ミタール・タラビッチの「クレムナ予言」 その内容と信憑性(2)2022/12/21 01:24

タラビッチの「クレムナ予言」の解読に取りかかって3日目。
昨日の日記で「私はこの本そのものを手に入れたわけではない」と書いたのだが、その後、WEB上を検索しまくり、出版された89ページのペーパーバック英訳本ではなく、その種本らしきもののPDFを見つけた。
著者名がないのだが、これがボイル氏の説明にある「セルビア/ウクライナ語で書かれた200ページあまりの本」に間違いなさそうだ。
↑最もオリジナルに近い文章が収録されていると思われる書籍PDFの冒頭
しかし、キリル文字で書かれたセルビア語なので、さすがに読めない。
で、試しにブラウザに入れている翻訳ツールで翻訳を試みたところ、それらしい日本語にしてくれるではないか。これにはかなり驚いた↓

↑キリル文字で書かれたセルビア語だが、日本語に変換してくれる

しかし、さすがに変な日本語で、このままではあちこち誤読しそうだ。
そこで、いきなり日本語訳にするのではなく、一旦英語に翻訳してみたところ、ほぼまともな英文になる。


↑日本語にする前に一旦英訳してみることにした

こういう作業を今日はずっとしていた。
なんとか本一冊分を英文に変換したものをテキストエディタに貼り付ける作業を終えたのだが、改行で分断されていたり、あちこちつながらなかったり、一部の文字が英語のアルファベットに置き換わらず「?」になっていたりして、全体を把握するのはまだまだ遠い道のりという感じだ。気力が持つかしら……。

しかし、この作業をしていて、これがまったくの偽書、捏造ではなさそうだという印象が強まった。
この本の最初のほうは、著者がいかにしてタラビッチ予言のコピーを手に入れたかという説明や、クレムナという地域には昔から霊感を持つ者たちが数多く出現し、伝統的に「予言文化」とも呼べる風土があったといったことが書かれている。
親族や関係者、為政者、軍人、地名などの固有名詞が次々に出てくるのだが、その説明や描写に余計な比喩や美辞麗句が散りばめられすぎていて、冗長だし、まとまりがない。
例えば、自分(著者)がザハリヒ司祭に直接会ったときのことと、セルビアが独立を回復する端緒を開いたとされるミロシュ・オブレノヴィッチ1世のこと、セルビア軍の最高司令官ヤコブ・ネナドヴィッチのことなどがごちゃごちゃに並んでいて、時系列が極めて分かりづらい。
この著者には大変失礼ながら、いかにも素人が書いたと思えるものだ。
こうした乱雑でくどい記述は、我々がタラビッチの予言を知ろうとするときには面倒くさく感じるが、それがかえってこの文書の出自の信憑性を感じさせる。

我慢して読み進めると、この著者が1915年にザハリヒ司祭に直接会っていることが分かる。
前回紹介したボイル氏の親戚がドイツの書店で入手したという本は1982年印刷と記されているとのことだが、1982年にはこの本の著者はすでに他界していたのではないか。となると、この著者が相当高齢になってから出版したか、1982年印刷の本は初版本ではない可能性がある。
ともあれ、セルビア語で書いているからには著者がセルビア人であろうこと、タラビッチ予言を書き留めていた代父のザハリヒ司祭に1915年に実際に会っていたことは重要だ。

↑最初のほうにかなり長く書かれている、タラビッチの生涯やこの本が作られた経緯について説明している部分

英訳本の編纂者が「言い回しのいくつかがぎこちなく、ラフだが、これは彼の田舎訛りを正確に反映しているためだ。特に、タラビッチの言葉は、彼の代父であるザハリヒ司祭との会話で構成されているため、「あなた」または「あなたの子孫」という言及は、ザハリヒに関連していることに注意したい」という注釈をつけている意味もよく分かった。
local accentというのは、「訛り」というよりも「どもり」というか、単語を飛ばしたり繰り返したりするような話し方のことだろう。それ故に、英訳しても文法的に変な部分があちこち出てくる。
彼が19世紀セルビアの農夫で、文盲であり、世界観がガッチリと保守的であることが、彼の語り口の中に様々な形で出てくる。
例えば、
「セルビアでは、男性と女性を区別することはできません。みんな同じ服装になります。この災厄は海外からもたらされたものですが、とても長い間私たちの中にとどまります。花婿は花嫁を迎えつときも、どっちがどっちだか分かりません」
という一節があるのだが、これは伝統的な服装や髪型が消えて、欧米風のジェンダーレス文化に支配されるということだろう。その光景が彼にはとんでもない「災厄」に映り、不快感を隠せないのだ。

こうした記述を拾っていくうちに、この本に収録されているザハリヒのメモ(タラビッチが語ったとされる言葉の内容)部分が、少なくとも後世に創作されたものではないだろうという印象はますます強くなった。

2022年の今、特に目を引く記述

前置き(中置き?)が長くなるのもよろしくないだろう。ここで、前回敢えてとりあげなかった、最も気になる記述について触れていきたい。
まずはなんといっても以下の記述だ。

↑これでは意味がよく分からないので、一旦英語に変換してみると↓こうなった
"The whole world will be plagued by a strange disease and nobody will be able to find a cure; everybody will say I know, I know, because I am learned and smart, but nobody will know anything.
People will think and think, but they will not be able to find the right cure, which will be with God's help, all around them and in themselves."
↑英訳本の記述

"The whole world will be ruled by some disease and no one will be able to stop it early reconnaissance; everyone will say I know, I know, because I am a scholar learned, and no one will know anything.
People with thoughts will wander around and around, and they will never be able to find it the right medicine, and with God's help, it will be everywhere around them and in them themselves.
↑セルビア語の原本を英訳ソフトで変換したもの
分かりやすく日本語にすればこうなるだろうか↓。
「全世界が奇妙な病気に冒されます。当初、誰も治療法を見つけられず、その病を止めることができません。自分は学者であり、知識があるので分かっていると言い張る者が大勢現れますが、結局のところ誰も何も分かっていません。
知識人たちはああでもないこうでもないと悩み続けますが、神の教えに耳を傾けないので、正しい治療薬を見つけることができません。実は、治療法は、自分の身の回り、そこいらじゅうに、そして自分の心の中にあるのです」

これぞまさに2020年からの世界そのものではないか。

全世界が奇妙な病気に支配されるという事態は、1918年から1920年にかけて世界を襲ったいわゆる「スペイン風邪」にもあてはまる。
タラビッチの没年は1899年なので、スペイン風邪のことは知らない。だからこの幻視はスペイン風邪のことではないかという解釈もできるが、学者や知識人たちが「自分は分かっている」と言い張る描写は、むしろ今の世界にあてはまるように思える。
そして「答えは(専門知識や先端医学ではなく)すぐ人間の身近な場所、そして人間の心にある」という記述がドキッとさせられる。
2020年以降、全世界を支配した「奇妙な病気」の正体は、恐怖を煽られた末に信じ込まされた「心の病」だといえる。その治療法も、結局のところ、自分自身が持っている免疫力を保つための正しい食事や適度な運動、あるいはせいぜい葛根湯だのイベルだのといった以前からある薬だからだ。

テレビのことを言っていると思われる部分も実に興味深い。
この部分を翻訳ソフトで英訳させると↓こうなった。
They will make a chest of drawers and in it there will be some chocolate with displays, and that he won't be able to talk to me dead, no matter what sokocalo* to be close to this other world, hair to hair with all human heads.
With the help of that box with a glass, the guy will be able to see what's going on everywhere on this earthly soil.

