矢部宏治著『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』を読んだ2017/10/15 12:36

矢部宏治著『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』を読んだ。
筆者の頭のよさと勇気に脱帽である。

あとがき部分が特に印象に残ったので、一部を抜粋・要約してみる。


野田首相の自爆解散によって民主党が壊滅し、安倍政権が誕生してから、日本はふたたび戦前のような全体主義国家にもどろうとしているかのように見える。
(略)

GHQが日本国憲法の草案を書く3か月前(1945年11月)、当時42歳だったマイロ・ラウエル陸軍中佐は憲法改正のための準備作業として、大日本帝国憲法(明治憲法)を分析するよう命じられる。
1か月後、彼は「日本の憲法についての準備的研究と提案」というレポートを司令部に提出した。その結果は次の通り。

「過去の日本における政治権力の運用を分析した結果、数多くの権力の濫用があったことがわかった。そうした濫用が軍国主義者たちに日本政府を支配させ、国政を私物化することを可能にしてきた。
 日本に民主主義的な傾向がしっかりと根づくためには、次のような悪弊を是正することが必要である。

  • 国民に、きちんとした人権が認められていない
  • 天皇に直結し、国民の意思を反映する責任のない憲法外の機関がある
  • 裁判所が裁判官ではなく検察官によって支配されている。両者はともに天皇の意志の代理人である
  • 政府のあらゆる部門に対して、憲法によるコントロールが欠けている
  • 政府が国民の意思を政治に反映させる責任を負っていない
  • 行政部門が立法行為をおこなっている


↑この「軍国主義者たち」あるいは「天皇」を「安倍一強」に替えれば、そのまま今の日本の状況を表しているのでは?

政治権力の濫用が安倍たちに日本政府を支配させ、国政を私物化することを可能にしてきた。
  • 安倍に直結し、国民の意思を反映する責任のない憲法外の機関がある(官邸による官僚支配)
  • 政府のあらゆる部門に対して、憲法によるコントロールが欠けている(憲法解釈変更による集団的自衛権容認)
  • 行政部門が立法行為をおこなっている(「私は立法府の長です」)

……で、矢部氏の憲法に対するスタンスは、枝野幸男氏にとても近いのではないか、とも感じた次第。
とにかく今の状況を「すこしでもまともな方向に」向かわせるよう、国民も努力しなければいけない。
衆院選2017。こんどこそ「最後のチャンス」だろう。


















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