アベノマスクとスガルワクチン2021/09/02 20:04

SARS-CoV-2に感染した後、病院での診療を受けられないまま自宅で病状急変して死ぬ人の報道が続いている。
ワクチン接種後に急死する若い人のケースも伝えられている。
こういう事態が来るのではないかと、以前、書いたような気がするが、脳の劣化が激しくて、少し前のことは忘れてしまう。
で、改めて過去の日記を確認してみた。

……ああ、こんなことを書いていたのだな、と、確認できたところで、半年後の今の情勢を、分かる範囲で簡単にまとめておこう。

(これに関しては周囲から「消される(殺される)かもしれないから、もうこれ以上書くな」「危ないからやめて」と言われていて、確かに自分でも、どんどん身の危険を感じるようにはなっているので、医師が書いている文章、一次データ、メディアの記事などへのリンクを中心にしておく)

ワクチンと感染力に対する誤解

半年前に書いたことを読み返してみて、現在の認識とそれほどズレているわけではないが、感染力と重症化という点では、自分の中で、若干考え方が修整されてきたかもしれない。
  1. PCR検査で陽性になった人は「感染者」というよりは「陽性者」と呼んだほうがいい。陽性者の実数は発表されているよりはるかに多い。
  2. ウイルスが人間の細胞内にとりつくと「感染」した状態になり、程度の差こそあれ症状が現れるが、人にうつす「感染力」はそうなる直前の時期、即ちウイルスが鼻腔や咽頭に大量に付着している段階が一番強い。
  3. 従って、感染を広げている主力は、発症して寝込んでいるような人ではなく、無症状やごく軽症で動き回っている人たちなので、自分がウイルスをばらまいているという自覚はない。
  4. ワクチンを接種すると人にウイルスをうつさないわけではない。ウイルスをもらっても重症化しにくくなるということであり、自己防衛にはなるが、無自覚な加害者になる可能性は減らない。
  5. 従って、ワクチンを打ったからマスクをしなくてよいとか、安心して里帰りできると考えるのは間違い。メディアはそのことをしっかり伝えるべき。
  6. デルタ株の感染力は凄まじい。ワクチン接種人口が増えても、「無症状陽性者」の数は減らないのではないか。
……ということを強く再認識した。

自宅「療養」になっていない

自宅で治療を受けられないまま死ぬ人が出てきてからは、メディアは「自宅療養」が諸悪の根源で、全員入院させろ、野戦病院を作れ、といった論調になっている。
しかし、まずこの「自宅療養」という言葉が間違いだ。実際は検査も治療もしていないのだから「自宅放置」、いや「自宅幽閉」「自宅監禁」である。
まあ、行政やメディアが「自宅放置」という言葉を使うわけがないだろうから、せめて「自宅隔離」というべきだろう。
問題は自宅に隔離することそのものではなく、治療・観察ができないことが問題なのだ。

冷静かつ合理的に問題を整理していこう。
はっきりしているのは、
  • 陽性者をゼロにすることは不可能なので、
  • 感染者を初期段階でいち早く見つけて、投薬などで重症化を防ぐ態勢作りを急がなければいけない
……ということだ。
そのためには、とにかく、保健所が中に入る体制をやめることが先決だ。
保健所は医者の集団ではない。なぜ保健所に命の選別(トリアージ)をさせるのか。
市民の健康と命を守る最も身近な存在は町の開業医だ。しかし、日本では「かかりつけ医」のシステムがしっかり構築できていないから、いざというときに対応できない。
かかりつけ医の対応を強化するためには、
  • 初診からの遠隔診療を解禁
  • 遠隔での緊急投薬処方も解禁
  • 合わせて、薬局の薬宅配システムを充実させる
  • そのためには、まずCOVID-19を感染症2類相当から外す
……ことが必要だ。
また、訪問診療システムの拡充も重要で、これは5月にも書いたことだが、訪問看護師の訴えにあるように、
医師にコロナ特例での免責を行い、対面なしでも在宅酸素、ステロイド、抗菌薬、解熱薬、点滴を処方できるようにする
これは半年経った今も実現していない。

