BS17(難視聴対策用BS)のスクランブルは即刻解除せよ ― 2010/03/07 15:11
BS17(BS291,BS292,BS294,BS295,BS296,BS297,BS298)はスクランブルをかけるな!
↑録画機が自動的に検出した、BS17(難視聴対策用BS)チャンネルの放送番組表
番組録画予約しようとしていて気がついた。録画機が今まで見たことのないチャンネルの番組をピックアップしている。BS294ってなんだ?
調べてみたら、ああ、BS17が放送開始しているのだね。
BS17とは、地デジ難視聴地域のために、首都圏のチャンネル(NHK総合、教育、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレ朝、テレ東の7チャンネル分)の放送をBSデジタルで放送するというもの。
で、このBS17というのは帯域を表す記述で、個別チャンネル番号でいうと、
BS291 NHK-G東京
BS292 NHK-E東京
BS294 日本テレビ
BS295 テレビ朝日
BS296 TBS
BS297 テレビ東京
BS298 フジテレビ
……となる。これがすでに放送開始しているようなのだ。
ただし、わざと画質はハイビジョンではなく、標準画質に落としている。さらにはB-CASによるスクランブル(暗号化処理)をかけて、スクランブルを解除されたB-CASカードを使わないと受信できない。つまり、「難視聴地域住民」と認定されたテレビ以外では受信できないようにしている。
↑このように、スクランブルがかかっていて見られない
PSE法騒動のときも、頭おかしいんじゃないのかと思ったものだが、相変わらず彼らの頭はおかしいままだ。
「難視聴対策」の放送にスクランブルをかけてどうするのか!
さらに許し難いのは、このスクランブルは、放送エリアによって解除できるチャンネル数(見られるチャンネル)を変えているということだ。
例えば、ここ福島県をはじめ、全国の多くの県ではテレビ東京系を見られなくしている。
テレ東の分を受信できないようにB-CASカードのスクランブル解除に制限を加えているのだ。
都道府県別ネットワーク一覧↑(クリックで拡大)
上の図は都道府県別でネットワークしているテレビ局一覧だが、このネット状況と同じように、BS17で視聴できるチャンネルが限定される。
例えば、山梨県民は日テレとTBSは見てもいいが、フジ、テレ朝、テレ東は受信してはいけないというのである。
秋田、福井、徳島、佐賀県ではTBSを見てはいけないので、世界陸上は見られない。
こんな差別政策を許していいはずがない。
地方局の利権保護が目的だが、よく考えてほしい。テレビ山梨=TBS(東京放送)ではないし、山梨放送=日テレではない。系列局であるというだけのことで、番組編成も違えば、流れているCMも違う。
それなのに、BS17でスクランブル解除を申請した山梨県民は日テレとTBSを見てもいいが、フジテレビは見てはいけないというのである。どんな理屈も通るはずがない。
そもそも、BSデジタルやCSデジタル、インターネットを使えば、地デジなど使わなくても、全国津々浦々、どこにいても鮮明なデジタル放送が受信できる。それをやると地上波の電波が遠くまで届かないことで地域利権を形成してきたテレビ放送業界を再編成しなければならなくなるため、総務省はひた隠しにしたい、国民にそのことを気づかせたくないから、地デジなどという無駄なことを推し進めている。
PSE法(中古家電を売ってはいけないという悪法)は、国民の一部が異を唱えたために改正された。BS17のスクランブル解除も、多くの国民が声を上げればいいのだが、いかんせん、都会に住む人たちにはほとんど関係ない。地方に住む人、過疎地や山間部の電波弱者という、少数派の権利が蹂躙されている問題なので、結局は政府や業界のいいようにされてしまう。
しかし、「自分には関係がないから……」と思っている都会の人たちにも言いたい。この国は平気で国民を差別する法律を施行しているのである。憲法の下の平等などない。
BSやCSという、すべての国民が平等に享受できる権利を区分けして、地域によって格差をつける。使えるインフラをわざわざ制限して、一部の企業利益を優先させる。
そういう国なのである。
例えば、山梨県民は日テレとTBSは見てもいいが、フジ、テレ朝、テレ東は受信してはいけないというのである。
秋田、福井、徳島、佐賀県ではTBSを見てはいけないので、世界陸上は見られない。
こんな差別政策を許していいはずがない。
地方局の利権保護が目的だが、よく考えてほしい。テレビ山梨=TBS(東京放送)ではないし、山梨放送=日テレではない。系列局であるというだけのことで、番組編成も違えば、流れているCMも違う。
