バカにつけるマスク2020/04/04 16:18

エイプリルフールではなかった……
COVID-19への対策がひどいというネタで大喜利状態になっている。
⇒これとか

国会議員の歳費を和牛商品券にすればいい、というのは、確かに「バカにつける薬」としては画期的処方かもしれない。
「もう年金がどんぐりになっても驚かない」はいちばんウケたが、笑っていられないのよね、ほんとは。

……とそんな中、トドメともいえる冗談が我が国の首相から飛び出した。

いやもう、ほんとにここまでくると世界への恥さらしどころの騒ぎではない。悪夢か幻影か……。

ミルクボーイ内海「ありがとうございます~。和牛券はいただけませんでしたが、今、布マスク2枚をいただきました~。こんなん、なんぼあってもいいですからね~」
千鳥ノブ「布マスク2枚!!? もう、やめぃ!!」
出川哲朗「おまえは、・か!!」

……とまあ、本来なら芸人たちにつっこんでほしいが、そういう気概を持った芸人も今はいない。
代わりにネットがマンモス大喜利大会になっている

そもそも1枚260円、総費用466億円も出すような代物じゃない。

↑これで事足りるし。
いやもう、ほんと、笑っている場合じゃない。この「バカにつけるマスク」問題の怖ろしさは、馬鹿さ加減そのものよりも、なぜこんなことになったのか、という点だ。

首相が一人でこれを思いつき、自分でつけてまでわざわざ発表したとは到底考えられない。当然、それを進言し、実行させた誰かが官邸内にいる
案の定、翌日には朝日新聞がこう報じた。
実はこの構想は1カ月以上前から首相官邸内で浮上していた。「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」。首相にそう発案したのは、経済官庁出身の官邸官僚だった。(布マスクで「不安パッと消えます」 官僚案に乗って炎上 朝日新聞 4月2日

ああ、またあの男か……と、誰もが思った。モリカケ桜・ニューオータニシンジケート……と来て、今度はアベノマスクか……と。

それにしても、なぜ「布」マスクなのか?
「サージカルマスクは医療現場や高齢者施設などに優先的に配る必要があるため、一般市民にはあまり効果のない(医療現場などでは使えない)布マスクを配って買い占めを鈍らせるため」という超好意的な解釈も出ていたが、そんなわけないだろうが。
そもそもこんなマスク、今どき作っているところがあるのか? と思って調べたら、これらしい。
興和株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:三輪芳弘)は、国からの要請のもと、広く海外に展開している繊維事業の経験を活かし、国内と海外の生産協力工場を活用した「ガーゼマスク」の取り扱いを推進してまいります。3月には1500万枚規模、4月には5000万枚規模の生産を目指し、日本国内に供給してまいります。
PRESS RELEASE 2020年3月5日 興和株式会社 より)

で、この興和の社長は3月26日に総理大臣官邸4階大会議室で行われた「第6回新型コロナウイルス感染症の実体経済への影響に関する集中ヒアリング」にゲストとして招かれている。
政府は26日夜、追加経済対策の策定で6回目のヒアリングを開催。出席した安倍晋三首相は冒頭、景気回復に向けて「強大な経済・財政政策を講じていかなければならない」と述べた。
マスクを増産している医薬品メーカー興和(名古屋市)の三輪芳弘社長は終了後、マスク不足について「5月か6月くらいまでには何とか(生産が)追い付いてくる」との見通しを示した。
時事ドットコム 2020年3月26日

