『阿武隈裏日記』を改題しました。
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選挙の「按分票」は廃止すべき2018/04/10 21:31

告示と同時にズラッと張り出された候補者ポスター

地方選挙の難しさ

一昨日の日曜日(2018/04/08)は日光市長選、市議会選の告示日で、近所の人や知人・友人たちの中にも、ポスター貼りの手伝いに動員された人たちがけっこういた。

市長選は4候補者の乱戦と伝えられているが、おそらく当選可能性があるのは2候補で、他の2候補はそれぞれ有力2候補の足を引っ張るという図式だろう。
2候補のうち、足の引っ張られ度合?が少なかった候補が勝つ……ということか。

市長選については、4人の立候補者が揃った公開討論会の動画を教えてもらったので見てみた。
長いので飛ばしながら、いちばん頭よさそうな人は誰か、うわべだけで話している人は誰か、性格悪そうなのは誰か、本気で政策を訴えている人は誰か……といった視点で見ていた。
有力候補の一人が「子育て支援政策」についてこんなことを言っていたのが印象的だった。

子育て支援は大切だが、子供はいずれこの地を離れていく。その後、また戻ってきたいと思える魅力のある町であるかどうかが重要。まずは大人が生き甲斐を持って生きていける町じゃないと、出ていった子供は戻って来ないから、人口減少は止まらない。
親が自ら楽しく生きる、生き生きと暮らす姿を子供に見せられなければ、子供はこの地に魅力を見いだせない。


……そんなような内容だった。
まったくその通り。
で、公開討論会でこういう視点での持論を主張できる人かどうか、というのも重要な判断材料だろう。
お題目みたいなことを並べているだけの人は、自分の頭でとことん考えていない。周囲の人との関係や、上(県や国)とのパイプ作りのテクニックだけで市政をやろうとしている。だから、選挙でも、自分がいかに国や県から利益誘導できる人間かをアピールする。
しかし、そういう手法では、これから先、通用しない。だって、国がこのザマなんだから。国全体がじり貧になっていくのは分かっている。その中で地方都市が生き残る戦略を立てなければいけないんだから、ある意味、国政担当者よりもずっと頭がよく、実行力のある人物でなければ地方行政は託せない。

一方、何をやるにも金は必要だ。
地域内の税収だけではやっていけないから、地方交付税や各種補助金はどうしても必要。しかし、それがほしいと尻尾を振るだけではダメで、うまくもらった上で、合理的に、有効に使いこなす「技術」が必要なのだ。
なるべく喧嘩せず、対立構図を作らず、したたかに相手(国や県や大企業)を取り込み、結果として今よりいい方向に向かう知恵と対人関係形成能力が政治家には不可欠。清濁併せ呑み、ゲームに勝つずるがしこさも必要なのだ。
いくら正論を述べていても、自己主張で終わるような人、いざ仕事をさせてみたら現実に対応できないような人(つまり僕のような人?)は政治家には向いてない。政治に直接参加しようとせず、何かやるにしても外野からのサポートや自分の持ち場をしっかり固めることに徹したほうがいい。

……とまあ、そういう視点で投票する市長候補者は決まった。

「按分票」は廃止せよ

さて、市議会選はさらに難しい。
今回は定数24に対して27人が立候補。つまり落ちるのは3人だけ。
前回は定数が28に対して30人が立候補した。落ちたのは2人だけ。

最後の1議席を2人、3人が争うという選挙。であれば、落ちそうな候補者の中で、この人よりはこの人のほうを残したい、という視点で選ぶのがいいだろう。ということで、前回の開票結果を改めて見たところ、驚くべきことに気づいた。
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↑一瞬、総得票数4455万4953票? って読んじゃいそうだけど、4万4554.(テン)953票で、最後の953は小数点以下なのだ。
得票総数…… 44,554.993
按分の際切り捨てた票数…… 0.007
無効投票数…… 1,169.000
投票総数…… 45,724.000


