コロナとワクチンに翻弄された2年を振り返る(2)2022/04/19 21:38

適切な提言が無視し続けられた2020年後半

イシ: だんだんしんどくなってきたけれど、せっかくだからもう少し復習しておきますね。

 2020年も夏くらいになると、かなりいろいろなことが分かってきました。
 国際医療福祉大学の高橋泰教授らがまとめた「新型コロナの実態予測と今後に向けた提言」という論文などは、かなりしっかりまとめられていたという印象があります。
 その内容は、
  • 新型コロナはインフルエンザウイルスに比べて毒性が弱く、体内に入っても感染しない(自然免疫の段階で身体が打ち勝つ)ケースが多い。
  • 日本ではすでに30~45%の人が体内にSARS-CoV-2を取り込んだことがあると思われる。その後、感染はしなかった(細胞内にまで入り込まれなかった)場合は抗体検査もマイナスに出る。
  • 東アジアの人たちは、何らかの要因で、この「ウイルスを取り込んでも感染しない」あるいは「自然免疫だけで打ち勝ったので無症状や軽い風邪症状くらいで済んで、その後、抗体も作られていない」割合が欧米人よりずっと多いのではないか。
  • COVID-19で重症化する理由の1つは、今回のウイルスパンデミック以前にあったS型コロナウイルスの感染による抗体が、「抗体依存性免疫増強(ADE)」効果を引き起こし、ある時点で容態急変を起こすというもの。
  • そういうウイルスであるという前提でのシミュレーションを行うと、欧米のような強力な対策をしなかった日本で極端に死者が少ないことが説明できる。
  • もしインフルエンザ並みに強力なウイルス(暴露すると100%抗体が陽性反応を起こす)であれば、現時点で日本人のほとんど(1億人以上)はSARS-CoV-2を体内に入れていないということになってしまう。もし、そうならば、これからウイルス暴露が広がれば、今後500万人以上が重篤化し、300万人以上が死ぬ計算になってしまうが、現状を見る限り、そうであるとは思えない。
  • よって、一律に何かを禁止したりするのではなく、年代によってリスクが著しく違うことを考慮した対策が必要である。
  • 患者動向を的確にモニタリングし、また遺伝子解析を早急に行い、現在の新型コロナと同様のウイルス株の再来か、毒性や繁殖力が以前より強くなった「発症力」が高いウイルス株が現れたのか、あるいはより「重症化しやすい」ウイルス株なのかを早急に見極め、それぞれに応じた対策を行えるような体制を早急に整備することが重要。
  • 現在と同程度のウイルスであると分かっている間は、軽度の患者の対処基準を現状より軽くするべき
  • 日本の現場で使用されている新型コロナ治療薬の薬効を評価できるデータを集める仕組みを早期に立ち上げるべき。また、日本人が重症化しにくい原因の解明は、他国の研究からは期待できないし、欧米人の薬効データは日本では参考にならないので、国内で使われている薬の効果を示すデータを多施設から吸い上げ、薬効を評価できるビッグデータを収集する仕組みを至急作るべき。

 ……といったもので、今読んでも極めて適切な提言でした。(原文は⇒こちら

吾狼: ぼくもそれは読みました。2020年7月の時点ですでにあれだけ正確な予測や適切な提言をしている人たちがいたのに、政府はまったく参考にしませんでしたね。

幽大: この国ではいつもそうだな。優秀で誠実な学者や現場で奮闘する者たちがいるのに、政治がそれを生かせないどころか、邪魔をする。

イシ: この時点ではまだワクチンは登場していなかったけれど、ワクチン待望論が世界中で盛りあがってて、私はすでに違和感を感じてました。急いで作るといったって、1年、2年でできるもんじゃないのに、と。

吾狼: 世界中がパニックになっていて、各国の政府が製薬会社と不透明な密約みたいなのを結び始めているのが見えてきてました。
 だけど、あの時点ですでに、コロナによる重症化というのは、季節性インフルエンザと違って、サイトカインストームが関係していることがはっきりしてました。つまり、ある種の免疫がかえって重症化を引き起こす可能性を示しているわけで、そういう性質のウイルスに安全・効果的なワクチンができるのかと、ぼくは当初から疑問でした。

イシ: PCR論争も、「無症状者にも徹底的に検査を」というような主張は思考硬直だと、さすがに私も気づき始めましたよ。その費用とマンパワーを、通常医療体制の維持と、重症患者早期発見・治療対策にあてるべきだ、と。
 今までなら大事に至らずにすぐに治療や手術を受けられた人たちが、状態を悪化させ、死んでしまうケースが増えてきて、それこそ本末転倒。コロナの犠牲者じゃなくて、コロナ騒ぎの犠牲者が増えていったんだよね。

吾狼: メディアはワクチン待望論を煽り立てるけど、安全性が分からないようなワクチンより、臨床によるデータに基づいて既存の医薬品や治療法を活用する道を探るほうがずっと効果的、合理的じゃないのか、と。普通はそう考えると思うんですけどね。

イシ: そうそう。未知のウイルスだというなら、なぜそんなウイルスに対するワクチンが作れるのかという根本的な疑問がわくよね。病態の仕組みがよく解明されてないのにワクチン? 作れるとしたって、承認されて使えるようになるには最低でも10年はかかるはずだと。

 で、そんなこんなの中で東京五輪は延期になって、翌年にやるのかどうかという論争が続いて、そこからの1年は本当に不毛の1年だった気がするね。やれたことがいっぱいあるのに、何もしないどころか、事態を悪化させるようなことばかりやってた。GoToキャンペーンとか。

吾狼: コロナに関する様々な情報が出てきて、正体がかなり分かってきたのに、政府の対応は初期と同じで、緊急事態宣言だのマンボウだのを出す出さない、飲み屋や娯楽施設は営業自粛しろ、マスクしろ、酒は出すな、ワクチンはまだか……そんなのばっかりでした。もったいない時間が流れましたよね。

幽大: もったいない、というよりは、大切なものがどんどん失われ、世の中が崩壊していった時間だな。取り戻すのにどれだけかかることか。いや、もう取り戻せんかもしれんな。

2020年の死者数はコロナ以前より少なかった

イシ: 興味深かったのは、コロナコロナで大騒ぎした2020年の国内死亡者数が、前年より少なかったことだね。2020年の総死亡数は137万2648 人で、2019年の138万1093人より8445人減少してる。人口1000人あたりの死亡率も11.2から11.1に減少。

吾狼: ところが2021年は一転して増えたんですよね。2021年の国内総死亡者数は戦後最多で145万2289人。前年より一気に6万7745人(4・9%)増えました。デルタ株の流行が影響したとか、高齢化が背景にあるなどと説明していましたが、本当にそうでしょうかね。

幽大: 高齢化が背景にあるなら、なぜ前年の2020年は死者が11年ぶりに減ったのかということだわな。2020年だけ急にジジババが若返ったんかと。まったく説明になっておらん。

吾狼: 新型コロナによる死者が増えたほかに、老衰や誤嚥(ごえん)性肺炎が増えたというんですが、それもなんだか妙ですよね。だって、死んだときにPCR検査して、陽性だった人はほとんどが「コロナで死んだ」とされていたんですから、死因が老衰や誤嚥性肺炎とされた人は、PCR陰性だったわけでしょ。
 それで、2020年と2021年で何が違ったかというと、2021年から新コロワクチンの接種が始まったことですよね。最初は医療従事者で、2月17日からでした。次が高齢者の番で、全国の高齢者施設ではほとんど全員が、それこそ100歳を超えている人にもバンバン打っていたでしょ。
↑高齢者はほぼ全員がワクチン接種済み
グラフはNHK特設サイトより


 メディアにはほとんど出てきませんでしたが、それまで元気だったお年寄りがワクチンを打った途端に具合が悪くなって、あっという間に亡くなってしまったという話をずいぶん聞きました。施設側でもそれはほとんどタブー視されて、箝口令が敷かれていたような感じですね。