かかりつけ医(開業医)の意識改革も必要だ。
コロナには関わり合いたくないという態度でクリニックの門戸を閉ざすような医師も少なからずいる。
すでにウイルスに感染して寝込んでいるような患者はウイルスを外部に排出する量は少なくなっているというデータがあるのだから、毒ガスマスクに防護服のような重装備で接する必要はない。むしろ無症状の陽性者のほうが「危険」なのだ。発熱外来をすり抜けてくる患者や院内スタッフのほうが危険因子を多く持っている可能性がある。
冷静にそう考えれば、病院内での対応も変えていけるはずだ(そのためには国がまず2類から外すことが先だが)。
入院設備がないからうちでは扱えません、ではなく、開業医が一人でも多くの患者を初期段階で診療することが必須なのだ。
医療のマンパワーが足りないのだから、今のままで入院人数を一気に増やすことは無理だ。下手にそれをやれば、コロナ以外の患者の治療を圧迫してしまう。自宅隔離がやむを得ないほどウイルス陽性者が増えてしまったのなら、自宅隔離状態でも訪問や遠隔診療でしっかり診療・治療できる開業医や訪問看護師の救急システムを作る必要がある、ということは自明の理ではないか。

以上のことを真剣に考え、未治療のまま死ぬ人を減らす具体的な施策を緊急に整え、実行していかないと、自宅死の事例はなくならない。

「武器」が使えない現場の医師たち

治療薬に関しては、この半年で大きく認識が変わった……というよりも、怖ろしい現実を確信するに至った。

これに関しては目下日本でもかなりきつい情報統制が敷かれていて、よほどしつこく追いかけないと事実が見えてこない。
かなり前から、SNSなどではある種のキーワードを含むコメントや投稿が自動削除やアップロード拒否になっている。
既存薬の名称がひっそりと禁止ワードにされているなど、異常事態である。

それでも、大手のメディアに辛うじて出てくる記事として、2つのインタビュー記事を紹介したい。ご自身で読んで、内容の真偽を推理・判断していただきたい。


前述の読売新聞の取材記事で、東京都医師会・尾崎治夫会長はこう述べている。
「政府はイベルメクチンを供給できる体制も構築せずにいるわけで、推進体制にはなっていない。日本版EUAを早く整備して、現場の医師が使用できる体制になれば、田村厚労大臣が国会で答弁したように、現実的に自宅待機、療養の患者さんにも投与できるわけですが、いまの体制では事実上何もできません。よく『国民の安全のため』と言いますが、このような有事の際にも慎重姿勢を崩さないのでは、国民の安全を犠牲にしているとしか理解のしようがありません」
「今こそイベルメクチンを使え」東京都医師会の尾崎治夫会長が語ったその効能 読売新聞 2021/08/19

長尾和宏医師も、この問題については忌憚ない意見を発している。
僕は、自分自身がやってきたことをテレビで喋っただけだが、政府も医師会もすぐに呼応して頂いたので出た甲斐があった。
しかし、失ったものも大きかった。
全く意識していなかったが、思わぬハレーションがあった。
  1. 政府の無策を明らかにしてしまった。(まさに不都合な真実)
  2. イベルメクチンという巨大な地雷を踏んだ
  3. その結果、ワクチンメーカーと製薬メーカーを怒らせた
  4. 感染症専門家と分科会を怒らせた
  5. 2類利権で稼いでいる病院(一部だが)も敵に回した
  6. コロナを診ていない開業医も敵に回した
つまり、市民以外のすべての団体を敵に回してしまったようだ。
この8月、国と医師会を少し動かしたかな Dr.和 の町医者日記 2021/08/30

長尾医師は認知症の対応や在宅看取りなどに力を入れてきた人で、著書も何冊か読んで、信頼できる人だと思っていた。
彼にとってコロナは専門外で、本来ならコミットする分野ではないのに、否応なく巻き込まれている。避けて通れない問題なので、正直に取り組んでいる。その結果、どんどん理不尽な状況に追い込まれて、替え歌を歌って精神を保つしかないようなことになっている。
そういう人間味を隠さずに見せるところ↓も、信用できる人だなと感じる。
●貧しい人から病気が治った? 長尾和宏の創作・お薬寓話。 長尾和宏コロナチャンネル
他の真面目な医師たちが、どんどん精神的に追い詰められて、余裕を失い、精神が荒れてきているように見える中で、ニコ動でカラオケ歌っているこの人の存在は救いだ。どうか倒れないで、消されないでいてくださいね。ご自愛を!!


