いないし、それによる悪影響は甚大だと思うよ。感染防止になるかどうかとかよりも、そんな社会で人間がまともに生きていけるはずがない。
イシ: それでいいんじゃない? 風邪薬を常備しておくみたいな感じで。ただ、予防のために呑むというのは考えものだと思うよ。そこまでして新コロを恐れる必要はないし、マクロライド系抗生物質の一種なんだから、なんでもないときに使うべきじゃないと思ってるよ。なんでもかんでもイベルで治るという極端なイベルメクチン信仰みたいになるのはちょっと危ない傾向だな、と。
吾狼: そうですよね。最近では、オミクロンBA.2になってからは効かないみたいだ、なんて話も出てきているようですし。
イシ: そうなの?
吾狼: そう感じていると書いている医師がいましたね。BA.1まではある程度効果を感じたけれど、BA.2はまったくの別物だと。それこそデータはないから、その医師が実際に患者と接している中でそう感じている、ということですけどね。
ただ、イベルメクチン慎重論の医師たちも、まったく効かないとは言ってませんね。デルタ株あたりまでは確実に効いている場面はあったと認めてます。万能薬のように祭り上げるのはまずいだろうと指摘しているだけで。
イシ: 医師も含めて、イベルメクチンを完全否定する人たちというのは、ワクチン完全推進派とピッタリ重なるよね。見事なまでに。
吾狼: そうですね。「エビデンスがない」の大合唱。
コロナに対するイベルの二重盲検試験なんて今までやったことあるわけないし、今からやることも難しいんだから、その意味でのエビデンスがないのはあたりまえですよね。現場で実際に使ってみた医師たちの経験を参考にするしかないわけで。
実際に患者を診ていない「専門家」が振りかざす「エビデンス」より、現場で毎日真剣に患者と向き合っている現役医師の実体験から出る言葉のほうが重みがあるでしょう。
そもそも開発国の米・英でさえ治験が終了していないファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のコロナワクチンが日本で「特例」承認されていることにどういう「エビデンス」があるのか……と。
幽大: まさにそういうことだな。
吾狼: シェディングはどうですか?
幽大: なんなんだ、それは?
吾狼: 新コロワクチンを打った人の体内で、エクソソームという微細な物質が生じていて、それにのったスパイクタンパクが呼気や汗なんかに混じって体外に排出されることで、ワクチンを接種していない健康な人が頭痛や倦怠感といった健康被害を受ける、というような話ですね。本来のシェディングというのは、少し違う意味の用語らしいですが、コロナの話題でのシェディングは、ザックリ言うとそんなことです。
幽大: つまり、ワクチンを打った者が周囲に健康被害を与えるという話か。ワクチンって、自分が重症化しないためと同時に、周囲に感染を広げないために打つということじゃなかったのか? それが逆に害を与えている、と。
イシ: だから、打った人たちは「ふざけんな! デタラメもいい加減にしろ」と怒るわけです。自分が加害者にならないために辛いのを我慢して打ったのに、それによって加害者になる、という話ですからね。そんなこと絶対に認めたくないでしょう。
私はシェディングに関しては半信半疑……いや、6.5対3.5くらいかなあ。あるのかもしれないが6.5で、ないのかもしれないが3.5くらい。
吾狼: ぼくは免疫学の専門家である荒川央 博士(ミラノ、分子腫瘍学研究所)の意見をかなり参考にしているんですけれど、彼は時間とともにシェディングはあると考えるようになっているみたいです。
イシ: シェディングがあるかないかはともかく、ワクチン接種者のほうが感染しやすくなるというか、何らかの病理を発症して死亡率も上がるというのは、すでに各国のデータに出ていることだし、8割以上そうなんだろうと思うので、結果的に、ワクチンを打つことでトータルの被害を広げているということはあるだろうね。実際、ワクチン接種後はどの国も超過死亡率が上昇しているし。
話が進んでしまいましたが、2年前のことを思い起こすと、2020年の2月、3月くらいは、何が起きているのか、どうするのがいちばんいい対処法なのかが分からない状況でしたよね。私もいろんな情報に振り回されて混乱していた時期でした。
あの時点で大体分かってきていたのは、
……と、そんな感じだったかなあ。
分かっているのは、中国の武漢で新種のウイルスの感染爆発が起きて、死者が出ているということ。
幽大: 武漢が完全封鎖されたのは1月23日。ちょうど1か月後の2月22日時点での死者が2345人。感染者数は確認されただけで7万6000人超と報じられていたな。1.23(いちにいさん)で都市封鎖、2.22(にいにいにい)日に2345(にいさんしいご)人死んだ、ということで、この数字は覚えておる。
イシ: コロナに関しては、その後、ありとあらゆる嘘や怪しい誘導、犯罪的な行為が分かっていくわけだけど、あの時点で、武漢で数千人の死者が出たということは事実だったんでしょう。
武漢市の面積は約8500㎢。人口は1100万人。それに対して、これに対して、東京-横浜を中心とする「東京都市圏」(横浜、川崎、さいたま、千葉、相模原の5政令都市と、それを含む1都5県149市町村)の圏域面積がほぼ同じ約8500㎢。人口は武漢市の3倍以上の約3800万人。そうなると、武漢のような感染爆発が東京首都圏で起きたらとんでもない数の死者が出るのではないか、という予測も出たりした。
幽大: 確か、あの時点ではまだ欧米の被害が表に出てきてなくて、このウイルスに対してはアジア人がいちばん重症化しやすいのではないか、なんて説も出ていたんじゃなかったかな?
