福島第一原発写真で見る検証1-津波の範囲2011/03/28 11:22

1、2号機防護管理ゲート付近(保安院提供)
時事通信のサイトに福島第一原発事故関連の写真が多数掲載されている。
いくつか気になった写真をピックアップして検証を試みてみる。
まずはこれ。
津波がどこまで来て、どの程度のダメージを与えたのかを知るのに重要な写真。建屋の下のほうはこのように津波が押し寄せている。これは引き波に引っ張られて倒れたのではないか。
(3月23日正午頃撮影。保安院提供)

写真で検証福島第一原発(2)建屋裏側の法面は無傷だった2011/03/28 11:35

3月18日の衛星写真
一方これはグーグルアースでおなじみのデジタルグローブ社提供の衛星写真。
津波の後のものだが、建物裏側にある法面あたりはまったく無傷に見える。
ということは、津波は建物を完全に飲み込むような巨大さではなく、建屋の下部を浸した程度のものだったと推定できる。
「想定外の津波」を連発しているが、この程度の津波で重要なバックアップ電源が全部流されるというのはあまりにもお粗末。裏側の一段高いところに置いておけば大丈夫だったし、そもそも敷地内のバックアップ電源ではなく、東北電力から外部の送電系統を二重三重に用意しておくのは、素人が考えても当然のことだろう。

写真で検証福島第一原発(3)1、2号機施設は脆かった2011/03/28 11:40

1号機の中央管理室(写真:東電提供)
これは1号機の中央管理室。2号機の管理室と隣り合っている。天井板がバラバラになってぶら下がっているが、あの程度の揺れで剥がれるのは情けない。内装工事が手抜きだったのだろう。
(東電提供)

写真で検証福島第一原発(4)3、4号機制御室のほうがマシだった2011/03/28 11:44

3号機の中央制御室はほぼ無傷だった(写真:東電提供)
こちらは3号機の中央制御室。1、2号機の制御室と違って、天井はきれいなまま。同じ揺れでもこんなに違うというのは、1,2号機のほうが古いからか、それとも工事をした業者の問題か。
(写真:東電提供)

写真で検証福島第一原発(5)3号機のクレーンは倒れたのか?2011/03/28 11:48

3号機の内部(事故前)
ところでこれは事故が起きる前の3号機の内部(2010年08月21日撮影、時事通信社)。
緑色のものはスライド式で移動するクレーンで、ゲームセンターにあるクレーンゲームの巨大なものと思えばいい。これに燃料集合体をつり下げて、炉心に装着したり、プールに保管したりする。
たんぽぽ舎の山崎氏は、3号機建屋が水素爆発で吹き飛んだ後に空撮されたビデオを観ながら「よく見えないのではっきりとは言えないが、緑色のクレーンが壁際に格納されているはずなのに、どうも見あたらない。爆発で倒れてプールに沈んでいるのではないか。であれば、燃料集合体は直撃を受けて相当壊れているはず」というようなことを早口で解説していた。
3号機の損傷具合からして、それは十分にありえそうだ。