ここに「sokocalo」というまったく意味不明な単語が出てくるのだが、これを原文の綴りのままネット検索したところ、こんな説明を見つけた。




これらを勘案した上でこの部分の日本語訳を試みてみる。
「人は引き出し箪笥(ヽヽヽヽヽヽヽ)のようなものを発明するでしょう。
その中にはいろいろ魅力的なもの(some chocolate)が映し出されます。このガラス張りの装置のおかげで、人はこの地球上のありとあらゆる場所で起きていることを見ることができます。でも、この奇天烈な装置がどれだけ人間の脳に他の世界を目の前にあるように見せたとしても、そこに映し出された人間は死んでいて、私に話しかけることはできません」

↑かなり苦しい(都合のいい)解釈だと叱られそうだが、テレビというものをまったく見たこともないし、想像もできない19世紀セルビアに生きた文盲のタラビッチとしては、こうした表現が精一杯だったのではないか。
上の和訳では、文章の順序も入れ替えているが、説明しているタラビッチも、それを書き留めているザハリヒも、なんのことだかさっぱり分からないままなので、しどろもどろになるのは自然なことだろう。

ザハリヒが書き留めたタラビッチ語録は、彼らが理解不能な未来社会のことになればなるほど、このように意味不明、支離滅裂な記述が増えてくる。旧約聖書のエゼキエル書冒頭部分に通じるものがある。
それがまた(しつこいようだが)、この原文が実際に19世紀に記述されたものだと思わせる要素にもなっている


さて、今回はあちこちのタラビッチ関連サイトで話題になっているプーチンのことらしい記述や、第3次世界大戦のことを予言している部分に触れようかと思ったのだが、「原書」ともいえるセルビア語のこの文献を見つけたことで、今回はそこまで急がないことにした。
というのも、原文をじっくり見ると、すでにあちこちで紹介されている日本語訳とはかなり違うニュアンスも読み取れて、少し時間をかけて読み解く必要があると思うからだ。
というわけで、今回はこのへんで一旦止めておこう。
次回はいよいよプーチンや第三次世界大戦のことを述べていると思われる箇所を読み解いてみたい。

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ミタール・タラビッチの「クレムナ予言」 その魅力と信憑性(1)2022/12/18 21:19

タラビッチ(右)とザハリヒ司祭(左)……らしい
年末状の宛名印刷も完了して、後は出すだけになったし、なんか急にやることなくなっちゃったなと思っていたら、ちょうどいい玩具?が見つかった。
In Deepの岡氏のメルマガで知ったミタール・タラビッチという19世紀のセルビア人の予言(託宣?)の話。
私はこれまでまったく知らなかったのだが、この手のものが好きな人たちの間ではだいぶ前から話題になっていたようだ。
最初に概要を紹介すると……、

ミタール・タラビッチ(1829-1899)は、セルビアのクレムナという小さな村の農民だった。
彼は文字が読み書きできなかったが、時折予言的な幻視を経験した。信仰心が篤い彼は、彼の叔父であり、ミタールの洗礼時の代父(godfather)にもなっていた地元のセルビア正教会のザハリヘ・ザハリヒ(Zaharije Zaharich)司祭(1836-1918)に、未来を透視した話をした。
司祭はそのすべてを小さなノートに書き留めていたが、1943 年、彼の家族の家がブルガリアの占領軍の攻撃によって燃えてしまった際に一部が消失した。
しかし、コピーが存在し、現在、ザハリヒの曾孫であるデジャン・マレンコビッチ(Dejan Molenkovic)氏の家族が所有している。 (英訳本の編者・ジュラ・セーバーが提供した本の要約紹介的な文章を、Tim Hobbs氏が自分のWEBサイトに転載した Mitar Tarabich Serbian Prophetより)

内容はセルビアとその周辺の政情などがどうなっていくかという内容が多いが、あまりにも詳細に当たっていったので、セルビアでは「黒い予言」として知られるようになり、セルビア政府が懸念して内容を隠蔽した、という話もある。
そのせいか、当地以外にはあまり知られることがなかったようだが、近年になって資料を探し集めて発表する人がいろいろ現れ、セルビア地域以外にも広まっていったらしい。そのへんのことはNora Boylesという人が1998年9月29日付で書いている記録がWEB上に残っている。
思いがけず、私の親戚がドイツの書店でタラビッチ氏の予言のコピーを手に入れることができた。それはミタールが信頼して幻視の内容を打ち明けたセルビア正教会の司祭が作成したメモから、司祭の曾孫であるデジャン・マレンコビッチがゴルンボビッチ氏(Dragoljub Golubovich )の助けを借りてコピーしたものだった。
本のタイトルは「Kremansko Prorocanstvo (クレムナからの予言)」。ローマ字を使用したセルビア語/クロアチア語で書かれ、1982 年に印刷されたものだった。おそらく、現時点で入手可能な最も完全な情報だろう。
しかし、私(Nora Boyles)はその言語を理解できない。本は 200 ページを超え、司祭とその親戚、そしてタラビッチの親戚の写真が数多く掲載されている。しかし、言語の難しさのため、私はミタール・タラビッチの写真を特定できなかった。
願わくば、誰かがこの言葉の問題を解決してくれることを願っている。
Mitar Tarabich—Serbian Prophet: An Update by Nora Boyles September 29 1998 より)

↑この記述などは、かなり正直に書かれている印象があり、信用してもよさそうに思える。
で、ボイル氏が述べているセルビア語/クロアチア語で書かれた「Kremansko Prorocanstvo (クレムナからの予言)」は、その後、米国で英訳され、89ページのペーパーバック本として出版された。
著者はJura SeverとZoran Vanjaka。版元はVantage Pressということだ。
この本にはデジャン・マレンコビッチ氏が所有しているザハリヒ司祭の残したメモのコピーの内容と、その内容がいかにその後の歴史と符合するかという検証やいくつかの注釈が書かれている。
Fortunately a printout of the material had been obtained the first trip to the site. It was from Tim Hobbs that Gail Irwin obtained Jura Sever’s name and website: Sever Jura 3js49@qlink.queensu.Ca and eventually learned of the availability of the book she and Zoran Vanjaka were writing on Mr. Tarabich. It is available from Vantage Press, 516 West 34th St., NY, NY 10001, and is titled The Balkan Prophecy (price $9.95 + S&H). It is a small paperback book with 89 pages. From the bibliography I see that they made use of the priest’s great-grandson, Dejan Malenkovic’s work, Kremansko Prorocanstvo, as well as several other reference works to provide the basis and historical support for the accuracy of Mr. Tarabich’s prophecies.
Mitar Tarabich—Serbian Prophet: An Update by Nora Boyles September 29 1998 より)

