『阿武隈裏日記』を改題しました。
たくきの日記はこちらからお入りください

メガソーラーとミサイル2017/04/26 21:02

横根高下メガソーラーの規模と位置

広大な雑木林の斜面に16万7000枚のソーラーパネル

県立前日光自然公園である横根高原の南東斜面にプロ野球公式グラウンド90面分(約107ヘクタール)のメガソーラーを建設するという計画があることをつい先日知った。
「横根高原メガソーラー建設 差し止め求め署名提出 鹿沼市に市民団体」という東京新聞の記事
前日光(まえにっこう)県立自然公園内の横根高原に大規模な太陽光発電所(メガソーラー)を建設する計画を巡り、開発予定地が広がる鹿沼市の市民団体「横根高原の自然を守る会」の小野彰史代表らが16日、市役所を訪れ、佐藤信市長と横尾武男市議会議長に対し、建設に反対する市民らの署名8796筆を添え、建設差し止めに向けた対応を求める要望書を手渡した。
市と同会によると、事業者は東京都新宿区の外資系企業「カナディアン・ソーラー・プロジェクト」が設立した「CS栃木鹿沼合同会社」。カナディアン社は昨年11月、地元向けに説明会を開き、横根山頂から九合目付近の107ヘクタールを開発し、太陽光パネルを設置すると説明。建設予定地は鹿沼市が7割程度、残りが日光市にまたがる。
(東京新聞 2017/02/17)


これに先立ち、今年1月25日には鹿沼、足利、栃木、佐野の4市長が栃木県に「再生可能エネルギー発電施設導入に関する規制の見直しを求める要望書」というものを出している。これになぜか日光市は参加していない。何を考えているのか!>日光市

要望書は4市長の連名で、(1)県立自然公園条例における規制の見直し (2)県統一ガイドラインの策定 ──の2項目。この日は佐藤信(さとうしん)鹿沼市長、岡部正英(おかべまさひで)佐野市長はじめ、4市の関係者が県庁を訪れた。
佐藤市長は「県立公園内へのメガソーラー設置を非常に危惧している。規制見直しを国に働き掛けてほしい」と説明。福田知事は「国が間もなくガイドラインを策定する。市町と連携しながら課題に対処したい」と答えた。
(「メガソーラー規制、栃木県に要望 県内4市長」下野新聞 2017/01/26)


どういう場所なのか、実際に見に行ってみた。
見渡す限り雑木林の山。主木はミズナラで、隣接する国有林は水源涵養保安林に指定されている。
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あまりに広大で把握できない。今見えている部分は全部伐採されるだろう


この部分をかつてヤマハが所有していたのが問題のはじまり。ヤマハがもてあまして転売したことで今回の計画が出てきた。
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これから新緑の季節


計画地を見て思ったのは、これはもう、反対運動をするまでもなく計画は頓挫するのではないか……ということ。あまりにも馬鹿すぎる。
普通に考えれば、こんな計画が合理性を持つわけがない。冬には雪も積もるし、ろくに発電もしないのではないか。標高1000mを超える場所だから、資材運搬や伐採した木の運び出しなども困難。どれだけ金をかけるつもりなのか。
送電線も新たに引くわけだし、計画として無理がありすぎる。
土砂崩れや下流側での井戸の水涸れ、河川の汚濁、川魚の死滅などが起きる可能性は高いから、損害賠償を求めて訴訟も起きるだろう。そういうものすべてに対応できるだけの力が企業側にあるとは到底思えない。建て逃げ同然の結果になって、最後は自治体が税金を投入して後始末をすることになる。自治体もそんな余裕はないから、膨大な処理困難ゴミを山の斜面に放置したままになる可能性が高い。

あまりにも馬鹿すぎる。助手席で妻も呆れ果てた顔で言った。「いくらなんでもこれはないでしょう。立ち消えになるんじゃない?」……と。
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しかし、このような奈良県の現実を見ると、今の日本、どんなに馬鹿なことでもやらかす「想定外の馬鹿」がいるのだと知らされる。
横根高原はこの何百倍の規模のウルトラ馬鹿なのだが……。↓
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昨日も、近所で反対の署名集めをしていたら、ある人がこう言った。
「それって脅しみたいなもので、嫌なら自治体が買い取れということなんじゃないですか?」
そこまで考えてやっているとは思えないが、こういう馬鹿なことを引き起こす原因を作った再エネ振興政策の罪は大きい。企業の目的は発電ではなく金儲け。税金や電気料金に含まれている再エネ賦課金がなければハナから成立しない話。
いずれにしても企業が税金をむしり取るための詐欺と恐喝の合わせ技みたいなものだ。

自分の目に触れないところでどれだけひどいことがあろうと関係ない……という心理

ここを見に出かける直前に、「日米首脳が電話協議」という速報ニュースを見ていたので、こんなことをしている間にもミサイルが飛んできたりして……などと思った。
そういえば、松本サリン事件のときは神奈川の大山で狛犬の写真を撮っていて、売店のおばちゃんから「長野のほうで毒ガス事件が起きたみたいですよ」と聞いたのだった。

建設予定地を見終わって、山を下りながら考えた。

アメリカ政府は自国(本土)に被害が及ばないなら、他国でどれだけ人が死のうがあまり気にしない。中東やアフガンでしてきたことを見ればそれは明らかだ。
北朝鮮がほんとにアメリカ本土にまで届く核ミサイルを手にしてしまいそうだと分かった今、その前に叩けるなら、日本や韓国に多少(?)の被害が出てもいいと思っているだろう。
たとえがまずいかもしれないが、僕だって、本音を言えば横根高原に東京ドーム25個分のメガソーラーができるより、わが家の隣に数十坪のミニソーラーができるほうがはるかに死活問題だと考える。人間のエゴってそういうものだ。
アメリカの人たちが「あのアホが飛ばした核ミサイルがこっちに届く可能性があるなら、その前に、日本を舞台にしたミサイル合戦を起こして、徹底的に叩いてほしい」と、口には出さなくても思っているとしても、それは自然なことだ。
日本に関心を持つ世界じゅうのひとたちが、「なぜ日本人は、せっかく平和を享受して、この先の未来も戦争を避けうる幸運なポジションを占めているのに、わざわざ戦争に巻き込まれる国にしたいのか?」と疑問を述べるようになってから、もう何年も経っている。
怪訝な顔の世界の国ぐにを精力的に安倍首相が駆けずり回って、オカネをばらまきまでして説得して、憲法がすでに国民の合意によって改憲されたという真実とは異なる虚像をつくりだしてまで、全力でめざしたゴールに、やっとたどりついた。(ガメ・オベールの日本語練習帳 「新時代に入った日本」


……まさにそうなんだろう。あらゆる面で、今までの時代とは違う時代に突入した日本。

横根高原メガソーラーに反対する
↑クリックすると反対署名用紙などがダウンロードできるページにジャンプできます。ぜひご協力ください




「籠池劇場」の正しい見方2017/04/01 19:36

なぜこんなことが起きるのか?
今となっては、この騒動のスタートがどこだったのかよく分からなくなってしまった感がある。それほど3月は「籠池劇場」で腹一杯になってしまった。
発端は豊中市議会の木村真議員が、市内にあった国有地に何やら建物が建設されていて、フェンスに生徒募集のポスターが掲示されているのを目にしたことだった。
「瑞穂の國小学院」と書かれたそのポスターには、教育勅語が印刷されていた。以前に市が国に、公園にしたいから売ってくれといったときには断られたこの土地にとんでもない小学校が建設されている。なんだこれは……と、財務省近畿財務局に情報開示を求めたところ断られ、さらに食い下がると土地の売却価格などが真っ黒に塗りつぶされた、いわゆる「のり弁」が出てきただけ。
この市議が食い下がらなければ、今頃、あの赤い木造校舎は完成し、この4月には小学校が開校していた。

2月9日:朝日新聞が記事に。「学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割か」
財務省近畿財務局が学校法人に払い下げた大阪府豊中市内の国有地をめぐり、財務局が売却額などを非公表にしていることが分かった。朝日新聞が調査したところ、売却額は同じ規模の近隣国有地の10分の1だった。国有地の売却は透明性の観点から「原則公表」とされており、地元市議は8日、非公表とした財務局の決定の取り消しを求めて大阪地裁に提訴した。


それからのドタバタはいまさら解説するまでもないだろう。

ポイントポイントをざっと振り返ると……、

3月10日:渦中の人・籠池泰典氏が長男の佳茂氏を伴って記者会見。「絶縁状態」と言われていた長男が突然現れて雄弁にカットインする姿にみんなびっくり。

3月14日:日本外国特派員協会での記者会見を突如キャンセルした籠池氏が長男と一緒に、宿敵ともいえる『日本会議の研究』著者・菅野完氏の自宅を訪ねる。「自宅で会いましょう」の意味を籠池氏の自宅だと思っていた菅野氏は大阪にいて、急遽帰宅。マンション前に群がる報道陣を前に堂々と説教。日本中が「この男は何者?」と驚くと同時に、きちんと自分たちの足で取材できないメディアの能力低下に唖然。
長男の佳茂氏は実際この会見の日まで約5年間父親とは会っていなかったらしい。また、父親のもとに菅野氏を連れて行って単独インタビューさせたのも佳茂氏だった)
★この劇的状況変化の裏側は、菅野氏の取材にずっと同行していた赤澤竜也氏の手記でよく分かる。
大阪府の私学審議会は誰が見てもおかしな認可のプロセスを踏んでいる。その部分の闇が解明されぬまま、「籠池ファミリーという風変わりな人達の引き起こした学園事件」というフレーミングされた形での幕引きを図ろうとするのは許されない。