それなのに、BS17でスクランブル解除を申請した山梨県民は日テレとTBSを見てもいいが、フジテレビは見てはいけないというのである。どんな理屈も通るはずがない。
そもそも、BSデジタルやCSデジタル、インターネットを使えば、地デジなど使わなくても、全国津々浦々、どこにいても鮮明なデジタル放送が受信できる。それをやると地上波の電波が遠くまで届かないことで地域利権を形成してきたテレビ放送業界を再編成しなければならなくなるため、総務省はひた隠しにしたい、国民にそのことを気づかせたくないから、地デジなどという無駄なことを推し進めている。
PSE法(中古家電を売ってはいけないという悪法)は、国民の一部が異を唱えたために改正された。BS17のスクランブル解除も、多くの国民が声を上げればいいのだが、いかんせん、都会に住む人たちにはほとんど関係ない。地方に住む人、過疎地や山間部の電波弱者という、少数派の権利が蹂躙されている問題なので、結局は政府や業界のいいようにされてしまう。
しかし、「自分には関係がないから……」と思っている都会の人たちにも言いたい。この国は平気で国民を差別する法律を施行しているのである。憲法の下の平等などない。
BSやCSという、すべての国民が平等に享受できる権利を区分けして、地域によって格差をつける。使えるインフラをわざわざ制限して、一部の企業利益を優先させる。
そういう国なのである。
↑録画機が自動的に検出した、BS17(難視聴対策用BS)チャンネルの放送番組表
スクランブルをかけていなければ、全国でこのチャンネル(首都圏で放送している無料地上波放送)は見られるのである。
「なんだ。最初からこうすればいいだけのことじゃないか」と気づかれてはまずいので、必死に隠している。BS17というものがある、ということを知っている国民がどれだけいるだろうか。スクランブルを解除するだけで、全国民が首都圏で無料放送している地上波テレビ放送を、今すぐに、どこにいても見ることができるのに、わざわざスクランブルをかけて見られないようにしている。
「なんだ。最初からこうすればいいだけのことじゃないか」と気づかれてはまずいので、必死に隠している。BS17というものがある、ということを知っている国民がどれだけいるだろうか。スクランブルを解除するだけで、全国民が首都圏で無料放送している地上波テレビ放送を、今すぐに、どこにいても見ることができるのに、わざわざスクランブルをかけて見られないようにしている。
↑ スクランブルがかかっていなければ、この番組が画面に映るのである。国民はもっと怒ってよい
総務省のサイトには、「地デジ難視対策衛星放送対象リスト(ホワイトリスト)」なるものがある。このリストに含まれている地域の住民はBS17を見ることを許可するので、申請して、BS17のスクランブルを解除する手続きをしなさい、というものである。
福島県のリストを見ると真っ白だった。
問い合わせ先の電話番号にかけてみると、お姉さんが出て「現時点では都内のホワイトリストができたばかりで、福島県はじめ、他の道府県のリストはこれから順次発表されていきますのでお待ちください」という。
なぜそんな馬鹿げたことをやっているのか。
BS17は標準画質に落とした放送だから、地デジを見られる人はBS17など見ずに、地デジを見るに決まっている。地デジを見られない人のための「地デジ難視対策衛星放送」なのだから、暗号化などせず、誰もがどこでも受信できるようにすればいいだけのことだ。
「見てはいけない」という根拠はなんなのか。
同じ日本国民でありながら、見ていい人といけない人を作りだす根拠はなんなのか。
同じ県民でも、地デジの電波が入らない場所では首都圏の地上波を見てもよくて、すぐそばの電波が入る家では見てはいけないというのだ。しかも、県別に、見てもいい放送局といけない放送局を決めて、厳密にスクランブルをかける。
福井県民は日テレを見てもいいが、TBSを見てはいけない。沖縄県民はTBSを見るのはいいが日テレは見てはいけない。……そういうことを国が決めて押しつけるのである。
私「こんな馬鹿な話はないですよね?」
係のおねえさん「そうですよねえ。私もそう思います。誰でも見られるようにすればいいと思うんですけれどもねえ。もう決まってしまったことで、今から変わることはないんだそうです」
問い合わせ先のおねえさんでさえ「変ですよねえ」と認めているわけで、なんだか気の毒になってきた。
理不尽な仕事に従事しているなあ。これから先、たくさんの人からお叱りを受けるんだろうなあ。
福島県のリストを見ると真っ白だった。
問い合わせ先の電話番号にかけてみると、お姉さんが出て「現時点では都内のホワイトリストができたばかりで、福島県はじめ、他の道府県のリストはこれから順次発表されていきますのでお待ちください」という。