私はこの本そのものを手に入れたわけではない。ただ、ありがたいことにこの本の編者が書いた出版前の原稿からの引用がarchive.orgに残っていたために読める
その冒頭で、編者のJura Severはこのように説明している。
私(Jura Sever)は現在、私の友人によって書かれたタラビッチに関する本を編集している。引用はそのテキストからのものだ。
タラビッチの言葉はセルビア・クロアチア語から実際に翻訳されたものであり、その翻訳は必ずしも最終的な形ではないことに注意されたい(つまり、本が最終的に出版される前に、いくつかの言い回しを変更する可能性がある)。言い回しのいくつかがぎこちなく、ラフだが、これは彼の田舎訛りを正確に反映しているためだ。特に、タラビッチの言葉は、彼の代父であるザハリヒ司祭との会話で構成されているため、「あなた」または「あなたの子孫」という言及は、ザハリヒに関連していることに注意したい。
また、タラビッチが「私たち」と言うときは、セルビア人を意味している。しかし、彼はクロアチア人、セルビア人、スロベニア人などを区別していない。彼にとって、彼の言語を話す人は誰でもセルビア人だからだ。
さらには、タラビッチの予言の内容に、彼自身の意見がどの程度入り込んでいるのかは分からない。要するに、彼が幻視した人々や出来事を説明するために使用された形容詞や表現のいくつか、例えば「知的な」「勇敢な」「正直な」「恐ろしい」「災難」といったものは、19世紀のセルビアの農民としての彼の目を通した表現だということに留意すべきだろう。

本が出版される前の校正原稿のようなものらしいが、むしろそのほうが種本の内容に忠実だろうから、貴重かつ好都合かもしれない。

で、この英訳文によってようやく我々もタラビッチの予言(予言というよりは「幻視」「未来透視」「託宣」というべきか)の内容を読めるようになったわけだが、と~にかく面白い。昨日はほとんどこの英訳原文を読み込んでいた。
「予言」としては、あまりにも正確かつ詳細な部分までその後の史実と一致しすぎているので「ほんまかいな」と疑問を抱かざるを得ない。現代の誰かが創作、捏造したのではないか、と勘ぐるのが普通だろう。

しかし、その内容は、インチキだろ、と簡単に唾棄できない魅力がある。
まず、19世紀セルビアの農夫というのが絶妙だ。イギリスやフランスなら、これだけドンピシャの内容の予言が話題にならないわけはなく、ノストラダムスの予言本などを超える世界的なベストセラーになっていそうなものだ。
でも、そうした考え方もまた、現代の情報社会に毒された偏見かもしれない。例えば「日月神示」が世界的には知られていないのと同じではないか(日本国内でも知っている人のほうが少ないだろう)。今の日本で、新コロやウクライナでの戦争のまともな情報がまったく伝わってこないことを考えても、知らされないことがいっぱいあるということは分かる。

ボイルの記述を信じるとすれば、少なくともドイツで購入できた200ページを超える「Kremansko Prorocanstvo (クレムナからの予言)」が1982年に印刷されたことは本当だろう。セルビア/クロアチア語で書かれたその内容をボイルは読めなかったと明かしている。
この「親本」の内容が後世にタラビッチの子孫などが作り上げたという可能性は否定できないが、とりあえず本物だとしてみる。
それを英訳したとする米国版ペーパーバックに創作が挿入された、あるいは史実に合わせて改作したという可能性もある。しかし、ボイルがこの本を1998年には入手して読んでいるわけだから、出版されたのはそれ以前のことで、21世紀に入ってからのことは追加や改作はできない。

2020年代を生きる我々が特に興味を引かれるのは、種本の後半部分に語られている第二次大戦後の世界を幻視した部分だ。
例えば、第二次大戦後の世界を述べたこんな部分。
「世界大戦の後、世界に平和が訪れます。多くの新しい国が出現します...黒、白、赤、黄色。
国際法廷が形成され、国々が互いに戦うことは許されません。この法廷はあらゆる国王より上位にあります。戦争が始まると法廷は公正に裁き、憎しみと殺戮を愛と平和に変えようとします。生きてこの時代を見ることができた幸運な人々はどれほど幸せなことでしょう」
「しかし、しばらくすると、何人かの強い王たちと小さな王たちが、その国際法廷への敬意を装い、好き勝手なことをし始めます。そのせいで多くの小さな戦争が始まります。多くの死者が出ますが、大きな戦争ではありません」
「イスラエル王国の周りでいくつかの戦争が起こりますが、遅かれ早かれ、そこにも平和が訪れます」
「これらの戦争では、兄弟が兄弟と戦います。 それから彼らは和解し、お互いにキスをしますが、彼らの憎しみは残ります」
「これらの小さな戦争はすべて、その邪悪さと悪意のために、強大な王国によって先導されます。盲目的な愚かさゆえに、彼らは互いに争い、虐殺し合のです」

国際法廷(英訳本では an international court)というのは国連のことだろう。国連を金科玉条のように仕立てて好き勝手する国々が出てくる。特に強大な王国(複数)によって誘導されるいくつもの小さな戦争(All these small wars are initiated by the great kingdoms, because of their wickedness and malice; those who fight and butcher each other do it because of their blind stupidity.)……という部分は、まさにアメリカを筆頭とするNATO勢力や軍産複合体が、巧みな情報操作、世論誘導で人々の間に憎しみを植えつけ、民族紛争を誘導していくという冷戦後の世界史そのものだ。

他にも、いくつか抜き出してみる。
「私たちの国では、平和と繁栄の時代が長く続きます。多くの世代が平和な時代に生まれて死ぬでしょう。戦争は巧みに書かれた本や言葉、そしてさまざまなおかしな幻影を通してのみ知ることになります」

英訳本の編者は、この「さまざまなおかしな幻影(different strange apparitions)」とは、テレビやラジオのことかもしれないと注釈している。
これはまさに現代の情報操作、情報戦争にあてはまる。タラビッチが言う「私たちの国」はセルビアやクロアチアだが、我々日本人も、1945年の敗戦以降に世界中で起きている戦争については、文字や映像、音声による情報でしか知ることができない。
その情報が捏造され、歪曲されていれば、情報を受け取る我々は、情報戦争を仕掛ける者たちの意のままにその戦争を色づけし、操られてしまう

「私たちの王国は強く、誰からも愛され、尊敬されます。人々は「白い」パンと全粒小麦だけを食べたい時に食べるようになります。誰もが牛なしでカートに乗ります。人々は空を旅し、タラ山の倍の高さに登ったかのように私たちの土地を見下ろします。
ウジツェの下、そしてこれらの山々の周りには多くの工場が建設され、人々は土地を離れて工場で働くようになります。彼らは長い間それを好みますが、やがて彼らは自分たちの土地を思い出し、そこに戻ってきます」

これなどは特に解説はいらないだろう。タラビッチの生きた時代(1800年代後半)は日本では幕末から明治時代である。自動車はすでに発明されていたものの、空気入りタイヤや円形のステアリングが装着された自動車が登場するのはタラビッチの死後、1900年代に入ってからだ。もちろん、セルビアの小さな農村では自動車など見たこともなかっただろう。飛行機にいたっては、ライト兄弟が世界初の本格的な有人飛行を行ったのが1903年12月だから、これまたタラビッチの時代には存在もしていない。