三輪社長の名前を目にするのは、2年前の一般薬連内紛騒動以来か。
その後どうなったのだろうと思ったら、⇒こうなっていた

で、閑話休題。「アベノマスク」の配布方法は、日本郵便が地域ごと、すべての郵便受けに投入していくらしい。
その日本郵便の経営をおさらいしておくと……、

  • 2015年11月 日本郵政グループ3社の株式が東京証券取引所に上場される。それまで100%の株を持っていた政府は日本郵政株の11.0%を市場に放出。同時に、日本郵政は同時上場した子会社のゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式を売り出して、その売却代金約7300億円で政府保有の日本郵政株(8.51%)を自社株買いした。これにより国庫には1兆4000億円が入り、政府保有の日本郵政株は80.49%まで下がった。
  • 2017年9月、政府が保有している株式を放出。国内分が最大7億9207万株、海外分が最大1億9801万株で合計9億9009万株。発行済み株式数の22.0%に相当。売出人は財務大臣で、放出されたのは政府保有分。結果、政府の保有率は保有率は80.49%→57%まで下がった。
……というわけで、日本郵政グループの株は、政府によって都合よく「市場からの資金吸収システム」として機能してきた面があるようだ。しかし、売り出すたびに外資にじわじわと食われてもいるのだろう。そこにてこ入れするにはとても都合がいいタイミングというわけだろうか。

こういう施策が、自民党幹部議員ですら寝耳に水状態でいきなり発表される。つまり、首相官邸という密室で少人数の人間が密談して決めたことが、なんの審査、審議も経ずにいきなりメディアを通じて発表され、実行されてしまうのだ。これぞ危険極まりない「密」ではないか。
↑アベノマスクの「怖さ」はまさにここにある。
モリカケや桜問題を解決できないままズルズルと来たことが、こういう怖ろしい事態につながっているということを、市民はこの際、しっかりと認識すべきだ。

『サピエンス全史』の著者 ユヴァル・ノア・ハラリ氏からのCOVID-19に関するメッセージを、今一度しっかり心に刻もう。
指示順守と協力を達成するには信頼が必要だ。人々の科学への信頼、行政への信頼、そしてメディアへの信頼が必要だ。この数年、無責任な政治家たちが意図的に科学や様々な行政、メディアへの信頼を損ねてきた。今、まさにこの無責任な政治家たちが、市民が正しい行動を取れるとは思えないから国を守るには必要だとして独裁主義的な道へ堂々と進もうとするかもしれない。

何についても責任を取ることも、過ちを認めることも決してない一方で、手柄はすべて自分のものにして、問題が起きれば誰か他人のせいにする指導者に従う人はいないだろう。


そんな指導者に従っているつもりはない、と言うかもしれないが、法治国家をここまで破壊した政権をずっと放置してきたことは、歴史的事実としてずっと残る。

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「生活」をしていない政治家が人々の生活を破壊する2020/04/10 21:46

日本国産の「同調圧力鍋」は強固に作られている?
4月7日、政府は「緊急事態宣言」なるものを、まるで厳かなセレモニーのように宣言したが、営業自粛要請の業種を巡って政府と東京都が意見が合わず情報が二転三転したり、「なぜ愛知県は入れてもらえないのか?」なんていうコントみたいな事態が起きている。

営業自粛要請を出すのであれば、まずは「これだけの支援金をすぐに出すので、お願いだから閉めてね」という形で「要請」をしなければ無理だろう。
営業自粛要請の対象にしても、政府は当初「営業していい(営業してほしい)業種」をリストアップしたのに対して、東京都は「閉めてほしい業種」をリストアップして発表した。
これは政府の方式のほうが正しいと思える。
生活インフラや、この非常事態において特に必要とされるであろう業種には「大変でしょうが、感染防止対策を徹底した上でなんとか営業を続けてください」とお願いし、それ以外には「すぐに援助金をこれだけ出すので、大変でしょうが、店を閉めてください」としないと、伝わらないし、効果も薄い。

しかし、その「自粛対象業種」の選び方がひどい。
政府は当初、パチンコ店や理美容業などは自粛対象から外すとしていたが、東京都の案ではそれらに加えてホームセンターや百貨店も自粛対象に入っていた。
スーパーは生活に欠かせないがホームセンターは不要不急の業種だという考え方がまったく理解できない。

例えば、自宅にこもった上で感染疑いのある人をなるべく隔離するために壁を作るとか、入手できなくなったフェイスシールド的なものを自作するとか(あれは透明なアクリル板があれば簡単に作れる)、手に入らなくなった様々な生活物資を自力でなんとかするとか、そういう自助努力が困難になる。
医療施設や介護施設で給湯器やエアコンが壊れたらすぐに修理を依頼しないと、場合によっては命に関わるが、そうした現場に駆けつける職人さんたちにとっても、ホームセンターは命綱だ。特定の規格のボルト一本がないために修理できないこともある。
ウイルス感染を防ぐために絶対に必要な石鹸や洗剤も、公共交通機関を使わないための自転車やその修理パーツなども、ホームセンターで売っている。
都内のホームセンターを閉めたら、みんな近郊の他県にまで脚を伸ばす。本来必要のない移動が増えて、感染拡大につながる。