ともあれ、今は緊急時だから、治療薬を幅広く緊急認定して、ないものは海外製ジェネリックでもいいから早急に確保することだ。
現場の医師がどれだけ頑張っていても、薬という武器がなければ戦えない。
アベノマスクもひどかったが、今の「スガルワクチン」だけという無策では、事態が好転することはない。

「権力依存症」という怖ろしい病気

この日記でも折に触れ書いてきたように、養父と義母の終末期介護が何年か続いて、その間、私はいろいろなタイプの医師と接してきた。
いわゆる「専門医」は、自分の専門のことに特化して診断し、極力私情を挟まない。患者個人の個性や、現在の生活環境、人間関係、生き甲斐……といったものをいちいち考えていたら仕事ができないと割り切っている。外科手術などでは、そういう医師も必要だ。
一方、訪問診療医は、患者個人の生活、人生を観察し、一緒になって悩むから、とても面倒な仕事になる。
専門分野を作って閉じこもることはできない。総合的に診療しないといけないから、常に勉強する必要がある。そうした苦労の割には儲からない。
同じ「医師」でも、違う世界に生きているように見える。

さらには、診察・治療の現場に立たず、もっぱら研究者としての経歴を積み重ねていく医師もいる。
目下、緊急性の高い改革をことごとく阻止している厚労省の医系技官や「専門家」と呼ばれる学者たちには、このタイプが多い。
そうした「専門家」の中には、何かというと「エビデンスが……」などとしたり顔で語り、現場の悲鳴に近い訴えを平気で無視する人たちもいる。医学という「学問」は現場で実際に行われる「医療行為」よりも崇高で、自分たちは町医者などより上に位置していると勘違いしているのではないかと思えるような人も少なからずいる。

その上には、問題の中身を理解さえしていない政治屋がいて、裏にはメガファーマなどの巨大利権構造世界がある。
メディアはその強大な力にコントロールされながら、庶民の思考を操り、興味の矛先を変えさせたり、同調圧力を仕掛けてくる。

アルコール依存症やギャンブル依存症、やめられないDV気質などと同様に、権力の座を手に入れることに快感を覚え、そのためにはなんでもするという「権力依存症」という病に冒された人たちがいる。
そういう人たちが組織の上に巣くっていると、現場で動く人たちがどれだけ頑張っても効果が出ない。
それだけでなく、社会全体に虚無感が広がって、発揮すべき才能やエネルギーが消されたり、危険な方向に暴走したりする。
そんな社会では、誰もが幸せに一生を過ごせない。

このどうしようもない「構造」を変えるために、最低限の行動をする人たちが増えていかないと、この国は本当に取り返しのつかないところまで落ちていく。

もうすぐ次の選挙がある。
そこでも変わる兆しが見られないようなら……、ほんとにもう「貝になる」しかないかなあ。
           




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COVID-19の状況は「二周目」に入っている2020/08/06 14:24

COVID-19を巡る情報や対策は、そろそろ一周して、新しい周回に入ってきたように思う。

そう感じていたところ、かなり腑に落ちる意見論文を読めた。
⇒こちら 「新型コロナの実態予測と今後に向けた提言」(高橋泰、武藤真祐、加藤雅之 社会保険旬報 2020.6.21)

PDFだし、長くて読む気が起きないという人のために、ものすごくザックリとまとめると……

●新型コロナはインフルエンザウイルスに比べて毒性が弱く、体内に入っても感染しない(自然免疫の段階で身体が打ち勝つ)ケースが多い。

●日本ではすでに30~45%の人が体内にSARS-CoV-2を取り込んだことがあると思われる。その後、感染はしなかった(細胞内にまで入り込まれなかった)ので抗体検査もマイナスに出る。

●東アジアの人たちは、何らかの要因で、この「ウイルスを取り込んでも感染しない」あるいは「自然免疫だけで打ち勝ったので無症状や軽い風邪症状くらいで済んで、その後、抗体も作られていない」割合が欧米人よりずっと多い。

●COVID-19で重症化する理由には、主に2つの説がある。

 1)今回のウイルスパンデミック以前にあったS型コロナウイルスの感染による抗体が、「抗体依存性免疫増強(ADE)」効果を引き起こし、ある時点で容態急変を起こす。
 2)SARS-CoV-2そのものの毒性によるものではなく、SARS-CoV-2に感染したプレボテラ細菌がサイトカインストームを引き起こす。

●そういうウイルスであるという前提でのシミュレーションを行うと、現状(欧米のような強力な対策をしなかった日本で極端に死者が少ないこと)が説明できる。

●もしインフルエンザ並みに強力なウイルス(暴露すると100%抗体が陽性反応を起こす)であれば、現時点で日本人のほとんど(1億人以上)はSARS-CoV-2を体内に入れていないということになってしまう。そうであれば、これからウイルス暴露が広がれば、今後500万人以上が重篤化し、300万人以上が死ぬ計算になってしまう。