なぜそんな馬鹿げたことをやっているのか。
BS17は標準画質に落とした放送だから、地デジを見られる人はBS17など見ずに、地デジを見るに決まっている。地デジを見られない人のための「地デジ難視対策衛星放送」なのだから、暗号化などせず、誰もがどこでも受信できるようにすればいいだけのことだ。
「見てはいけない」という根拠はなんなのか。
同じ日本国民でありながら、見ていい人といけない人を作りだす根拠はなんなのか。
同じ県民でも、地デジの電波が入らない場所では首都圏の地上波を見てもよくて、すぐそばの電波が入る家では見てはいけないというのだ。しかも、県別に、見てもいい放送局といけない放送局を決めて、厳密にスクランブルをかける。
福井県民は日テレを見てもいいが、TBSを見てはいけない。沖縄県民はTBSを見るのはいいが日テレは見てはいけない。……そういうことを国が決めて押しつけるのである。
私「こんな馬鹿な話はないですよね?」
係のおねえさん「そうですよねえ。私もそう思います。誰でも見られるようにすればいいと思うんですけれどもねえ。もう決まってしまったことで、今から変わることはないんだそうです」
問い合わせ先のおねえさんでさえ「変ですよねえ」と認めているわけで、なんだか気の毒になってきた。
理不尽な仕事に従事しているなあ。これから先、たくさんの人からお叱りを受けるんだろうなあ。
↑2009年7月22日付 福島民友
この問題については以前から機会があるたびに訴えてきた。YomiuriPCの巻頭ニュース記事で書いたものが読売新聞にも掲載されたし、昨年夏には共同通信社から依頼を受けて、BS17の許されざる格差政策問題点について書いたコラムが全国の新聞社に配信された。
しかし、これを原文のまま掲載したのは福島民友ただ一社だった。その他数十社の地方紙はことごとく無視を決め込んだ。地方局との関係から、掲載にはある程度の勇気がいるだろうとは予測してはいたものの、ここまで腰が引けているとは、がっかりさせられた。
以下、そのときの原稿を丸ごと再掲してみる。
テレビをつければ毎日「エコ」の大合唱である。ところが、そのテレビの画面右上には「アナログ」の文字が出て、早く買い替えろと促す。
アナログテレビは、今なお1億台以上あるという。この「普通に使えている」テレビが、2011年7月24日を境に、そのままでは映らなくなるという国策が進められている。
巨額の税金を投入して国民の財産を奪い、大量の粗大ゴミを生じさせる「国策」が許されるのか。それに見合うメリットがあるのか。そうした当然の疑問に対する納得のいく答えが示されないまま、ここまできてしまっている。
さて、今回は、別の視点の問題を提起したい。
地デジとは「地上波デジタル放送」のことだが、実は、テレビの総デジタル化を強行する総務省自身が、地上波だけでデジタル放送を行き渡らせることはあきらめている。
地上波(UHF波)が届かない空白地域は、ケーブルテレビ、高速通信回線、衛星放送を使って埋めていくという。
衛星放送については、BS17チャンネルを使い、首都圏で放送されているNHK(総合・教育)と民放5局の放送を同時送出することがすでに決まっている。
しかし、BS17チャンネルは、現在のBSチューナーやデジタルテレビ(BS1から15までの奇数番号チャンネルに対応)で受信できるのか分からない。しかも、この放送は暗号化され、暗号を解除して受信を許される世帯は、あらかじめ地上波デジタル放送が受信できないと認定された地域だけだという。
さらには、受信地域に系列局を開局していない放送局の番組は受信させない方針らしい。例えば、北海道は首都圏と同じ5系列をネットしているので全局受信が許されるが、山梨県はJNN(TBS系)とNNN(日テレ系)の2系列しかネットしていないので、今のままでは他の3局(フジ、テレ朝、テレ東系)は「見てはいけない」というのだ。
こんな差別が許されていいはずはない。明らかな憲法違反である。
使えるかどうか分からないBSチャンネルで言い訳のような「難視聴対策」をし、そこにまで情報格差を押しつける差別をする。電波行政を担う者たちの感覚がここまでおかしくなっていることに慄然とする。
既存のBSデジタル放送を使ってキー局が地上波同様の内容を放送すれば、日本全国、どこにいても同じ情報を得られ、テレビの情報格差は解消する。それをせず、デジタル衛星放送を通販番組で埋め尽くしているのは、地方局の電波利権保護が主たる理由だ。
しかし、地方局も、従来のように電波による地域住民囲い込みに固執しているだけでは生き残れない。地方局連合を組織し、自局の制作番組をCSやBSで全国送出するといった前向きな戦略に転じるべきだろう。