イシ: そうだったかもしれません。結果的には逆だったわけですが……。
とにかくいろんなことがまだよく分かっていなかったんですよね。
幽大: あった、あった。
イシ: いわゆる「陰謀論」として無視されてましたが、今となっては、人工的に作られたウイルスではない、と考えるほうが難しいなあ。人工ウイルス説に対しては、私は当初は半信半疑だったけど、今は8割以上そうだと思ってますよ。
吾狼: ぼくは95%そう思ってます。
ファイザー元副社長・科学主任だったマイケル・イードン博士という人が、欧州医薬品庁(EMA)にコロナワクチンの研究開発を即時停止せよという訴えを起こしたんですが、彼は「自分は学者であり、陰謀論にも政治にも興味ないが、今回のコロナ騒動の件は、経済的にも社会的にも精神的にも影響を及ぼす完璧なプランで、長年かけて計画されたように思える」と言ってます。
幽大: ほほ~。
吾狼: え? 幽大さんは自然発生説ですか?
幽大: 余輩はどっちでもいい。それが分かったところで、すでにこの世に存在しているんだから、どうしようもないしな。
吾狼: そんな~。ここはもっと盛りあがるところですよ。
イシ: まあまあ……。
これに関しては我々がいくら推論を重ねたところで真相は分からないでしょうね。ただ、私としては、人工的に作られたとしても、中国が意図的にばらまいたとはあまり思えないんだよね。
吾狼: あ、そこのところ、聞きたいです。なぜそう思うんですか?
イシ: 最初のやつが武漢のウイルス研究所から出てきたのかもしれないけれど、あの中国のラボにはアメリカとフランスが関わっていたわけだよね。サンプルをこっそり送ったり、資金や研究者を送り込んだりして。どうも、中国が単独で開発したわけではなさそうだ。
そもそも、最初に感染が広まったのは武漢ではなくアメリカだったという説もある。武漢発祥とされてからの中国政府の動きなんかを見ても、中国政府はあのウイルスの存在は知っていたけれど、それが自国内で感染爆発するとは思っていなかったんじゃないかなあ、と。
それと、最近では、どうもオミクロン以降の変異はデルタ株あたりまでの変異とはまったく違うという研究発表があったよね。自然変異では半年かそこいらであそこまで極端な変異はありえない、と。
つまり、オミクロンは当初のウイルスとは別系統で新たに作られたものではないか、と。
そんなこんなのいろんな話を統合すると、なんか、一国の政府とか製薬会社が単独で意図した計画ではないんじゃないかという気がするんだよね。
もちろん、これは100%私の妄想だけど。
吾狼: いや、面白いですよ、それ。ぼくもなんとなく感じていたことです。複数の意思がぶつかり合っている戦争のようなものじゃないか、と。
幽大: 武漢発祥とされているウイルス軍が最初に出ていって、そこから派生したデルタ軍に任務が引き継がれて、それに対して、オミクロン軍は別の所から出撃したとか、そういう話か?
吾狼: そんな感じかもしれませんね。知らんけど。
幽大: 急に関西人になったな。まあ、呑み会だからええわ。
吾狼: オミクロンBA.1はデルタまでのウイルスを駆逐するための迎撃部隊だという説は一部にあるんですよ。陰謀とかなんとかというより、結果的にはそういう効果を生んでいるという見方は医学界からも出ています。
幽大: どういうことだ?
吾狼: 最初のオミクロン、BA.1と呼ばれているやつは、感染力がすごいけれど重症化率は低い。異なったウイルスは同時には体内で繁殖できないので、BA.1が流行すれば、重症化率の高いコロナは駆逐されていく。BA.1を体内に取り込んでも発症しない無症状者もたくさんいるから、PCR検査して陽性だ陽性だと騒がなければ、自然とコロナ死は減っていく。つまり、BA.1は救世主的なウイルスだ、というわけです。
イシ: その説は私も知ってるよ。コロナが出てきたおかげでインフルエンザは劇的に減った。コロナ死よりインフルエンザ関連で死んでいた人の数のほうが多いんだから、最初からコロナは「いいウイルス」だったとさえ言う医師もいるね。もちろん、そんなことを口にしたら医師生命を奪われかねないから、心のどこかでは思っていても、口にしない人が多いだろうね。
吾狼: BA.1はそうなのかもしれませんが、今流行っているBA.2はそんな甘いもんじゃないという話もありますよね。全然別物の強敵が現れた、と。BA.2はBA.1に対抗して作られた最悪バージョンなんじゃないか、なんて話まであります……知らんけど。
幽大: 完全に「知らんけど祭り」になってしまったな。まあ、ええけど。
盛りあがるのは一旦置いておいて、2年間のコロナ史の復習に戻りましょうか。
2020年3月後半になると、ヨーロッパ、特にイタリアでの死者数の急増が報じられて、それに比べて日本や韓国で報告されている死者数の少なさが不思議だ、ということにみんなが気づき始めたわけですね。
吾狼: しかし、3月25日に、志村けんさんが重症化してECMOにつながれていると報道されると、日本中に一気に緊張が走りましたね。やはり怖い病気なんだ、と再認識されて……。
幽大: アベノマスクが出てきたのもあのあたりじゃなかったか?