「セルビアは、白い馬に乗った青い目をした男が統治している間、最も繁栄するでしょう。その男はセルビアに来て、ある新しい宗教をもたらします。王位に就いた彼は、強く、健康で、100年に近い長寿をまっとうします。彼は狩猟が好きで、狩りをしているときに誤って白い馬から落ちて足を失います。彼は老齢のためではなく、この傷のせいで死ぬでしょう」

この「白い馬に乗った青い目の男」はヨシップ・ブロズ・チトー(1892-1980)に該当する。
チトーは1920年にユーゴスラビア共産党に加入。第二次世界大戦時にはドイツ国防軍への武力抵抗を呼びかけて人民解放軍(パルチザン)の総司令官になった。
戦後はユーゴスラビア社会主義連邦共和国首相兼国防相、第2代大統領、終身大統領となり、1980年5月4日、87歳で死去した。
死因は循環障害により壊疽を起こした左足を切断する手術を受けたが回復が思わしくなく、腎機能障害、肺炎、胃腸内出血、肝機能障害などを起こしたことによるとされている。
タラビッチの予言で唯一史実と違っているとされているのが「白い馬に乗った青い目の男(チトー)」の死因が狩猟中に落馬して脚を失ったことによるもの、という部分だとされている。しかし、むしろ「落馬して脚を失った」という若干の不一致が、ザハリヒ司祭のメモがでっち上げではない本物なのではないかという信憑性を生んでいる。
チトーが乗馬の名手で、狩猟好きだったことは事実なのだ。
しかも彼はクロアチア(当時はオーストリア=ハンガリー帝国の構成国スラヴォニア王国の領内)の出身で、父親はクロアチア人、母親はスロベニア人。
まさにセルビアに「やってきて」、社会主義という新しい宗教をもたらした。

タラビッチのセルビアとその周辺地域に関する予言(幻視)は他にも数多くあり、彼の死後の歴史はまさにその通りに進むのだが、ここではとりあえずそれらは飛ばして、現代世界のことを述べていると思われる部分を見てみよう。

「司祭様お分かりでしょうか。第二次世界大戦後、世界は平和で豊かに暮らし始めますが、それはすべて苦い幻想です。多くの人が神を忘れ、自分の、つまり人間の知性だけを崇拝するからです。
司祭様はご存じでしょうか? 神の意志と知識に比べて、人間の知性とはいかほどのものでしょうか? 人間の知識など、海の中の一滴でさえないのです」
「人間はある種の箱を作るでしょう。その中には画像付きのある種の小道具が組み込まれています。この画像ガジェットの助けを借りて、人は世界中で起こっていることすべてを見ることができます。しかし、たとえこの画像付き小道具が人間の頭皮の毛と同じくらい近くに別の世界を見せてくれたとしても、それらの映像はすでに死んでいて、私と通信することはできません」 「人はすぐそばにいる隣人よりも自分が持っている小道具を信頼するでしょう」


この「画像付きの小道具が組み込まれた箱(a box and within will be some kind of gadget with images)」は間違いなくテレビ、あるいはその後に出てくるパソコンやスマホのことだが、これに関する記述は一部が前後していて分かりにくい。
英訳本では、上に記述した通りにはなっておらず、「人間はある種の箱を作るでしょう。その中には画像付きのある種の小道具が組み込まれています。しかし、たとえこの画像付き小道具が~」と続いていて、かなり後になって「この画像ガジェットの助けを借りて、人は世界中で起こっていることすべてを見ることができます」という記述が出てくる。
英訳本の編者はこうした記述の乱れについて、
ザハリヒは、タラビッチが予言した時点で常に書き留めていたわけではない。ときには数週間後に書き留めていた。そのせいで、彼の記録にいくつかの繰り返しや順序の混乱が起きているのかもしれない。
と説明している。
しかも、テレビや飛行機といった現代文明については、タラビッチもザハリヒ司祭も見たことも聞いたこともないわけで、なんのことか分からないまま語った内容をそのまま書き残しているのだから、なおさらのことだろう。
そう考えると、英訳本の著者や編集者が意図的に内容を改竄したという可能性も低いように思えてくる。

現代社会を幻視したと思われる記述部分をさらに抜き出してみる。

人々は地中深くに井戸を掘って黄金を掘り出し、光と速度とパワーを与えられますが、代わりに地球は悲しみの涙を流すでしょう。黄金と光は地中よりも地上にあるからです。人間が開けた穴の傷のために、地球は苦しむでしょう。

石油は black goldと呼ばれるように、現代文明にとってはまさにgoldに代わるものだ。石炭やレアメタル、レアアースといった地下資源もすべて「金」といえる。これも説明不要だろう。

「人々は畑で働く代わりに、やみくもにあちこちを掘りまくり掘り当てたり外したりしますが、本当の力(real power)は人間のすぐそば、周囲にあるのです。地球はこう言っています。『ここだ。私を見つけなさい。きみたちのすぐそばにいる私を』と。
いくつもの夏を過ごして(※メモの中によく出てくる表現で、要するに長い時間を経て、という意味)初めて、人々はこの本当の力を思い出し、あちこちに穴を掘ったことがどれほど愚かであったかを理解するでしょう。真の力は人間の内部にも存在しているのですが、人々がそれを見つけ、使えるようになるまでには長い時間がかかります。
このように、人は長い間自分自身を知ることができずにいます。本を読み、知識を得た知恵者たちは、自分たちは何でもできると勘違いします。こうした知識人たちは、人が自分自身を知ることの大きな障害になります。人々は本当のことを知ったとき、知識人たちの言うこと信じたことがいかに間違った妄想であったかを知ることになります。
本当のことを知ったとき、人々はなぜこんな簡単なことが分からなかったのだろうと呆然とするでしょう。真実とは、本当に単純なことだからです。
人は、何もわかっていないのに何でも知っていると勘違いし、何でもできると思って、多くのばかげたことをします」
「人々の魂は悪魔よりもずっと悪いものに取り憑かれます。人間の頭の中には真実など何もないのに、自分たちが抱く幻想が本当の真実であると信じるでしょう」

このへんは少し宗教がかった言い回しになっている感じもする。タラビッチは敬虔なセルビア正教の信者であり、その言葉を記録したザハリヒは司祭であることを思えば、教条的なニュアンスが加わることはむしろ自然なことで、ある意味こうした表現になっていることも、種本が本物だという印象につながるかもしれない。


さて、長くなってきたので、とりあえずこのへんで一旦切っておこう。続きはさらに面白いのでまた次のページで……。

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狂った社会を生き抜くために2022/11/27 12:13

NHK名物? まさかの勝利の後のお通夜風景

あるカフェの自然体ホスピタリティ

最近、地元の小さなカフェにたまに遊びに行く。
ジャズトランペッターのマスターがひとりで始めた手作りの店だが、今はバンド仲間だった女性が手伝っていて、その2人がスタッフ総勢。
音楽好きの高齢者が常連になり、すぐにセッションが始まるし、楽器初心者が経験者に手ほどきを受けるために通ってきたりしている。
この店は、私にとっては音楽を楽しむというよりも、今は「人と楽しく会話する」ことができる唯一のお店という点でとてもありがたい。
ここ数年、特に新コロインフォデミックが始まってからは、外食することもなくなったし、スーパーで買い物するのもいちいちマスクのこととか考えるとストレスを感じる。そんな日々の中で、この店は、なんのストレスも感じることなくいられるというだけで貴重なのだ。
家に帰ってきてからも、なんだか少し元気が出て、身体も軽くなったような気がする。
最初は気づかなかったのだが、客も店側の人間も誰一人マスクをしていないときがある。
3年前にはあたりまえのことなのに、そんなことがすごく特別なことになってしまっているのだなあ。国民服と「もんぺ」の社会が再現されてしまっている。