●現状を見る限り、そうであるとは思えない。

●よって、一律に何かを禁止したりするのではなく、年代によってリスクが著しく違うことを考慮した対策が必要である。

●つまり、0~29歳は、学校の授業やスポーツなどは元に戻す。クラスター発生が確認されたら、インフルエンザ同様に学級閉鎖などの対応をする。

●30~59歳もリスクは低いので、普通に社会活動をして、感染が分かった場合は監察下での自宅療養。クラスター発生時は職場閉鎖などの対応。

●60~69歳は、現役世代であれば自宅勤務、リモートワークなどで、人との接触を減らすことを推奨。

●70歳以上の世代、特に80歳以上の高齢者の場合、新型コロナに暴露した場合の死亡リスクは、若年者の数百倍から数千倍になり、感染リスクが急速に高まる。よって新型コロナが流行しているときは、これまで行われてきた隔離的な環境を推奨する。 また普段から、コロナ感染予防を徹底しながら外出などを行うなどが求められる。

ここから先は、特に今後、政治・行政が取り組まなければならない重要な提言なので、ほぼ原文のまま拾うと……、
●患者動向を的確にモニタリングし、 また遺伝子解析を早急に行い、現在の新型コロナと同様のウイルス株の再来か、毒性や繁殖力が以前より強くなった「発症力」が高いウイルス株が現れたのか、あるいはより「重症化しやすい」ウイルス株なのかを早急に見極め、それぞれに応じた対策を行えるような体制を早急に整備する。

●現在と同程度のウイルスであると分かっている間は、軽度の患者の対処基準を現状より軽くする。例えば、肺炎が認められる、あるいは呼吸困難が見られる場合は病院へ。肺炎や呼吸困難が認められないが発熱や倦怠感などの症状が強い場合は宿泊所等への隔離。PCR陽性で無症状 ・ 軽症は自宅待機とするなど、季節性インフルエンザと同じ診療方針で行なえるように新型コロナの対処の基準を改定する。

●日本の現場で使用されている新型コロナ治療薬の薬効を評価できるデータを集める仕組みを早期に立ち上げることを提言する。 また、日本人が重症化しにくい原因の解明は、他国の研究からは期待できず、BCG説や腸内細菌影響説が正しい場合、欧米人の薬効データは日本では参考にならないので、国内で使われている薬の効果を示すデータを多施設から吸い上げ、薬効を評価できるビッグデータを収集する仕組みを至急作る。 また、種々の検査データを含めて国内研究を推進する。

……ということである。

ザックリまとめたので、細部のニュアンスや意図は多少変わっているかもしれない。正確にはぜひ原文を読んでほしい。

これを読んだ上での個人的、補完的感想としては、

PCR検査論争はそろそろやめにして、それよりも次にやるべきこと(上の提言の後半部分)に早急に着手すべき。
PCR検査というのは、初期段階で徹底してやっておくべきだった。それがあれば今よりずっとまともなデータが得られて、次の手を打つ対策を練る方法にも根拠が増えたからだ。
しかし、今はもう次の周回に入っている。
今から「無症状者にも徹底的に検査を」というような主張はすでに「周回遅れ」の感が否めない。その費用とマンパワーを、通常医療体制の維持と、重症患者早期発見・治療対策にあてるべきだろう。
COVID-19以外の病気や怪我に対する医療レベルが落ちていくことは絶対に避けなければならない。このままでは、今度の冬にインフルエンザで死ぬ人がCOVID-19で死ぬ人よりずっと多いことになるのではないか。
今までなら大事に至らずにすぐに治療や手術を受けられた人たちが、状態を悪化させ、死んでしまうケースも急増するだろう。それこそ本末転倒である。

さらには、メディアがワクチン待望を煽るのもやめてほしい。季節性インフルエンザと違い、新型コロナでの重症化はサイトカインストームが関係している。ある種の免疫が重症化を引き起こす可能性がある限り、このウイルスに安全・効果的なワクチンができるとは思えない。また、ワクチンや治療薬をめぐる製薬会社と各国政府の契約などは、過去に不透明かつ正当性に疑いのあるケースがいくつもあったことにも注意したい。
ワクチンよりも、個々の症状、病態変化をしっかり観察した上で、これならこれが効くはずだ……という、経験とデータに基づいて既存の医薬品や治療法を活用する道を探るほうがずっと効果的、合理的だろう。