吾狼: そうですそうです。ネットでは大喜利状態になりましたね。
幽大: 日本政府のポンコツぶりを嫌というほど見せられた時期だったわな。オリンピックをやるやらないとか、森の品性下劣ぶりが目に余るようになって引きずり下ろされたり。遅いんだよ。
イシ: まあ、あの人たちのことは言い出すとキリがないから……。
で、5月くらいになると、欧米での死者数が急増して、アジア人との差があまりにもありすぎるというのがますますはっきりしてきた。山中伸弥博士は、死亡率の差を生じさせる未知の要素を「ファクターX」と名づけて、ちょっとした流行語になったね。
私はこの頃は、ファクターXは複数の要素の組み合わせだろうけれど、HLA型の違いがいちばん大きいんじゃないかと思い始めてました。
幽大: エイチエルエー?
イシ: 遺伝子型のひとつ、簡単にいうと、白血球型みたいな感じですかね。それによって、アジア人のほうが重症化率が低いんじゃないかと。
幽大: 原因がなんであれ、とにかくあの時点で日本を含むアジアではそれほど恐れる必要のない病気だということが分かってきたんだから、パニックになっている欧米の真似をする必要はなかったんだわな。
無能な政府なりに何もしないほうがよかった。それなのに怪しい薬を大量に買わされる羽目になって、取り返しのつかん事態になってしまったわけだな。
イシ: ほんとうにそうなんですよね。今だからはっきり分かりますが、取り返しのつかない密約を製薬会社と交わしてしまった。
結局のところ、コロナ禍というけれど、本質はワクチン詐欺禍ですよね。裏にどんな組織やら仕掛けやらがあったのかは分かりませんが、2年経った今では「コロナという恐怖を作りだしてからの大規模ワクチン詐欺」ということだったんだと、それははっきりしている。
吾狼: そもそも、あれだけ副反応が話題になり、世界中で多くの医師や学者が「ワクチンは有害である」と警告しているのに、2度、3度と打つ人が後を絶たないということが、ぼくにはどうしても理解できないんですよ。メディアがワクチン有害論を徹底的に排除しているからというけれど、ネットでは被害例も危険だという意見もいっぱい出ていて、嫌でも目に入るはずでしょう。周囲にも、打って具合悪くなる人がわんさかいて、実際に目にしているはずなのに。
幽大: 世の中のほとんどの人たちはわしらのように暇ではないからな。ネットで情報収集なんてやらんのだよ。政府が言っているから、医者が言っているから、接種券が届いたから、打たないと大変みたいだから……で動いたのは、ある程度仕方がないだろう。
吾狼: 1回目あたりはそうでしょう。でも、2回目あたりでは、相当数の人が熱を出したり寝込んだり、実際に痛い目に合っているはずです。それで「ほんとに大丈夫なのか、このワクチン」って疑問に思うでしょう、普通は。2回目あたりではネット上には膨大な被害例や、医師による反対意見があふれていましたよ。それでも3回目ですか?
幽大: 高揚感から、というのもあるんではないかな。
吾狼: 高揚感……ですか?
幽大: そう。戦争中、死んでもいいからお国を守るのだと兵隊に志願していったような。自分が多少辛い目に合っても、それが世の中のためになるんだという使命感のようなものを持つことによる心の高揚だな。副反応自慢をしている者たちなんかは、まさにそうなんじゃないか?
吾狼: ああ、それ分かります。ぼくの周りでも「俺は人柱になるんだ」と宣言して、1度目、2度目と、どんどん副反応が強くなっていくのを経験していながら、嬉嬉として3度目を打ちに行った人とかいますもの。
幽大: 川柳もあるな。
「お肌より 副反応で 若さ自慢」「同じだと なぜか安心 副反応」「副反応 妻と娘は無反応」……
イシ: 打たなければ仕事場から追い出されるとか、目標にしていた競技会に参加できないとか、そういう状況もいっぱいありましたよ。今でもそれは続いています。国は「接種は個人の意思による」「強制や差別をしてはならない」と言っているのに、明らかな人権侵害、違法行為です。
幽大: 危険性を十分知りながら、泣く泣く打った者もたくさんおるな。
イシ: 5年後、10年後、大変な薬害事件として大問題になっているんじゃないでしょうかね。すでに訴訟も起きていますが、それこそ国を相手に大規模な訴訟が起きて収拾がつかなくなるんじゃないかと。政治家とメディアの責任は本当に大きい。いっそ何もせず寝ていてくれたらよかったのに。
幽大: 何もしなければ今頃はもっと落ち着いた世の中になっていた、と。
イシ: その可能性は高いんじゃないですかね。
幽大: コネクティングルーム不倫だのアベノマスクだのとやっている連中が、世界規模の詐欺に対抗できるはずがない。いっそポンコツなまま何もできずにボ~ッとしていればよかったのかもしれんな。
吾狼: なんだかやりきれない話になってきちゃいましたね。ふうう。
食糧危機については概ね意見が一致しましたが、今日は、ここ2年以上続いているコロナ禍とワクチン論争についての話とかしませんか?