さすがにホームセンターを閉めろというのは間違っていると気づいたのか、東京都が最終的にまとめた自粛要請業種リストからは外れ、「社会生活を維持する上で必要な施設」に組み入れられたが、「卸売市場、食料品売り場、百貨店・ホームセンター・スーパーマーケットなどの生活必需品売り場」というのが気になる。
ホームセンターやスーパーなども、「生活必需品売り場」以外は閉めろと言っているのか? 「生活必需品」か否かをどう判断するのか? 同じフロアで、ここからここまでの商品棚は売ってもいいけれど、ここからここまではダメとロープを張れとでもいうのだろうか?

また、ネットカフェが「遊興施設」として休業要請対象になったが、ネットカフェが家を持たない人たちの「住居」であり、日雇い労働者などの「宿泊施設」になっているということが分かっていないのだろうか。夜間の保線作業をする人や、配送センターの早朝シフトに入る人が、現場のそばにあるネットカフェで寝泊まりしていることもある。

ホームセンターを「不要不急」と考えてしまう人たちは、自分では何もしない人たちだ。創意工夫とか自助努力とかって四文字熟語と無縁な人たち。そういう頭も技術も経験もない人たち。

↑世界中で話題になっているこんなことも、考えつかないというより、考えようともしないのだよなあ。

多くの政治家は、おそらくホームセンターで何を売っているのかも分かっていない。普段、自分でスーパーやホームセンターで買い物をしたことがないのだろう。
ネットカフェをホテルと同列に考えられない人たちは、都市の実態、社会の現実を理解していない。

「生活」をしていない人たちが乏しい想像力で政策を決めて、人々の生活をかき乱し、脅かす。
そもそも、なんで今頃ばたついているのか。どんな形で人々にメッセージを発するか、とっくに内容を検討して、まとめていなければならなかったはずだ。

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ポスト新コロナ 「COVID-19後」の社会2020/04/11 13:59

COVID-19による「世界恐慌」は新たな段階に入ったようだ。
欧米を中心に医療崩壊が起きている。しかし日本はまだ深刻な局面を迎えていないように見える。何度も書いてきたが、どうにも不思議だ。
何か解明されていない理由があるのか、それとも欧米のような地獄絵が明日にも迫っているのか……多分、その両方だと、これから分かってくるだろう。

アメリカから:斎藤孝(米国ニュージャージー州 大学病院勤務・感染症指導医)
日本もこのまま行ったら、人口が大きく減るおそれがあります。私自身、実家が東京なので、今すごく心配です。友だちも、昔の同僚もたくさん東京にいます。彼らが無事でいられるかどうか。
そして私、すごく疑問に思うのです。どうして日本は「人命が最優先」とならないのか。
「日本の緊急事態宣言が遅すぎる理由、コロナ最前線の米医師が戦慄の提言」ダイヤモンドオンライン 2020/04/07)

日本でもすでに医療は崩壊し始めている。
日本でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者急増が懸念される中、治療の最前線に立つ医師や看護師などの医療従事者や、重症化のリスクが高い要介護高齢者や障害者などをケアする介護・障害福祉サービスの従事者が感染するケースが増えている。
その数は医療機関で80カ所以上、介護・障害福祉サービス事業所で20カ所以上、計100施設以上……
陽性者の人数は、判明分だけで少なくとも医師が70人以上、看護師が70人以上、介護職員やその他の職員を含めると計270人以上になる(4月9日時点)
新型コロナで揺れる医療・介護提供体制 日経ヘルスケア 2020/04/10……更新中)

