ePub形式は日本で定着できるのか? iBOOKの課題2010/08/11 22:23

iPaD(iBOOK)のePub形式は、パブリ形式やキンドルに勝てるのだろうか?

今後、日本での電子書籍流通の鍵を握るのは、iPaDの普及具合だろう。
iPodがメモリオーディオで音楽を聴くという生活スタイルを一気に確立したように、iPaDは「ディスプレイで本を読む」生活を定着させるかもしれない。
問題はファイル形式だ。
iPaD(の標準電子ブックリーダーであるiBOOKというアプリ)が採用しているのはePubというファイル形式だが、これは今までの日本では馴染みのないものだった。
2010年夏現在、ePub形式の電子書籍を読めるソフトは、iBOOKの他には、AdobeのDigitalEditionsと、WEBブラウザFirefoxのプラグインくらいしか見あたらない。
ところが、この2つとも、日本語の電子書籍を表示すると、とても読む気がしないほど汚い。
特にAdobeのDigitalEditionsはお話にならない。


AdobeのDigitalEditionsで開くと、画像と文が切り離され、このざま↓

↑本文と画像がまったくバラバラになって別ページになってしまう。↓


ページによっては、こんな風に画像とテキストが重なり、読めたものではない↓




フォントも汚いし、これでは読む気がしない。
しかも、左に表示された目次が機能しない!!
天下のAdobeが、一体何をやっているのか……。
もちろん、ソースを煮詰めていけば、もっとまともに表示されるのだろうが、この時点で、AdobeのDigitalEditionsを相手にするのは完全に馬鹿らしくなった。こんな不出来なアプリのために、ソフト供給者が苦労を強いられる筋合いはない。

ついでに、Firefoxプラグインで表示したものも見ていただきたい↓

Firefoxの.epubプラグインで表示したところ↑
bgcolor指定されていないのだろう。見づらい


目次も一部でエラーが出る


行間が空かず、画像の中央揃えタグも効いていない
これでは、普通のHTMLを作ったほうがずっとマシだ



さて、iBOOKである。
先にAdobeのDigitalEditionsとFirefoxプラグインの不出来ぶりを経験していたためもあり、iPaDで初めてiBOOKにファイルを表示させたときは、その美しさに感動さえした。
iBOOKだと、同じファイルでもこのように表示される↓

行間が適度に空き、フォントもきれいで読みやすい
画像のレイアウトも表示方法に合わせてうまく処理

画像の大きさと配置、行間の空き、背景色などなど、全部iBOOK側で調整して美しく表示してくれる。
これがあたりまえだろう。そうじゃなければ、「電子ブックリーダー」とは言えない。
ルビの処理などがどうなるのか、これから少しずつ検証しながら、今後はiBOOKできれいに表示されればOKということでやっていこうと思う。
こうなると、中国製のアンドロイドマシン(iPEDとか、iPaDのパチものマシン)で表示させるとどうなのか気になるところだ。
たくき よしみつの「本」 電子配信開始。iBOOKで読もう!

……しかし、iPaDでバンバン日本語の電子書籍を読むには、最初にやり方を知っておく必要がある。その方法については、⇒1つ前のページで

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