アマンの強さの秘密2010/02/21 13:01

ついでにアマンの実力の秘密について一考してみた。
バンクーバーオリンピック直前企画・NHKの『ミラクルボディ』シリーズで、アマンが特集されていた。
彼の強さの秘密は、ずば抜けたバランス感覚と、空中姿勢の積極的な保持能力にあるという結果が出ていた。
サッツ(踏切)のタイミングが千分の1秒単位でずれただけで飛距離に大きく影響してくることは知られているが、その後、空中に飛び出した直後から、いかにスキー板の裏側でより大きな空気抵抗を受けるかが大切なことだと分析していた。
一般の選手は、飛び出した後のスキー板が、正面から見ると \ / になる。上から見ていわゆる「V字」になるという意味ではなく、真っ正面から見たスキー板の断面図がこうなるという意味だ。
V字飛行では、股を開いて脚を広げるから、自然と足首が外側に向き、スキーの断面はこの形になる。
これだと、下から受ける空気抵抗に対して、

 \ / 
 ↑ ↑

……こうなるから、上方向に空気が逃げてしまい、浮力が得られない。
これに対して、アマンやマリシュら、トップ選手は、スキーを地面に対して、
 _ _
 ↑ ↑

……この形に保持する能力を持っている。これだと、スキー板の底が空気をしっかり押さえ込めるので、より大きな浮力を得られる。
日本選手を見ていると、みんなサッツのタイミングと、その後の身体の前傾の技術に集中していて、このスキー板を地面に対して極力平行に保持するということをやっていない(やれていない)ように見える。
これをやるには、足首が柔らかいことが条件かもしれない。
アマンやマリシュは、飛び出した直後に、この
「スキー板を  \ / にせず、 _ _ にする」
ということに、ものすごく集中している感じだ。板が空気を掴み、びんびんとしなる様子が、他の選手たちと違う。
葛西選手は極端な前傾で攻めていくタイプだから、風が吹かないとまったく飛ばない。伊藤選手はバランスのとれたフォームを完成させているので、この、
「スキー板が  \ / にならないよう、 _ _ にする」
をマスターすれば、ぐんと伸びるんじゃないだろうか。
せっかくNHKがあそこまでしっかり分析してくれたんだから、利用しない手はない。

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