で、最後はいつも通りの「叫び」になるが……、いくら正論や有効であろう提案を明示しても、理解力のない政治家や、保身と前例主義、上からの命令に従うだけの官僚などは動かないのだから、国民が「国の体制を変える覚悟」が必要だ。上が腐っている限り、現場でどれだけ優秀な人が頑張っても、効果が現れにくい。
まずは我々一人一人が、しっかり覚悟を決めて、できることをしていくしかない。

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続・なぜ日本ではCOVID-19での死者が少ないのか?2020/03/28 11:26

志村けんが……の衝撃

朝(といっても11時近い)起きて階下に降りていったら、妻の第一声が「志村けんが……」だった。
え!? まだそれほどの歳でもないのに? と一瞬驚いたが、COVID-19感染が確認されて入院とのこと。それはもっとビックリだ。
ネットで調べると本当だった。
「一時は重体だったが今は快方に向かっている」という記事だったが、その後の情報ではECMO(extracorporeal membrane oxygenation「体外式膜型人工肺」)につなぐために転院したというではないか。ECMOは最後の最後の手段だから、本当なら、少しも「快方に向かっている」とは思えない。
さらにその後の報道から、経過をまとめると、
  • 3月16日 フジテレビ系「志村でナイト」の収録で台場の同局に入ったが、体調不良を訴え、控室に入って30分で退出し、帰宅
  • 3月17日 引き続き倦怠感があったため、自宅療養
  • 3月19日 発熱、呼吸困難
  • 3月20日 自宅を訪問した医師の判断で都内の病院に搬送。重度の肺炎と診断され、そのまま入院
  • 3月23日 COVID-19ウイルス検査の陽性反応が判明。夜に一時病状が悪化し危険な状態に
  • 3月24日 保健所による調査が行われ、発症日と濃厚接触者の特定が完了
  • 3月25日 ECMOにつなぐため、港区内から新宿区内の病院に転院
……ということだ。
気になるのは、いつどこでウイルスを取り込んでしまったのかということ。
「天才!志村どうぶつ園」では3月5日、NHKの新朝ドラ「エール」では3月6日、「あいつ今何してる?」では3月10日にスタジオでの収録に出ていたという。
COVID-19の潜伏期間は1~14日(多くは5~6日)というが、感染した場所が仕事場であれ飲み屋であれ、そこに一人でいたということはあまり考えられない。発症していない感染者がすでに複数いることは間違いないのだろう。

他にも、サッカー協会会長(JOC副会長)、プロ野球選手(現時点で3名)……この人たちはみな軽症か無症状だ。プロ野球選手は、「最近料理や飲み物の匂いが感じられない」ということで耳鼻科を訪れたらPCR検査ができたというが、彼らは「有名人」だから検査できたのではないか。普通はそんな訴えだけでCOVID-19の検査まではしないだろう。
この感じだとすでに無症状や軽症の感染者は大変な数存在しているのではないか。

ニューヨークのデータは参考になりそう

1月15日~3月24日(70日間)の日本国内でのPCR検査数(累積)(感染者数ではない)を都道府県別に並べると、
  1. 東京:2013人
  2. 愛知:1895人
  3. 北海道:1794人
  4. 兵庫:1607人
  5. 和歌山:1316人
  6. 京都:930人
  7. 埼玉:898人
  8. 新潟:812人
  9. 大分:743人
  10. 福岡:703人
  11. 広島:656人
……という順番だそうだ。とにかく検査数が少ない。
1日あたりは都道府県別に1桁か2桁しか検査してない。いちばん多い東京都(人口約1400万人)の3月26日の検査総数は101件で、そのうち40人に陽性反応が出た。調べれば4割が感染者という結果(⇒こちらを参照)。
一方、同じ26日にアメリカニューヨーク州(人口約2000万人)では死者が前日から100人増え、385人になった。州内の感染者は前日から6448人増えている。検査数は当然1桁多いだろうから、1日で数万人単位で検査しているはずだ。
しかし、日本では検査しないために普通の肺炎で処理されている死者がかなりいるとしても、COVID-19による死者が異様に少ないのは確かなようだ。
そうなると、ますます日本における死者数の少なさには、何か特異な事情、要因があるのではないかと思ってしまう。

27日現在、世界の感染者数、死者数のデータを見ると、アメリカ国内の感染確認例が8万5996 人となっていて、ついに中国を抜いてしまった。
このうち3万9140人はニューヨーク州だ。
アメリカは州によって人種構成比が相当違うけれど、ニューヨークは「人種の坩堝」と呼ばれているくらいの国際都市だし、サンプル数も多いので、ここでの致死率は世界の平均的な数値に近いかもしれない。
3万9140人が感染して395人が死亡。致死率1%。
これは信用していい数字かもしれない。
ちなみに韓国は9332人感染して139人死亡。致死率1.5%。
ドイツは281/47278で0.6%。
スイスは197/11951で1.6%。
……で、これらの国は致死率が低い。