イギリスから:渋谷健司(英国キングス・カレッジ・ロンドン教授、WHO事務局長上級顧問)
パンデミック終息には年単位の時間が必要。「ウイルスと共生する新しい生活」に慣れていくしかない。想定内で準備をしていてはダメ。英知を集めてやり直すしかない。
ただ、核戦争後の世界とは違い、全く外に出られないわけではない。今までの常識が通用しないということ。新しい生活に適応するしかない。
「東京は手遅れに近い、検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘 ダイヤモンドオンライン より一部を要約 2020/04/09)

「COVID-19後の世界」については、すでに多くの識者が様々な提言をしている。
すでに引用・紹介したが、『サピエンス全史』の著者 ユヴァル・ノア・ハラリ氏の
この先の数週間、人々や政府の下した決断が、今後の世界のあり方を決定づけるかもしれない。その影響は医療制度にとどまらず、政治、経済、文化にも波及するだろう。決断は迅速かつ果敢に下されなければならないが、同時にその結果として生じる長期的影響も、考慮すべきである。
どんな道を選択するにせよ、まずもって自問すべきは、直近の危機の克服だけでなく、この嵐が過ぎ去った後に我々の住む世界はどうなるのかということだ。
嵐もやがては過ぎ去るし、人類も存続する。我々のほとんどは変わらず生きているだろうが、その世界は、もはや現在と同じではない
(ユヴァル・ノア・ハラリ「非常事態が“日常”になったとき、人類は何を失うのか」 英紙「フィナンシャル・タイムズ」への緊急寄稿 全訳がCOURRIER JAPONなどで読める

……という指摘は、重く受け止めるべきだ。

ウイルスが人間社会に突きつける「新しい生活」


ウイルスはしつこく変異を続け、感染は何年もだらだらと続く。消滅はしない。そうこうするうちにまた強力な新種が出てくるかもしれない。
インフルエンザウイルスはすでにそういう形で人間社会に入り込み、共存している。そのことを我々は日常で忘れているにすぎない。
今回の新型コロナウイルスは、従来の各種インフルエンザウイルスなどが存在している社会に新入りとして加わった問題児だ。完全追放できない以上、その問題児が存在する世界で人間はどう生きていくかを問われている。

誰がウイルスを持っているか分からない、どこにウイルスが付着しているか分からない、ウイルスを体内に取り入れても気がつかないかもしれないし、突然病態が悪化して死んでしまうかもしれない……そういう社会で、人間が今まで築きあげてきた「文化的生活」「精神生活」を続けていくにはどうすればいいのか

渋谷教授がいう「今までの常識は通用しない」「新しい生活に適応するしかない」とは、そういう問いに正しく答えられるかどうかという問題だ。

具体的に考えてみよう。
  • テレワークなんて言葉を使わずとも、顔をつき合わせてしょーもない会議を開くようなことは避けて、合理的な仕事スタイルを当たり前にする⇒不要な接触や移動を減らして産業活動を合理化する
  • 離れていても、十二分に気持ちを通い合わせられる、学び合える、相手を尊重できるコミュニケーションの実現⇒デジタルツールの使いこなしだけでなく、言葉のやりとりだけでも豊かな交流ができる精神性を育てる
  • 余計なものは作らなくてもよい文明に移行する⇒詐欺的なエコビジネスではなく、本当の省資源追求
  • 必要最低限な物流システムは確保する⇒リニアモーター交通は不要だが、貨物列車は復活させることを考えていい
  • 人口密集都市を減らして、人を適度に散らばらせる⇒補助金や利権をちらつかせたばらまきで手懐けたりごまかすのではない、その土地の地力による永続的な地方創生
  • 不安を減らし、個人が自分の頭で正解を導き出せる社会作り⇒徹底的に公正で正確な情報公開。偏向思想を排除し、他者を思いやる心を育てる教育

……こういったことがすぐに思い浮かぶ。
しかしこれらはどれも以前から分かっていたこと、言われてきたことだ。
こういう生き方ができる社会に変えていかないと未来はまっ暗だよと指摘され続けてきたのに、政治や経済構造がこれに逆行する自分本位の道を邁進してきた。そうした社会を人々が認めてきた。
そのツケを、これから我々は、ウイルスによって払わされるのだろう。