このへんから、この事件の核心部分が少しずつ見えてくる。

もともと、この事件の核心部分は土地の不明朗な払い下げとかではなく、「教育問題」だった。
菅野氏や赤澤氏もそれを追っていた
公有財産の不明朗な取引や教育機関の新設認可についての疑惑ということでは、森友学園などより加計学園のほうがはるかに規模が大きいのだが、そちらは今のところ放置されたままだ。
⇒これ や ⇒これ 
人口減少の地に赴き、自治体に土地と補助金の面倒をみてもらうことがビジネスモデルとなっている加計学園の場合、安倍氏との近さが自治体や官界の配慮と忖度を生んだのではないか。
(略)
千葉科学大学は、銚子市に約15ヘクタールを無償譲渡されたうえ、校舎建設費として93億円の補助を受けた。宮崎県延岡市では、九州保健福祉大学の新設と学部増設に際し、110億円弱の補助金を受けている。
また、兵庫県淡路島の南あわじ市では、吉備国際大学が県立高校の廃校後の校舎を居抜きで譲渡を受けた。リフォーム費と合わせた補助金額は約23億円にのぼる。
(略)
加計氏は、家族ぐるみのつきあいの友人であるとともに、日本会議の別働隊といわれる育鵬社の教科書発行の支援団体「教科書改善の会」の賛同者に名を連ねており、そういう意味では安倍首相の「右派人脈」であり「昭恵人脈」でもある。
「加計学園と安倍首相の深い関係を示す、一枚の写真を公開しよう」伊藤 博敏


稲田朋美や安倍昭恵の言動をきちんと読み解け

3月16日:参議院予算委員会の調査チームが建設地を調査。迎え入れた籠池理事長が「安倍総理からの寄付金を受けた」と発言して大騒ぎに。
その日の夕方、野党議員たちが籠池宅を訪問。面接している最中に、安倍昭恵氏から籠池夫人のケータイに「祈ります」というショートメールが届き、議員たちも唖然。
報じるテレビ各局はいずれも勉強不足で、間違った情報やテロップを垂れ流し。

森裕子議員の所属政党(自由党)さえ分かっていないというお粗末


この頃から安倍総理夫人安倍昭恵氏の異常な行動が話題に。
夫人が口利きするとすぐに予算がつくとか、
「理事長と私が首相官邸のところに行きました。あの人(安倍昭恵)すごいですね。その晩に首相に話してくれて、 首相からすぐに連絡が入ってですね、ぐるっと回って今年に予算がつきました。 8000万円くらい入りました。あのご夫婦のホットラインすごいですね」


遅ればせながら読んでみた『日本会議の研究』黒塗り版



★このへんから、もう完全にこれは単なる公有財産不法売却事件などではなく、カルト集団がこの国を動かしているという恐るべき実態を知るまたとない「チャンス」なのだと分かってくる。
例えば、⇒これなどはぜひ読んでみるべきだ。
(稲田朋美のスピーチ)「あのぉ、私はですね、ほんとにもうこのぉ、谷口雅春先生のぉ教えをですねえ、ずっと自分の生き方のぉ、根本に置いて参りました。えー、今日、私、あのぉ、古文書のような本を持ってきたんですけれども、この、「生命の実相」というこのボロボロになったぁ本ですね……」
「だいたい弁護士とか裁判所とか検察官とか特に、弁護士会ってとても左翼的な集団なんですね。なぜかというと憲法教、まぁ憲法が正しい、今の憲法が正しいと信じている憲法教という新興宗教(会場爆笑)がはびこっているんですねぇ


生長の家創始者・谷口雅春氏(故人)を神のように信奉する人たち。それを源流として、今では神道系だけでなく、一部の仏教系やキリスト教系の新宗教などまで取り込んでいる「日本会議」という集団。
この集団のことがなぜ今まで報道されなかったのかという菅野氏の分析は実に興味深い。
「ここ10年ほど、日本会議が主要な行動フィールドとしているのは、学校現場です。性教育反対しかり、親学しかり、江戸しぐさしかり、そして日の丸君が代しかり。しかし『子供の話』として、これをどこか軽く扱ってるところありませんか?」(「なぜメディアは日本会議を報道してこなかったのか」


言い換えれば、日本会議は一枚岩でもなんでもない、ということであり、誰の心の中にも大なり小なり潜んでいる可能性がある部分に焦点をあてたことで異様な成果をあげてしまっている、ということになる。

このへんで、森友問題の背景と本質はかなりはっきりしてきた。
しかし、テレビではもっぱら、「100万円寄附が問題なのではない。問題の本質に立ち戻れ」的な解説が流行り始める。
それこそ世論の誘導操作だ。
「忖度」がすっかり流行語になってしまったが、忖度では法律違反が問いにくいし、時間が経てばうやむやにされてしまう。
そもそもなんでトンデモ忖度が出てくるのか?という背景が本質だ。
そんたくん


自民党の二階幹事長は「我々が首相の発言を信頼するのは当たり前。首相とあんな人(籠池氏)を一緒にしないでください」と言ったが、首相も「あんな人」も、思考の背景にあるものが同じだから怖いのだ。
「ちょっと頭の怪しそうなカルトな人たち」がトップのポジションに集まっている今の日本では、真面目に法律を守るより、「忖度」(正しい言葉の使い方としてはむしろ「斟酌」だと思うが)しておいたほうが自分の身が安全だと役人たちが感じてしまうからこんなことになっているのではないか。
その「背景」ってなんなんだ……というのを考える材料を国民に与える、国民に考えさせるように、事実や映像をありのまま伝えるのが、テレビをはじめ、マスメディアの仕事だろう。
マスメディアは事件を正論でさばく必要はない。ありのままを映しだして、大衆に「なんでこんなことになるのか」という背景を見せる、想像させるのが仕事だ。同様に、法を遵守し、司法に仕事をさせるのが議員のつとめであり、与党の国対委員長が「総理に対する侮辱だ」と言って一民間人を証人喚問するなどという国は、もはや民主国家とはいえない。

国会では連日野党からの追及が続くが、今ひとつピリッとしない。
そんな中、民進党の福島伸享議員は少しだけ核心に近いことに触れた。
「役人というのは、すぐ責任を隣に転嫁しなきゃダメなんです。自分が、もし課長補佐が受けたら、すぐ課長に相談し、課長はすぐ局長に相談し、局長はすぐ次官に相談して、って行って、リスクヘッジをしていくんですよ。でもそうやっていくうちに、だんだんだんだんですね、大げさになっていっちゃう可能性もあるんです。
何がシロとかね、何がクロじゃないんです。ただ、明らかに国民の納得を得られがたい取引が行われていたというのは、これは事実なんです。(略)籠池さん1人を悪者にしたって、多分国民は納得しないんですよ。とかげの尻尾を切ってるだけだと。(略)でも、本質はそこじゃない。尻尾のほうではありません。いかに、どういう力が働いて、このような…確かに麻生大臣のおっしゃるように、手続きは合法かもしれません。合法かもしれないけれども、異例の、役人が大きな裁量をもって判断をしなければ、リスクを抱えて、裁量をもって判断しなきゃならないことが、どういう力学で行われたかということが解明されないと、この問題は火が消えることがないという風に思っております。
そして、それを明らかにするのは国会の役割でありますし、それを明らかにすることに積極的に協力するのは、私は安倍総理自らの責任であるという風に思っております。(略)総理ご自身が関わってたらお辞めになるほどの問題だと言って、まさに根幹に関わるからであります」


……でもこのへんが精一杯。
一方で、市民メディアは結構頑張る。
安倍晋三首相が2015年9月に大阪を訪問する直前に、自民党山口県第4選挙区支部から安倍首相側に対して100万円の資金移動があった(情報速報ドットコム)


一連の騒動を「教育問題」としてとらえていたのは横路孝弘議員。
稲田防衛大臣を出来の悪い生徒にていねいに物事を教えるような口調で再教育しようとした?⇒これはすばらしい。
教育勅語というのは治安維持法の基に、国民教育の思想的な基礎として神聖化されていったんです。教育勅語の写しはですね、御真影(天皇の写真)とともに奉安殿に保管されて、生徒には全部暗唱することが強く求められたんですね。
特に1938年に国家総動員法が制定されますと、その体制を正当化するために利用される形で軍国主義の教典として利用されてきたんですよ。


防衛大臣に歴史の基礎から教えなければならないという異常事態。

3月23日:籠池理事長が国会証人喚問。さらなる爆弾炸裂。
文字おこしは⇒こちらなどで読める。
★その数日前に、菅野氏の旧知の人物が菅野氏にインタビューをしていた動画↓

Confess Tokyo フェイスブックより)
この9分くらいから言っていることは、まさに僕がずっと感じていたこと。「本当に怖いもの」はなにか……。

カルト宗教に動かされている日本

この時期には、ありとあらゆる日本会議人脈の人たちが籠池とは無関係と言い始める。
実際、籠池氏は加計学園人脈などに比べれば取るに足らない下っ端で、金も持っていなかった。
ほんの少しのツテを頼りに、それこそ安倍首相が言うように「しつこく」食い下がる。そのエネルギーと行動力は並外れている。
籠池氏と政界との関係については、2014年6月から教育再生首長会議の会長を務める松浦正人・山口県防府市長が、政治団体・大阪維新の会の中川隆弘府議に紹介したと認めた。
 松浦氏によると、2014年10~12月ごろ、豊中市選出の中川氏や同市の会社経営者の知人数人に籠池氏を紹介。「私も応援しているから、応援してやってくれ」と電話で伝え、協力を依頼した。籠池氏とは面識がなかったが、月刊誌で松浦氏の名前を知った籠池氏から手紙が届き、小学校の開設計画を知ったという。
ZAKZAK by 夕刊フジ 2017/03/08