これも食糧危機と並ぶ世界規模の危機だと思いますが、それこそウクライナ紛争以上に様々な情報が飛び交っていて、何が本当なのか判断が難しいですよね。
幽大: そろそろ2年半が経つのか。余輩は当初は、何かまたおかしな
吾狼: 幽大さんでも予想できなかったですか。
幽大: だから、余輩は神ではないと言っておるだろ。
ダイヤモンドプリンセス号とコネクティングルームカップル
イシ: まあまあ。2年半前に今のこの状況を予測できた人はいなかったでしょう。私もこの2年ちょっとの間、ずいぶん振り回され、揺れ動いてましたよ。時系列で振り返ってみると、最初はダイヤモンドプリンセス号ですかね。乗客を降ろす降ろさない論争とか、厚労省の女性医系技官が現場をかき乱したとか、いろいろあったね。あれが2020年2月のことだったか……。
吾狼: ああ、ありましたね。文春に首相補佐官との不倫疑惑がのって有名になったあの人ですね。
幽大: 「あの人」なんてぼかさず、ちゃんと言いたまえ。ここは個人レベルの呑み会なんだから。
吾狼: 幽大さん、相変わらずガンガンきますね。はいはい。厚労省の大坪寛子大臣官房審議官と、当時の安倍晋三総理の側近・和泉洋人首相補佐官ですね。文春で「なんとか不倫」なんて記事にされた後でしたね。今でも二人がお口あ~んで食べさせていたり腕を組んでデートしている写真がネット上にいっぱいありますよ。
↑文春砲で報じられた内容はまたたくまにネット上を賑わせた
幽大: 「コネティングルーム不倫」だな。
吾狼: なんだぁ~、幽大さんのほうが詳しいじゃないですかぁ。人が悪いなあ。
幽大: 余輩は歴史研究家だからな。あれも立派な日本の現代史の一コマだ。
イシ: 文春砲で有名になった直後だっただけに、「悪名高いトラブルメーカーの大坪が『健康危機管理・災害対策室担当』というのもお笑いぐさだが、そんな人物を、ただでさえ混乱をきたしているダイヤモンドプリンセス号に送り込むとはどういう神経だ」と叩かれましたね。
そこにさらに岩田健太郎医師(神戸大学医学研究科感染症内科教授)が、以前から親交のあった高山義浩医師(厚労省技術参与)の助言を受けてDMATの一員という名目でダイヤモンドプリンセスに乗船したものの、すぐに退出を命じられるという騒動も加わって……。
吾狼: ありましたありました。岩田さんが船内の状況を問題視する動画をYouTubeで公開して、それがたちまち拡散されたんでしたね。それを受けて、夜、高山医師がFacebookで同動画について一部の事実誤認などを指摘する冷ややかな状況説明の文章を載せて……。
一方、岩田医師を船から退出させたことについて、橋本岳・厚労副大臣がTwitterで「お見掛けした際に私からご挨拶をし、ご用向きを伺ったものの明確なご返事がなく、よって丁寧に船舶からご退去をいただきました。専門家ともあろう方が、そのようなルートで検疫中の船舶に侵入されるというのは、正直驚きを禁じ得ません」などと書き込み、「ちなみに現地はこんな感じ。画像では字が読みにくいですが、左手が清潔ルート、右側が不潔ルートです」と、写真を掲載したところ、それを見た人たちから一斉に「清潔ルートと不潔ルート? なんだそれ」「入口入った途端、同じ動線じゃないか」「やっぱりグチャグチャなんだな」と嘲笑と共に大反響が起きて、橋本副大臣はすぐにツイートを全削除……と。
イシ: そういう現場で、結果的に長期間船内に閉じ込められた乗客や乗組員はたまったもんじゃなかったね。ウイルス培養器の中に監禁されていたわけだから。後になって「三密」なんて言葉が流行ったけど、あれはまさに三密空間だったものね。
当時、乗客はすぐに降ろすべきだと主張していた医師もいたね。長尾和宏医師とか
PCR論争の勃発
吾狼: 長尾さんと上さんは、PCR検査についてはほぼ正反対の意見を持ってましたね。長尾さんは「高齢者にPCR検査するのは気が進まない。介護施設に入所していたり、自宅で介護を受けている高齢者が陽性になったら強制隔離され、介護態勢や日頃の健康管理が崩壊するから」という理由だったと思います。上さんは「とにかくPCRを増やせ。民間の検査会社に委託すればすぐにできる」と主張していました。
テレビではテレ朝の「モーニングショー」で玉川徹氏が連日PCR検査拡大を叫んでいましたね。
岡田晴恵白鵬大学教授という人も連日テレビに出ていて、やはりPCRをしろと。検査しないのは厚労省の医系技官がデータを独占したいからだと発言して、ネットではちょっとした騒ぎになりました。
幽大: 岡田……ああ、すっかり有名人になって、後にはクイズ番組の解答者で出てきてたな。
吾狼: え!? 幽大さんはテレビのクイズ番組も見るんですか?