さらによく観察していると、お店の人はお客さんが店の中でマスクを外さなければ自分たちもマスクをして、客のだれもマスクをしていなければ自分たちもそっと外す……という暗黙の行動をしているようだ。それも、いちいち客側に意識させないようにさりげなく。
そういうところが素晴らしいな、と思う。
つまり、どっち方向にもムキにならないのだ。
大人がマスクをするのは自由だ。したければすればいいわけで、それをいちいち論争の火種にしていたら、ただでさえ鬱陶しく閉塞感に満ちた日常生活がさらに耐えがたいものになってしまう。
世界から取り残された今の日本において、このお店の柔軟な姿勢というか自然体のホスピタリティは、店と客の関係という点におけるマイルドサバイバー的な1つの解だと思う。

重曹をkg単位で買う


Amazonで購入でポチした4.7kg入り重曹2袋が到着。
何にでも使える万能選手。キロ単位で買うと安い。
ネットでは重曹とクエン酸をまぜた水が新コロワクチン後遺症の軽減に効くとか、癌細胞の増殖を抑えるとか、いろいろかまびすしい。
その真偽のほどはよく分からないとしても、取りすぎたりしなければ身体に害があるものではないので、変な薬に手を出すよりずっといいだろう。私自身はそこまでの必要に迫られている感じはないので、まだ試してないけれど。
かみさんは食器洗いや洗濯にだいぶ前から使っていて、もう手放せないと言っている。
重曹とクエン酸を水に混ぜたらそれはただのソーダ水だわね。それで癌が治療できるなら、そんなにいいことはないだろうけれど、医薬品メーカーは困ってしまうね。知らんけど。

兆単位の税金を使って人々に臨床試験が済んでいないmRNAワクチンなる薬剤を打ち、その後遺症が騒がれて、解毒には重曹水が効くなんていう話が溢れている現代社会。

そういえば、先日UPした「報じない国・ニッポン」にTwitterで最初に♡マークをつけてくれたのは川田龍平議員だった↓。ちょっと驚いた。


薬の怖さも恩恵も身を持って知っている川田議員。立憲民主党の中では貴重な存在だ。でも、立民も上層部はな~んにも分かってないのか、無意識に逃げているのか、あるいはすでに取り込まれているのか、まったく政権を取れる器ではない。
米国の二大政党制というのも、歴史を見ればどちらも戦争屋、株屋の道具になっているような仕組みだし、「民主主義」なんてものは、最初から存在していないか、詐欺のお題目なのだろうな。

ただ、ほんの少しずつではあるけれど、まともな方向に舵取りしようとする政治家も出てきているのかもしれない。
↓これなどは朗報。トンデモ国になってしまったカナダにも、まともなことを訴える州知事が登場したようだ。




Danielle Smith was sworn in as Alberta’s new premier on Tuesday and in her first news conference, said that vaccine mandates are an "unacceptable" form of discrimination.
"They have been the most discriminated against group that I've ever witnessed in my lifetime," Smith said. "I find that unacceptable - we are not going to create a segregated society," she added.

「ワクチンの強要は受け入れがたい差別形態です。これらは私が生涯見てきた中で最もひどい差別であり、受け入れることはできません。私たちは分断社会を作ってはなりません」


↑子供のマスク問題についても孤軍奮闘の様子

Danielle Smith──彼女は教育委員会委員やコラムニスト、ラジオキャスターなどの経歴を経ているという。
最近は、まともなことを言う人も、巧妙な心理戦の中で仕掛けられた当て馬だったり操り人形だったりすることもあるので、信用できる人物なのかどうかは、言動の他に「顔」をよく見て判断するようにしている。(お、偉そうに……)

Wikiより

日本でも、国政がここまでひどい状況で、簡単には立て直せなくなってしまった以上、地方行政の場でまともなリーダーが登場することを期待したほうがまだ望みがあるのだろうか。
民間レベル、個人レベルでは少しずつ動いている。主要メディアが絶対に伝えようとしないメッセージを、有志たちが諦めることなく、なんとか伝えようと努力している。



「私たちは新コロのデタラメな情報阻止における戦いにおいて、偽情報ばらまき屋と呼ばれながらも勝利しつつあります。しかし、この戦争はまだまだ終わっていません。一緒に戦いを続けると宣言してくれる人はいますか?」

↑こうした声を上げている医師たちは、これで金をもらうわけでもなく、儲かるわけでもない
むしろ、医療業界の中で潰されたり、場合によっては命を狙われかねない危険を承知で訴えている。
一方、打て打てと言い続ける医師たちは、それによって莫大な利益を得ている。新コロ騒ぎを巡る利権は兆単位の巨額。濡れ手に粟のような金を得た体験は簡単に捨てられないだろう。
新型コロナ患者の受け入れのため、病床を確保した病院に交付金を支払う事業について、会計検査院が調べたところ、32病院に対して約55億円が過大に支払われていた。対象外の病床や区分が不適切な病床が計上されて申請され、自治体の審査もすり抜けていた。検査院は過大額について返還を求めたという。
コロナ病床の補助金55億円が過大 病院側「頂けるうちに…」2022/11/7 朝日新聞

これまで講じていた接種費用(2,070円)への時間外・休日加算相当分の上乗せ、時間外・休日のワクチン接種会場への医療従事者派遣に対する財政的支援に加え、今般、診療所ごとの接種回数の底上げと接種を実施する医療機関数の増加の両面からの取り組みにより、接種回数の増加を図るため、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用し、個別接種促進のための新たな財政支援を行う。
厚労省「ワクチン接種に係る新たな支援策について」

どちらの医師を信用するか、ということ。




とにかく、少しずつでも世界が正常化しますように……!!

いつも通りの正月を迎えられる国と地獄の冬を迎える国

金曜日はいきつけの地元のスーパーが「シルバーデー」と称して65歳以上の客の買い物を5%引きしてくれる。実質、消費税分が半額になるわけで、買い物は金曜日……?
レジのところに「シルバー割引きで」と意志表示するための紙が吊されているのだが、それを取ろうとしたらレジの男性が「(いちいち取らなくても)だいじょうぶですよ」と言ってきた。
容姿を見ただけで高齢者だと分かるというのも、面倒くさくなくていいような、現実を突きつけられるようでガックリくるような……。

入口に正月用品がズラッと並んだドラッグストア。まだ11月だよぉ~
灯油をいつもより多めに買い置きしておく。どのタイミングで値上がりしていくか分からないのでね。

ネコ車はノーパンクタイヤの深底タイプに限る。重い灯油タンクもこうやって運べる

灯油は店頭販売で109円/㍑(税込)だった。
ついに100円超えか~。少し前のレギュラーガソリン並みじゃないか。
あらためて調べてみたら……、

こんな感じだった

これも国が一旦買い支えしているからこの程度で済んでいるわけで、いつまでこんなことが続けられるのか。
ヨーロッパはそろそろ大規模な暴動とか起きて、この冬は大変なことになるんじゃないかしら。特にドイツ、イギリスは、このまま政府が狂気の自爆路線を突き進めば、爆弾が降らなくてもじわじわと死者が増えていくだろう。