それでも物事が進んでしまうことが恐ろしい。


この頃には「この騒動をここまで大きくした張本人は安倍昭恵」という認識が広まっていたが、本当にそうだろうか?
安倍総理夫人と籠池夫人との間のショートメールのやりとりが自民党から公開された。籠池氏側(?)からも「アキエリークス」なる暴露サイトが新設されて、こちらは籠池夫人のケータイ画面をそのまま撮った画像がズラズラと公開された。
籠池夫人が感情や日本語をきちんと操れない人物であることはすでに周知され始めていたが、このメールのやりとりを読んでゾッとさせられたのはむしろ昭恵氏が送信した部分だ。
「全ては必然です」「今回のことは私たちにとっても学びの場です」
「琵琶湖の竹生島に行き、祈りました。籠池先生のお役割もわかったような気がします。お辛いでしょうが、頑張って下さい。ありがとうございます」
「今はじっと我慢の時です。私もまだまだ追い詰められるのかもしれませんが、お互い頑張りましょう」
「心の垢を落とす、本当にそうだなあと思います。この国のために命を懸ける夫を思う気持ちは一緒です」
「なんでこんなことになってしまったのか、神様は何を望んでいるのでしょう」
「祈ります」「私には祈ることしかできません」
「神様はどこに導こうとしているのか。とにかく祈っています。自分たちの保身ではありません。日本の将来のためです」


……何度も出てくる「祈る」や「神様」といった言葉。自分たち(自分だけでなく、籠池夫妻も含めて)には神様から与えられた役割があり、「すべては必然」であり、祈ることしかできない。この国のために、神様の導く通りに自分たちは動いていくしかない……そうした「信仰心」のようなものが彼女の思考や行動の根底にあることは間違いない。
勘違いしている人たちの「信仰心」でこの国が動かされている、という恐怖。
「籠池劇場」などといって面白がっている場合ではない。この国は「すでに」カルト信者たちが動かしているという現実。
普通に見れば「あちゃ~、いっちゃってるわ」と思えるカルトな人たちの下で、超優秀な官僚たちが一糸乱れず動いている。こんな恐怖があるだろうか。

3月25日:菅野氏が埼玉で講演した。今回の事件が発覚する前から受けていた仕事らしい。動画はこちら↓


時間がない人は、1時間過ぎたあたりからだけでも聴いてみるといい。

  • 森友問題を疑獄事件としてだけ追及してもしょうがない。あれは「教育問題」
  • 「差別をやめろ」と声を上げなければいけない。放置すると今回のような醜悪なことに帰結する。その具体例を今我々は見せられている。
  • 倒閣運動には興味がない。構造を変えないと、誰が権力を握っても全自動忖度機が暴走してしまうことは止められない。
  • 具体的には、内閣人事局と小選挙区制の廃止・解体をしないと同じことになる。
  • 半年時間をください。必ず籠池のおっさんを転向させます。でも、転向には時間がかかるんです。(会場大喝采)
  • 2006年の教育基本法改正で、籠池のおっさんは「これは時代の風が吹いてきた」と考えて、今なら先代ができなかったこと(小学校設立)を成し遂げられると思い、突っ走った。その信号を送ったのは安倍晋三であり、安倍は自分があのときやったことの当然の結果が森友学園だと認識している。
  • レイシストを首相にいただく国になってしまい、その権力への対抗手段がしょぼい金を巡る疑獄事件告発でしかないという、この「構造」こそが恐ろしい。

……この人はちゃんと問題の本質を理解している。
「構造」を変えないとダメだと主張する菅野氏。僕もよく「システムの問題」という言い方をするが、同じことだ。
例えば、原発問題も同じ。「原発反対!」と叫んでも、原発や自然エネルギー利権で儲けようとする勢力にとっては屁でもないから事態は変わらない。「総括原価方式をやめろ!」と声を上げるのが正しいやり方だ。

「官邸主導」であることは明らか

財務省の官僚たちは、官僚の中でも超エリートが集まっていて、いちばん威張っているといわれる。その財務省ができる前の大蔵省時代(1998年)に「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」というのがあった。
総会屋が証券会社の株を大量購入して不正取引を要求。その資金の出所は第一勧業銀行(現みずほ銀行)。第一勧銀の社員は大蔵官僚をノーパンしゃぶしゃぶなどで接待して銀行への検査に手心を加えてもらっていた……という事件。
この事件は東京地検特捜部によって捜査され、大蔵官僚ら7名が逮捕、起訴された。
あれから20年。
ノーパンしゃぶしゃぶの現場を仕切っていた若手官僚たちが、今は財務省のトップエリートになり、森友事件では重要登場人物になっている。彼らは日本会議系の政治家たちの顔色を窺いながら動くことで「安倍一強時代」を生き抜こうとしている。
金や色で買収されるのではなく、権力者への上目遣いだけで動く。贈収賄なら告発できるが、目に見えない「斟酌」や保身原理での行動は法的に裁きにくい。実際、平気で逃げ切れると踏んで「書類は残っていない」「まったく知らない」などと開き直っている。ここまで国のシステムが劣化してしまったのだ。


ここまで籠池劇場を見てきても、大衆は劇のテーマが理解できていない。おもろいおっさんや頭のおかしいおばさんたちが繰り広げるドタバタ劇だと思っている。
このままでは逃げ切られてしまうだろう。
しっかり思い起こしてほしい。
籠池証言をそのまま読み解けば、100万円を渡したのは安倍昭恵ではなく安倍晋三なのだ。
「ひとりでさせてすみません」「どうぞお使いください」「安倍晋三からです」……なのだ。
昭恵氏は夫の使いであって、自分の金を寄附したわけではない。
「内閣総理大臣夫人付」という正式役職名を持つ谷査恵子氏の部屋は首相官邸にある。
「首相官邸には内閣総理大臣夫人付の部屋があります。机もあって2人の公務員は国家公務員・役人は常駐をしております。つまり、谷査恵子さんは財務省との交渉を官邸の中にいて官邸から電話をしたわけです。そうすればそれを受ける役所の人たちがいったいどう思うか、官邸から来た、まぁ当たり前ですが、官邸から電話をしているわけですから、その意味は大変大きいというふうに思います。」
福島みずほ(希望の会=自由・社民) 2017年3月24日 参議院予算委員会)


だから財務省に電話するときも首相官邸からのラインだし、籠池氏に送った資料なども「内閣総理大臣官邸」の名入り封筒で送っている
官邸に常駐している谷査恵子氏の実質上の上司は内閣総理大臣秘書官・今井尚哉(たかや)氏であり、谷査恵子氏と同じ経産省出身。
第1次安倍内閣のときから内閣総理大臣秘書官になり、アベノミクスの「新三本の矢」政策、原発再稼働など、安倍政権の政策を主導していると言われる人物。
今井氏と森友学園問題の接点は2015年9月4日の食事会で、森友学園に関する重要な話し合いがあったと言われているこの時期に首相と接触……(情報速報ドットコム)


この大阪での食事会の会場となった海鮮料理店「かき鐵」は、公明党の故・冬柴鉄三元国土交通相の次男・冬柴大(まさる)氏が経営し、大氏も食事会に同席。
冬柴大氏はりそな銀行高槻支店次長という経歴を持ち、退社後に「冬柴パートナーズ株式会社」を設立し、現在は同社代表取締役。冬柴パートナーズ株式会社は業務内容にコンサルティング、助成金申請援助を含み、人脈紹介や助成金の申請援助を得意としている会社だという。
同日(2015年9月4日)、国土交通省「平成27年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)の採択プロジェクトの決定について」で、森友学園の瑞穂の國記念小學院(=安倍晋三記念小学校)」の校舎及び体育館が選出され、6200万円の補助金交付が決定された。
「徹底検証不可欠アベ友事案2015年9月3-5日動静」植草一秀の『知られざる真実』


キーパーソンが冬柴元国交相の息子では、公明党の議員は国会でも大阪府議会でも質問する気にはなれないでしょう。これで「不可解なこと」の一つへの疑問は氷解します。問題の土地の評価を民間の不動産会社ではなく、国土交通省の出先機関、大阪航空局が行ったことも「冬柴人脈」を考慮に入れれば、納得がいきます。
「森友学園問題で公明党が沈黙する理由」長岡 昇



↑今は削除されているが、塚本幼稚園のWEBサイトに掲載されていたりそな銀行との提携宣言

森友学園塚本幼稚園のホームページにりそな銀行歌島橋支店の広告が掲載されている。森友学園のメインバンクはりそな銀行だと推定される。建設費用21億円を融資した銀行はりそな銀行か?
(2015年9月4日安倍総理は「りそな銀行」出身者の冬柴大議員の経営する「かき鉄」で会食を行っている わんわんらっぱー)