幽大: いかんのか? 日本史研究家としては何事も勉強だからな。庶民の娯楽がどうなっておるのかを知っておく必要もある。
イシ: まあまあ、それはいいとして……。
PCRについては、最初は「こんなに検査していないのは日本だけだ。何やってるんだ」という声が大きかったよね。
一方で、元厚生労働省医系技官の木村盛世医師などは、当初から不要論を主張していた。PCR検査は増幅サイクルの回数設定で結果が大きく変わるし、増幅サイクルを増やせばウイルスのカケラが検出されるだけの擬陽性が多数出るから、むやみやたら検査を増やしても意味がない。それによって保健所の通常業務が圧迫されるのはナンセンスだ、と。でも、テレビの討論会みたいな場でそう主張すると、他の出演者から集中砲火を浴びて、「なにこの人たち。馬鹿なの?」みたいに呆れた顔になったのをカメラに抜かれていたのを覚えてますよ。
幽大: とにかくやかましかったな、あの頃は。今ではすっかりウクライナ紛争の報道に取って代わられたようだが。
イシ: PCRについては、私は当初、だいぶ誤解してたなあ。最初はやはり、検査しないのはおかしいと思ったんだよね。でも今は、ほとんど意味がないと思ってる。長尾医師や木村医師の言っていたことがようやく理解できるようになったというか。
吾狼: あの時点では、真剣に問題に取り組もうとしていた医師たちの間でも意見が真っ二つに割れてましたからね。ぼくたち素人が揺れ動くのは仕方がないですよ。
真っ二つという意味では、今でもいくつかのテーマについては両極端の意見が対立していますよね。ワクチンはその代表だけど、マスクとかイベルメクチンとかシェディングとか二類五類問題とか……。
イシ: ワクチンが怪しすぎるというのは当初から直観的に理解できたけれどね。普通なら10年はかかるはずのワクチンが半年でできるはずがない、と。人種や地域によって重症化率が極端に違うウイルスに対して、同じワクチンを打つというのもありえない。アジア人への臨床試験なんかゼロ状態なのに、そんな得体の知れないものを国が前のめりで売ってくれと懇願して打ちまくる。異常としかいいようがないのに、メディアも一緒になって打て打てどんどんプロモーションだったからね。
二類指定がまずいというのも理解しやすかった。あれのおかげで一般の開業医が診察できなくなり、保健所がパンク。本来起こらなくていい医療崩壊が起きて、コロナ以外の病気や怪我で死ぬ人が出た。最初にコロナは怖いと脅しすぎたんだよね。インフルエンザと同等に扱っていれば、その後の実質的な被害はずっと少なくできたはずだ。
この2点については、今ではほぼ100対0で自分の中では答えが出ているかな。ワクチンは世界規模の詐欺。コロナの二類指定は間違いだった、と。
でも、マスクとかイベルメクチンとかシェディングとかは、今でも100対0という感じではないなあ。
マスク有害論
吾狼: イシコフさんとしてはどのくらいの割合ですか。マスク、イベルメクチン、シェディングは。イシ: マスクは意味がないどころか有害だと主張している医師も多いんだけど、私自身は抵抗まではしてないよね、実生活で。店とか病院とかでは、マスクしてないと入れてくれないところが多いでしょ。そういうところで敢えて「それはおかしい!」とか声を上げてノーマスクで入って行くことはしてないよ。同調圧力と言われるかもしれないけど、黙ってマスクしてから入るね。そんなことでエネルギーを使いたくないから。
吾狼: ぼくも同じです。
幽大: 余輩はそもそもマスクなんてものは持っておらん。
吾狼: え~!? じゃあ、マスクしてないと入店お断りみたいなところでは店員と喧嘩するんですか?
幽大: そんな無駄なことはせん。そもそもあまり町には出ないが、どうしてもそういう店や施設に入らなければいけないときは、風呂敷で忍者みたいに目だけ出してほっかむりだな 。それで文句言われたことはまだない。黙っておっても距離を開けられるから、密になることもないな。
吾狼: おぉ~、さすがですね。カッコいいなあ。
幽大: ちゃかしておるだろ?
吾狼: いえいえ、これは本心からカッコいいと思います。
イシ: 大人は今のところはそういう態度で摩擦を避けてるけれど、子どもに四六時中マスクさせるのはまずいよね。あれは絶対まずい。家の中で親子がマスクしているなんていうのは異常でしかない。
子どもはいろんな細菌だのウイルスだのアレルギー物質だのに接して抵抗力や免疫をつけることが重要なんで、それを過度に避けさせたら病弱な大人になってしまう。周囲の大人がマスクをしていることで言語や感情の習得も阻害され、知能の発達や精神の安定にも悪影響が出る。これははっきりしてると思うよ。だから、幼稚園や学校で全員がマスクしているのはまずいでしょ。
一方で、マスクをしていると酸素の取り込みが阻害されて健康被害が増えるというのも、そこまでかな、と思うしね。花粉症でくしゃみや咳が止まらない人がマスクするのは当然だと思うし。
とはいえ、全体的にマスク着用社会が行きすぎであることは間違いないし、それによる悪影響は甚大だと思うよ。感染防止になるかどうかとかよりも、そんな社会で人間がまともに生きていけるはずがない。
イベルメクチン信仰?
吾狼: イベルメクチンはどうです? ぼくは個人輸入して持っていますが、まだ使ってはいないです。イシ: それでいいんじゃない? 風邪薬を常備しておくみたいな感じで。ただ、予防のために呑むというのは考えものだと思うよ。そこまでして新コロを恐れる必要はないし、マクロライド系抗生物質の一種なんだから、なんでもないときに使うべきじゃないと思ってるよ。なんでもかんでもイベルで治るという極端なイベルメクチン信仰みたいになるのはちょっと危ない傾向だな、と。
吾狼: そうですよね。最近では、オミクロンBA.2になってからは効かないみたいだ、なんて話も出てきているようですし。
イシ: そうなの?
吾狼: そう感じていると書いている医師がいましたね。BA.1まではある程度効果を感じたけれど、BA.2はまったくの別物だと。それこそデータはないから、その医師が実際に患者と接している中でそう感じている、ということですけどね。
ただ、イベルメクチン慎重論の医師たちも、まったく効かないとは言ってませんね。デルタ株あたりまでは確実に効いている場面はあったと認めてます。万能薬のように祭り上げるのはまずいだろうと指摘しているだけで。
イシ: 医師も含めて、イベルメクチンを完全否定する人たちというのは、ワクチン完全推進派とピッタリ重なるよね。見事なまでに。
吾狼: そうですね。「エビデンスがない」の大合唱。
コロナに対するイベルの二重盲検試験なんて今までやったことあるわけないし、今からやることも難しいんだから、その意味でのエビデンスがないのはあたりまえですよね。現場で実際に使ってみた医師たちの経験を参考にするしかないわけで。
実際に患者を診ていない「専門家」が振りかざす「エビデンス」より、現場で毎日真剣に患者と向き合っている現役医師の実体験から出る言葉のほうが重みがあるでしょう。
そもそも開発国の米・英でさえ治験が終了していないファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のコロナワクチンが日本で「特例」承認されていることにどういう「エビデンス」があるのか……と。
幽大: まさにそういうことだな。
吾狼: シェディングはどうですか?