なんと、候補者30人のうち、12人もが小数点以下まである「按分票」をもらっている。
按分というのは、同じ姓の人が複数いるなどしたとき、姓しか書いていない票は誰に投票したか分からないので、可能性のある人に振り分けましょう、ということだ。
公職選挙法ではこう規定されている。
(同一氏名の候補者等に対する投票の効力) 第六十八条の二 同一の氏名、氏又は名の公職の候補者が二人以上ある場合において、その氏名、氏又は名のみを記載した投票は、前条第一項第八号の規定にかかわらず、有効とする
4 第一項又は第二項の有効投票は、開票区ごとに、当該候補者又は当該衆議院名簿届出政党等のその他の有効投票数に応じてあん分し、それぞれこれに加えるものとする。

この最初に出てくる「前条第一項第八号の規定にかかわらず、有効とする」の「前条第一項第八号」というのは、「公職の候補者の何人を記載したかを確認し難いもの」は無効とする、という条項。
これだけでいいではないかと思う。
候補者の姓名を正しく書けないような投票のために、繁雑な按分票作業をするのは集計の効率を極端に悪化させるだけでなく、選挙の質を下げる。

前回の日光市議会議員選挙では、
ふくだ(2)、さいとう(5)、かとう(2)、やまこし(2) という姓の候補者が複数いた。このすべてで按分票が生じている。
さらには、1人しかいない「手塚」候補の票に小数点以下がついているのはなぜかと思って調べたら、齊藤正三候補は「しょうぞう」ではなく「まさみ」と読むことが分かった。手塚候補の氏名は手塚雅己で、届出名は「手塚まさみ」、一方、齊藤正三候補の届出名は「さいとう正三」。姓を平仮名表記にして届出たのは、齊藤正三氏だけが「齊」藤で、他は「齋」藤か「斎」藤だからか? (ちなみに「斉」は一斉、斉唱などの斉で、旧字体が齊。「斎」は書斎、斎場などの斎で、旧字体が齋。意味の違うまったく別の字

手塚候補にも按分票が入っているということは、姓を書かず、しかも名前を漢字ではなく平仮名かなんかで「まさみ」とか「まさみさん」と書いた投票用紙があったということだろう。
さいとう正三候補の得票数は1,451.478票。手塚まさみ候補の得票数は1,299.422票。1451:1299で1票を割ると0.528票と0.427票だから、手塚候補の小数点以下0.422とも微妙に違う。ということは「まさみ」だけの票は1票だけではなく2票以上あったのだろうか。いや、さいとう正三候補は「さいとう」と書かれた按分票がかなり入っているから、さらに計算はややこしくなる。そこで生じた小数点以下3桁目の微妙な違いなのだろうか……。
平仮名で「まさみ」とか「まさみさん」と書いた票は、ほぼ「手塚まさみ」候補の票であろう。「さいとう正三」という届出名の候補者に「まさみ」と書いて投票するとは思えない。
しかし、そういうこと以前の問題で、こんなしょーもない、ルールを守れない投票のために、当該候補者の得票数に応じて1票を小数点以下3桁まで計算しなければいけないというのは馬鹿げている。
再度いう。「按分票」の規定は廃止するべきだ。

こんな選挙は嫌だ!

さらに前回の日光市議選の最終得票結果を見ると、按分票にもならなかった無効票が1,169票もある。投票者総数が4万5724人だから、100人のうち3人近くの人が無効票。姓だけとかで判別できない「按分票」も含めたら相当数が「まともに記入されていない票」ということだ。

「按分票」がどのくらいあったのかは選挙結果発表では知ることができない。ぜひ知りたいものだ。無効票が1169票もあるくらいだから、按分票はもっとあるのかもしれない。だとしたら、どうしようもない民度の選挙だ。
選挙権は平等に──これはあたりまえのこと。しかし、最低限度のルールも理解できていないような票を「按分」までして有効にする必要はない。むしろ民主主義の劣化につながる。