「ひとりでさせてすみません」の意味

ちなみにこの9月4日午前10時から正午までの間、近畿財務局9階会議室で、森友学園の小学校建設工事を請け負った設計会社所長、建設会社所長が近畿財務局の統括管理官、大阪航空局調査係と会合している。また、前日の9月3日には安倍首相は官邸で財務省の岡本薫明官房長、迫田英典理財局長と会っている。
翌、9月5日には安倍昭恵氏が塚本幼稚園で講演し、「ひとりでさせてすみません。どうぞお使いください。安倍晋三からです」と100万円を渡したと籠池泰典氏が証言している。
100万円に関する籠池証言の中で最も注目しなければいけないのは「ひとりでさせてすみません」という言葉だ。こんな台詞を籠池氏が創作するとは思えない。
籠池氏は「寄付金」と言っているが、おそらく出した側は寄付金だという認識はなく、「金もなく、地位もないのによく頑張っているから少し小遣いを渡しておくか」というくらいの気持ちだったのではないだろうか。だからこその「ひとりでさせてすみません」なのだ。加計学園に比べれば森友学園など雑魚も雑魚。100万円程度のはした金で騒がれるなど迷惑だ、という思いが今でもあるに違いない。
「籠池は雑魚だし籠池の妻は言動がいかれていてちょっと危ないから表だってベッタリとバックアップすることは難しいが、今のところ小学校教育の場ではあの夫婦以外には愛国教育を熱心に実践しようとしている人材がいない。熱心さは本物だから、お駄賃くらいは与えて、もう少し頑張らせておこうか」くらいの気持ちがあるのだろう。その空気はもちろん安倍昭恵氏も共有しているから、自然に「ひとりでさせてすみません」といった言葉が出るのだろう。
言うまでもないが、昭恵氏のフェイスブックでの反論は官邸側が書いたものだし(文字遣いや言葉の選び方が典型的な官僚文章。昭恵氏はあのような文章は書かないし書けない)、彼女は「渡していない」とは言っていない。「記憶がない」と逃げているだけだ。

……と、ここまで見えてきていても、おそらく100万円授受を証明することは難しいだろう。結果、現政権は支持率を大きく下げることはないだろうし、日本会議人脈の権力支配構造の中で動いた政治家や官僚たちが処罰されることもないのだろう。
松井一郎大阪府知事が追い詰められ、同族嫌悪の感情を剥き出しにして首相官邸と本気で内輪喧嘩を始めて暴露合戦になるといった状況にでもならない限りは、もうすぐ忘れられてしまうだろう。
しかし、今ここで政府の暴走を止めないと、本当に取り返しがつかないことになる。
このスキャンダルが出てきている間にも、共謀罪は閣議決定され、教育勅語を「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」と閣議決定され、成績をつける「特別の教科」に格上げ(2019年4月から)される小学校の道徳では、教科書の中の「パン屋」が「国や郷土を愛する態度などを学ぶという観点で不適切」として和菓子屋に修正され、中学校で習う武道に「銃剣道」が追加され……と、着々と「愛国教育改革」が進められている。



教育現場の愛国主義化、全体主義国家への動きはどうにも止まらないし、多くの国民はそれを止めようともしていない。

繰り言を重ねても、未来を切り開くことはできません。どんな社会も、一人ひとりの人間が集まってできています。一人ひとりが、今いる場所でできることを積み重ねて、この社会を変えていくしかありません。森友学園問題は「今、あなたにできることは何か」と問いかけているとも言えます。
「森友疑惑は思想事件である、という卓見」長岡 昇

↑これはまったく同感だ。
「一人ひとりが、今いる場所でできることを積み重ねる」しかないと思うから、僕も吐き気と絶望感をこらえながらこんな長い文章を書いている。こんなことをしても非力だし、なんの得にもならないどころか、ますます仕事を失い、どん底状態にいる今の自分をさらに苦しめることになるかもしれないと分かった上でやっている。

3月20日:籠池泰典氏が理事長を辞任した後に引き継いだ娘の籠池町浪(ちなみ)氏名による「再出発への声明」ともいうべき文書が公開された。

籠池町浪 新理事長名で出された「声明」の一部


「2006年改正の教育基本法に基づく前理事長の教育理念と方針および指導法を批判的に総括し」と言いきっている点に特に注目したい。
日本会議が成功させた教育基本法の愛国主義化を真っ向から否定し、「今後は教育基本法が1947年に制定された際に示された『われらは個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない』との指針を常に念頭に置き……」と宣言している。
ただのお為ごかしでは書けない文章だと思う。

菅野氏が講演で語った「必ず転向させます」という約束が、いち早く実現しそうな期待を抱かせる文章だ。(彼が書いたのではないかという推測もできるだろうが)

これを読み、思わず、近い将来、こんな宣言(↓)が日本政府からも出ないだろうかと夢想してしまった。

再出発するにあたり、前総理時代の政治手法を批判的に総括し、なによりも生命と人権の尊重を基本におき、その上で、国民の健やかな幸福のために、過度の道徳・規範の押しつけにならない、特定の思想信条に拘束されない、そして国民に対して、健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な社会インフラと環境を守りつつ、憲法に明示された「平和のうちに生存する権利」をめざす政治をしなければならないとの指針を常に念頭に置きつつ、諸問題に対応してまいります。




タヌパックスタジオで生まれた音楽の1つ『アンガジェ』(↑Clickで再生)



「避難賠償」から「移転補償」への転換を2017/03/14 21:08

2014年の避難指示区分けと2017年の区分け

「居住制限」からいきなり「解除」

今年は3.11関連番組がぐっと少なかった気がする。また、中身も薄くなっているように思う。
僕にとっては3.11よりも3.12のほうが重要な日だ。
地震や津波による直接被害はなかったのに、原発が爆発して家を捨てることになった日なのだから。
あのときの日記を読み直しながら、今こうして日光での生活があるのも、すべてはあの日から始まったことなのだなあと思い返す。

2011年の日記を読み返すと、気持ちや状況の変化が正確に分かる。
僕らは原発爆発をテレビで見てすぐに逃げたのに他の村民は残っていた。そして、みんな避難して空っぽになった村に僕らは戻っていき、11月まで生活した。
その間は、人よりも野良猫や残された犬たちとつき合っていた。
結構放射線量が高い村に、なぜわざわざ戻っていったのか……今思えば、ずいぶん無謀だったかもしれないが、同時期、福島市内や郡山市内ではもっと汚染がひどい中、人々はみんな普通に生活していたのだ。
内部被曝の程度も、川内村に戻った僕らよりも郡山市内で暮らしていた人たちのほうがひどかったのではなかろうか。

……さて、政府は今月末に、飯舘村の大部分や富岡町、浪江町の一部「居住制限区域」の指定を外す。
これについて考えてみる。


2017年3月末に白い部分は全部制限なしになる(福島民報記事より)


↑この図を見るとよく分かるが、「居住制限区域」から一足飛びに「制限なし」になる区域がある。
居住制限⇒解除準備⇒解除 ではなく、いきなり居住制限⇒解除 だ。
居住制限を一気に解除する理由は、避難による賠償金を支払わないようにするためだろう。
浪江町の解除区域を見ればよく分かる。解除になる区域は面積ではわずかだが、人口だと83%にものぼる。
(残る「帰還困難区域」の人口は3137人だが、解除区域の人口は1万5327人もいる)
この83%の人たちに支払ってきた一人毎月10万円の「避難による精神的苦痛への賠償金」がなくなれば、国にとっては大きな負担減となる。

飯舘村も同じ。全村民6122人のうち、居住制限区域に住んでいた5097人を一気に片づけてしまおうということだ。避難指示解除準備区域の762人を合わせれば5859人。全村民の96%を補償対象外にできる。

今回の解除区域に住んでいた人たちは合計約3万2000人。10万円×3万2000人は320億円。毎月320億円。年間3840億円。これが消えてくれるだけで、国としてはとても助かるし、同時に「復興が進んでいる」とPRできるのだから一石二鳥だ。

飯舘村では、菅野村長の指揮下、
認定こども園と小中学校を飯舘中敷地内に集約した新学校は30年4月に開校する。村は特色ある授業を導入し、通学者確保を目指す。 (福島民報 2017/03/02
のだそうだ。
数百万個の除染廃棄物のフレコンバッグが積み上げられた村で、どういう「特色ある授業」を導入するというのだろう。子供をフレコンバッグだらけのふるさとに戻せてよかったよかったという親がいるはずもない。

戻っても以前と同じ生活はできない

制限解除はまだいい。自分の家があって、そこに戻る戻らないは個人の決断・意志を尊重すべきだろうから。しかし、「解除」したから戻りなさい、とは絶対にいえないはずだ。
戻らないと決めた人たちの今後をどうサポートしていけるのか、というのがいちばん大きな問題。
どんなに想い出のあるふるさとであっても、先祖代々からの土地であっても、汚されただけでなく、人も含めた環境が変わっている。原発爆発前までそこで暮らしてきたようには暮らせない。
高齢者はまだいい。放射能への恐怖も薄いだろうし、家からあまり遠くまで出歩かなければ、嫌な景色を目にすることもそれほどないかもしれないから。
自分でやれるだけの畑を少し復活させて、以前のような四季折々の風景を見ながら死んでいけるかもしれない。
しかし、働き盛りの世代はそうはいかない。子供がいれば、内部被曝の影響を考えないわけにはいかない。
子供がいなかったとしても、現実には戻って生活を再開することは難しい。同じ土地に戻って同じ家で暮らし始めても、以前とは全然違う生活が待っているからだ。
デリケートな問題なのでどの報道でも触れないが、難しいのは「賠償金なしの生活に戻るための心の切り替え」なのだ。
避難指示が出ていた期間、ずっと出ていた賠償金は大変な金額になっていて、それを拠り所にしてきた生活から以前のように自力で生計を立てる生活に戻っていかなければいけない。
5人家族であれば、精神的賠償金だけで毎月50万円、年間600万円が入ってくる。その状態がずっと続いていけば、生活感覚や人生観、生き様も狂ってくる。どこかでキッパリと決別して「普通の生活」を始めたいと思う人も多いだろう。
そのためにも汚染された土地には戻れない。戻れば仕事がないし、今まで生き甲斐にしてきたのと同じ仕事もできないからだ。
そのことをしっかり理解している人たちは、賠償金を貯めて、新生活への準備を進めてきたと思う。しかし、漫然と使ってしまい、その生活に慣れてしまった人たちもいるだろう。