イシ: 2021年はワクチン禍の年だったと思うね。メディアは連日、新規感染者数だのクラスター発生だのという報道ばかりで、今もまだそれをやめないわけだけど、その裏では確実にワクチン禍が広まっていたんだよね。
 ワクチン禍は世界的な人的災害だったけれど、メディアは徹底的に隠した。各国の政府はワクチンの危険性に気づいていながら、逆にワクチンパスポートのような政策を打ち出して、専制国家のような人権侵害を強行した。理性の国のように思われていたドイツや、自由を愛するフランス、情熱の国イタリアで、ワクチンを打たないとレストランにも入れない、電車やバスにも乗れないという、信じられない状況が出現した。
 当然、それに反発するデモやカナダのフリーコンボイのようなストライキも起きたけれど、日本ではほとんど報道されなかったね。報道規制がどんどん進んでいって……。

幽大: 欧米人はやることが極端なんだな。あの狂気よりは、日本の無責任ポンコツ政府のほうがまだマシだと思ったもんだ。

声を上げる医師・研究者たち それを抹殺するメディア

イシ: 世界中の医師や学者らから「このワクチンはダメだ」という声が上がり始めて、それこそ危険性を示す「エビデンス」も次から次へと示されたね。

吾狼: どう考えても10年以上かかるはずのワクチンが1年もかからずに登場したというだけで怪しいのに、そういう得体の知れないものがすごい勢いで全世界に配られて、政府主導で打ちまくられたんですからね。「おいおい嘘だろ」と、まともな学者や医者なら絶対に疑いますよね。
 日本国内でも多くの医師や研究者が声を上げ始めました。
「メディアが恐怖を異常に煽っている。一年以内のワクチン開発などありえない。新型コロナウイルスは人工的に作られたのではないかと思われるフシがいっぱいある」(ノーベル賞・大村智博士)

「日々繰り返される報道の偏りと嘘。未だに陽性者数を報道する時に検査件数は報道しない。
『陽性』と『感染』と『発症』は違うと医学部で教わったが、指摘する人はいない。あまりに質の悪い報道が多い。
本来ワクチンは治験含めて開発に10年以上かかるのに、たった半年でできたと言っている。何年も前から準備していたか、安全性が確認できていないものを垂れ流すかどちらかしかないだろう。安全性が確立されていないものを患者さんに打つわけにはいかない。私自身も打たないと決めている」(正木稔子医師)

「人類がかつて接種されたことのないDNA・RNAワクチンだけに、免疫系の暴走や遺伝子異常など何が起きるか分かりません。
打つな! 新コロナワクチン」(ウィスコンシン医科大学名誉教授 高橋徳医師)

「風邪のワクチンは変異するから作れないとわかっている。詐欺にしか見えない。副反応以前の問題」(萬田緑平医師)

「私たちが一番恐れているのは、ワクチンを打った人が逆にコロナに対して脆弱になることです。僕の考えていることが外れて、杞憂で終わって欲しいと思います」(京都大学ウイルス・再生医科学研究所附属感染症モデル研究センター 宮沢孝幸博士)

「一部のテレビ・ラジオなどでは、ワクチン推進派の人々が、まるで戦場で兵士に攻撃命令を下しているかのように、打て打てと連呼してワクチン接種へと大衆を導こうとしています。そして、少数意見のワクチン接種慎重派の意見は押しつぶされようとしています。これは、危険な現象です。(略)
我々日本人は、第二次世界大戦に突入した頃、国民を戦争へと煽り立て、虚偽の戦果を報道し続け、その結果310万人もの国民を死に追いやったことを忘れてはいけません。その報道の罪と罰を二度と繰り返してはならないのです」 (「コロナワクチン打ちますか? 医者の私が接種しない理由」より 志賀貢博士)

イシ: ワクチンや免疫の専門家の間では、およそワクチンというものはADE(抗体依存性増強)の危険と隣り合わせのものである、というのは常識になっているそうだね。ところが、m-RNAワクチンやDNAワクチンでは、そのへんのことがまだ何も分かっていないのに、国は特例承認してしまった。
 これらのワクチンを特例承認した際の「特例承認に係る報告書」「審議結果報告書」というのがWEB上に公開されていて、誰でも読めるんだけど、なんかもう、目眩がするようなものだよ。
7.R.3.4 本剤接種による疾患増強リスクについて

申請者は、本剤接種による疾患増強リスクについて、以下のとおり説明している。
SARS-CoV-2 ワクチン接種による疾患増強リスクの有無は現時点で不明であるが、SARS-CoV-2 に類似する SARS-CoV では動物試験においてワクチン接種による疾患増強リスクが報告されており、Th2 型細胞優位の免疫応答が関連することが示唆されている(PLoS ONE 2012; 7: e35421)。 (~~~略~~~)
以上より、ワクチン関連呼吸器疾患増強を含むワクチン関連疾患増強を重要な潜在的リスクに設定し、国内外の製造販売後臨床試験及び製造販売後の調査において、引き続き情報収集する。
機構は、申請者の説明を了承した。本剤のヒトでの疾患増強リスクについては、製造販売後において、海外の情報を含めて引き続き情報収集し、新たな知見が得られた場合には速やかに情報提供を行うことが適切と考える

審議結果報告書 令和3年5月20日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
[販 売 名] COVID-19ワクチンモデルナ筋注
[一 般 名] コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)
[申 請 者 名] 武田薬品工業株式会社
[申請年月日] 令和3年3月5日
より抜粋)

イシ: 長い長い説明の最初と最後だけ読めば「ワクチン接種による疾患増強リスクの有無は現時点で不明」だけれど、申請者の説明を了承し、「製造販売後に」引き続き情報収集していく、と言っているわけだよね。簡単にいえば「分からないけど見切り発車します」ということ。これ、すごくない? そんな無責任なことってあるかね?



ファイザー社が当初は70年隠しておくつもりだった文書が開示命令によって出てきた。そこには1200を超える有害事象が記されていた


↑APPENDIX 1. LIST OF ADVERSE EVENTS OF SPECIAL INTEREST
ファイザー社が開示命令を受けて渋々出してきた「予測されうる有害事象」のリスト。こういう「有害事象」がズラ~~~っと千数百項目並んでいる


私は今は戦時中のようなものだと思っています。テレビ、新聞を中心としたメインストリームメディアも情報戦の主戦場となり得ます。実際、大手マスメディアでは報道管制が敷かれており、非常に偏った情報のみが発信されています。「テレビが言ってるので正しい」とする事に根拠はあるのでしょうか。メインストリームメディアでコロナワクチンを推進する専門家、権威は製薬会社から金銭を受け取っていない場合、それを明言すべきでしょう。コロナワクチンに直接関係する金銭でなくとも、既に長い間の癒着関係があれば、製薬会社の意向に逆らうのは簡単ではないでしょう。
(略)
健康だった人がコロナワクチン接種により亡くなる事態が起きています。それでも因果関係は不明と処理されるケースがほとんどです。新しい戦争には本物の銃弾や爆弾が使われるとは限りません。この戦争ではワクチンが「銃弾」ではなかったのか。それを放ったのはワクチンを接種した医療従事者か、ワクチンを推進するメインストリームメディアやそこに登場する権威か、厚生労働省のような公的機関か、あるいは政府そのものか。コロナワクチンの後遺症や死亡者が増えるにつれ、国民の目はますます厳しく向けられるでしょう。
荒川央 コロナワクチンと治療法 - 生データが必要だ、今すぐ: BMJに掲載された記事から 2022/02/16 より)

危ないと感じていながら、なぜ打ってしまうのか?