利権保護第一の電波行政をやめ、BSデジタルでのキー局番組再送出、インターネットを利用したIPテレビ放送の完全開放をするだけで、地デジはそもそも不要だった。地方局にはアナログ放送を一部残して、より濃密な「地域型放送」の道を探らせることもできたのではないか。
今からでも遅くはない。これ以上の地デジの設備拡張は中止し、BS、CSの有効利用とIPテレビ放送の完全開放により、視聴者が自分のニーズに合わせて、多くのコンテンツを自由に享受できるようにすべきである。
……この原稿が配信されて8か月経った今でも、ほとんどの国民はBS17問題を知らない。なるべく知られないように、ひっそりと放送開始され、さらにひっそり、こっそりと、B-CASカードによるスクランブル解除受付を始めているのである。
毎日見ているテレビの裏側には、こんなふうに暗黒の世界が潜んでいることを、少しでも多くの国民に知ってほしい。
しかし、これを原文のまま掲載したのは福島民友ただ一社だった。その他数十社の地方紙はことごとく無視を決め込んだ。地方局との関係から、掲載にはある程度の勇気がいるだろうとは予測してはいたものの、ここまで腰が引けているとは、がっかりさせられた。
以下、そのときの原稿を丸ごと再掲してみる。
テレビをつければ毎日「エコ」の大合唱である。ところが、そのテレビの画面右上には「アナログ」の文字が出て、早く買い替えろと促す。
アナログテレビは、今なお1億台以上あるという。この「普通に使えている」テレビが、2011年7月24日を境に、そのままでは映らなくなるという国策が進められている。
巨額の税金を投入して国民の財産を奪い、大量の粗大ゴミを生じさせる「国策」が許されるのか。それに見合うメリットがあるのか。そうした当然の疑問に対する納得のいく答えが示されないまま、ここまできてしまっている。
さて、今回は、別の視点の問題を提起したい。
地デジとは「地上波デジタル放送」のことだが、実は、テレビの総デジタル化を強行する総務省自身が、地上波だけでデジタル放送を行き渡らせることはあきらめている。
地上波(UHF波)が届かない空白地域は、ケーブルテレビ、高速通信回線、衛星放送を使って埋めていくという。
衛星放送については、BS17チャンネルを使い、首都圏で放送されているNHK(総合・教育)と民放5局の放送を同時送出することがすでに決まっている。
しかし、BS17チャンネルは、現在のBSチューナーやデジタルテレビ(BS1から15までの奇数番号チャンネルに対応)で受信できるのか分からない。しかも、この放送は暗号化され、暗号を解除して受信を許される世帯は、あらかじめ地上波デジタル放送が受信できないと認定された地域だけだという。
さらには、受信地域に系列局を開局していない放送局の番組は受信させない方針らしい。例えば、北海道は首都圏と同じ5系列をネットしているので全局受信が許されるが、山梨県はJNN(TBS系)とNNN(日テレ系)の2系列しかネットしていないので、今のままでは他の3局(フジ、テレ朝、テレ東系)は「見てはいけない」というのだ。
こんな差別が許されていいはずはない。明らかな憲法違反である。
使えるかどうか分からないBSチャンネルで言い訳のような「難視聴対策」をし、そこにまで情報格差を押しつける差別をする。電波行政を担う者たちの感覚がここまでおかしくなっていることに慄然とする。
既存のBSデジタル放送を使ってキー局が地上波同様の内容を放送すれば、日本全国、どこにいても同じ情報を得られ、テレビの情報格差は解消する。それをせず、デジタル衛星放送を通販番組で埋め尽くしているのは、地方局の電波利権保護が主たる理由だ。
しかし、地方局も、従来のように電波による地域住民囲い込みに固執しているだけでは生き残れない。地方局連合を組織し、自局の制作番組をCSやBSで全国送出するといった前向きな戦略に転じるべきだろう。
利権保護第一の電波行政をやめ、BSデジタルでのキー局番組再送出、インターネットを利用したIPテレビ放送の完全開放をするだけで、地デジはそもそも不要だった。地方局にはアナログ放送を一部残して、より濃密な「地域型放送」の道を探らせることもできたのではないか。
今からでも遅くはない。これ以上の地デジの設備拡張は中止し、BS、CSの有効利用とIPテレビ放送の完全開放により、視聴者が自分のニーズに合わせて、多くのコンテンツを自由に享受できるようにすべきである。
……この原稿が配信されて8か月経った今でも、ほとんどの国民はBS17問題を知らない。なるべく知られないように、ひっそりと放送開始され、さらにひっそり、こっそりと、B-CASカードによるスクランブル解除受付を始めているのである。
毎日見ているテレビの裏側には、こんなふうに暗黒の世界が潜んでいることを、少しでも多くの国民に知ってほしい。
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