マイナンバーカードをめぐる小さな話題

マイナンバーカードによって個人の医療記録や預金口座などすべてを一元化して監視、管理できる社会を作ろうとしている、という話もたくさん飛び交っている。
我が家では情報が抜き取られていることについてはとっくに諦めている。
マイナカードなしではネットでの確定申告ができないだけでなく、原稿料やら出演料を振り込んでくる出版社や放送局がマイナンバーカード情報の提出を求めてくる。当然、その情報は国に自動的に入っているわけで、すでにガッチリと握られてしまっている。もちろん、我が家のような貧乏世帯なんかどうでもいいことだろうけれどね。

出版社や放送局、番組制作会社などからの「マイナンバーカード情報の提出をお願いします」という書面は何年も前からすでに何通も受け取っている。仕方なく応じているが、最近、どうにも理解できない企業(某放送局)からきた。
その放送局の番組出演は10年以上前にあったきりで、もちろん振込も10年以上前に済んでいるので、なんだろうと訝ったまま放っておいた。
そうしたら、今日、その放送局から速達の封書が届いた。
マイナンバーカード情報の提出を早くしろという督促状かと思ったら違った↓


……なんでしょね、これは。
カード情報を扱う企業やら役所やら銀行やらがこんな調子だったら、制度がどうのという以前に、この国のシステムセキュリティのレベル(特に人為的な部分)が危ういよね。

そんなこんなでも、ちゃんとご飯食べて、お風呂も入れる生活が今のところはなんとか保てているだけでも幸せだと思おう。

重曹とかいろいろ
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50年前のカセットテープに入っていたAKAIのラジオCM2022/08/28 20:29

少しでも断捨離しなくちゃ、と思ってゴミの山に向かったのだが、古いカセットテープの山から、ああ、これは捨てられないよなあと思うようなものが出てきて、また作業が止まってしまった。
大元のテープからダビングを重ねて編集したものばかりだが、一番古そうなのは1972年と記されたもの。
中2の秋に結成したフォークバンド「巨蕭(きょしょう)」も、もうすぐ大学受験だし、最後に録音でもしようか、と、河原君の家に集まって録ったものらしい。
あたしと河原君、石井くん、そして録音係として佐野くんもいるみたいだ。野口くんがいないのは、すでに受験勉強に専念して抜けていたからかな。
聴いてみたいが、カセットテープを再生するプレイヤーがない。
何年か前に買ったUSB出力のついたカセットプレーヤーがあるはずだと思って部屋中捜したが出てこない。数時間後、ようやく見つけたのだが、再生してみたらモケモケの音で、聴けたもんじゃない。
これはテープそのものがダメなのか、それともプレーヤーが劣化してダメになっているのか?
動作はするので、何本か差し替えて試したのだが、どれもひどい音でグニョグニョ。
そこで、どこかにラジカセがあったはずだと、かわず庵に戻って持ってきたが、ラジオは受信できたが、カセット部分は音が出なかった。
悩んだ末に、メルカリやAmazonでカセットテープ再生機を探した末に、Amazonで前に買ったのと同じようなやつをポチした
「残り1点」で2,480円だったが、今確認したら「残り1点」のまま3000円に値上げしていた。「残り1点」はおそらく「釣り」だろう。

翌日届いたのだが、なんと、前に買ったサンワサプライの製品とまったく同じものだった。OEMで何社にもフタと裏のシール部分だけ替えて供給しているようだ。
サンワサプライのは4980円で出ているので、半額で購入できたわけだ。


↑↓左が今回購入したもの。右が数年前に購入したサンワサプライのもの。まったく同じ製品だった


これも最初は苦労したのだが、なんとか今度はマシな音で再生できた。


↑50年前の私の歌声。
一緒に歌っているのは河原君と石井くん。

で、これよりもっと聴きたかったのがこれ↓

1971年頃、ラジオから流れてきたAKAIのオープンリールデッキのラジオCM。
FMの音楽番組を録音していて、たまたま一緒に録音されていたもの。ナベサダの番組か何かだったのかな。
3分45秒の楽曲を2分50秒まではまったくナレーションなしで聴かせてくれるので、そのときも最初はCMだとは思わなかった。
私が師匠と思っている樋口康雄氏さんの作風だが、AKAIだから、作・編曲はおそらく大野雄二さんだろう。
短調とも長調ともつかない、ドレミではとても歌えないような調性感のない?メロディなのだが、違和感などはまったく感じさせず、お洒落で耳に心地よい。
こんな贅沢な放送文化、音楽文化があった時代なのだと、改めて感じさせてくれる名曲。
これをカセットテープに入れてよく車の中で聴いていたのだが、長いことテープを紛失していて聴けなかった。

↑車で聴くために編集したテープ。「My Favorite Melodies」とある。昔はこういうことみんなやってたよね

↑安物のテープなので劣化が心配だったが……
今回はしつこく再生に挑戦した結果、なんとか聴けた。
埋もれさせたままなのはあまりにももったいないので、いろいろ問題はありそうだが、YouTubeにUPしてみた。

凄いよなあ。
50年前の日本はこうだったんだなあ。奇跡のようなかっこよさ。
「グリーン・スリーブズ」みたいなメロディックマイナーのメロディというのともちょっと違うし、かといって、メジャーでもマイナーでもないような調性感の摑みにくい曲。

↑冒頭の部分を譜面に起こしてみただけでも、転調やら変拍子やらテンポチェンジやら……滅茶苦茶凝っている。それなのに嫌みがまったくない。普通に聴いていたら「ああ、きれいなメロディだなぁ」で終わりそうな自然さ。
こういう音楽が50年前には一部の音楽家たちによって量産されていた。樋口康雄、大野雄二……この二人は一体どれだけの劇伴やCM音楽を書いたことだろう。そのすべてがかっこよくて、テレビのイヤホンジャックにコードをつないでテープデッキに録音したりしたものだ。
このメロディが頭から離れず、脳が興奮したままでよく眠れなかった。

50年経った今、こういうのを聴き直すと、自分がいかに中途半端で凡人なのかが分かり、静かなため息が出る。
残りの人生、数をまったく無視した創作活動をしようと、改めて思った。「一人に向かって」どころか、自分だけに向かって。
誰にもおもねない。受け入れられるという計算もしない。
そうして、肉体から抜けて行く準備をしていけないだろうか……。

ああ、やっぱり音楽は魔物だな。

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「陰謀論」を論じる呑み会2022/04/23 11:21

歴史の必然なのか、AIの計算なのか

イシ: さて、吾狼さんがシクシクと泣き出してしまったので、このへんで吾狼さんが喜びそうな陰謀論に入っていきましょうか。データの裏付けとかはあまり関係なく、空想、妄想、推理の領域に。

吾狼: いいですねえ! 待ってました。

幽大: 単純なやつだな。

吾狼: いやいや、陰謀論はむしろ幽大さんの得意分野じゃないですか。

幽大: 余輩のは陰謀論ではなく「予言」だ。

吾狼: はいはい。

イシ: で、陰謀論といっても、話があまりにもとりとめがなくなるのもアレなので、最初に私からひとつ命題を提示してみますね。それは、

 A) 今起きている異常なこと、コロナとかワクチンとかウクライナは互いに連係プレーをしているようにも見えるんですが、これは人類の歴史から見て特に異常なことというわけではなく、人間の(ごう)というか(さが)というか、そういうものがもたらした宿命的なものなのか、

 それとも、

 B) そういう破滅的な計画を立てて実行している何者かによって操られているものなのか、

 ……ということです。

吾狼: え? どういうことですか? 簡単にいうと、自然発生的なものなのか人為的なものなのか、ということですか?