そう考えれば、これは自滅に向かって突き進んできた現代社会に対する自然界の最後の警告なのかもしれない。
その意味で、COVID-19に対して希望・期待を抱く人たちも出始めている。特に若い世代は、言葉には出さなくてもこう思い始めているかもしれない。
このウイルスは金持ちの特権高齢者にも平等に感染し、死を与える。貧乏でも若い者は生き延びる確率が高い。なにか劇的な社会変革が起きるのではないか……と。

しかし、私はそんな期待は持てない。
高齢者だからではない。すでに原発爆発のときに、社会システムや人々の意識を変えることがいかに困難かを経験しているからだ。
原発が爆発したとき、1F(いちえふ=福島第一原発)から25kmの山村で暮らしていた私は、すぐに避難したが、ひと月後、自宅周辺の汚染が絶望的なほどひどくはないことを確認した上で、全村避難中の川内村に戻って生活を再開した。
村の移住者仲間もみんな集まって、これからこの村での生活をどう変えていけるかを話し合った。
原発と補助金に依存してきた地域で原発が爆発し、生活も環境も破壊された。ここから再出発するには、どうすればいいか。本気で頑張れば、今度こそ土地の恵みを生かした本当の創生ができるかもしれない……。
一瞬、そうした希望を抱いた。
今までは都会から移住してきた「お客さん」的な生き方で、自分の幸福を第一に考えて暮らしてきたが、そうしたエゴイズムはもう許されない。残りの人生、気合いを入れ直して、この地で自分ができることをやっていけないか……と。

しかし、そんな理想はすぐに吹っ飛ばされた。
補償金ラプソディ、除染劇場、今まで以上の中央政権依存体質の加速……そんな状況で「正論」を述べることは、余計な混乱と怨嗟を増やすだけだとすぐに理解した。
↑ここに書いたことがゾンビのように甦っている

今思えば、あのときの日本はまだまだ金に余裕があった。しかしその金が、合理的で公正なやり方で生かされず、利権第一がそれまで以上に進み、混乱と不公正を生んでいった。
今回もまったく同じだ。
観光・運輸業、飲食業、イベントなどに関する支援として、新型コロナウイルス収束後に、国内の人の流れや街のにぎわいを創出し、地域活性化を図る官民一体のキャンペーン「Go Toキャンペーン(仮称)」を実施。この予算として経済産業省に1兆6794億円を計上し、内閣官房、経産省、国土交通省、農林水産省が連携して取り組む。
新型コロナ収束後の観光需要喚起「Go Toキャンペーン」に約1.7兆円。運休航空路線再開を後押しする大規模プロモも。補正予算案を閣議決定 トラベルWatchニュース 2020/04/08)


感染症拡大の収束後の経済のV字回復のための反転攻勢を仕掛け、日本経済を一気呵成に安定的な成長軌道に戻す。このため、甚大な影響を受けている観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント事業をターゲットに、官民を挙げたキャンペーンとして大規模な支援策を短期集中で展開することにより、消費を思い切って喚起し、地域の活力を取り戻す。その際、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期に伴う需要の先送りを踏まえた経済の下支えに対応する。
「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」について 令和2年4月7日 閣議決定 より)


この期に及んで↑こうだ。
「収束後」を話す前に、やることをやれ。どうやったら収束させられるのか、収束しなくても最低限生き延びるためにどう金を使うべきか、って話をしろ。
「収束後」を語るなら、どこに金をばらまくではなく、社会構造の抜本的な変革方法や人々の意識改革を促す方向で語れ。
それができないまま、今までの発想で金をばらまき続けても、「国力」は弱っていき、世界からバカにされるだけだ。

……と言いたい。

「経済妄想症」「生活実感喪失バカ集団」……そういう連中にこの試練を乗り越える策を提起し、実行に移せるわけがない。
日本の官僚は世界一優秀だなどという嘘神話は、今回のことで、さすがに吹き飛んだだろう。

社会は変わるべきだが、簡単には変わらない。
であれば、我々庶民は、壊れていく国の中でどう生き延びていくかを考え、精神がやられないようにしながら、地道に実践していくだけだ。



