長尾和宏医師のテレビ出演シーンを見て2021/09/18 15:31

読売テレビ番組より
長尾和宏医師が読売テレビの『そこまで言って委員会NP』に出演した部分をTVerで見た
YTV My Do でも公開されている。9月20日夕方まで無料配信中。⇒こちら

この番組には私も一度ゲストとして呼ばれたことがあるので、あのスタジオの雰囲気はちょっと懐かしい。

もっと聴きたいのにあまりにもあっけなく終わってしまい、残念な気持ちが残るけれど、地上波番組で発信するってのはこういうことなのよね。突っ込んだことを言ってもカットされるし。
でも、今回は長尾氏を好意的に応援したい門田隆将、厚労省や政府を代弁して長尾つぶしにかかる丸田佳奈、裏をある程度知っていながら言葉を濁して逃げる舛添要一(この人は40年前の『朝生』の原発論争のときからズルく生きるという態度は変わらない)……という構図がはっきり分かる編集で、ある意味、ちゃんと見る力のある視聴者には言外の事情も匂わせられたから、いいんじゃないかな。

このテレビ出演について、長尾氏はブログやメルマガで何度か振り返っているけれど、今日配信されてきたメルマガの最後はこう結んでいた。
早期診断、即治療すれば重症化を防げるのがコロナ。もう正体は割れています。
(有料メルマガからだが、1行だけだから、引用を許してほしい)

本は予約時点で完売、現在増刷中とのこと。ギリギリで予約が間に合い、私のところには昨日届いた。


思っていたより分厚くてビックリ(四六判で400ページ)。この人、一体いつ寝ているんだろう。私も文章を書くスピードは速いほうだと思うけど、それを超えている気がする。

2020年1月31日から2021年8月4日までのWEB日記がまとめられている。

驚くのは、ごく初期からCOVID-19に対して極めて冷徹な観察と適確な意見を述べていたこと。
2020年2月19日の日記では、
感染ルート探しも、接触者捜しも、感染者の入院先探しも、今後は、感染症のピークを小さくすることにどれだけ貢献するのか未知だ。それよりも今、優先することは「重症化」しそうな人の早期発見であろう。つまり「コロナ肺炎」を見逃さないことに尽きる。コロナ肺炎のスクリーニング(選別)に協力する医療機関に手を挙げさせて、国内約10万件ある医療機関を明確に二分して公表してほしい。(同書・20ページ)

……とある。
この部分をWEB上の日記の同日分と比較してみた。WEB上の日記原文?では、こうある。
感染ルート探しも、接触者探しも、感染者の入院先探しも、
今後は、感染症のピークを小さくすることには、利さない。
今、重要なことは「重傷者」(ママ)の早期発見である。
つまり「肺炎」を見逃さない、ことに尽きる。
そのスクリーニングに協力する医療機関を手挙げさせて
国内約10万件ある医療機関を明確に2分し公表するべき。

書籍化するにあたって細部を調整していることが分かる。しかし、主張部分は変えていない。2020年2月19日の時点で、彼はとにかく「重症化しそうな人の早期発見と、その人たちへの医療機関による早期治療が最も重要だ」という主張を続けていたのだ。
現場の医師の目がどれだけ正しかったかがはっきり分かる。

この本の「死なせへん」というタイトルとは裏腹に、長尾氏は「人は必ず死ぬ」ということを大前提として、様々な我欲や願望、煩悩、妄想を排除して思考していることがよく分かる。
彼のもとでコロナが直接の原因で死んだ患者は一人もいないのに対して、癌、老衰、誤嚥性肺炎などで死ぬ人を毎日のように見ている。夜中に携帯に連絡が入って、在宅看取りに出向くことも日常的にある。
そうした医療者としての生活を実践し、それが医師の生き方だという職業観を持っている人が綴ってきた日記。
コロナがどうのこうのという話を超えて、生き方、死に方を深く考えさせられる。
コロナは必要なものと不必要なものをあぶり出した。必要なものは、お酒、エンタメ、娯楽。人は「楽しむ」ために生きている、ともいえる。必要な「楽しみ」を奪うのは、日本もそろそろ終わりにしたい。(同書371ページ 2021年7月11日の記述より)


エビデンスが~、自粛が~、ランセットやネイチャーには~、と言って「評論」している「専門家」たちより、毎日ニコ動で貴重な情報を発信し、合間に本音を吐露し、最後はカラオケで歌謡曲を歌っているこの人の生き様を、私は圧倒的に支持したい。


           




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