イシ: う~ん、言い方が下手だったな。どう言えばいいかな。
 人間が破滅に向かって異常な行動をしていくのも人間が本来持っている性質であって、その意味では「自然」なことだ、というのが前者のA説。
 そうではなくて、人間の人智を超えた何者か、あるいは極めて少数の権力者や富豪が組織的に計画を立てて実行しているというのが後者のB説、かな。
 一般にはB説的なものを「陰謀論」と呼んで、信用するに足りないと唾棄される傾向があるわけだけど。

幽大: その2つは違うものなのかね。どちらの要素も含んで進んできたのが人類史ではないのか?

イシ: う~ん、そう言われてしまうと……そうなのかも……。

幽大: 例えば、余輩は新コロは人工ウイルスだと思っているが、そういうヤバいものを作りたがる、そして作ってしまうのは、人間が本来持っている欲とか好奇心といった「生物的な特質」によるものだと思っておる。
 古代人が、より破壊力のある武器を作ろうとしたように、科学が進めば、遺伝情報を操作したいとか、ウイルスを作り出したいと思う人間は必ず出てくる。人間というのはそういう性質を持った生き物だと考えれば、人工ウイルスも、広い意味では「自然発生」したともいえるわな。
 人間が自然を破壊して文明の寿命を縮めるのもそうだし、戦争がなくならないのもそうだ。個々の事例は自然発生ではなく人為的なものだが、そういうことをしてしまうのが人間なのだ、といってしまえば、すべては「自然の成り行き」だ、ともいえる。

吾狼: ああ、それはよく分かります。
 ただ、その考え方は広すぎてしまって、いわゆる陰謀論──イルミナティだのディープステートだのが人口削減計画を実行している、みたいな話も、人間はそういう組織もまた作ってしまうものなのだ、と言えてしまいますよね。そうなると、すべてが「人間とはそういうもの」で片づけられてしまいそうです。

幽大: そういうものだろう?
 だから余輩は、以前から「陰謀論」という言葉そのものが気に入らんかったんだ。権力者や金持ちがやることは陰謀に決まっているではないか。陰謀のない歴史などない政治も経済も、陰謀と陰謀がぶつかるゲームだわな。
 春が来れば緑が増えて、冬になれば眠りにつく命が増えるみたいな自然の成り行きで行動している権力者や富豪がいると思うか?
 世界は権力者と富豪が動かしている。つまりは世の中は常に陰謀で動いている。そんなことはあたりまえではないか。

吾狼: そうですよねえ!
 例えば、今起きているウクライナ紛争は、アメリカがロシアのプーチン政権を潰そうとして仕掛けたこと、というのははっきりしていますよね。アメリカの中枢やその回りにいる一部の連中、ヌーランドとかが、CIAとも連携して、東欧の過激思想国粋主義者をテロリストに育て上げていた。イラクのときと同じやり方です。
 ウクライナにロシアとの友好関係を重視する政府ができると、政府に不満を持った市民を扇動し、クーデターで倒して、自分たちが操れる政府に入れ替えた。そして、傭兵や過激思想の兵士を訓練し、高性能な兵器を与え、軍事援助して、ドンバス地方のウクライナ人を虐待、虐殺してきた。
 アメリカはロシアを潰すためにそういう連中を利用しているつもりでも、アメリカから支援を受けた過激思想の連中は、ロシア語を話すウクライナ人はウクライナ人ではない。殲滅してしまえ、という衝動で動く。
 こうした流れが生まれるのは、一部の異常な思想の持ち主が大きな役割を果たしていて、ほとんどの人たちは全体像が見えないまま、いいように操られているわけです。
 こういう現実までも含めて「陰謀論だから信じるな」と言って調べようともしない人たちは、思考放棄ですよね。

幽大: おお、珍しく意見が合ったな。

イシ: ……ああ~、なんだか私が一人浮いちゃいましたね。
 では、こういうのならどうでしょう。
 病的思想を持ったサイコパスみたいな連中と、無能だけどカリスマ性だけはあるような連中が入り乱れて、ランダムな結果が生まれているのが現代社会である、というのがA説。
 そうではなく、極めて統制の取れた少数の頭のいい人間、あるいは人間を超えた何者かがシステマティックにあらゆる場面を操っているというのがB説。

吾狼: それだと、いわゆる「陰謀論」は後者のB説になるわけですね。

イシ: そうなるのかな。

幽大: 余輩はどちらかというと前者だな。超人的な頭脳を持った何者かが集まった、完全に隠された組織が世界を動かしているわけではなく、所詮、大したことのない人間たちが、たまたま調子こいたり、暴走したり、あるいは緻密な悪巧みを大胆に実行している結果が現代社会なのだろう、と思っておる。

吾狼: 幽大さんは神秘主義方向の人かと思ってましたが、実はドライなリアリストなんですね。

幽大: 近現代史を学べば、実につまらん少数の人間が悲惨な歴史を作り出してきたことが分かる。明治以降の日本はまさにそういう歴史を刻んできただろう? 東條英機とかはその典型だな。
 つまらん人間の下で、優秀な頭脳を持った学者・技術者や勤勉で従順な兵隊が動く。あ、兵隊というのは必ずしも鉄砲持った軍隊組織のことではないぞ。一般庶民、特に「組織、集団に縛られて生活せねばならん一般人」のことだ。
 あの悲惨な歴史を作りだしたのは、言ってみれば頭のよくない人間──欲望があり、煩悩があり、自己顕示欲、権力欲、名誉欲、自己防衛本能がある「普通の人間」たちだよ。とびきり頭のいい少数の人間が裏で操ったというわけではないだろう。石原完爾は東條英機の100万倍頭がよかったと思うが、歴史の中では決定的な役割を果たせなかった。最終的には東條のような愚か者が歴史を大きく動かした。そこには何ら合理性や法則性などない。「たまたま」そうなった。それが歴史というものではないかな。

吾狼: でも、そういう「普通の人間」たちを、いかに効率的、かつ、思い通りに動かすかを知っている、頭のいいごく少数の人間の組織がその上に、というか、その裏にあるのかもしれませんよ。

幽大: それがきみたちが言う「ディープステート」とかか?