幽大: なんなんだ、それは?
吾狼: 新コロワクチンを打った人の体内で、エクソソームという微細な物質が生じていて、それにのったスパイクタンパクが呼気や汗なんかに混じって体外に排出されることで、ワクチンを接種していない健康な人が頭痛や倦怠感といった健康被害を受ける、というような話ですね。本来のシェディングというのは、少し違う意味の用語らしいですが、コロナの話題でのシェディングは、ザックリ言うとそんなことです。
幽大: つまり、ワクチンを打った者が周囲に健康被害を与えるという話か。ワクチンって、自分が重症化しないためと同時に、周囲に感染を広げないために打つということじゃなかったのか? それが逆に害を与えている、と。
イシ: だから、打った人たちは「ふざけんな! デタラメもいい加減にしろ」と怒るわけです。自分が加害者にならないために辛いのを我慢して打ったのに、それによって加害者になる、という話ですからね。そんなこと絶対に認めたくないでしょう。
私はシェディングに関しては半信半疑……いや、6.5対3.5くらいかなあ。あるのかもしれないが6.5で、ないのかもしれないが3.5くらい。
吾狼: ぼくは免疫学の専門家である荒川
ワクチン接種者はスパイクタンパクを体外に分泌し、副作用を他者に起こさせる可能性もファイザー社の文書で指摘されています。実際、ワクチン接種者が未接種の家族に副反応を誘発させるケースが報告されています。これはワクチンとしては異常です。一番の問題は、ワクチン接種者が免疫系を効率的に利用するコロナウイルスの自然選択を加速し、強毒性コロナウイルスを生み出す可能性がある事です。数ヶ月後ないし数年後に強毒性コロナウイルス変異株が現れた場合、ワクチン接種者はそのスーパースプレッダーとなり、抗体依存性感染増強 (ADE) により大量死を伴う「ワクチンパンデミック」を起こすかもしれません。
(「コロナワクチンが危険な理由」荒川央noteより)
イシ: シェディングがあるかないかはともかく、ワクチン接種者のほうが感染しやすくなるというか、何らかの病理を発症して死亡率も上がるというのは、すでに各国のデータに出ていることだし、8割以上そうなんだろうと思うので、結果的に、ワクチンを打つことでトータルの被害を広げているということはあるだろうね。実際、ワクチン接種後はどの国も超過死亡率が上昇しているし。
↑特に3回目を打った後の感染爆発が顕著
話が進んでしまいましたが、2年前のことを思い起こすと、2020年の2月、3月くらいは、何が起きているのか、どうするのがいちばんいい対処法なのかが分からない状況でしたよね。私もいろんな情報に振り回されて混乱していた時期でした。
あの時点で大体分かってきていたのは、
- 感染力は強く、当初言われていた接触感染、飛沫感染の他にエアロゾル感染がかなりあるのではないかという情報やデータが出てきた
- 感染しても気づかないくらい抵抗力のある人もいるが、その人たちも人に感染させる可能性はあるのでやっかい
- 発症後の症状の最大特徴は「経験のないほどの倦怠感」で、起きて動く気力もなくなるほど。他に、なかなか下がらない熱、咳、ときには下痢など、風邪に似た症状
- 若年層は感染しても症状が出なかったり、出ても回復が早く、ほとんど重症化しない
- しかし、高齢者や持病のある人は風邪症状が続いた後、一気に重症化し、死に至ることもある
- 重症化の初期タイミングで抗HIV薬の投与により症状改善が望めるらしい
- 日本での水際作戦は失敗し、2月下旬時点で、すでに日本国内での市中感染がどんどん拡大している
- 終息予測はたっていない。SARSのときのように気温が高くなれば弱まるのかも不明。一旦感染した人が抗体を持ち、再感染しないのかもよく分からない
……と、そんな感じだったかなあ。
分かっているのは、中国の武漢で新種のウイルスの感染爆発が起きて、死者が出ているということ。
幽大: 武漢が完全封鎖されたのは1月23日。ちょうど1か月後の2月22日時点での死者が2345人。感染者数は確認されただけで7万6000人超と報じられていたな。1.23(いちにいさん)で都市封鎖、2.22(にいにいにい)日に2345(にいさんしいご)人死んだ、ということで、この数字は覚えておる。
イシ: コロナに関しては、その後、ありとあらゆる嘘や怪しい誘導、犯罪的な行為が分かっていくわけだけど、あの時点で、武漢で数千人の死者が出たということは事実だったんでしょう。
武漢市の面積は約8500㎢。人口は1100万人。それに対して、これに対して、東京-横浜を中心とする「東京都市圏」(横浜、川崎、さいたま、千葉、相模原の5政令都市と、それを含む1都5県149市町村)の圏域面積がほぼ同じ約8500㎢。人口は武漢市の3倍以上の約3800万人。そうなると、武漢のような感染爆発が東京首都圏で起きたらとんでもない数の死者が出るのではないか、という予測も出たりした。
幽大: 確か、あの時点ではまだ欧米の被害が表に出てきてなくて、このウイルスに対してはアジア人がいちばん重症化しやすいのではないか、なんて説も出ていたんじゃなかったかな?
イシ: そうだったかもしれません。結果的には逆だったわけですが……。
とにかくいろんなことがまだよく分かっていなかったんですよね。
人が作ったウイルスなのか?