吾狼: 繰り返しになっちゃいますけど、これだけ問題にされているのに、なぜみんなワクチンを打ちに行くんですか? それも、相当教養のある熟年の紳士・淑女、普段から政治にも積極的に関心を持って政府を批判しているような人、毎日ネットを見ている情報通と思えるような人たちが、なぜかワクチンにだけは無抵抗というか、まるで催眠術にでもかかったかのように自分から足を運んで打ってしまう。ぼくにはどうしても信じられないんですよ。何か悪い夢を見ているようで。

グラフはNHK特設サイトより

イシ: 催眠術……ねえ……。私は、戦争が始まるときの集団ヒステリーにそっくりだと感じてるよ。
 幽大さんは「高揚感」とおっしゃったけど、理屈を超えた高揚感や義務感、あるいは焦燥感の組み合わせで、多くの人が一斉に動いたってことでしょ。日本はワクチン接種を義務とはしなかった。政府も公式に「コロナ、ワクチン差別はやめよ」と表明しているんだけどね。

↑↓職場で接種を強制されている人は、これを印刷して持ち歩くといいかも?


幽大: 分かっちゃいるけどやめられない的な不思議な行動を人間はするもんなんだな。昔からそうだった。後から思えば、なんて馬鹿なことをしちまったんだ! と思うんだが、なぜかフラフラと動いてしまうんだな。

イシ: う~~ん。まあ、私も若いときの自分の行動をいろいろ思い出すと、あのときは頭がおかしかったとしか思えないようなことをいっぱいやらかしましたけどね。

吾狼: それは「若気の至り」というもので、そういうのとは全然違うでしょう? 年齢や人生経験に関係なく、あらゆる年代、職種、思想、趣向の人たちが一斉に打ちに行ったんですよ。
 くどいようですが、1回目はまだ分かるんです。このワクチンの危険性についての情報がまだまだ表に出てきてなかったですから。打たなかった人たちは「常識的に考えて怪しすぎる」というのが主な拒絶理由でしたよね。でも、2回目のときはもうだいぶ情報が出てましたよ。
 で、3回目ですよ、今はもう……。3回目!
 さすがにもう打つ人はいないだろうと思っていたのに……あまりの衝撃で言葉も出ませんよ。

幽大: 3回目はさすがに減ってきたと聞くが、どうなんだ?

吾狼: 減ってきたとはいっても、すでに半数が打っちゃってますよ。これだけ素直に打っちゃってる国は世界でも少数派ですよ。


「本物」のワクチンは0.5%以下?

幽大: しかし、打ってもケロッとしている者もいっぱいおるじゃろ。だからこそみんな打ちに行くわけだわな。怪しいワクチンだとしても、平気な者がほとんどなんだから、一方的に不安を煽り立てるのもどうなんだ?

吾狼: それに関しては、怖ろしい話があります。実は、本来の成分であるワクチンはごくごく一部で、ほとんどは極端に薄めたり、ただの生理食塩水並みの偽物なんじゃないかというんですね。

幽大: それは初耳だな。本当なのか?

イシ: あながち嘘とも言いきれないみたいですよ。
 アメリカのCDCが「ワクチン有害事象報告(VAERS)」というのを出しているんですが、それを製品ロット別に分析した人がいて、ワクチン接種後の有害事例、死亡事例の数が製品ロットによって極端な偏りがあることが分かったらしいんですね。
That's Not A Conspiracy Theory と Vaccine batches vary systematically in toxicity and are distributed to unsuspecting Americans by three companies: researcher
 それによれば強い毒性を持つ製品は全体の0.5%ほどで、7、8割の製品は接種後に頭痛などの副反応を伴うだけのものだというんです。

幽大: ん? それはどういうことだ?

吾狼: つまりですね、本物を打ったらみんなバタバタと倒れちゃうから、ほとんどは薄めたようなやつだってことです。薄めていても有害は有害なんでしょうけど、すぐに致命的なものではない、と。

イシ: 現在では、m-RNAワクチンが生成するスパイクタンパクそのものが人体にとっては毒物であって、ファイザー社が把握しているだけでも1200以上の有害症例があるというわけです。だから、そんなものを全世界の人が打ったら、死者が続出してしまう。そうなれば即座に接種中止になり、製薬会社は責任を追及される。それを避けるために、ほとんどの製品は極端に薄めたり、ほとんど水みたいなプラセボにしているんじゃないかと。
 ここまでくるとまさに「それはさすがにトンデモな陰謀論だろ」って鼻で笑われそうですけどね。そもそもこのワクチンが出てきた背景の異常さを思うと、笑って無視できないような気もしますね。こうなったらもう、なんでもありなんじゃないか、と。

幽大: だが、もしそうだとしたら、朗報ではないか。被害が少なくなるわけだから。

イシ: そうです。打っても平気だったね、という人が大多数であればいいんですが、どのくらいの割合で「本物」のワクチンが紛れ込ませてあるのかが分からないし、そもそもこの話の真偽のほどが分からない。出来の悪い噂や作り話で終わるかもしれない。そのほうがいいわけですが。

吾狼: ちなみに2022年4月13日時点で、厚労省が発表している「ワクチン接種後の死亡事例」は1,667人です。これがもし、0.5%の「本物のワクチン接種事例」だとしたら、全員に「本物」を打ったときの死者は33万3400人って計算も成り立ちますよね。さすがにそれではすぐバレてしまうから0.5%にしているという「意図」があるなら……いやもう、考えるのもゾワゾワします。やだやだやだ。
 あと、この話が事実だとしたら、薄めたワクチンを打った人はすぐには致命的なことにはならないけれど、時間が経って様々な症状が出ることが考えられますよね。時間差攻撃というか。
 スパイクタンパクというのが嫌らしいのは、人によって影響の出方が様々だということです。微細な血栓が生じることで、心筋炎や脳卒中、内臓疾患、癌……いろいろまずいことが起きやすくなる。ADE(抗体依存性増強)によって命を縮めるかもしれない。そういうことが起きて死んでも、死因とワクチンの因果関係は分からないし、証明もできないから、いつまで経っても死者が増える原因が分からない。長期間、だらだらと超過死亡が増えていくという世界になるんじゃないか、と。

イシ: それは多くの学者たちも言っていることだね。このワクチンは今まで人類が経験したことのない種類のものであり、将来どんな影響を及ぼすか分からない。免疫系が乱されて、抵抗力も失われるので、これだけ多くの人が打ってしまった以上、今後、世界中で死亡率は上がるのではないかと。

吾狼: ぼくは2021年の超過死亡の異常な増加というのは、まさにそれが起き始めているんじゃないかと、ゾッとしているんですよ。

幽大: そうなんじゃないか?

吾狼: なにのんびりしたこと言ってるんですか。もしそうだとしたら、大変なことですよ。

幽大: そうだとしても、もはやどうしようもないだろう。そういうこともあるのか、と思うしかない。

吾狼: 幽大さんはどっちみちもう長くはないからそんなふうに構えられるんでしょうけど、ぼくはまだまだやりたいことありますし……。

幽大: うん、頑張って生きて見届けてくれたまえ。これから先どうなるか、しっかり記録することだな。わしらはおそらくその前に死んじまうだろうが。

イシ: パズルゲームを解くような感じでいけばいいですよ。スリリングなゲームだと思って。そのくらいの気持ちじゃないと、それこそ命がどんどん縮んでしまうから。

吾狼: え~。シクシクシク……。


           


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21世紀の情報戦争を紐解く動画鑑賞会2022/04/20 21:57

3月、4月は普段は知ることもないようなニュースソースに触れてお勉強する時間が増えた。
その内容を文字で記述するのは大変すぎるので、今回はいくつかの動画を紹介してみることにする。
「アメリカの論理」「NATOの論理」だけが席巻する日本のメディアを見せられている哀しさを知るために。

豊島晋作 テレビ東京報道局報道記者

まずは、テレビ東京で2016年~2019年までロンドン兼モスクワ支局長をつとめた豊島晋作氏がロシア軍のウクライナ侵攻直前に解説した番組
YouTubeのテレ東公式チャンネル「テレ東BIZ」で公開されている。日本語で語っている動画としてはよくまとまっているので、今回の問題の基本のキを知る入門編として最適かもしれない。