吾狼: ええ、名称はなんでもいいんですが、国とか既存の宗教とかを超えたエリート意識で結びついているグループですね。例えば世界経済フォーラムとか……。

イシ: あのメンバーがみんな頭のいい連中とは思えないけどね。

吾狼: ええ、そうですね。最近バカっぷりがどんどん露呈している日本のあの若手政治家なんかも関係してますしね。でも、あのレベルのメンバーやパートナーとなっている企業などは全部、利用されている使い捨ての駒にすぎないわけで、その裏側にはほんとうに数人とか十数人くらいの超エリート会議みたいなのがあるんじゃないですかね。

イシ: 習近平も世界経済フォーラムのメンバーじゃなかったっけ? 少し前まではプーチンも。一筋縄ではいかない集団という感じはあるね。

吾狼: ええ。ジョージ・ソロスとかビル・ゲイツとかクラウス・シュワブとか、まあ、いろんな人が入り乱れてます。でも、ぼくはそのさらに上の決定をしている、表には決して出てこない「見えない存在」があるんじゃないかと勘ぐってるんです。

幽大: ほお~。誰だね、それは。

吾狼: 誰……ではなく、AIです。高度な人工知能。AIがネットを通じて得られるありとあらゆるビッグデータを駆使して計算し尽くして、人間はこういうふうに行動すると学習し、そのアルゴリズムに従って様々な計画を打ち出し、その計画を随時修正しながら実行させているんじゃないでしょうか。

イシ: ああ、それは以前から言われている説だね。それこそ「陰謀論」の本命的な説とでもいうか。

幽大: そうなのか? 人工知能が人間に指図しているのか?

吾狼: そう考えれば、ここ数年の異常な状況も説明がつくのかな、と。

イシ: 私はAIが計画を作っているという説は十分にありえると思っているけれど、AIそのものが自主的、というか、自立して計画を立て、指示をしているとまでは思っていないんだよね。やはりそれを使う者がいて、AIはあくまでも道具だろうと。

吾狼: だとしたら、もしもAIを使っている人間が望むのと違う答えをAIが出してきたらどうするんです?

イシ: 多分、AIが出してくる計画なり方法はほぼ絶対なんだと思うよ。問いを入力した人間側が「え? いくらなんでもそれは……」と躊躇するような答えが出てきても、AIの答えには従う。ただ、最終目標はAIが決めているわけじゃないと思う。

吾狼: 最終目標というのは? やはり人口削減とかですか?

イシ: いや、それも手段というか、方法だろう? 最終目標というのは、もっと宗教的な領域に入ることじゃないかな。

吾狼: 宗教的な領域……ですか……?

イシ: うん。一言で言えば、神の意思に従った新世界の建設、みたいなことかな。

吾狼: どんな神です? やはり旧約聖書的な神ですか?

イシ: 既存の宗教を包括したような、モワッとしたものかもしれないね。
 人は必ず死ぬ。でも、死を超えた救済があると信じたい、というのが多くの宗教の共通した核のようなものでしょ。その共通項のためには、いろんなものを削ぎ落としていく。○○教の教義とか、既存の倫理とか常識はどうでもいい。今の世界を塗り替えてくれるような新世界の出現という、その一点だけ。
 その「新世界」というものへのイメージは、集まっているメンバーによってだいぶ違うかもしれない。いや、違うだろうね。育ってきた文化背景が違うんだから。でも、その違いを乗り越えて動くことで、彼らは自分たちは他の人間たちとは違う超エリートなのだという意識を持てる。
 そこに一種無宗教的なリアリストも参加してくる。
 宗教的な要素とは関係なく、現在の数の人間が永続的に科学技術の恩恵を享受できる世界が続くことはありえない。人口を減らすことは必須の条件だ、と考えるリアリスト。彼らはあらゆる計画を数字や計算で処理するから、宗教的な意識の強い連中だけの組織よりも、強力、冷徹な意思を持った組織としてまとまる。
 世界経済フォーラムのサイトを開くと、あちこちに「メタバース(三次元仮想空間)」という言葉が出てくるでしょ。それがいいとか悪いとかではなく、とにかくこれからの世界はコンピュータ上の仮想空間が重要な役割を果たしていく、と言いたいようだね。

幽大: それがすでに一種の宗教だな。すでにコンピュータに支配されている感じだ。

吾狼: AIが支配しているのか、単にAIを使っているだけなのかは分かりませんが、とにかくAIが指令を出していると思うんですよ。
 だって、ここ数年の世界の動きを見ていると、とても人間が計画しているようには思えないほど緻密で、冷徹じゃないですか。
 例えば、中国は今、上海をはじめ、あちこちの都市をロックダウンしていますよね。コロナの蔓延を防ぐためだと言いますけど、実際には今の中国でコロナ死なんてほとんどないと思いますよ。あまりにも理不尽です。中国政府がそこまでバカだとはどうしても思えません。
 じゃあ、なんでそんなことをしているのか。
 アメリカの一国支配を潰すためだと思うんです。上海には西側諸国の大企業が集まってますから、あそこをロックダウンしたらたちまち経済活動ができなくなる。

幽大: だが、それは中国の首を絞めることにもなるだろう? 実際、農村では作付けができなくなり、食糧危機を招いていると聞くが。

吾狼: はい。それで食糧不足になるのを見越して、中国はすごい勢いで小麦などの穀物を世界中から買い集めてます。
 そうすると、食料を輸入している国々、特に西側先進国と呼ばれている国々の食糧危機がますます加速する。西側諸国がロシアの経済制裁とかやっていることで、ただでさえ食糧危機、エネルギー危機に陥るのを、一気に加速させて息の根を止めようとしているんだと思います。
 自国の作付けを阻害しているんだから、中国の国民もある程度餓死するかもしれない。でも、それも中国政府には計算済みなんじゃないですかね。国力を落とさない程度の人口調整は必要だ、くらいに思っているんじゃないか、と。あの政府はそういう冷酷な政府です。

イシ: なるほどねえ。吾狼さんの読みは深いな。
 私も、実はいちばん恐ろしいのはプーチンではなく習近平だと感じているんだ。
 プーチンは冷酷な人間だけれど、基本はロシアという国を守るという意識で動いているところが大きい。世界を支配しようとか、世界を作りかえようとまでは思っていないんじゃないか、と。
 だけど、習近平は、世界を中国中心の経済圏に作りかえるという壮大な野望で動いている気がする。そのためには何でもやるんじゃないかと。

幽大: 余輩の予言も、未来の中心はアメリカでもロシアでもなく、中国ではないかというものだ。そういう未来がぼんやり見えておったんだが、今、いろんな話を聞いていると、あながちハズレではなさそうだな。

吾狼: そのへんは3人ともほぼ同じ予感がしている、ということですかね。

イシ: そうだね。だから、問題は、この全体像をさらに計算して案出し、動かしている意思があるのか、ということかな。
 私はあるような気がしている。
 プーチンや習近平の性格や能力を見越して、彼らを含めた様々な人間や組織を動かしているものが。

吾狼: それはAIではない、というのがイシコフさんの考えですよね。AIではないとすると、一体何者ですか?

イシ: うん、AIそのものではないと思う。AIは機械だから。
 AIを使う者が動かしているんだろうだけど、それは人間とは限らないよね。「生物」ではあると思うけれど……。

吾狼: おお~! 出た~~!!

幽大: おお、すっかり元気になったようだな。吾狼くんが元気を取り戻したところで、今日はそろそろお開きかな?

イシ: そうしましょうか。私も歳で、疲れちゃいました。
 では、また会いましょう。落ちます。

吾狼: 「落ちます」って……古いなあ……。それ、もう死語ですって……。
 あ、もう二人ともいないや。

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