イギリスは580/11816で4.9%。
フランスは1698/29581で5.7%。
オランダは434/7469で5.8%。 ……で、かなり高い。

悲惨なことになっているのは、
イタリアの10.2%、スペインの8.4%。
イタリアはもはや感染者が確認できないまま死者がどんどん増えている状況らしいので、実際はもっとひどいのだろう。
医療崩壊したからだ、高齢者が多いからだ、と分析されているが、劇症化した人が次々に運び込まれる状況を見ると、やはり「他の地域とは何かが違う」と感じさせられる。

イタリアという国は、北と南ではまるで別の国であるかのように「人」も風俗も豊かさも違うらしい。
北イタリアのほうが生活水準が高く、人間性も神経質で心配性な人が多いという。対して南イタリアは開放的で陽気な人が多いが、街は汚く、盗難も多くて危険地帯。賃金も安くて、非正規雇用のnero(黒い労働)と呼ばれる日雇い労働者が多く、税金も払わない……。
となると、当然、COVID-19に感染して死ぬ確率は南のほうが高いと思うのだが、実際には逆で、感染者も死者も北部に集中している。なぜなのだろう?

アメリカに本社を置くバイオテクノロジー企業「23andMe」の研究では、南イタリア人の多くが、10%程度の遺伝子をMENA(中東/北アフリカ)から受け継いでいるのだそうだ。
もしかするとこうした遺伝子の違いが感染率や致死率の違いになっているのではないだろうか?
ドイツの致死率がイギリス、フランス、オランダなどより明らかに低いことも、遺伝子的な要因によるところが大きいのではないか?

……と、想像してしまうのだ。
何度も言うようだが、だからどうだ、ということではない。単純に、そういう要因がありそうだな、という話だ。
分からないことが多い現状で、断定的なことは何も言えないはずだ。例えば「日本ではPCR検査をしないから医療崩壊が起こっていないのだ。検査数を増やしてはならない」と力説する人がいっぱいいるが、1日万単位で検査しているニューヨーク州での致死率が1%と低いことを考えれば、おかしな説だと思わざるをえない。それよりも「何かの要因で日本は今のところたまたま大災厄から逃れられているだけではないか?」と疑ったほうがいいのではないだろうか。

もう一つの可能性「ウイルス変異説」

HLA型の違い(遺伝子的な要因)の他にも、地域によって広がっているウイルスの型が違うという説もある。
武漢で当初猛威をふるったウイルスはその後だんだん弱毒化していったが、ヨーロッパに広がったウイルスは変異を続けて、ある局面で強毒化したのではないか、というような説。
ウイルスが少しずつ変異していることは確かなようで、複数の研究がそう報告している。
ウイルスがほんの少し変異しただけで、感染しやすい人、感染すると重症化しやすい人が大きく変わるかもしれない。また、一度獲得した免疫があまり効かなくなり、再感染すると一気に重症化しやすい……というようなことも起こりえるかもしれない。
もしそうであるなら、中国で感染が収まったというが、今後は外から入ってきた変異後のウイルスで二度目の感染爆発ということだってありえるだろう。
もちろん、今まで「たまたま」「運よく」なんとなく危機をすり抜けてきた日本も、この先どうなるかまったく分からない。なにしろ未だに正体が摑みきれない、分からないことだらけの難敵なのだから、予測が立てられない。
一つ確実にいえるのは、COVID-19の感染そのものによる死者よりも、COVID-19の流行やパニック現象によって活動制限された社会で、疲弊して死ぬ人が増えるだろうということだ。
介護施設での集団感染の危険性がいわれているが、在宅の認知症高齢者が感染するとさらに悲惨だ。いや、感染しなくても、今まで保てていた生活が続けられず、死期が早まることは十分に考えられる。⇒これは韓国での例だが、日本でも同じことが起きるだろう。

1週間後、2週間後には、日本が、世界が、とんでもないことになっているかもしれない。
心の準備はしておかなければ……。


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気になる不顕性感染者の実数2020/03/14 21:23