それでも真剣に一票を投じた

市議会議員については、前回の結果を参考にして、落選しそうなラインにいる候補者に目をつけた。
その中で、この人よりはこの人を残したい……という選び方をしたいのだが、どういうわけか共産党と公明党以外は全員が「無所属」で、政党で選ぶこともできない。
そこで「会派」別議員名簿にアクセスした。
どうしようもない議員と同じグループは「同じ穴の……」で除外していけばいいかなという選別方法。しかし、そもそも個々の市議会議員のことをよく知らないから、会派の色もよく分からない。(だからこそ、ほとんどの人は「地元の人だから」とか「知り合いの知り合いだから」といった理由で投票してしまうのだろう。)

WEBサイトやフェイスブックアカウントを持っている議員には極力アクセスして人物像や政策を探ろうとしたが、呆れたことにまったくWEBにタッチしていない議員がいっぱいいる。
日光市のサイト内に議員名簿のページがあるのだが、メールアドレスや個人WEBサイトという項目があるにもかかわらず、アドレスやURLを明記している議員はたったの2名なのだ。どうしようもない。

……と、散々苦労した挙げ句に、市長は実質2候補の争いだろうから、この人にはなってほしくないという候補者ではないほうに。
市議会議員は落ちそうな候補者の中から、残ってほしいと思える人(その人が全候補者の中でベストだということではない)に。
決まったところで、期日前投票を済ませてきた。

今回は買い物のついでに行った。この出張所は初めて訪れた


家に戻り、車のタイヤ交換をしていたら、ケータイが鳴った。
「○○候補をよろしく、という電話です。友達なんです」
……あ~、さっき投票してきちゃったよ。その人にするか、もう一人にするかで悩んだけれど、こうこうこういう理由でもう一人のほうにしたよ、と説明した。

さてさて、結果はどうなることか。
前回選挙では、市長も市議も死に票になってしまったのだが……。


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「デブリを取り出して廃炉」という幻想2018/03/12 12:11

2018/03/10『報道ステーション』(テレビ朝日)より

言えない立場の増田尚宏氏と言える立場の田中俊一氏



↑2018年3月10日放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)の特集コーナーより(以下同)

今日、3月12日は1F1号機が水素爆発を起こした「原発爆発記念日」である。
その映像をテレビで見てすぐに、僕たちは川内村の家から逃げ出し、川崎市の仕事場に避難した。あの日からちょうど7年が経った。
今ではメディアも特集などを組むことは少なくなり、今年は森友文書書き換え問題などに食われている(あれもまた国家の根幹を揺るがすとんでもない事件だが)。

一昨日の『報道ステーション』で、1Fの廃炉がいかに困難かという問題を特集していた。
久しぶりに見る増田尚宏氏の苦渋に満ちた顔。この人がこの日記に登場するのは何回目だろうか。まずは2015年の⇒この日記を読んでいただきたい。
2015年3月、NHKの海外向け放送にてインタビューに答える増田尚宏氏
2015年、このインタビューで増田氏はこう語っている。
溶融燃料についてはわからない。形状や強度は不明。
30メータ上方から遠隔操作で取り除く必要があるが、そういった種類の技術は持っておらず、存在しない

(政府は廃炉作業を2020年に始める意向だとしているが)それはとてつもないチャレンジと言える。正直に言って、私はそれが可能だとは言えない。でも不可能だとも言いたくない。

どのくらいの被ばく線量なら許容されるのか? 周辺住民ににはどんな情報が必要なのか? どうすればよいか教えてくれる教科書はない。
私は、ステップごとに決定を下さなければならないわけだが、正直に申し上げて、私が正しい決定をするということは約束できない

国内で放送されないと知っていたからか、かなり正直に胸の内を吐露している。
それが、3年経った現在では、こう答えている。


使用済み燃料を取り除くことは責任を持ってやらなくてはならないやればできるものだと思っている

この言葉の間にはいくつかの言い訳や説明が挟まれていたが、要するに「できる」「やらなければならない」と言いきっている。
3年前には「溶融燃料(デブリ)についてはわからない。形状や強度は不明」と言っていたが、今ではデブリの状態が想像以上にひどい状況だということが分かってきている。
優秀な専門家である彼には、デブリの取り出しなどとうていできないと分かっている。しかし、組織人として「取り出さなければならない」「やればできると信じている」などと答えなければならない立場に置かれていることの苦しさが、最後には悲鳴にも聞こえるような大きな声での叫びとなって絞り出されたように見えた。