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厚労省がケアマネを「アベノマスク無料配達員」にする恐怖2020/04/15 15:27

某ケアマネ事務所に届いたアベノマスク
上が配られたアベノマスク。下が普通に売られている(かつて売られていた?)一般的なサージカルマスク。配られたものは小さすぎるし、布地の白が汚い

バカが配るマスク

先日の「バカにつけるマスク」は、書いていてあまりにも情けなくなり、もうこの手の話からは距離をおこうと心に決めていたのだが、その後もあまりにもひどい事態になっているので書く。

今朝、スポーツ紙が、介護施設に届いた布製マスク(以下「アベノマスク」←すでに普通名詞化した?)の記事を大きく取り上げた。
職員の男性は「小さくて、(顎まで隠そうとすると)鼻が出てしまう。今使っているマスクがなくなったら、自分で作ろうと思います」と話す。
アベノマスク届くも「小さく鼻出る」「意味ある?」 日刊スポーツ 2020/04/15

介護関連のサイトや各SNSでは、すでに介護現場から困惑や怒りの声が寄せられている。
予防効果の低さを耐久性という言葉ですり替え、黄ばみ黒ずみが著しい明かに売れ残りと思われる長期在庫マスクを箱で送りつけ、ケアマネさんを利用して「配布徹底」をさせようとまでしています。ただでさえ不評なマスクなのに、この変色したマスクを誰が受け取ってくれるでしょうか。

事業所に届いたマスクをケアマネが配るとか市が言ってます。そうすれば、2ヶ所以上サービスを利用してても、一人に1枚になるとか。でも、ケアマネの負担とリスクは考えられてません。ケアマネが配れば高齢者も安心できると言ってます。この緊急事態宣言が出てる世の中で、1件1件訪問しろって、何を考えてるのかわかりません。
昨日、届きました。紐が伸びないタイプ。ちょっと、これはね。自分が持っているマスクを使います。
特養老人ホームです。ガーゼマスク届きました。サージカルマスクの在庫は僅かで、それは看護優先。介護スタッフは届いたガーゼマスク着用と決定されました。
(略)個人的に、介護にガーゼマスクはない、と思ってます。自身も無症状感染者かもしれないと考えると、感染させたら…重篤化しやすい方ばかりの中、やはり怖くて使えません。
事務所から連絡が来てマスク取りに行きました。(略)各事務所から頂いたのですが、個体差あり、大きすぎたり、小さかったり、トンガリ過ぎてたりです。丁度よいのを参考に型紙をおこして自分で作ろうと思っています。
これは「和牛一族」の眼帯では?

一人がネットに届いたマスクの画像を上げると、他の地域、施設、介護事業所のスタッフらから「うちに届いたのとは違う。うちに届いたのは~~だった」といったコメントがつく。
それで、届いたアベノマスクにはいくつものタイプがあるということも分かってきた。
  • 布地に明らかな黄ばみ、黒ずみがあって、倉庫で長期在庫として眠っていたと思われる古いマスク
  • 最初に首相が自らしていた小さなガーゼマスク(通称「給食係マスク」)
  • 耳掛け部分がゴムではなく布地で、伸びないために顔に装着すらできないもの
  • 一部のドラッグストアなどで市販もされていた少し大きめのガーゼマスク(いちばんマシなタイプ?)

最初に配ったのは不良在庫一掃処分段階で、それがはけると、次はあちこちの下請け工場やアジアの低賃金労働現場に低料金で発注して作らせているんじゃないかと疑いたくなる。
そんなアベノマスクは1枚260円、送料などを含めて配布の総経費は466億円だと報じられている。
某雑誌のアンケートでは76%が「届いても使わない」と答えたとか。
いくらなんでも「あれはやめます」となるかと思っていたら、本当に送りつけ始めていた。それだけでも気が滅入るのだが、さらに怖ろしいことが起きていた。