国は、もっと早い段階で、土地を汚し、そこでの生活を不可能にさせたことへの賠償方法をどうすべきかを真剣に考えるべきだったと思う。除染に使った莫大な金を別の方法で被害者の生活再建サポートに回すべきだったのではないか。

「自主避難」家族への住宅補助も打ち切り

いちばんやりきれない思いをしているのは、賠償金ももらえず、ただただ被害だけを被り、家族離散や生活破綻に直面した人たちだ。
福島県内の避難指示区域以外から県外へ移った「自主避難者」への住宅支援も今月いっぱいで打ち切られる。
それを巡って裁判もあちこちで起こされているが、このことについて、弁護士の井戸謙一氏が重要な指摘をしている。
どの裁判でも大きな争点になっているのが「長期低線量被ばくによる健康被害の有無」である。福島第一原発事故では,被ばくによる確定的影響は生じなかったとされている。しかし,確率的影響については,深刻な対立がある。もし,国や東京電力が主張するように,年100ミリシーベルト以下の被ばくでは確率的影響が生じないのであれば,区域外避難者(避難指示を受けずに自分の判断で避難をした人たち)は,無意味な行動をしたのであって,そのことを理由に,国や東京電力に損害賠償を請求することはできないことになってしまう。
(略)
区域外避難者の損害賠償請求訴訟における争点は,福島原発事故と区域外避難をしたことの間に相当因果関係があるか否かである。長期低線量被ばくのリスクについて確定的な見解は存在しない。他方で,子どもたちの健康を守る営みには迅速な判断が迫られ,科学的見解が確立することを待つ時間はない。そして,子育てはやり直しがきかない。後に判断の誤りに気付いても,取り返しがつかないのである。
そうすると,裁判所が判断するべきことは,「長期低線量被ばくによる健康リスクの有無」ではなく,「長期低線量被ばくによる健康被害の有無や程度について確定的な見解が存在しない状況下において,子どもの健康への悪影響を恐れて区域外避難を選択したことの合理性」であるはずである。
岩波書店「科学」2014年3月号巻頭エッセイ「避難者訴訟の争点」より)

これはその通りだろう。
分からない、はっきりしないなら、少しでも子供の一生にリスクをかけないほうを選ぶのは親として当然のことだ。

「避難賠償」から「移転補償」への転換を

「避難」という言葉は、今は仮の状態であり、「いずれは戻る」という意味合いである。
もはやその発想では生活は取り戻せない人たちが大勢いる。戻らないと決めている人たちには、「避難しているからその分を賠償」ではなく、新たな生活を始めるための「移転補償」という形でサポートすべきだ。そうしないと、いつまで経っても異常な生活が終わらない。
移転補償は避難指示区域の人たちだけでなく、区域外で実際に被害を受けた人たちにも行わなければおかしい。いわき市の北部などは、相当な汚染があったにもかかわらず、市が早々に「避難指示区域から外してくれ」といったために見捨てられた地域になってしまった。
栃木、千葉、茨城、群馬、宮城などにもホットスポット的な汚染地域はあるが、「福島」ではないために、これまた無視されている。

最近「復興」という言葉に嫌悪感を覚えるようになってきた。
被害を受けた地域や人たちに金を回して「元のように」しましょうという意味になっているが、そういう発想がまずダメだ。
復興の名のもとに、被災地に不合理なものを建てたりして東京の企業が儲けているケースが多すぎる。
なぜこんなことになったのか、システムの欠陥や心の歪みの問題をまずは反省し、それを改善する努力をすることから始めなければいつまで経っても事態はいい方向に向かわない。反省どころか開き直って、原発を輸出するだの再稼働だのと言っている政治。それを許す国民の無関心・無責任。
賠償金は我々の税金や電気料金に組み込まれている。つまり、俺たちも金払っているんだからいいじゃん。それ以上何ができるのか……という姿勢で「自分とは関係のない土地の問題」にしてしまう。
そういう形で「元のように」したら、前よりももっとひどい社会になってしまうではないか。
あれだけのことを起こしておいて、なんの反省も改善もなく、以前よりひどい状況を作りだしながらの「復興」なんてありえない。


タヌパックスタジオで生まれた音楽の1つ『アンガジェ』(↑Clickで再生)



数万円で高音質PCオーディオ環境を作る2017/02/02 19:34

こんなんでも「いい音」が聴ける時代に

高音質ミニマムPCオーディオ環境の作り方


最近、KORGのDS-DAC-100mという再生専用USBオーディオインターフェイスをつけたところ、PCからの音楽再生品質が劇的に上がったので、それを踏まえて、
  • PCに溜め込んだデジタル音楽ファイルを
  • できる限りコンパクトな環境で
  • できる限り安く
  • できる限り高音質で
楽しむ方法について簡単にまとめてみる。

 必要なものは4つ

  1. パソコン
  2. オーディオインターフェイス
  3. パワーアンプ
  4. スピーカー
1)のパソコンはメインに使っているものでももちろんいいのだが、古いノートパソコン(OSはXPでもなんでもいい)などが余っていたらそれをスタンドアローンで音楽再生専用にしてしまうのも一つの方法だ。
普段の仕事場環境(仕事机の上など)にコンパクトながら高音質の心地よいオーディオ再生環境を構築するのか、リビングなどに専用の環境を作るのかによる。

 キモは高品質DAC

2)のオーディオインターフェイスは重要。汎用性の高いUSB接続のものでよいが、再生専用で極力高音質なものが必要。
パソコンの代わりにiPadやiPod touch、iPhoneを使おうとすると、USB端子がないので、Thunderbolt端子につなげるオーディオインターフェイスが必要になる。しかし、再生専用のコスパの高いThunderbolt仕様オーディオインターフェイスというのは見あたらない。あるのはiOS端末で楽器演奏や歌を録音したりする目的で作られたものが多く、マイクプリなどを含む分、肝心のD/Aコンバータ (DAC =デジタル信号をアナログの音声信号に変換する部分)の品質に疑問がある。それなら古いノートパソコンなどにUSBの高品質オーディオインターフェイスをつけたほうがはるかに高音質が期待できる。
具体的には、以下のような機種。
     

M-Audio USBオーディオインターフェイス 3ポートハブ M-Track HubはUSBハブポートとしても使えるあたりがミソか。
出力端子がヘッドフォンを含めて標準フォーンジャックだったり、でかいボリュームつまみをアクセント的につけていたりするところも質実剛健なイメージ。

FX-AUDIOの DAC-X6J も評判がいい製品。このメーカーは部品の品質にこだわり、コスパの高いものを採用している真面目さを感じられる。

KORGの DS-DAC-100m は、僕が最近買って、今実際に使っているやつ。再生専用で定価が3万円台というのは、それだけD/A部分に金をかけているのだろう(と信じたい)。実際、音質はパソコンの内蔵DACなどよりずっとよい。
外部のオーディオインターフェイスをつけるからには、このクオリティ以上にしないと意味がない。

アンプは数千円で高音質が手に入る時代に

3)については中華デジタルミニパワーアンプを勧める。
Tripath社のTA2020、TA2024というデジタルアンプICを使ったシンプルなパワーアンプを選べばほぼ間違いはない。
Lepyが代表的だが、中国製は溶接ミスなどの初期不良などがある危険性は覚悟したほうがいい。僕は3つ買って1回もハズレはなかったが、たまにあるらしい。
少し高いが(といってもオーディオインターフェイスより安いのだからすごい時代だ)、FX-AUDIO- FX202Jはコイルやコンデンサに品質のよいものを使っているようで、安心感がある。DC12V/2A DCジャック5.5mm×2.1mm(センタープラス)が別途必要なので、似たスペックのAC電源アダプターがない場合は購入が必要。



最後は4)のスピーカーだが、これは完全なアナログ製品、いわば「楽器」であり、最も音が変わるし、値段もタイプも様々だ。単純に高い製品がいい音で鳴ってくれるとは限らないから難しい。
3)のデジタルアンプは音質はすばらしいが出力はあまりないので、あまり能率の悪いスピーカーは組み合わせたくない。
楽しむつもりで、いっそ自作バックロードホーンなどはどうか。バックロードホーンは密閉型スピーカーとはだいぶ違うリアリティある音場が体験できて、とにかく「楽しい」。エンクロージャの塗装などをやればDIYの楽しみも得られるし。

バックロードホーン型エンクロージャーキットBW-800 2本で送料込み6000円ちょっと。サイズは300H×210D×110W(mm)

 と……

FOSTEX FE83En 長い歴史を誇るFOSTEXのユニット 2本で約9000円

を組み合わせる。
スペースがあるなら10cmにサイズアップして、さらにトールボーイ型エンクロージャにしてみるのもよい↓

トールボーイ型バックロードホーンエンクロージャーキットTBW-1000(2本分で12000円+送料)サイズは662H×200D×140W(mm)


今は亡き長岡鉄男氏がFOSTEXのFEシリーズを使って作り出した「バックロードホーン自作ブーム」はおよそ50年前。僕も中学生の頃にやってみた。今でもアナログの世界はあの頃となにも変わっていないのだ。


ちなみに僕の場合は仕事机の上なので、昔購入した中国製TANNOYがのっている。悪くはないが、特に面白いスピーカーではない



上からKORGのDS-DAC-100m(USBオーディオインターフェイス)、MUSEのデジタルアンプ(TA2024採用)、その下は外付けDVDドライブ、その下がTANNOYのミニスピーカー。つながっているパソコンは仕事に使っているメインマシンのaba のファンレスパソコン(Core i7/Windows7 64bit)