増田氏は東電にとって、いや、日本の原子力業界にとってかけがえのない人材だ。彼のスーパーマン的な活躍がなければ、1F同様、2Fも爆発していただろう。7年前、彼が2Fの所長だったことは本当に幸運だった。
が、その彼も、この数年で顔つきがだいぶ変わったように感じる。どれだけ辛い人生を歩んでいることか、察するに余りある。

デブリは取りだしてはいけない

一方で、その直後に登場した田中俊一・原子力規制委員会前(初代)委員長は、相変わらずのシニカルな表情でこう言ってのけた。









廃炉現場の最高責任者に任命され、今も現場を指揮している増田氏と、規制委員長を辞めた田中氏の立場の違いがはっきり見て取れる。
人間としては増田氏のほうを信頼したいが、この点に関しては、田中氏の言うことが正しい。
「そういうことを言うこと自体が国民に変な希望を与える」という発言のときは、「幻想」と言いかけたのを、少し考えてから「変な希望」と言い換えていた。

圧力容器を突き破って底まで全量溶け落ちたデブリを遠隔操作で取り出すなどという技術は存在しない
そもそも、取り出せたとしても、置き場所がないのだ。きちんと形のある使用済み核燃料でさえ保管場所がないのに、不定形になったデブリをどこでどうやって保管するというのか。これ以上、デブリの取り出しにこだわるのは、莫大な金をかけてリスクを拡大するだけの愚行だ。
つまり、デブリは取り出せないし、今は取り出そうとしてはいけない
では、どうすれば今よりひどい状態にならないで長期間、ある程度の安全を得られるかを、合理的に考えなければいけない。そんなことは、誰が考えたって自明の理だ。

できないことを「そのうちできるだろう」「なんとかなるんじゃないか」といって無理矢理金を投入して始めてしまい、取り返しのつかないことに追い込まれるのは原子力発電事業そのものの構図だ。出てくる核廃物の処理や保管技術がないままに原子力発電所を作り、今なお、この根本的な解決方法は存在しない。日本国内だけでも、行き場のない使用済み核燃料が発電所内にごっそり置かれたままだ。
技術が存在しないどころか、エントロピー増大則に従うしかない物理世界(我々が生きているこの地球上)では、核廃物の根本的な処分方法は今後も見つからないだろう。
できないことをしてはいけない──このあたりまえのことを無視するとどんな結果になるか、すでに手痛く体験したことなのに、なぜこの期に及んでまで、謙虚になれない、合理的に判断できないのだろう。

3年前の増田氏の言葉と今の増田氏の言葉を比較すると、絶望的な状況はますますはっきりしてきたのに、逆に正直に答えることはできなくなったという悲しい現実が見える。
増田氏の「組織人」としての苦悩は痛いほど分かるが、とにもかくにも、彼の上で命令を下す人たちがきちんとした判断を下さず逃げてばかりいる限り、増田氏の高い能力も、今後変な方向に向かいかねない。
それこそ、3年前の彼が漏らした「私は、ステップごとに決定を下さなければならないわけだが、正直に申し上げて、私が正しい決定をするということは約束できない」という言葉の重みが、ますます深刻なものになっているのだ。
その闇の深さ、問題の大きさを、現場の人たちだけに押しつけず、我々一般人も、少しは共有すべきではないか。
次の選挙のときには、このことをぜひ思い出してほしい。
どうしようもない破局が訪れる前に、どうせ自分は死んでしまうだろう、という「食い逃げ」の人生でいいのか、と自問自答してみようではないか。


