私の「現役」カメラ4台 2016年版 ― 2016/05/02 12:10
1000万画素以下のカメラがほしい
デジカメの本を最初に書いたのは岩波アクティブ新書の『デジカメ写真は撮ったまま使うな!―ガバッと撮ってサクッと直す』 だった。アマゾンで確認したら2004年7月発売ってなっているから、もう干支が一回りした昔、中越地震前のことなのだなあ。それから「ガバサク理論」なるものを主張し続けて、「ガバサク談義」(http://gabasaku.com/)なるサイトも作って、たまに記事をUPしているけれど、実際にはカメラ談義の内容もすべて「のぼみ~日記」に含まれている。
というわけで、よく訊かれる「どんなカメラを使っているのか?」に答えます。
ポイントは「お金がないので高いカメラは買えない」「室内撮りや狛犬撮影が多いのでレンズが明るいのが第一条件」「画素数は極力少ないものを選ぶ」……ですかね。
オリンパス XZ-10
1/2.3型 CMOS。3968×2976(約1181万画素)。F1.8-2.7/4.7mm~23.5mm(26~130mm)。30~1/2000秒。221g(カード、電池込み)
1日中この状態で腰にぶら下がっている
最大の長所はF1.8-2.7と、レンズが非常に明るいこと。望遠端(130mm相当)でもF2.7なのだからすごい。
欠点は動作がもっさりしていること(連射速度も驚くほど遅い)とコンパクト機としてはボディが分厚く、見た目が野暮ったいこと。いいカメラなのに売れなかった(多分)のは、商品をパッと見た感じの印象がダサいからだろう。コンパクト機は見た目で売れる商品だろうからね。
こういう真面目なコンパクト機はもうなくなってしまった。製造終了してずいぶん経つが、まだ新品在庫が売られているようだ。オリンパスはこれの後継機種を出すつもりはないらしいので、これが壊れたらかなり困るだろうなあ。
☆紹介記事は⇒こちら
XZ-10で撮影 1/640秒、F3.5 クリックで拡大
オリンパス Stylus1
1/1.7型 CMOS。4000x3000(1200万画素)。F2.8(全域)/6-64mm(28~300mm)。1/2000~60秒。402g(カード、電池込み)
正確な電子ファインダーがついているのもいい。いざとなればマニュアルでピント合わせがしっかりできる。
ただ、基本的には1/1.7型CMOSのコンパクト機だから、背景はぼけないし、画質もAPS-Cサイズのカメラには負ける。
☆紹介記事は⇒こちら
Stylus1で撮影。1/640秒。F3.5 クリックで拡大
ソニー NEX-5R+ソニー50mm/F1.8
APS-Cサイズ CMOS。4912 x 3264(約1610万画素)。F1.8/50mm(75mm)。
バルブ or 30~1/4000秒。276g(本体とカード、電池込み。レンズ含まず)
それでもなるべくコンパクトにいきたい、ということで、レンズ交換式ミラーレスカメラの登場。これがまあ、中途半端な規格のものが多くて、もはや1200万画素クラスのCMOSを使ったAPS-Cサイズカメラは見つからない。仕方なく、その次の1600万画素クラスから選ぶ。
NEX-5Rはファインダーがついていないのが失敗だった。このクラスのカメラになるとやっぱりファインダーは必要だなあ。というわけで、ファインダーのついているNEX-6をお勧め。
これは動画撮影と狛犬写真集用に使っている。レンズはもっぱらSony製の50mm/F1.8。このレンズは安くて助かる。セット販売のズームレンズ F3.5-5.6/16-50mm(24~75mm)だと背景がしっかりぼけてくれないので、今ではしまい込んで忘れている。
動画がいい感じで撮れるし、内蔵マイクの音もそこそこよい。これ以上音質を求める場合は、かなり高価な録音機を別に買う必要がある。
☆紹介記事は⇒こちら
↑NEX-5R+50mm/F1.8で撮った動画
ペンタックス K-r+シグマ18-50mm/F2.8
APS-Cサイズ CMOS。4288×2848(約1221万画素)。F1.8(全域)/18-50mm(28-75mm)。30秒~1/6000秒。約598g(専用電池、SDカード込み、レンズ含まず)
昔撮った狛犬写真を見ていると、これはそこそこきれいに撮れているなと思う写真のほぼすべてがペンタックスK-100Dで撮ったものだった。APS-Cサイズで600万画素CCDの一眼レフ。画像が明るく、発色も階層が深くてきれい。画像ソフトによる後処理でも、1画素あたりの光が多い分、反応がいい(きれいに変化してくれる)。この前はニコンのD70で、この後はソニーのα300を購入したのだが、どちらもK-100Dで撮った写真よりも画質がよろしくなかった。
しかし、K-100Dは設計が古いせいか、最近の大容量SDカードを使うとデータがとんでしまうということが2度あった。1000枚超えたあたりで一気にデータが飛ぶなんて、怖くて使えない。それで半隠居させたのだが、K100Dのためにと購入したペンタックス用のレンズが何本かあるので、もう一度ペンタックスを使ってみようと思い立ち、いろいろ考えた末にこのK-rがいちばんバランスがよさそうだと判断。
画素数が少ない分、NEX-5Rより画質がよい。
ペンタックスはレンズが豊富で、安く手に入るのがありがたい。シグマやタムロンなどのレンズメーカーのAPS-Cサイズ用レンズは、ニコン、キヤノン用と同時にたいていペンタックスのKマウント用も出ている。
欠点は液晶モニターが固定式であること。ペンタックスはバリアングルモニターをつける意志がないらしい。
それと動画はほぼ使いものにならないので、静止画専用になる。
K-rで撮影。1/60秒、F1.8 クリックで拡大
ここに紹介した4機種はすべて製造終了している。同じものを今から買おうとすれば、新品ではStylus1の後継機種Stylus1sしか製造されていない。
XZ-10はぎりぎり新品が売られている。よほど在庫が残っていたのだろう。
NEX-6もK-rもずいぶん前に製造終了で、今はもう新品ではまず入手できないと思う。程度のよい中古を探すしかない。アマゾンで確認してみたら、ほとんどのカメラは中古も含めればまだ入手可能のようだ↑(2016年5月現在)
なぜ中古を探さなくてはいけないのか。それは、CMOS製造の最大手であり技術的にも他社を引き離しているソニーが、今なお高画素数追求路線をやめないからだ。1/2.3型で1600万画素だなんて馬鹿げている。いいことはひとつもない。
カメラ本体の設計がソニーよりうまいメーカーも、撮像素子だけはソニー製にかなわない。だからソニー製CMOSを使う。結果、画素数を抑えたCMOSがこの世に出てこない。
乏しい光量の小さな画素をいくらたくさん集めてもきれいな写真にはならない。映像エンジンなるコンピュータ処理でどれだけごまかして「脚色」しても、不自然な色味のものができあがるだけだ。
ソニーが今の技術で600万画素~800万画素くらいのCMOSを出せば、デジカメの画質は一気によくなり、世界中の人が幸せになれるはず。
それがなぜできないのか、不思議でしょうがない。
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