豊島晋作 テレビ東京報道局報道記者、ディレクター、元ニュースキャスター。2006年10月~報道局政治部担当。2011年4月~『ワールドビジネスサテライト』ディレクター。2016年1月~ロンドン兼モスクワ支局長。2019年7月~番組ディレクター兼クロスメディア部デジタル副編集長。テレ東報道部Webサイト「テレ東NEWS」掲載担当。
この動画のURLは https://youtu.be/9j_-bJnp3Z8 


豊島氏、この番組の最後のほうではかなり会社(テレ東)に気を使った言い方をしてるが、「歴史的な事実にのっとった冷静な視点を持つ」ことの重要性を懸命に説こうとしている姿勢が立派だ。

ウラジーミル・プーチン ロシア連邦共和国大統領

こうした「入門編」で基礎知識を得た上で、プーチンが国民に向かって語りかけている演説内容を読んでみることも大切だ。

動画は⇒ここなどにあるが、ロシア語を聴き取れる人は少ないだろう(もちろん私も。私は日本語しか聴き取れない)。ありがたいことにNHKが全文を訳しているページがある。
個人が翻訳しているブログもあった⇒こちら

プーチン演説の内容、彼の言い分への賛否は置いておいても、まず、一国の大統領があれだけの言葉を尽くして自分の考えを表明、説明している国だということを知るだけでも大切なことだ。日本の首相がこうした意志表明をするシーンを長らく我々は見たことがない。

冒頭の豊島氏も述べていたが、アメリカとNATOがロシアを不必要に追い詰めたことがいちばんの問題だと指摘している人たちはアメリカ国内にもたくさんいる。

ジョン・ミアシャイマー シカゴ大学 国際政治学者

次はアメリカの国際政治学者ジョン・ミアシャイマー氏が見解を表明している動画。
ジョン・ミアシャイマー 1970年陸軍士官学校卒業後、将校として空軍に5年間在籍。1982年~シカゴ大学教員。
この動画のURLは https://youtu.be/cZaG81NUWCs

徹底したリアリストぶりが強烈な印象を与える。
実際、彼は攻撃的現実主義(Offensive Realism)の代表的学者だとされている。
Wikiによれば、これは、
国家を国際関係の主要な要素ととらえているが、いくつかの仮定を加えている。
  1. 国際社会は無政府状態である。
  2. 国家は合理的に行動する。
  3. 国家は、「生存すること」を目標の一つとしている。
  4. すべての国家は、攻撃的な軍事能力を少なからず備えている。
  5. 国家は、他の国家の意図について確証を持つことができない。
ジョン・ミアシャイマーは、この理論の主要な支持者である。

……だそうだ。
動画の後半部分で彼は、「アメリカが2014年以降ウクライナでやってきたことは、負けても負けても倍賭け(double down)することで、今もそれは続いている」と述べている。

ところがこの動画、訳文がかなりおかしい。まったく正反対に取れる訳にしている箇所があるのだ。
原文文字おこしでは、

↑こうなっている。
しかし、この「~すべき」という訳に違和感を覚えて、英語の文字おこしで確認してみたところ、こうだった↓

彼は「アメリカは~すべきだ」などとは言っておらず、ただ単に「~してきた」「今も~し続けている」「これからも~しようとしている」と言っているだけだ。
should とか had better といった表現はどこにもなく、ただ過去形、現在進行形、未来形で述べられている。
アメリカの政策は、負けても「倍賭け」(double down)することで、そうしてきたし、今後もしようとしている。
(※double down は「ギャンブルにおいて、負けるたびに賭け金を2倍ずつ増やし続けること」。もちろんここではいい意味で使っているわけではない)
2014年(マイダンクーデターを起こしたとき)以降も、我々(アメリカ)は政策を再評価(reevaluating)することなく、NATOを拡大させることはいい考えではないと言うこともなく、ただただそう(double down)してきた。
我々は逆方向に突っ走った。それ故に、私はこう言いたいのだ。2021年までにロシアは我々がウクライナを事実上のNATOの一員に変えてきたと理解したのだと。
我々がしてきたこと、やろうとしていること、実際に今やっていることは「double down(負けを覚悟で倍倍に賭けていくこと)だ。
これは何を意味するか? ウクライナ人に「戦え」とけしかけているのだ。
我々(アメリカ)がウクライナ人のために戦おうとしていないことは自明だ(you understand「分かっているだろ?」)。
ウクライナ人は最後の一人まで戦えばいい。これは彼らがやっている戦争で、その意味では我々は戦わない。その代わり、我々は彼らを武装させ、訓練する。実際、今もやっている。それで、最後の一人まで戦うことを望んでいる。まあ、そのときに我々はそこにはいないわけだが。
で、ウクライナ人はロシア人と決着がつくまで戦えばいい(※duke it out=決着がつくまで殴り合う)が、誰もウクライナが勝つなんて思っちゃいない。手詰まりで膠着状態(stalemate)くらいにはなるかもしれないがね。

……とまあ、こういう反語的な辛口論評をしている部分なのだが、この日本語文字おこしは明らかに歪められている。というよりは、完全に逆の意味になってしまっている。
また、動画の最後のほうで核戦争への発展を危惧している部分で、太平洋戦争末期にアメリカが日本の都市に焼夷弾を落としたり原爆を投下して一般市民を大量殺戮したことに触れている場面では、一部音声が消されている。

スコット・リッター 元国連兵器査察官

もう一つ、前国連兵器査察官のスコット・リッター氏がグレイゾーンという独立系メディアのインタビューに答えている動画。

ウィリアム・スコット・リッター・ジュニア(英: William Scott Ritter, Jr. 、1961年7月15日 - )は、元国際連合大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)主任査察官、評論家。1991年から1998年にかけて、イラクにおける大量破壊兵器捜索のための国連主任査察官(a chief United Nations weapons inspector)としてアメリカの中東に関する外交政策(主に対イラク政策)を批判し、イラク戦争反対運動に参加した。またトーク番組の解説者となった。
Wikiより

Wikiによれば、実に波瀾万丈な人生を送ってきた人物のようで、動画の中でも自虐的に「1998年まで、私はCIAの回し者とか世界最悪の人間とか色々な言われ方をされてイラクを追放されていました。CIAの~、というところを除いては全て当たっていると思いますが(笑)」などと語っている。
自動翻訳では滅茶苦茶になるが、親切にも日本語に全訳してくれている人がいる。⇒こちらで読める
4月20日現在、7回に分割した4回目までが紹介されているのだが、これもなかなかすごい。
イラクの石油相アミラ・ラシードとのやりとりとか、ビクトリア・ヌーランドやマドレイン・オルブライト、ブッシュ親子、CIAなどの話が全部実体験として語られていて、ああ、そういうことなのか……と。
リアリティのある内容で、まったくのデタラメを言っているようには思えない。
ちなみにヌーランドは「EUのくそったれが」と罵った通話が盗聴されて大きなスキャンダルになったが、それよりも、2014年のマイダンクーデターの際、政府に抗議する民衆を扇動したとされる人物であることを記憶しておくべきだろう。


戦争に反対する団体「World BEYOND War」には、こんな記事が出ている
By World BEYOND War, January 11, 2021

Victoria Nuland, former foreign policy adviser to vice president Dick Cheney, should not be nominated for Undersecretary of State, and if nominated should be rejected by the Senate.

Nuland played a key role in facilitating a coup in Ukraine that created a civil war costing 10,000 lives and displacing over a million people. She played a key role in arming Ukraine as well. She advocates radically increased military spending, NATO expansion, hostility toward Russia, and efforts to overthrow the Russian government.