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森鴎外と原発2018/02/15 14:44

最近読んだ3冊

関良基『赤松小三郎ともう一つの明治維新 テロに葬られた立憲主義の夢』を読了した。
本書とほぼ同時に、森田健司氏の『明治維新という幻想 暴虐の限りを尽くした新政府軍の実像』(洋泉社)と原田伊織氏の『三流の維新 一流の江戸 「官賊」薩長も知らなかった驚きの「江戸システム」』(ダイヤモンド社)も読んだのだが、この3冊の中でも関氏の『赤松小三郎と~』は力作で読み応えがあった。
その中で、つい先日書いた「森鴎外と脚気」にまつわる記述もあったので、以下、前々回の日記の続編?として紹介してみたい。
本書の中で深く同意したのは以下の部分だ。
 日露戦争後、陸軍における脚気惨害の真相を追及する声が国会であがり、陸軍省も脚気の原因を究明するため「臨時脚気病調査会」を組織せざるを得なくなる。しかし、あろうことか、第三者の立場で脚気被害の原因を究明しなければならないはずの委員会の委員長に就任したのは、問題を引き起こした当事者である森鴎外(当時、陸軍省医務局長)であった。(略)問題を起こした当事者であるところの森鴎外は、真相究明委員会の委員長になって問題をもみ消した。
 これは「利益相反」であり、今日も引き続く構造である。福島第一原発事故後に諸外国から直ちに問題視されたのは、原子力の安全性をチェックするべき原子力安全保安院が、原子力を推進する主体である経済産業省の中にあったという事実であった。推進機構の下部組織に規制機関が存在するのでは、安全審査がなおざりにされるのは当然であった。
 明治維新以来の日本の政治システムにおいては、巨大な人災が発生しても、真相の究明はなされないまま、誰も責任を取らず、同じことが繰り返されていく。(略)このシステムは、やがて無責任態勢をさらに肥大化させて、太平洋戦争にまで突き進み、滅亡に至った。
 (略)その巨大無責任態勢によって、福島第一原発事故に行き着いたと言えるだろう。

『赤松小三郎ともう一つの明治維新 テロに葬られた立憲主義の夢』 関良基 作品社)


イチエフ爆発の後、2012年(平成24年)9月、野田佳彦内閣の下で、従来の「原子力安全・保安院」に代わるものとして「原子力規制委員会」が環境省の外局として誕生した。
初代委員長に就任した田中俊一氏は、日本原子力研究所副理事長、独立行政法人日本原子力研究開発機構特別顧問、社団法人日本原子力学会会長(第28代)、内閣府原子力委員会委員長代理、財団法人高度情報科学技術研究機構会長、内閣官房参与……という経歴を持ち、国の原子力推進政策の中枢を渡り歩いてきた人物だ。
発足時の同委員会の職員は455名で、うち351名が経産省出身者。原子力安全・保安院から横滑りした者も多かった。

2年後、政権は第二次安倍晋三内閣になっていた2014年9月、島崎邦彦・委員長代理と大島賢三委員が退任となり、代わりに田中知(さとる)氏と石渡明氏が委員に任命され、田中知氏は委員長代理に就任した。
田中知氏は、2004年度から2011年度までの8年間に、原子力事業者や関連の団体から760万円超の寄付や報酬を受け取っていたことが就任前から報じられていた
原子力規制委員会発足時、野田政権は「直近3年間に同一の原子力事業者等から、個人として一定額以上の報酬等を受領していた者」は委員に就任できないというガイドラインを定めていて、田中知氏はまさにこれに該当したが、当時の石原伸晃環境相は衆議院環境委員会で、民主党政権時代のガイドラインについては「考慮していない」と答弁。菅義偉官房長官も記者会見で「田中氏は原産協理事としての報酬を受けていなかったので、委員就任の欠格要件には該当しない」と強弁した。

森鴎外「臨時脚気病調査会」委員長就任と同じ構図だ。
その結果がどうなっているかは説明不要だろう。

鴎外の不勉強と開き直り、つまらぬプライドのおかげで陸軍内で数万人の脚気死者が出た時代、この国はその悪しきシステムや慣習を是正できないどころか、ますます増長させ、太平洋戦争へと突入していった。
原発爆発後の日本は、同じ歴史を繰り返そうとしているのではないか。


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