以上、具体的にまとめてみた。
最終的にはスピーカー次第だが、低価格でかつて数十万円かかったクオリティのオーディオを楽しめる。
ポイントは、
  • デジタル部分は割り切る(値段を気にしない)
  • アナログ部分を重視する(音というのは結局はアナログなのだから)

ということ。
デジタル信号を処理している部分は現代のパーツを信じ、それをアナログ波に変換するD/Aコンバータ(DAC)部分や、最終的に音として空気中に再生するスピーカー部分にはしっかりこだわる。

昔に比べれば、数万円でいい音が手に入るし、レコードやCDのようなかさばる「もの」がいらないのだから、いい時代ではある。


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ガラケー族生き残りへの道2017/01/31 14:57

家の中に残っているガラケーたち

FOMAガラケーが買えなくなる

昨年11月、docomoが「ガラケーは出荷終了です」と宣言した。
こうなると、FOMAの停波とかもいずれは避けられないのだろう。
今でもガラケーユーザーは相当数いるわけで、これから先、中古端末などに高値がつくことになるのかもしれない。
すでにAmazonでも新品は「残り1点」とか表示されているのがあるし、そもそも種類が少ない。値段は、今はまだ1万円台で買えるのもあるが、すでに3万円台以上になっているのもある。
端末が入手できなくなるのを恐れて今から予備機を買っておくという手もあるかもしれないが、それを使う前に停波になったりしたら目もあてられないし……。
そんなわけで、「スマホは嫌いだ」というガラケー族が生き延びていく道をいくつか探ってみた。
はたしてどこまで頑張れるのか、ガラケー族。
 
 
今ならまだ買える……?↑

なぜガラケーじゃなければ嫌なのか?


FOMA(iモード)ガラケーは入手困難


ガラケー族がスマホを拒否する理由はなんだろうか。

  • 1)基本料金が安くないと困る
  • 2)モバイルSuicaは絶対に必要
  • 3)端末形状として液晶画面剥き出しで重たいスマホを常時身につけていたくない
  • 4)スマホはバッテリーがすぐに減っていくので煩わしい
……とまあ、こんなところだろう。
このうち1)については、MVNO(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)なるものが群雄割拠し、格安スマホがどんどん出てきたから、みっちり調べればdocomoのガラケー契約(FOMA契約)と同等、あるいはそれ以下の料金でスマホを使うこともできるかもしれない。
2)も、最近ではiPhoneもApple Payというのが出てきて、モバイルSuicaが使える新モデルが出てきた。
となると、3)と4)あたりがいちばんの理由になるのだろうか。特に僕の場合は3)が大きい。生理的に嫌なのだ。

で、docomoもauも、ガラケー族がみんなスマホに移行することはありそうもないと気づいて、アンドロイドOSのガラケー風端末(「ガラホ」)を作っている。
docomoだとSH-01JとP-01Jというのが最新モデルで、どちらもOSはアンドロイドなのだが、外見も使い勝手も従来のガラケーそのもの。
高速通信のXiで通信できて(FOMAも拾うようだ)、音声も明瞭になったという。一般のアンドロイドスマホのようにアプリをダウンロードしてインストールすることはできず、メールやWEBブラウザ関連以外はLINEと地図アプリくらいしかインストールされていないが、ガラケー族にはそれで十分だろう。
Felicaには対応しているからモバイルSuicaは使える。
で、料金も「カケホーダイ」(月額2200円)か「カケホライト」(1回5分以内の通話は無制限定額で月額1200円)のどちらかを選び、それにケータイパック(通信データ量によって300円~上限4200円)を組み合わせればいいので、税込でも月額1944円から維持できる。
これなら現在うちで支払っている通信費(僕は約2000円、助手さんは2500円~3000円弱)と比べても、むしろ安いくらいだ。
この端末が、新規加入か乗換だと実質0円(総務省の指導もガラケーには緩いらしい)。機種変更でも約2万円。
となると、FOMA契約者の端末が壊れた場合、新たなFOMA端末が中古でもかなりの値段を出さないと買えなくなってしまった以上、これに契約変更するほうが現実的だと思える。

というわけで、自分用や助手さん用にFOMAガラケーの予備を買っておくのは見合わせた。
今の端末をできるだけ使い続けて、壊れたときに考えよう。

義母用にFOMAらくらくホン最後の1台を注文

FOMAがじり貧になるとはいえ、契約変更などの手続きが難しい認知症老人名義のガラケーなどは、なるべく今のまま使わせたい。
義母がガラケー(らくらくホン)の裏蓋を紛失してしまい、今は裏が剥き出しのままなんとか使っているらしい。そこで、とりあえずFOMA用のらくらくホンが1台だけ新品で某ショップに残っていたのをAmazonで注文した。
約2万円。
SPモードへの契約変更などは、本人をdocomoショップに連れて行かないと、委任状やらなにやらで面倒そうだし、今のSIMカードをそのまま挿せばいいだけの方法を選んだのだ。
ただ、親父のNTT回線解約ができなくて苦労させられた体験を踏まえると、義母のケータイも早めに子供名義で再契約しておいたほうがいいかもしれない。身体が動かなくなってからでは、解約させるのも面倒なことになりそうだから。

義母用に購入したFOMA仕様のらくらくホン。もうすぐ入手困難になるはず

FOMAの停波はいつか?

FOMA端末を大切に使っていたとしても、FOMAそのものが終わってしまったらどうにもならない。
docomoの例でいうと、FOMAになる前にはmovaという一世代前の通信規格の時代があり、2008年12月に新規利用申込が終了し、2012年3月31日に停波したという歴史がある。うちでも一時期、FOMAとmova両方を自動切り替えで受信できるケータイなんてのを使っていたことがある。
FOMAはまだ契約は可能だが、端末が入手できない以上、新規契約申込み終了は目前だろう。
2012年から契約者数は減少していて、今後は周波数帯再編もあり、FOMAが使っていた帯域の一部が段階的にXi用に転換されているそうだ。しかし、キャリア会社が思っていた以上にガラケーユーザーはしぶとく残っていて、端末もなかなか壊れないし、海外のケータイとの関係(ローミング)もあるから、完全停波できるのはまだまだずっと先、という話も聞く。

au回線で格安スマホを新たに購入してみる

そんな面倒なことをしているのなら、さっさと格安スマホに乗り換えればいいのに、という人は多いと思う。
僕はスマホを常時持つのは嫌だが、上京するときなどは乗換案内アプリは必須なので、iPod touch6とモバイルルーターを別に持っていく。
これは助手さんも同じスタイルなのだが、助手さんのiPod touchは6ではなく4のままなので、使えるアプリはどんどん減っていき、ネット接続も遅くて、しょっちゅう落ちるという。
格安スマホが出てきた今は、敢えてiPod touch+モバイルルーターである必要はない。助手さんと僕が別々に家を出ているときは1つしかないモバイルルーターを共有できないし、助手さん用には新たに格安スマホを持ったほうがいい。
調べると、MVNOではおかわりSIMのb-mobileはとっても速度テストの成績が悪い
ここでいい成績を出しているmineoのサイトを見ると、arrows M02という富士通製の1つ古いモデルを24000円で売っていて、データ通信だけなら月額700円から。
もっと安い端末もあるのだが、オサイフ機能がない。当面、モバイルSuicaはガラケーで使うとしても、将来、助手さんが完全にスマホに乗り換えることもありそうなので、端末にはやはりおサイフケータイ機能はほしいから、このモデルあたりが最低ラインだろうか。

arrows M02


で、ここで「ん? 待てよ」と気づいた。
mineoはdocomo回線にもau回線にも対応していて、どちらも選べる。
そこで、ここは敢えてau回線のほうを選ぶという手があるな、と気づいた。
3.11直後に痛感したのは、いざというときに通信手段は複数持っていたほうがいい、ということ。
FOMAがつながらなくなったとき、auやmova端末はつながったとか、いろいろな事例があったようだ。あのときは川内村にいて、翌3月12日に原発爆発をテレビで知ってすぐに避難したのだが、前日地震直後、ケータイが瞬時に不通になった中で、まだバックアップ電源で動いていたひかり電話回線から親父のauへはつながった。また、隣町に出たら、持っていたauから神宮寺(白河市)のdocomoへはつながって、一夜泊めてもらえたので助かった。いざというときにdocomoだけでなくau回線端末を持っているのは意味がある。
しかも、都内の速度テストでもauのほうが速いというのだから、ここはauを選んでおけば、我が家では、固定光回線(NTTのフレッツ光)、Xi回線(モバイルルーター用に契約しているb-mobile)、docomoのFOMA回線(従来のガラケー)、auのLTE……と、4種類の通信回線を使えることになる。大災害が起きたときなども、どれか1つはつながる、ということはあるかもしれない。
arrows M02はWi-Fiのルーター代わりにもなる(テザリング機能)ので、docomoやフレッツ光が不通になってauだけ生きているというような状況がもしうまれたときは、このスマホをルーター代わりにしてMacBOOKやiPadを使うことも可能だろう。

mineoの契約はいちばん安いauのデータのみの契約にするつもりだが、月額100円プラスで050電話もつけられるようだし、普段家にいるときはWi-Fi接続で使えばいいので通信料はかからない。外出時だけなら、月に500MBも使わないだろう(超過しても低速ならつながる)。