ディック・チェイニー副大統領の元外交政策顧問であるビクトリア・ヌーランドは国務次官に指名されるべきではない。指名された場合は上院によって拒否されるべきである。
ヌーランドは、1万人の命を奪い、100万人以上が国外に避難する内戦を引き起こしたウクライナのクーデターを促進する上で重要な役割を果たした。 彼女はウクライナの武装においても重要な役割を果たした。 彼女は、軍事費の大幅な増加、NATO拡大、ロシアに対する敵意、そしてロシア政府を転覆させる努力を提唱している。


ヌーランドがクーデターを扇動している映像はオリバー・ストーン制作総指揮の『ウクライナ・オン・ファイヤー』にも出てくる。


スコット・リッター氏へのインタビュー動画を全訳してくれている人が、3/7の最後に感想をサラッと追記しているのだが、それがとても印象深かった。
私たちは、アメリカ政府を一つの人格のように捉えがちですが、それは<場所>であって、そこでは本当にさまざまな人が行き交うのだなと思いました。
それは希望でもあります。悪い人が少し、良い人が少し、普通の人がたくさん。少しの悪い人が権力を握ると、たくさんの普通の人が良心を殺してそれに従い、良い人は苦しくなる。けれども良い人が勝てば、たくさんの普通の人は喜んで従うのではないでしょうか。
The Sun Snorer Press 2022/4/14 より)


私としては、それ以前に、「たくさんの普通の人々」が一方的なプロパガンダ報道にしか接することができない社会になっていることが問題だと思う。
良心を殺して権力者に従っているのは「たくさんの普通の人々」ではなく、少数の(本来)頭のいい人々だ。その少数の人たちがやっている詐欺行為やプロパガンダによって、たくさんの普通の人々が簡単に扇動されて動いている。
スコット・リッターは、ヌーランドやオルブライトのような危険な思想を持つ人物を制御できず、ロシアの国内事情にさえ疎いアメリカ中枢部の劣化を嘆いているが、それでもアメリカはまだ、自国内から様々な異論が発信されているだけ救いがある。
そういうところは、さすがアメリカだな、とも思う。

アンヌ=ロール・ボネル フランスのドキュメンタリー作家


彼女が製作した『ドンバス2016』というドキュメンタリー映画(日本語字幕付き)がYouTubeにある。


どれだけの日本人が、こうした悲惨な状況がウクライナ国内で起きていたことを知っていただろうか。

そして今の日本では……

共同通信社が4月16、17両日に実施した全国電話世論調査によると、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの経済制裁に関し、日本経済や暮らしに影響が広がったとしても「続けるべきだ」との回答が73.7%、「続ける必要はない」が22.1%だった。


           


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「陰謀論」を論じる呑み会2022/04/23 11:21

歴史の必然なのか、AIの計算なのか

イシ: さて、吾狼さんがシクシクと泣き出してしまったので、このへんで吾狼さんが喜びそうな陰謀論に入っていきましょうか。データの裏付けとかはあまり関係なく、空想、妄想、推理の領域に。

吾狼: いいですねえ! 待ってました。

幽大: 単純なやつだな。

吾狼: いやいや、陰謀論はむしろ幽大さんの得意分野じゃないですか。

幽大: 余輩のは陰謀論ではなく「予言」だ。

吾狼: はいはい。

イシ: で、陰謀論といっても、話があまりにもとりとめがなくなるのもアレなので、最初に私からひとつ命題を提示してみますね。それは、

 A) 今起きている異常なこと、コロナとかワクチンとかウクライナは互いに連係プレーをしているようにも見えるんですが、これは人類の歴史から見て特に異常なことというわけではなく、人間の(ごう)というか(さが)というか、そういうものがもたらした宿命的なものなのか、

 それとも、

 B) そういう破滅的な計画を立てて実行している何者かによって操られているものなのか、

 ……ということです。

吾狼: え? どういうことですか? 簡単にいうと、自然発生的なものなのか人為的なものなのか、ということですか?

イシ: う~ん、言い方が下手だったな。どう言えばいいかな。
 人間が破滅に向かって異常な行動をしていくのも人間が本来持っている性質であって、その意味では「自然」なことだ、というのが前者のA説。
 そうではなくて、人間の人智を超えた何者か、あるいは極めて少数の権力者や富豪が組織的に計画を立てて実行しているというのが後者のB説、かな。
 一般にはB説的なものを「陰謀論」と呼んで、信用するに足りないと唾棄される傾向があるわけだけど。

幽大: その2つは違うものなのかね。どちらの要素も含んで進んできたのが人類史ではないのか?

イシ: う~ん、そう言われてしまうと……そうなのかも……。

幽大: 例えば、余輩は新コロは人工ウイルスだと思っているが、そういうヤバいものを作りたがる、そして作ってしまうのは、人間が本来持っている欲とか好奇心といった「生物的な特質」によるものだと思っておる。
 古代人が、より破壊力のある武器を作ろうとしたように、科学が進めば、遺伝情報を操作したいとか、ウイルスを作り出したいと思う人間は必ず出てくる。人間というのはそういう性質を持った生き物だと考えれば、人工ウイルスも、広い意味では「自然発生」したともいえるわな。
 人間が自然を破壊して文明の寿命を縮めるのもそうだし、戦争がなくならないのもそうだ。個々の事例は自然発生ではなく人為的なものだが、そういうことをしてしまうのが人間なのだ、といってしまえば、すべては「自然の成り行き」だ、ともいえる。

吾狼: ああ、それはよく分かります。
 ただ、その考え方は広すぎてしまって、いわゆる陰謀論──イルミナティだのディープステートだのが人口削減計画を実行している、みたいな話も、人間はそういう組織もまた作ってしまうものなのだ、と言えてしまいますよね。そうなると、すべてが「人間とはそういうもの」で片づけられてしまいそうです。

幽大: そういうものだろう?
 だから余輩は、以前から「陰謀論」という言葉そのものが気に入らんかったんだ。権力者や金持ちがやることは陰謀に決まっているではないか。陰謀のない歴史などない政治も経済も、陰謀と陰謀がぶつかるゲームだわな。
 春が来れば緑が増えて、冬になれば眠りにつく命が増えるみたいな自然の成り行きで行動している権力者や富豪がいると思うか?
 世界は権力者と富豪が動かしている。つまりは世の中は常に陰謀で動いている。そんなことはあたりまえではないか。

吾狼: そうですよねえ!
 例えば、今起きているウクライナ紛争は、アメリカがロシアのプーチン政権を潰そうとして仕掛けたこと、というのははっきりしていますよね。アメリカの中枢やその回りにいる一部の連中、ヌーランドとかが、CIAとも連携して、東欧の過激思想国粋主義者をテロリストに育て上げていた。イラクのときと同じやり方です。
 ウクライナにロシアとの友好関係を重視する政府ができると、政府に不満を持った市民を扇動し、クーデターで倒して、自分たちが操れる政府に入れ替えた。そして、傭兵や過激思想の兵士を訓練し、高性能な兵器を与え、軍事援助して、ドンバス地方のウクライナ人を虐待、虐殺してきた。
 アメリカはロシアを潰すためにそういう連中を利用しているつもりでも、アメリカから支援を受けた過激思想の連中は、ロシア語を話すウクライナ人はウクライナ人ではない。殲滅してしまえ、という衝動で動く。
 こうした流れが生まれるのは、一部の異常な思想の持ち主が大きな役割を果たしていて、ほとんどの人たちは全体像が見えないまま、いいように操られているわけです。
 こういう現実までも含めて「陰謀論だから信じるな」と言って調べようともしない人たちは、思考放棄ですよね。

幽大: おお、珍しく意見が合ったな。

イシ: ……ああ~、なんだか私が一人浮いちゃいましたね。
 では、こういうのならどうでしょう。
 病的思想を持ったサイコパスみたいな連中と、無能だけどカリスマ性だけはあるような連中が入り乱れて、ランダムな結果が生まれているのが現代社会である、というのがA説。
 そうではなく、極めて統制の取れた少数の頭のいい人間、あるいは人間を超えた何者かがシステマティックにあらゆる場面を操っているというのがB説。

吾狼: それだと、いわゆる「陰謀論」は後者のB説になるわけですね。

イシ: そうなるのかな。

幽大: 余輩はどちらかというと前者だな。超人的な頭脳を持った何者かが集まった、完全に隠された組織が世界を動かしているわけではなく、所詮、大したことのない人間たちが、たまたま調子こいたり、暴走したり、あるいは緻密な悪巧みを大胆に実行している結果が現代社会なのだろう、と思っておる。