ケアマネを無料のマスク配達員にしていた

冒頭の写真は、ある居宅ケアマネ事務所に厚労省から送られてきたアベノマスクである。
これを在宅介護サービス利用者の家に1枚ずつ配れ、と厚労省が言っているという。
いくらなんでも……と、にわかには信じられない話だったのでネットで裏を取ろうとしたら、すぐに出てきた。
事 務 連 絡 令和2年3月19日
各都道府県衛生主管部(局)
民生主管部(局) 御中
厚生労働省医政局経済課(マスク等物資対策班)
老 健 局 総 務 課 認 知 症 施 策 推 進 室
老健局 高齢者支援 課
老健局 振 興 課
老健局 老 人 保 健 課

(以下抜粋)

今般、高齢者施設・事業所における具体的な配布方法について下記のとおりお示ししますので、各都道府県におかれましては御了知いただくとともに、管内市町村や貴部局所管の関連団体、関連施設にご周知いただけるようよろしくお願いいたします。

2.利用者分の配布方法
○ 利用者分については、配布事務連絡の別紙に掲げる高齢者施設・事業所の利用者が配布対象になります。各施設・事業所の具体的な配布枚数は、介護報酬データにより得られた情報等に基づき設定しています。
○ 配布先については、
・施設・居住系サービス、高齢者向け住まい等については、各施設等に配布、
訪問系サービス及び通所系サービスについては、居宅介護支援事業所に配布しておりますので、当該事業所より各利用者に配布をお願いいたします
※ 小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、介護予防小規模多機能型居宅介護は各サービス事業所に配布しています。
※ 居宅療養管理指導については、当該サービスのみを利用する者分を、サービス事業所に配布していますので、該当する利用者へ配布をお願いいたします。
原本PDFは⇒こちら

伝達文書3

この通達が厚労省から出されたのが3月19日なので、すでに各地のケアマネ事務所にはアベノマスクが届き始めている。

新型コロナウイルスの流行を踏まえた介護現場への布製マスクの配布について、厚生労働省は19日、具体的な方法をアナウンスする通知の続報を出した。 訪問系サービスと通所系サービスの利用者の分を、すべて居宅介護支援事業所に送ると説明。「各利用者への配布をお願いします」と協力を求めた。居宅のケアマネジャーらには相応の負担がかかることになる。
《 介護保険最新情報Vol.789 》介護現場へのマスク配布、在宅利用者の分はケアマネ事業所に発送 厚労省



送られてきたマスク


知人のケアマネさんは、同封されていた「洗濯方法」を説明した部分を、ケアマネ事務所で利用者の人数分コピーして、そのコピーと1枚ずつにバラしたアベノマスクをビニール袋に小分けして、泣きながら利用者の家、一軒一軒回って配ったそうだ。
「当地でも連日感染者が出ている状況なので、玄関先での訪問にしているのに。しかも、今月は早めにモニタリング訪問(居宅ケアマネは最低月1回の利用者宅の訪問観察が義務づけられている)を終えようと、すでにご利用者様の半分以上回ってしまった後なのに。各戸に2枚の分とは別なので、なぜうちは1枚なの?と訊いてくる人もいるし……」

こんなことが現実に起きていると知って、COVID-19そのものよりも深く底知れぬ恐怖を感じた。
お国が愛国婦人会に命じて各戸に竹槍を配らせるようなものではないか。

介護現場で働く人たちは、ただでさえ大変な苦労をしている。数々の理不尽に耐え、現場現場で最大限の創意工夫、自助努力をしながら命と接している。
私は父や義母の介護を通じて、そうした人たちの素晴らしい資質、人間性を知っている。本当に頭が下がるばかりだ。
そうしたケアマネや介護施設スタッフにとって、厚労省は大本営のようなものである。命令が下れば逆らうのは難しい。その上下関係の構図の中で、トップがいちばん愚かで、現場に混乱と理不尽な困難を押しつけてくる。この構図がどんどん戦前、戦中の社会に似てきているのが怖ろしい。
太平洋戦争では、実際に敵の弾に当たって死んだ兵士よりも、馬鹿な命令を受けて、餓死、病死した兵士のほうが多かった。一般市民はメディアの嘘情報を信じたまま空襲や原爆の犠牲になった。

ウイルスそのものよりも怖いものが、今、急速に蔓延しつつある。国民がそのことに気づき、一刻も早くその原因を取り除いていく努力をしないと、本当に手遅れになる。


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