↑Amazonでこの「クーポン番号」を買ってから申し込むと、初期費用3240円がかからないので2200円くらい得になる

そんなわけで、助手さんだけもうすぐスマホデビューする。その後も、しばらくは通話はdocomoのFOMAガラケー(カケホーダイ)で、モバイルSuicaもガラケーでやるはずだけれど。

ちなみに、docomoのスマホユーザーがガラケー(ガラホ)契約に切り替えたい場合などは、auの新規契約をしたほうがdocomoに違約金を払ってでも安くつくケースが多いともいう。auではガラホの新規契約では端末代が実質無料になるからだとか。
なんだかなあ……。
通信関連のことはパソコン環境よりはるかに複雑で、変化の速度も凄まじく、裏技の裏技みたいなのが次々に出てきて、とてもついていけない。
こんなことを考えなければならないために、時間が奪われていくのが腹立たしい。





アレッポの悲劇 アサド大統領の素顔2017/01/25 01:57

アレッポの悲劇


いつどこで買ったのか分からないが、手元に残っている最後の2個のうち1個を開く

我が家ではシャンプーも含めて合成洗剤を使わない。洗髪はもう30年以上、固形石鹸でやっていて、リンスはしない。
食器洗いも衣類の洗濯も石鹸。最近は重曹も使うようになったが、合成洗剤は使わない。
で、洗髪は普通の無添加石鹸だとちょっときついので、オリーブオイル石鹸を使っているのだが、有名な「オリプレ」は通販以外ではまず手に入らないので、このアレッポの石鹸をドラッグストアなどでよく買っていた。
だから、ニュースで「アレッポ」ときくと、まず石鹸を思い浮かべる。
この石鹸を作っていた人たちは無事なのか? 石鹸は今でも作れているのか? ……などなど。

シリアをはじめ、中東紛争の裏には石油利権と民族対立、宗教が複雑に絡み合っていて、何が何だか分からない。情報もねじ曲げられて伝わってくるから、情報の一つ一つが本当なのか、演出されたものなのか判別するのが難しい。
日本もどんどんひどい状況になっているが、とりあえずまだ爆弾が落ちてこない、銃弾が飛び交わないというだけでも幸せだ。

アサド大統領の顔



TBSがアサド大統領の単独インタビューをして放送した。
「編集せずにノーカットで放送すること」という条件でのインタビューだそうだが、夜の「ニュース23」では一部を、翌日にCS「ニュースバード」でノーカット版を放送。
インターネットにもノーカット版動画を置いたので、今ならまだ見られる。
インタビュアーが星浩でよかったのか、という疑問があるが、とりあえずアサド大統領の顔と肉声、発言が伝わってきたこの映像は貴重な情報だった。
知的で、言葉の選び方も適確。話している内容は極めてまともで論理的。失礼な質問にも淡々と答える姿は紳士的。え? アサドってこんな人だったのかと驚いた人も多かっただろう。僕もその一人だ。

日本では「無慈悲で残忍な独裁者」というイメージが植えつけられているが、彼の言う「米欧からの情報だけに頼っている馬鹿馬鹿しさ」という批判はもっともだろう。もちろんアサド側の主張にも多くの嘘やごまかしがあるだろうが、米欧側メディアの情報が都合よく歪められていることは間違いない。



シリア情勢やクルド人問題についてのいろいろな説を集めてみた。

藤永茂氏(アルバータ大学理学部名誉教授)はブログで終始、米欧側情報に対して批判的な考察を展開していて興味深い。
シリア問題を考えるにあたっては、「クルド人問題」を少しでも理解しておかないとどうにもならない。
でも、そうした視点からの報道が日本ではほとんどされていない。
「ロジャバ革命」なんて、今回、藤永氏のブログを読むまではまったく知らなかった。
一部では女性解放などの革新的理想を掲げながら米ロの代理戦争に巻き込まれていくクルド人たち……。

米国がイスラム国にもトルコにもロジャバのクルド人防衛部隊にも武器を与えているという事実は、米国が世界に冠たる武器商売の国、死の商人たちが支配する国であることを考えれば、何の不思議もないのかもしれません。(ロジャバ革命は大きなドアを開ける(1)藤永茂)


マスメディアの報道に従っていると、シリアをめぐる戦況と政情は混乱混迷を極めているように見えますが、そうではありません。
ロシアやイランは地政学的算用からシリアのアサド政権を維持しようとしています。
アサド政権を速やかに打倒することに失敗した米国とトルコはシリア国内の戦争状態をできるだけ長引かせること、クルド人問題については、トルコも米国も、出来れば現在バルザニ大統領の率いるイラク北部のクルディスタン地域政府(KRG)の勢力が米国とトルコに支持されてシリア北部(つまりロジャバ)に拡大されることをひたすら願っているわけです。
ですから、ロジャバ革命を積極的に支持する国家勢力は全く見当たりません。このままで行けば、ロジャバのクルド人戦士たちの血は流されっぱなしで、結局、使い捨ての運命にあります。
ロジャバの人たちは米国の新大統領トランプに望みをかけているようですが、裏切られることになりましょう。(同ブログより)

真偽はともかく、こうした見解を、日本のメディアで見たことはない。

アサド大統領はインタビューの中で「あらゆる戦争は悪である。いい戦争などない」と言っていたが、例えば、「シリア軍に空爆された瓦礫の中から人々を救うボランティアグループ」として米欧のメディアでさかんに紹介され、ノーベル平和賞の候補にまでなった「ホワイトヘルメット」に関しても、賛辞だけでなく、情報操作された演出だという話もあって、一体何が本当なのかさっぱり分からない。
「イスラム国」の正体もよく分からない。彼らには莫大な資金援助があるはずで、その提供者は誰なのか。

この指摘はシリア政府からだけでなく、多くの人たちがしている



小林よしのり氏は「独裁の方が無秩序よりはるかにいい」と言っているが、これはまったくその通りだ。誰に殺されたのかもよく分からないまま毎日大量殺戮が続く状態をとりあえず収めることができるなら、多少のデメリットがあってもどうするのがいちばんいい(マシな)のか、てっとり早いのか……と考えるのは当然だろう。

どれだけ現在の情報が錯綜していても、ていねいに検証すれば歴史は嘘をつかない。大昔のことは検証できないとしても、近現代にどこで何が起こったのか、大まかなことは分かっている。
明治維新の頃、ヨーロッパ列強やアメリカは世界のどこで何をしていたか。
太平洋戦争を始める前までの日本はどんな空気に包まれていたのか。
そんな大昔のことではない。生で見てきた人もまだ少し生きている。

「神の鑿」の時代、日本はどんな国だったのかを知ろうと、いろいろ調べているうちに、「アメリカって、一体どれだけ戦争をしてきたのだろう」と思った。 調べると、「アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の、239年中、222年間が戦争」という記事を見つけた。
すさまじいな。
今もやっているわけで、ほとんど「休みなく戦争をしている国」という気がする。

嘘は、大きい嘘、大胆な嘘ほど見破られず、簡単に信じられてしまう。二酸化炭素温暖仮説とかはその代表だろう。
30年前、「石油はあと30年か50年で枯渇する」なんて言われていた。だから原子力エネルギーは必須だとか、核燃サイクルこそ資源のない日本が生き延びる唯一の道だとかいわれていた。30年経った今も、僕らは灯油を燃やして暖を取っているし、この冬もやっぱり寒い。

あと、この論も一理あるだろう。










特に最後の「日本は国際法に則り、今までのように中立の立場を守るべきだ」という主張はその通りだろう。
いかに戦争から遠ざかるか、近づかないか、下手に地雷を踏まないようにするかという戦略は、かつての自民党外交政策の柱だったはずだが、今の政権は自分から戦場に近づこう近づこうとしている。
かつての自民党政治家たちが苦渋の選択を重ねてきた歴史を、無知と傲慢でことごとくひっくり返している。
さらには、アメリカの大統領が単純なガキ大将タイプのトランプになったことで、この先どうなっていくのか、まったく予測がつかない。

アサド大統領の会見で、最後に触れた、国民のPTSD問題についての言葉は特に印象に残った。
今まで、一国の最高権力者が、国民の心の荒廃について深く憂慮している、その問題こそがいちばん深く、解決困難だと述べる姿を見た記憶がない。

CSのニュースバードでは解説役として国枝昌樹氏(元シリア全権大使)を呼んでいたが、彼もこの点に触れていた。
「人の頭をサッカーボール代わりにして遊んでいる子供たちが、正常な精神で大人になれるはずがない」と。
こうした問題を自ら口にするアサドは、計算ずくでそういう言葉を発しているのだろうか? そうは思えなかった。
今回のインタビューも、国枝昌樹氏がインタビュアーだったらよかったのに。現地に行くのが大変なら、今の時代、ネット回線で対談もできるだろうに。
用意した質問をたどたどしく読み上げるだけならインタビュアーはいらない。国枝氏のような人が行って、少しでも生の会話に引き込めれば、アサドの素顔ももっとよく見えてきたはずだ。

医者でもあるアサドは、もともとは政治や軍事からは遠く、学者肌で温厚な人物であるという。
そうした経歴や背景を知って、今回のインタビューを見ると、なるほどと思える場面や言葉が随所にある。国民のPTSDを最も憂慮しているという言葉もそうだ。

英国ガーディアン紙が報じた「アサドのメール」の記事も興味深い。まったくのデタラメではないような気がする。
一方で、アサドが「自国民の殺りくを主導しながら、制裁を逃れてiTunesのアカウントを得ているなんて、残酷非道な人間の姿を象徴するようなものだ」と言っている米政府報道官には、余計なお世話だろと言いたい。
「残酷非道な人間」なんだから音楽を楽しむような素養や権利はない、とでも言いたいのだろうか。
そういう言質こそが、アサド自身がいう「ばかげている」思い込みと偏見ではないのか。