吾狼: 幽大さんは神秘主義方向の人かと思ってましたが、実はドライなリアリストなんですね。

幽大: 近現代史を学べば、実につまらん少数の人間が悲惨な歴史を作り出してきたことが分かる。明治以降の日本はまさにそういう歴史を刻んできただろう? 東條英機とかはその典型だな。
 つまらん人間の下で、優秀な頭脳を持った学者・技術者や勤勉で従順な兵隊が動く。あ、兵隊というのは必ずしも鉄砲持った軍隊組織のことではないぞ。一般庶民、特に「組織、集団に縛られて生活せねばならん一般人」のことだ。
 あの悲惨な歴史を作りだしたのは、言ってみれば頭のよくない人間──欲望があり、煩悩があり、自己顕示欲、権力欲、名誉欲、自己防衛本能がある「普通の人間」たちだよ。とびきり頭のいい少数の人間が裏で操ったというわけではないだろう。石原完爾は東條英機の100万倍頭がよかったと思うが、歴史の中では決定的な役割を果たせなかった。最終的には東條のような愚か者が歴史を大きく動かした。そこには何ら合理性や法則性などない。「たまたま」そうなった。それが歴史というものではないかな。

吾狼: でも、そういう「普通の人間」たちを、いかに効率的、かつ、思い通りに動かすかを知っている、頭のいいごく少数の人間の組織がその上に、というか、その裏にあるのかもしれませんよ。

幽大: それがきみたちが言う「ディープステート」とかか?

吾狼: ええ、名称はなんでもいいんですが、国とか既存の宗教とかを超えたエリート意識で結びついているグループですね。例えば世界経済フォーラムとか……。

イシ: あのメンバーがみんな頭のいい連中とは思えないけどね。

吾狼: ええ、そうですね。最近バカっぷりがどんどん露呈している日本のあの若手政治家なんかも関係してますしね。でも、あのレベルのメンバーやパートナーとなっている企業などは全部、利用されている使い捨ての駒にすぎないわけで、その裏側にはほんとうに数人とか十数人くらいの超エリート会議みたいなのがあるんじゃないですかね。

イシ: 習近平も世界経済フォーラムのメンバーじゃなかったっけ? 少し前まではプーチンも。一筋縄ではいかない集団という感じはあるね。

吾狼: ええ。ジョージ・ソロスとかビル・ゲイツとかクラウス・シュワブとか、まあ、いろんな人が入り乱れてます。でも、ぼくはそのさらに上の決定をしている、表には決して出てこない「見えない存在」があるんじゃないかと勘ぐってるんです。

幽大: ほお~。誰だね、それは。

吾狼: 誰……ではなく、AIです。高度な人工知能。AIがネットを通じて得られるありとあらゆるビッグデータを駆使して計算し尽くして、人間はこういうふうに行動すると学習し、そのアルゴリズムに従って様々な計画を打ち出し、その計画を随時修正しながら実行させているんじゃないでしょうか。

イシ: ああ、それは以前から言われている説だね。それこそ「陰謀論」の本命的な説とでもいうか。

幽大: そうなのか? 人工知能が人間に指図しているのか?

吾狼: そう考えれば、ここ数年の異常な状況も説明がつくのかな、と。

イシ: 私はAIが計画を作っているという説は十分にありえると思っているけれど、AIそのものが自主的、というか、自立して計画を立て、指示をしているとまでは思っていないんだよね。やはりそれを使う者がいて、AIはあくまでも道具だろうと。

吾狼: だとしたら、もしもAIを使っている人間が望むのと違う答えをAIが出してきたらどうするんです?

イシ: 多分、AIが出してくる計画なり方法はほぼ絶対なんだと思うよ。問いを入力した人間側が「え? いくらなんでもそれは……」と躊躇するような答えが出てきても、AIの答えには従う。ただ、最終目標はAIが決めているわけじゃないと思う。

吾狼: 最終目標というのは? やはり人口削減とかですか?

イシ: いや、それも手段というか、方法だろう? 最終目標というのは、もっと宗教的な領域に入ることじゃないかな。

吾狼: 宗教的な領域……ですか……?

イシ: うん。一言で言えば、神の意思に従った新世界の建設、みたいなことかな。

吾狼: どんな神です? やはり旧約聖書的な神ですか?

イシ: 既存の宗教を包括したような、モワッとしたものかもしれないね。
 人は必ず死ぬ。でも、死を超えた救済があると信じたい、というのが多くの宗教の共通した核のようなものでしょ。その共通項のためには、いろんなものを削ぎ落としていく。○○教の教義とか、既存の倫理とか常識はどうでもいい。今の世界を塗り替えてくれるような新世界の出現という、その一点だけ。
 その「新世界」というものへのイメージは、集まっているメンバーによってだいぶ違うかもしれない。いや、違うだろうね。育ってきた文化背景が違うんだから。でも、その違いを乗り越えて動くことで、彼らは自分たちは他の人間たちとは違う超エリートなのだという意識を持てる。
 そこに一種無宗教的なリアリストも参加してくる。
 宗教的な要素とは関係なく、現在の数の人間が永続的に科学技術の恩恵を享受できる世界が続くことはありえない。人口を減らすことは必須の条件だ、と考えるリアリスト。彼らはあらゆる計画を数字や計算で処理するから、宗教的な意識の強い連中だけの組織よりも、強力、冷徹な意思を持った組織としてまとまる。
 世界経済フォーラムのサイトを開くと、あちこちに「メタバース(三次元仮想空間)」という言葉が出てくるでしょ。それがいいとか悪いとかではなく、とにかくこれからの世界はコンピュータ上の仮想空間が重要な役割を果たしていく、と言いたいようだね。

幽大: それがすでに一種の宗教だな。すでにコンピュータに支配されている感じだ。

吾狼: AIが支配しているのか、単にAIを使っているだけなのかは分かりませんが、とにかくAIが指令を出していると思うんですよ。
 だって、ここ数年の世界の動きを見ていると、とても人間が計画しているようには思えないほど緻密で、冷徹じゃないですか。
 例えば、中国は今、上海をはじめ、あちこちの都市をロックダウンしていますよね。コロナの蔓延を防ぐためだと言いますけど、実際には今の中国でコロナ死なんてほとんどないと思いますよ。あまりにも理不尽です。中国政府がそこまでバカだとはどうしても思えません。
 じゃあ、なんでそんなことをしているのか。
 アメリカの一国支配を潰すためだと思うんです。上海には西側諸国の大企業が集まってますから、あそこをロックダウンしたらたちまち経済活動ができなくなる。

幽大: だが、それは中国の首を絞めることにもなるだろう? 実際、農村では作付けができなくなり、食糧危機を招いていると聞くが。

吾狼: はい。それで食糧不足になるのを見越して、中国はすごい勢いで小麦などの穀物を世界中から買い集めてます。
 そうすると、食料を輸入している国々、特に西側先進国と呼ばれている国々の食糧危機がますます加速する。西側諸国がロシアの経済制裁とかやっていることで、ただでさえ食糧危機、エネルギー危機に陥るのを、一気に加速させて息の根を止めようとしているんだと思います。
 自国の作付けを阻害しているんだから、中国の国民もある程度餓死するかもしれない。でも、それも中国政府には計算済みなんじゃないですかね。国力を落とさない程度の人口調整は必要だ、くらいに思っているんじゃないか、と。あの政府はそういう冷酷な政府です。

イシ: なるほどねえ。吾狼さんの読みは深いな。
 私も、実はいちばん恐ろしいのはプーチンではなく習近平だと感じているんだ。
 プーチンは冷酷な人間だけれど、基本はロシアという国を守るという意識で動いているところが大きい。世界を支配しようとか、世界を作りかえようとまでは思っていないんじゃないか、と。
 だけど、習近平は、世界を中国中心の経済圏に作りかえるという壮大な野望で動いている気がする。そのためには何でもやるんじゃないかと。

幽大: 余輩の予言も、未来の中心はアメリカでもロシアでもなく、中国ではないかというものだ。そういう未来がぼんやり見えておったんだが、今、いろんな話を聞いていると、あながちハズレではなさそうだな。

吾狼: そのへんは3人ともほぼ同じ予感がしている、ということですかね。

イシ: そうだね。だから、問題は、この全体像をさらに計算して案出し、動かしている意思があるのか、ということかな。
 私はあるような気がしている。
 プーチンや習近平の性格や能力を見越して、彼らを含めた様々な人間や組織を動かしているものが。

吾狼: それはAIではない、というのがイシコフさんの考えですよね。AIではないとすると、一体何者ですか?