吾狼: 武漢のウイルス研究所から漏れた人工ウイルス説、というのは当初からありましたね。幽大: あった、あった。
イシ: いわゆる「陰謀論」として無視されてましたが、今となっては、人工的に作られたウイルスではない、と考えるほうが難しいなあ。人工ウイルス説に対しては、私は当初は半信半疑だったけど、今は8割以上そうだと思ってますよ。
吾狼: ぼくは95%そう思ってます。
ファイザー元副社長・科学主任だったマイケル・イードン博士という人が、欧州医薬品庁(EMA)にコロナワクチンの研究開発を即時停止せよという訴えを起こしたんですが、彼は「自分は学者であり、陰謀論にも政治にも興味ないが、今回のコロナ騒動の件は、経済的にも社会的にも精神的にも影響を及ぼす完璧なプランで、長年かけて計画されたように思える」と言ってます。
幽大: ほほ~。
吾狼: え? 幽大さんは自然発生説ですか?
幽大: 余輩はどっちでもいい。それが分かったところで、すでにこの世に存在しているんだから、どうしようもないしな。
吾狼: そんな~。ここはもっと盛りあがるところですよ。
イシ: まあまあ……。
これに関しては我々がいくら推論を重ねたところで真相は分からないでしょうね。ただ、私としては、人工的に作られたとしても、中国が意図的にばらまいたとはあまり思えないんだよね。
吾狼: あ、そこのところ、聞きたいです。なぜそう思うんですか?
イシ: 最初のやつが武漢のウイルス研究所から出てきたのかもしれないけれど、あの中国のラボにはアメリカとフランスが関わっていたわけだよね。サンプルをこっそり送ったり、資金や研究者を送り込んだりして。どうも、中国が単独で開発したわけではなさそうだ。
そもそも、最初に感染が広まったのは武漢ではなくアメリカだったという説もある。武漢発祥とされてからの中国政府の動きなんかを見ても、中国政府はあのウイルスの存在は知っていたけれど、それが自国内で感染爆発するとは思っていなかったんじゃないかなあ、と。
それと、最近では、どうもオミクロン以降の変異はデルタ株あたりまでの変異とはまったく違うという研究発表があったよね。自然変異では半年かそこいらであそこまで極端な変異はありえない、と。
つまり、オミクロンは当初のウイルスとは別系統で新たに作られたものではないか、と。
そんなこんなのいろんな話を統合すると、なんか、一国の政府とか製薬会社が単独で意図した計画ではないんじゃないかという気がするんだよね。
もちろん、これは100%私の妄想だけど。
吾狼: いや、面白いですよ、それ。ぼくもなんとなく感じていたことです。複数の意思がぶつかり合っている戦争のようなものじゃないか、と。
幽大: 武漢発祥とされているウイルス軍が最初に出ていって、そこから派生したデルタ軍に任務が引き継がれて、それに対して、オミクロン軍は別の所から出撃したとか、そういう話か?
吾狼: そんな感じかもしれませんね。知らんけど。
幽大: 急に関西人になったな。まあ、呑み会だからええわ。
吾狼: オミクロンBA.1はデルタまでのウイルスを駆逐するための迎撃部隊だという説は一部にあるんですよ。陰謀とかなんとかというより、結果的にはそういう効果を生んでいるという見方は医学界からも出ています。
幽大: どういうことだ?
吾狼: 最初のオミクロン、BA.1と呼ばれているやつは、感染力がすごいけれど重症化率は低い。異なったウイルスは同時には体内で繁殖できないので、BA.1が流行すれば、重症化率の高いコロナは駆逐されていく。BA.1を体内に取り込んでも発症しない無症状者もたくさんいるから、PCR検査して陽性だ陽性だと騒がなければ、自然とコロナ死は減っていく。つまり、BA.1は救世主的なウイルスだ、というわけです。
イシ: その説は私も知ってるよ。コロナが出てきたおかげでインフルエンザは劇的に減った。コロナ死よりインフルエンザ関連で死んでいた人の数のほうが多いんだから、最初からコロナは「いいウイルス」だったとさえ言う医師もいるね。もちろん、そんなことを口にしたら医師生命を奪われかねないから、心のどこかでは思っていても、口にしない人が多いだろうね。
吾狼: BA.1はそうなのかもしれませんが、今流行っているBA.2はそんな甘いもんじゃないという話もありますよね。全然別物の強敵が現れた、と。BA.2はBA.1に対抗して作られた最悪バージョンなんじゃないか、なんて話まであります……知らんけど。
幽大: 完全に「知らんけど祭り」になってしまったな。まあ、ええけど。
ファクターXとアベノマスク
イシ: だいぶ脱線してしまいましたね。盛りあがるのは一旦置いておいて、2年間のコロナ史の復習に戻りましょうか。
2020年3月後半になると、ヨーロッパ、特にイタリアでの死者数の急増が報じられて、それに比べて日本や韓国で報告されている死者数の少なさが不思議だ、ということにみんなが気づき始めたわけですね。
吾狼: しかし、3月25日に、志村けんさんが重症化してECMOにつながれていると報道されると、日本中に一気に緊張が走りましたね。やはり怖い病気なんだ、と再認識されて……。
幽大: アベノマスクが出てきたのもあのあたりじゃなかったか?