ともかく、情報の真偽を知ることの困難さ、物事を複数の視点から見通すことの大切さを教えるきっかけとなった今回のインタビューは、とても貴重なものだったことは間違いない。



日光より年末のご挨拶2016/12/24 01:50


みなさま、どうぞよい年末年始をお迎えください。

ブレーキとアクセルの踏み間違い事故は「踏み替える」から起きる2016/11/16 14:50

AT車ではこれが「基本」ポジション

「踏み直す」から起きる「踏み間違い」


動画で説明↑
連日、高齢者ドライバーによる事故報道が続いている。そのほとんどは「アクセルとブレーキの踏み間違い」。
テレビのワイドショー番組では「踏み間違い事故を起こすのが怖いのでAT車からマニュアル車に買い換えたという高齢者もいました」と紹介していて、「え? 何それ?! かえって危険では?」と思った。
で、思い当たった。教習所ではAT車全盛の今でも、MT車時代からの教え方をしているんじゃないか……と。
AT車というのは、放っておいても車は前に進む。ノッキングして止まったりもしないから、足は基本ブレーキペダル位置を「ホームポジション」にして、アクセルを踏むときは足を右に傾ける、とするのが合理的。
多分、プロドライバーの多くは誰から教わるでもなくAT車を運転するときはそうしているんじゃないだろうか。
このごく単純なことを明示するために、こんな動画を作ってみた↓



この「かかとは浮かすな!」は、自動車メーカーなどでは新入社員にまっ先に叩き込むという話も聞いた。
同じような理屈で、「ワンペダル」なるものも売られているのだが↓

アクセルは足を右に倒す方式の「ワンペダル」


これだと普通の車を運転したときに困る。運転の癖を変えるだけで対応したほうがずっといい。



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『阿武隈梁山泊外伝』デジタル版を出版2016/09/27 01:32

阿武隈梁山泊外伝 


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認知症老人の財産を狙い撃ちする弁護士2016/09/26 12:18

認知症老人からこうした全権委任状を取り付ければ……

老人の金を狙う弁護士たち


K弁護士が親父にサインさせた契約書。紛争などないところに事件を勝手に起こして、軽く100万円にはなろうかという着手金やら報酬金やら日当を支払え、という内容


NTTもNHKも、介護施設に入った認知症老人を追いかけてまで金を取ることはできないだろう。
それよりもやっかいなのは、認知症老人を狙って金を取ろうとする弁護士の存在だ。

お袋が亡くなったのは8年前。親父には「お袋が残しているはずの預金などはどうなっているのか」と何度も訊いたが、「知らない」の一点張りだった。
それが今回、ようやく一部が見つかった。

今回、親父が自分名義の預金をすっかり使い果たしていたことが判明し、住んでいる賃貸マンションの家賃も払えなくなり(実際には質素な生活をすれば年金の範囲内で家賃は払い続けられるはずだが、金が入ればすぐに買い物をしてしまう買い物依存症が治らないので不可能)、もともとの家に戻るか、家を売って金を作るかという話になった。
家には50代の今まで、まともに仕事をしたことがない妹がひとりで住んでいて、ゴミ屋敷になっている。
親父と妹はずっとまともに会話をしていないで、親子関係が崩壊している。「ここに一緒に住むなんてありえない」と言って家を出て、横浜のマンションを借りてひとり暮らしを始めた親父が、今さら戻るなんてことは到底無理だろうし、家を売って金にするといっても、ウルトラ級のゴミ屋敷を空にするだけでも何百万円もかかるだろうし、そこには妹が住んでいるのだから無理な話だ。
僕はどちらも無理だろうと思ったので、「そんなことを考えるより、年金だけで今の生活を続ける努力をしろ」と諭したが、買い物依存症は止まらず、年金が入るとすぐに使ってしまい、家賃を支払えなくなる。
家を売るにしても家に戻って娘と一緒に暮らすにしても、まずは二人で話し合わなければダメだろ、と言って、妹にもその旨、手紙を書いたが(僕と妹も、子供の頃からずっと会話がない)、それを読んだ妹がパニクって弁護士に相談したらしい。

その弁護士は、依頼者である妹にも、預金を使い果たしてあとは月々の年金しかない親父にもまとまった金はないが、死んだお袋の預金が残っていると知り、その金額を妹に調べさせて、そこからごっそり手数料を取ろうと考えついた。
そこでまずは認知症だと分かっている親父に近づき、オールマイティの委任状にハンコを押させた。

このことを僕は一切知らされていなかった。
親父が電話で「あのKという弁護士に依頼したのはよしみつか」と、妙なことを言ったので、初めてそういう危険人物に狙われていることを知り、「絶対に近づくな。近づけさせるな。連絡があっても無視して応じるな」と何度も言いきかせ、親父も「分かった」と繰り返していたが、しっかり騙されて契約書やら委任状やらに署名捺印させられていたことが今回の部屋の掃除で分かった。書類のコピーが出てきたからだ。
親父を問い詰めると、「事務所に呼ばれたから行っただけだ」「でも、そんな大金を払うような契約書なんか知らないし、署名なんかしていない」と言い張る。

その契約書はひどいもので、そもそも存在していない「遺産相続示談交渉事件」などと銘打っている。
着手金約30万、報奨金約60万、他に日当が1日3万2400円などとなっている。日当などはいくらでも「何日仕事をした」といえばつけられるわけで、軽く100万円はこのK弁護士に支払うような内容だ。
そもそもお袋の法定相続人のひとりである僕は、この件についてまったく知らされていないのだから、相続を巡る「事件」など存在していない。3人が話し合って協議書を作って銀行に持っていけばいいだけの話で、K弁護士が介入してくる余地など最初からないのに、妹がこういう弁護士に話を持ち込んだからつけ込まれた。
妹はお袋の口座のキャッシュカードを持っていたようで、すでに数百万円は使ってしまっていた。もちろんこれは犯罪だが、僕も親父もそれについて追及するつもりはないし、今からでも妹には法定相続分よりはるかに多い金額を渡そうと思っているので、「示談」も何も、事件そのものが存在していないのだ。
K弁護士は妹には支払い能力がない、親父には年金しかない、残る1人の僕は騙せないと知り、まずは認知症の親父から全権委任状を取り付けて、報酬を確保しようとしたのだろう。
この状況がようやく把握できたので、すぐさま神奈川弁護士会にK弁護士の行っていることは倫理的に許されるものではないと苦情を申し立てて受理された。
問題点は主に3点。
  1. そもそも相続を巡ってトラブルなど起きていない
  2. 認知症と分かっている独居老人に近づき、高額な報酬を約束させる内容の書類に署名・捺印させている
  3. 法定相続人のひとりである長男の僕にはこの間まったくなんの連絡もない

ちなみに妹はK弁護士の言いなりのようで、電話にも出ない。何度電話しても出ないのに業を煮やした親父が、不自由な足で家にまで行っても、居留守を使って出てこなかったという。

こういう事態を目の当たりにするのがいちばん嫌だった。

K弁護士としては、親父を騙せたとしても、僕からの委任状など到底望むべくもなく手詰まりになっているはずだ。そこで親父の年金を狙ったようで、年金の振込先口座を変更させていた。

これには本当に驚愕した。そこまでやるか……と。

認知症でまったく金の管理も物事の判断もできない親父がこれ以上高額な金を動かせないようにするために、年金の振込先口座から高額の送金はできないようにしてあったのだが、それなら……と、新たに年金の受け取り口座を100円で作らせて、そこに年金を振り込ませ、そこから着手金などを送金させる、あるいは引きだして渡すように画策したようなのだ。

危うく最後の砦である年金まで狙われるところだったが、気がついたのですぐにブロックした。

故人の口座はすべて凍結されている。これを解除して金を引き出すには法定相続人全員の同意書、印鑑証明書、戸籍謄本などが必要であり、K弁護士がいくら親父を騙してオールマイティな委任状にサインさせても、相続人のひとりである僕が同意しなければ凍結口座から金を引き出せない。
もし引き出そうとするなら、僕のサインとハンコを偽造するしかない。そこまでやるなら立派な犯罪なので、K弁護士は完全に罪に問われることになる。次は苦情申し立てではなく、K弁護士の懲戒請求手続きになるだろう。

……ということで、お袋の凍結口座はこのままずっと凍結のままにすることにした。

K弁護士が完全に手を引かない限り、お袋の凍結預金は「呪われた金」として凍結のままだ。
僕や親父が死んだ後、妹がまだ生きていれば、そのときは弁護士に100万円払ってお袋の預金をようやく下ろそうがなにしようが知ったことではない。


こういう話は「他人事」として読む限りは面白いかもしれないが、老人社会が進み、企業のモラル、職業モラルが著しく低下している今の日本では、ゴロゴロ転がっている話だ。
認知症が進んでいなくても、弁護士という肩書きを目にしただけで言うがままになってしまう老人たちは多いだろう。

ここまで赤裸々に書いたのは、多くの人たちが今抱えている、あるいはこれから抱え込む問題であり、リアルな情報として提供することに多少なりとも意味があると考えたからだ。
僕ももう長くは生きていられないし、残りの時間は有意義に過ごしたい。
肉体も相当疲れているが、精神をまともに保ち、創造的なことをやりつづけるためのコントロール術が必要だ。
そのテーマで本を書き、これを題材にして小説を書いて発表していこうと思っている。


K弁護士が認知症の親父を騙してサインさせた「全権委任状」



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