イシ: うん、AIそのものではないと思う。AIは機械だから。
 AIを使う者が動かしているんだろうだけど、それは人間とは限らないよね。「生物」ではあると思うけれど……。

吾狼: おお~! 出た~~!!

幽大: おお、すっかり元気になったようだな。吾狼くんが元気を取り戻したところで、今日はそろそろお開きかな?

イシ: そうしましょうか。私も歳で、疲れちゃいました。
 では、また会いましょう。落ちます。

吾狼: 「落ちます」って……古いなあ……。それ、もう死語ですって……。
 あ、もう二人ともいないや。

──プツン──

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フランス人ドキュメンタリー作家アンヌ・ロール・ボネルのこと2022/04/24 22:25

アンヌ-ロール・ボネル
アンヌ-ロール・ボネルというフランスのドキュメンタリー作家が2015年にドンバス地域に入って記録した作品『ドンバス2016』は、今まで見たウクライナ紛争関連の動画の中でも、最も印象的であり、信頼に足るものだと思った。
まだ見ていない人は、とにかく見てほしい。50分ちょっとは長すぎると言うかもしれないが、YouTubeだといつ削除されてしまうかもしれないし、ぜひ今のうちに。

もちろん、これだけフェイク報道や嘘で操るプロパガンダがあふれているから、この作品も「フェイクではないだろうな?」という目で見た。
細部まで疑いの目で見たのだが、登場する人たちの一種ニュートラルな、というか、何か悟りきったような哀しい目が、淡々と事実だけを告げていると思える。
ああいう目をした人々の映像を、過去に何度も見てきた。例えば原爆投下後の広島、長崎の人たち。アウシュビッツに連れて行かれるユダヤ人たち……。
彼女も、フェイクだと言われることを意識していて、恣意的な編集や演出をしないという方針を貫いている。自分の意見は一切挟まず、現地の住民たちが話す映像と移動のときの風景映像をつないでいるだけ。
中でも印象的なのは犬たちだ。
人間と違って、犬は演技をしない。
映像にはあちこちに犬が映っているのだが、一匹もつながれていない。



誰もその犬たちをいじめていないし、ひもじくなっても殺して食べようとか、そういうことは考えもしないみたいだ。
犬をコートの中に抱いてインタビューに答えている女性もいた。
犬と人間が自然な関係を持って共生していた地域だということが分かる。
そういう平和な暮らしがあったからこそ、犬たちも、住民たちと一緒に悲しげな姿で、黙って生き抜いているのだろう。

炊き出し給食センターのようなところにいたおばあさんが「今までずっと戦争なんて知らないで生きてきた。平和な暮らしだったのに、人生の最後になってこんなことを経験するなんて」というようなことを淡々と語るシーンも印象深かった。

ああ、この地域は本当に平和で、穏やかな人たちが暮らしていたんだと思い知らされた。
西欧の資本主義社会から見れば、貧しくて、みすぼらしく、文明的でない暮らしなのかもしれない。しかし、そう感じる人たちよりも、彼らのほうがずっと上品で幸せな暮らしを営んでいたんじゃないだろうか……この馬鹿げた殺戮が起きるまでは。
映像に登場する人たちのほとんどが、自分たちの暮らしをズタズタに破壊する者たちに向けて、敵意よりも諦めのような言葉を淡々と吐き出している。
映画の最後に出てくる、兵士として志願した息子を失った夫婦の姿も深く心に突き刺さった。
妻は淡々と戦争の愚かさ、そして母親の哀しみを語っている。その横で聞いていた夫が、つい「ポロシェンコなんかオバマの尻の穴でも舐めていればいい」と口走ると、「そんな下品な言い方はやめて」と静かにたしなめる。

間違えてはいけないのは、これは『ドンバス2016』という作品で、6年も前の映像記録だということだ。ロシア軍がこの内戦に介入してきた2020年から現在にかけての映像記録ではない。
ドンバスの人たちを無差別殺戮しつづけてきたのはアメリカとNATOに軍事支援を受けたウクライナ軍なのだ。

それでもまだ、こうした映像がロシア側のプロパガンダだと言い張る人たちが多い。
アンヌ-ロール・ボネルの後ろにはロシアがついていると主張する人たちに対して、彼女は様々な場で「私は政治には関与しない」と言い続けてきた。
例えば、フランスのテレビ番組に出てきたとき、冒頭ではこんなシーンが見られた。
「あなたはジャーナリストと呼ばれることを拒否していますよね」と問われたボネルは、
「微妙なニュアンスの問題だけれど、私がやっていることはニュース報道ではない。現場に行き、起きていることを映像に記録していくことであって、ジャーナリストというよりはドキュメンタリー映像作家だ」というようなことを答えている。
ここでも彼女は「私はロシアの代弁をするためにここにいるわけではない。私は反ウクライナでも親ロシアでも反ゼレンスキーでも反キエフでも反ロシアでもない。議論のバランスをとりたいだけだ。バランスが崩れて大量殺戮が起きてしまったのだから」と主張している。
※この番組を英訳してYouTubeにアップした人がいたが、著作権問題が理由で削除されたそうで、代わりにその番組内でのやりとりを英訳したものを⇒ここにのせている

「記録するだけだ」という彼女の姿勢はあちこちに見られる。

彼女はロシア侵攻後のウクライナにまた入って、実際に何が起きているかを記録し続けた。
最近ネットにUPされた映像があるが、これはYouTubeの自動翻訳を英語にするだけでもある程度内容が分かる。


私の拙い英語理解力で、なんとか日本語訳を試みてみる。
0:00
Hello all.
0:03
I just wanted to show the things we filmed today,during the time we had no time for the translation etc.
今日撮影したビデオを見ていただきたいと思います。翻訳している時間がないのですが。
0:12
Two important things,that will follow in a few minutes,
2つの重要なことをお伝えします。数分おつきあいください。
This young man that you will see explains that he left Mariupol
ビデオに登場する青年はマリウポリのことを説明してくれます。
but that it was the Azov Battalion that was uh, blocking the access, blocking civilians, we saw many reports about that we need to fact-check,
マリウポリはアゾフ大隊が制圧していて、市民を閉じ込めています。私たちはそのことを伝える多くの報告を知らされてきましたが、ファクトチェックが必要です。
0:36
but all civilians told me, we asked for the identity of all civilians, Ukrainian ID card,
私たちは話をしてくれる市民全員にIDカードを提示させて、ウクライナ国民である証明をしてもらいました。
0:40
because in the Donbass next to Luhansk they have Russian passports, and all testimonies are in that sense.
なぜなら、ルハーンシク(ルハーンシク州の州庁所在地)に隣接するドンバスでは、市民はロシアのパスポートを持っていますので、ウクライナ人であることの証明を求めたわけです。
0:49
The humanitarian corridors were closed by the Azov Battalion.
人道回廊はアゾフ大隊によって封鎖されました。
0:54
And I also got information about that maternity ward that was bombed,
私は産婦人科病院が爆撃されたという情報も得ていました。
0:59
for now the information we have, is that it had been empty for many days, and that it was being used as a military base.
今のところ、私たちが得ている情報では、その病棟は何日もずっと空っぽで、軍の拠点として使われていたということです。
1:09
It's a [inaudible] the daughter of a nurse,
あの看護師の娘……
1:14
The daughter of the main nurse [?]
看護主任の娘?
1:17
The daughter of someone who works in that hospital
その病院で働いている誰かの娘のことです……。
(※最近、ロシア軍によって爆撃された産院の悲劇として報道され、映像が各国に拡散されたことをさしている)
1:22
who explained that he was afraid because he had family in Mariupol, so that video and that testimony, that we could see,
彼はマリウポリに家族がいて、ビデオで証言することをおそれています。
1:30
but, they don't want it to be shown, because of the paranoia, lots, lots of stuff in Mariupol.
マリウポリのありとあらゆるものがトラウマや恐怖(パラノイア)になっていて、見られたくないと。
1:38
-So, for security reasons, we don't show it.
というわけで、安全上の理由から見せられません。
So what's on film. [?]
で、その映像では、
1:43
There's a young man explains to us that it was Azov,
ひとりの若者が、これはアゾフの仕業だと説明しています。
I invite all Russian-speakers to translate the video if they want,
私はロシア語の話者を呼んで、通訳してほしいと頼みました。
1:53
about the abuses, [?] and all that was repeated by civilians.
アゾフの虐待については、市民たちが繰り返し語っていることです。