吾狼: そうですそうです。ネットでは大喜利状態になりましたね。
幽大: 日本政府のポンコツぶりを嫌というほど見せられた時期だったわな。オリンピックをやるやらないとか、森の品性下劣ぶりが目に余るようになって引きずり下ろされたり。遅いんだよ。
イシ: まあ、あの人たちのことは言い出すとキリがないから……。
で、5月くらいになると、欧米での死者数が急増して、アジア人との差があまりにもありすぎるというのがますますはっきりしてきた。山中伸弥博士は、死亡率の差を生じさせる未知の要素を「ファクターX」と名づけて、ちょっとした流行語になったね。
私はこの頃は、ファクターXは複数の要素の組み合わせだろうけれど、HLA型の違いがいちばん大きいんじゃないかと思い始めてました。
幽大: エイチエルエー?
イシ: 遺伝子型のひとつ、簡単にいうと、白血球型みたいな感じですかね。それによって、アジア人のほうが重症化率が低いんじゃないかと。
幽大: 原因がなんであれ、とにかくあの時点で日本を含むアジアではそれほど恐れる必要のない病気だということが分かってきたんだから、パニックになっている欧米の真似をする必要はなかったんだわな。
無能な政府なりに何もしないほうがよかった。それなのに怪しい薬を大量に買わされる羽目になって、取り返しのつかん事態になってしまったわけだな。
イシ: ほんとうにそうなんですよね。今だからはっきり分かりますが、取り返しのつかない密約を製薬会社と交わしてしまった。
結局のところ、コロナ禍というけれど、本質はワクチン詐欺禍ですよね。裏にどんな組織やら仕掛けやらがあったのかは分かりませんが、2年経った今では「コロナという恐怖を作りだしてからの大規模ワクチン詐欺」ということだったんだと、それははっきりしている。
吾狼: そもそも、あれだけ副反応が話題になり、世界中で多くの医師や学者が「ワクチンは有害である」と警告しているのに、2度、3度と打つ人が後を絶たないということが、ぼくにはどうしても理解できないんですよ。メディアがワクチン有害論を徹底的に排除しているからというけれど、ネットでは被害例も危険だという意見もいっぱい出ていて、嫌でも目に入るはずでしょう。周囲にも、打って具合悪くなる人がわんさかいて、実際に目にしているはずなのに。
幽大: 世の中のほとんどの人たちはわしらのように暇ではないからな。ネットで情報収集なんてやらんのだよ。政府が言っているから、医者が言っているから、接種券が届いたから、打たないと大変みたいだから……で動いたのは、ある程度仕方がないだろう。
最後まで気づけないのは、情報弱者の彼ら(医療従事者、公務員、教師)かもしれない。
— 中四国有志医師の会 (@chushiishi) April 17, 2022
上から降りてきた情報だけ信じて生きていく人たち。
何度も打っちゃうんだろうな,,,
今はネットのお陰で、いろんな専門家の意見や各国の統計をすぐ調べられるから、真実に気づけるね。 pic.twitter.com/vtFnaePGGj
吾狼: 1回目あたりはそうでしょう。でも、2回目あたりでは、相当数の人が熱を出したり寝込んだり、実際に痛い目に合っているはずです。それで「ほんとに大丈夫なのか、このワクチン」って疑問に思うでしょう、普通は。2回目あたりではネット上には膨大な被害例や、医師による反対意見があふれていましたよ。それでも3回目ですか?
幽大: 高揚感から、というのもあるんではないかな。
吾狼: 高揚感……ですか?
幽大: そう。戦争中、死んでもいいからお国を守るのだと兵隊に志願していったような。自分が多少辛い目に合っても、それが世の中のためになるんだという使命感のようなものを持つことによる心の高揚だな。副反応自慢をしている者たちなんかは、まさにそうなんじゃないか?
吾狼: ああ、それ分かります。ぼくの周りでも「俺は人柱になるんだ」と宣言して、1度目、2度目と、どんどん副反応が強くなっていくのを経験していながら、嬉嬉として3度目を打ちに行った人とかいますもの。
幽大: 川柳もあるな。
「お肌より 副反応で 若さ自慢」「同じだと なぜか安心 副反応」「副反応 妻と娘は無反応」……
イシ: 打たなければ仕事場から追い出されるとか、目標にしていた競技会に参加できないとか、そういう状況もいっぱいありましたよ。今でもそれは続いています。国は「接種は個人の意思による」「強制や差別をしてはならない」と言っているのに、明らかな人権侵害、違法行為です。
幽大: 危険性を十分知りながら、泣く泣く打った者もたくさんおるな。
イシ: 5年後、10年後、大変な薬害事件として大問題になっているんじゃないでしょうかね。すでに訴訟も起きていますが、それこそ国を相手に大規模な訴訟が起きて収拾がつかなくなるんじゃないかと。政治家とメディアの責任は本当に大きい。いっそ何もせず寝ていてくれたらよかったのに。
幽大: 何もしなければ今頃はもっと落ち着いた世の中になっていた、と。
イシ: その可能性は高いんじゃないですかね。
言わないってことは、払うんでしょ🙄
— 中四国有志医師の会 (@chushiishi) April 14, 2022
やはり秘密保持契約か、、、製薬会社はずるいな。
返したらお金がかかるなら、打つふりして捨てるのが良いんじゃない?
在庫処分は、ワクチンを勧めている人らに何度もお願いします。
うちの子には打たせません!#秘密保持契約#感染予防効果なし#後遺症 pic.twitter.com/bDBC3Fzfce
幽大: コネクティングルーム不倫だのアベノマスクだのとやっている連中が、世界規模の詐欺に対抗できるはずがない。いっそポンコツなまま何もできずにボ~ッとしていればよかったのかもしれんな。
吾狼: なんだかやりきれない話になってきちゃいましたね。ふうう。
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