これを書いている現在(2020/03/14 16.28)、世界でCOVID-19に感染して死んだ人は5429人だという。
中国湖北省を除くと、イタリアが1266人で断トツに多い。以下、イラン:514人、スペイン:133人、フランス:79人、韓国:72人、米国ワシントン州:37人……と続いている。
死者/確認感染者数を比べると、中国以外では、
  • イタリア:1266人/17660人 (0.072
  • イラン:514人/11364人 (0.045
  • スペイン:133人/5232人 (0.025)
  • フランス:79人/3667人 (0.022)
  • 韓国:72人/8086人 (0.009
  • 米国:47人/2174人 (0.022)
  • 日本:21人/725人 (0.029)
……で、イタリアとイランの死亡率の高さが目立つ。特にイタリアは致死率が高い。
武漢のように医療体制が崩壊したからだというが、それだけではないのでは? という気もする。遺伝子的に重篤化しやすい人が多いのではないだろうか。
韓国が一桁低いのも目を引くが、これは検査数を徹底的に増やしているからという理由の他に、検査している対象に例の新興宗教信者が多く、その大半が40歳未満の女性だから、ということのようだ。
日本は検査数が異常に少ないのでこの数字は鵜呑みにできない。検査されないまま、ただの肺炎とされて死んでいる高齢者が相当数いるはずだ。今のままだと早急に手当てすれば回復する可能性のある患者をどんどん重篤化させてしまうだろう。
さらには、クラスター感染と呼ばれているケース(スポーツジムや屋形船など)を追跡調査した結果を見ていると、日本では若年層を中心に不顕性感染者の数が諸外国より多いのではないかという気もする。もしかすると韓国よりも多いのではないだろうか。
上昌広医師は、日本と韓国で死者数が少ないのを「ウイルスの特性」に要因があるのではないかとツイートしているが、この「特性」というのはやはりHLA型との関係を示唆しているのだろうか。ただ、データがない現状でHLA型との関連に言及することで、ただでさえ多い雑音が増えるのを回避しようとして明言を避けているのだろう。

そこで改めて日本国内でのPCR検査結果(3月13日時点。クルーズ船、チャーター便帰国者除く)を見てみると、
  • 検査総数:11231
  • 陽性者:659
  • ↑そのうちの無症状者:68
となっている。
陽性者のうち1割以上が無症状というのが不気味だ。
ちなみにダイヤモンドプリンセス号だけのデータを見ると、
  • 検査数:3711人(内、日本国籍は1341人で36%)
  • 陽性者:697人(19%)
  • ↑内・無症状者:328人(47%)
で、なんとおよそ半数は「無症状者」なのだ。
この「無症状者」というのは、「(隔離)入院後に有症状となった者は無症状病原体保有者数から除いている」とのことなので、ウイルスが体内に入ってもまったく発病しなかった人という意味になる。
感染しても1割以上の人は自分が感染したことが分からないどころか、なんの症状も出ないから普段通りに行動しているわけだ。
微熱程度の軽い症状のままで動いている人を含めればもっとずっと多いだろうから、今の日本では、自分が感染していることを認識しないまま普段通りに行動している感染者が数多くいると考えられる。
メディアでは指摘するのが半ばタブー視されているようだが、普通に考えれば「感染しても無症状または症状が軽い若年層が、意識せずに高齢者層にウイルスを感染させ、高齢者が発病する」という図式ができあがりつつあるのではないか。
この可能性を提起することで無用な差別発言やパニックが広がるのか、それとも各人が今まで以上に注意を払って高齢者の感染リスクを下げる努力を冷静にかつ紳士的にしていけるのか……後者であることを祈りたい。

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新型コロナウイルスは「バイオ経済テロ」か?2020/02/03 20:12