(ここで場面切り替わり。どこかの建物の中。顔にぼかしを入れた男性にインタビューする)
1:55
So we are here on March 10, we are near Mariupol.
3月10日、私たちはマリウポリの近くにいます。

2:00
[inaudible] a film,(爆発音で一瞬音声途切れる)映像が……
(インタビューを受けている男性は書類らしきものとIDカードらしきものを出して胸の前に掲げる)
2:03
Simply, he confirmed to us, he precised to us, that the humanitarian corridor was blocked by the Azov Battalion, that the inhabitants were blocked inside,
彼は私たちに、人道回廊はアゾフ大隊によって封鎖され、住民が閉じ込められていると証言しています。
2:16
Mister [inaudible], and can, you, can you--
Have you, have you been...
あなたは……
Where there abuses committed against the people in Mariupol, and by whom?
(通訳させる)

Were there any violations against the residents of Mariupol,and who did it?
マリウポリの住民に対する虐待はあったんですか? それは誰によるものですか?
2:36
Yes, of course there were, Azov, Azov
はい。もちろんありましたよ。アゾフがやったんです。

2:43
beat and did not let them out, occupied (civilian) buildings,
アゾフは住民を攻撃し、建物を占拠し、
2:47
and in every possible way made it impossible to move around Mariupol or to leave the city to safe areas.
マリウポリから脱出して安全な場所に移動させないよう、ありとあらゆる手段を講じました。
2:55
Other than into Ukraine, they did not let people out,
アゾフは住民を脱出させません。
because their policy was to prevent any exit and to avoid being killed, they used the civilian population as a shield.
なぜなら、アゾフの戦略は住民の避難を阻止して人間の盾にし、自分たちが殺されないようにすることだからです。
3:10
-How did you leave?
あなたはどうやって脱出したの?
-By the sea.
船で。
3:13
Did the Russians shoot at the civilian population?
ロシア軍は住民を狙撃しましたか?
3:21
No, it absolutely never happened.
いいえ。そんなことは絶対にしてません。
3:25
And do you know about, in France we heard that the maternity ward was bombed in Mariupol, were you there, was that maternity ward empty?
フランスでは、マリウポリの産院が爆撃されたと報じられているんですが、あなたは知ってますか? マリウポリにいたんでしょう? その産院は空っぽだったの?
3:49
He doesn't know, when he was there, the maternity was working, after he left, he doesn't know.
知りません。私がいたときはまだ産院は機能してました。私が去ってからのことなので知りません。
3:57
OK. What other question can we ask still,
分かりました。他にどんなことが聞けるかしら……
4:01
[inaudible] Do you have any message to---to the French listeners?
フランスの視聴者に何かメッセージはありますか?
4:17
No. いいえ

4:19
Thank you. ありがとう。


フランス語⇒英語⇒日本語という変換なので、分かりにくい部分や、おかしなところがあるとは思うが、きれいにまとまっていないことにかえってリアリティを感じる。さらには、彼女が痛々しいほどに自分が撮っている映像がフェイクやヤラセではないということを示そうとしているのが分かる。
取材映像の前に、同じくらいの時間をかけて、これから見せる映像がどういう状況で撮られたかを説明している。
登場する青年の顔にぼかしを入れているのは、彼の家族がまだマリウポリに残っていて、正体が分かると怖いから安全上の問題から隠している。彼がロシア人ではなくウクライナ人であることの証明としてIDカードも提示してもらっている、と説明しているようだ。

インタビューの中で、彼女は最近話題になった産婦人科病院が爆撃されたという映像報道の真偽について「私たちはすでにあの病院は空になっていて、兵士が駐留していたと聞いているが、そうなのか」と青年に確かめているが、青年はそっけなく「知らない」と答える。
自分がマリウポリを脱出する前までは病院は機能していたが、あれは自分が出た後のことなので分からない、と。
最後にボネルが「フランスでこれを見ている人たちへメッセージがあるか」と言うが、青年はこれもぶっきらぼうに「ない」と答えて、さっさとインタビューを終わらせたがっている。
ボネルがロシアに都合のいい映像を作ろうとしたら、このようなぶっきらぼうな青年を使うだろうか。もっと演技をしてくれる「役者」を使うだろう。
答えている青年は苛立ちと憔悴を見せながらも、はっきりと「虐殺はアゾフがやった」「アゾフは自分たちが殲滅されるのを恐れて、住民を人間の盾にしている」と明言している。

この映像からも、私はボネルの仕事の真面目さを感じるのだ。

ロシアの侵攻が始まってからは、プロパガンダを目的としたフェイクや偏向報道はどちらの側にもあるだろう。
ボネルはテレビ番組に呼ばれた際、自分のドキュメンタリー作品はフランスのどのテレビ局に持ち込んでも拒絶された。ウクライナ軍がロシアに近い自国民を無差別殺戮をしていることはヒューマンライツウォッチなどのサイトを調べれば出ている、と主張するが、皮肉なことにそのヒューマンライトウォッチのサイトでは現在、ロシア軍の戦争犯罪行為を次々に告発している。
いやもう、何が事実なのかが分からない泥沼の情報戦争……。

しかし、少なくとも、2014年のマイダンクーデター以降に始まった「ロシア語を話すウクライナ人は消してしまえ」という異常な国粋主義者たちによる殺戮行為のことを、我々日本人はほとんど知ることがなかった。しかし、ロシア侵攻後には、毎日嫌というほど悲惨な映像を見せられている。それがすべてロシア軍によるものである、許すまじロシア! という論調一色で。
キエフから、日本の商社マンを経て現在は事業を興しているという男性がゼレンスキーを絶賛する姿が連日のように日本のテレビで流されたが、ドンバス地域で農業や鉱山労働をしながら静かに暮らしていた「ロシア語を話すウクライナ人」たちの声は聞くことがなかった。
これこそメディアコントロールの怖ろしさではないのか。

最後にもう一つ、アンヌ-ロール・ボネルが戦闘地域のそばでインタビューに答えている映像も。

この戦闘は先週始まったわけじゃないんです。2014年からずっと、8年も続いているんです。
2014年6月、ウクライナ空軍はルガンスクとドネツクの自国民を爆撃しました。
何千という映像があります。私は新聞社にそのファクトチェックを依頼しました。
あなたがたにもファクトチェックしていただきたいのです。
私はどちらの側にも与してません。市民の側にいます。赤十字のように。
彼らは負傷者の国籍を気にしませんよね。私もそうです。市民の国籍は関係ありません。
2014年のビデオを見てください。フェイスブックに置いてあります。


彼女のフェイスブックページを見てみたが、残念ながらフランス語だけで、全然分からなかった。

彼女はロシアから資金援助を得ているというコメントがネット上にたくさん出てくるが、それに対して彼女は「フランスのテレビ局やネット配信会社に持ち込んでもことごとく拒否され、当初はロシアだけが放映を受け入れてくれたのだ、と説明している。

とにもかくにも、ここ2年間は、いろんな視点を持つ訓練をさせられてるなあ、と思う。

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