「陰謀論」というレッテル貼り

世の中のニュースは、大きなものほど真相はよく分からないところがある。
情報はいくらでも作れるし、加工するのはもっと簡単だ。権威のある機関(例えば政府機関とか大新聞社とか○○学会とか)が出している情報だから信頼できるかというと、まったくそんなことはないことを、(公文書改竄、破棄問題などを持ち出すまでもなく)すでに多くの人は理解している。
となると、真偽の分からない様々な情報を集めた上で、最後は自分の知識、経験、そして感覚(勘)などを総動員して、何が真相に近いのかを「推理」するしかない。
真剣に取り組んでも、自分がその事象に対して何かできるわけではないので、一種のゲームだと思って推理する。想像力や合理的判断力を働かせずに「公式発表」を鵜呑みにすることが「常識人」としての分別や品性ではない。
例えば、アポロ11号は本当に月に行ったのか? あれはでっち上げ映像ではないかという話が流れて、映画や本にもなった。この手の話は「陰謀論」とか「トンデモ」などと呼ばれて、ハナから論ずることさえ馬鹿げていると唾棄される傾向がある。
アポロが月に行ったのか、という件に関しては、僕自身は9割方「行った」のだと思っている。ただ、残り1割は「もしかしたら壮大な嘘かもね」と想像してみる「自由」を持ち続けている。陰謀論を打ち消す証拠をさらに検証する作業なども楽しみたい。
一方、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺がオズワルドの単独犯行だったという「公式発表」については、9割方「それは違うだろう」と思っている。数々の物証が、オズワルド単独犯行説に無理があることを示している。
9.11で、ソロモンブラザーズビル(第7ビル)が崩壊したのは事前に綿密な計画のもとに爆薬が仕掛けられていたからだ、という説についても、9.9割方「それはそうだろう」と思う。あの映像を見て、ツインタワー倒壊の衝撃で崩れ落ちたなんていう説を信じろというのはまったく無理な話だ。同様に、9.11でペンタゴンに突っ込んだのは乗っ取られた旅客機ではなく、ミサイル状の飛翔体だったという説も、9割方「そうなんだろう」と思っている。
では、9.11計画を立案して実行したのは何者なのか? アルカイダとかビンラディンが単独でやったとは到底思えない。そこから、そもそもビンラディンは役者だったのではないか……と話が発展していく段階で、さらにいろんな陰謀論が出てくる。そこにちょっとした無理や飛躍が見られると、たちまち「アホか」と唾棄され、排除される。こうした論に「トンデモ」だとレッテル貼りをするために、大きな嘘を仕掛けた側がわざとアホな陰謀論者を野放しにしたり、アホ陰謀論者を創り出して露出させることもありえる。

新型コロナウイルスはバイオテロか?

さて、ここで今、世界中で騒いでいる新型コロナウイルスの話に移る。
このウイルスに関しては、当初から武漢のウイルス研究所から流出したという説があり、それはデマだから相手にするなみたいな話も出ている。
元国連紛争調停官の島田久仁彦氏(現・株式会社KS International Strategies代表取締役社長)は、今回のウイルスの起源について、大まかにだが
  • 1)中国人民解放軍の生物兵器研究開発施設で感染した人からの感染(事故によるヒトーヒト感染)
  • 2)中国以外の「何者か」によるバイオテロ(中国・武漢で人為的にばらまいた)
  • 3)公式?発表通り、野生動物由来のウイルスが突然変異して武漢の海鮮市場経由で広まった
……という3つの可能性を示唆している
マスメディアでは1)と2)の可能性については絶対に触れないようにしているようだが、個人的には1)2)3)の順番で可能性が高いのではないかと思っている。(時間が経つにつれ、1)より2)説のほうがありえるかな? とさえ思う)
2)の場合、主目的は中国を中心とした経済市場に打撃と混乱を与えるというものだったのではないか。言い換えれば新種の経済テロ。これは実際そうなっているわけで、ありえる話だと思う。

人への感染そのものが目的だとすれば、致死率の低いウイルスを使った実験的なもの、あるいは「本番」(?)に向けてのシミュレーションという意味合いが強いのではないか。この場合は経済戦争の道具という意味合い以上に怖ろしい。宗教的狂気をはらんでいるからだ。

バイオテロではなく、事故的なもの、あるいは自然発生的なものであったとしても、今、ウイルスが世界中にどのような速度、規模で広がっているかを必死にデータ収集、解析しているグループが必ずいる。このウイルスの感染率、感染速度で致死率を上げたものをばらまいたときに、世界はどのように変化していくかを予測する人たち。
死者の数(何人殺せるか)だけでなく、そのとき各国はどのように対応するか、人々はどのように動くか(動かされるか)、メディアをどのように使えばどのような効果が現れるか……。そうした実験場になっていることは間違いない。

で、そういう現実世界で、我々庶民はどのように対応すればいいか──これはもう、受動的な対応しかできない。ウイルスがなぜ出現したかについて真相を知ったところで何もできないわけで、現状を把握して、自分はそれに対してどう行動すればいいかを考えるしかない。
今回のことでいえば、新型コロナウイルスと呼ばれているものがどの程度の危険性を持っていて、自分の生活とどのように関係してくるかを極力正確に予測し、リスクを下げることしかできない。
この「リスク」には、感染するリスクだけでなく、過剰反応してストレスをためたり、他者を攻撃したりすることで社会が乱れるというリスクも含まれる。現時点ではそうしたリスクのほうが、自分が感染して死んだりするリスクよりはるかに高いことは間違いない。