日本はアメリカに二度負けた2015/09/23 11:59

2015年9月19日午後 強行採決から一夜明けた国会議事堂前の風景
9月16日のTBSニュース。もうすぐ見られなくなるけれど動画が⇒こちらにある。
安保法案が強行採決される前から、日本政府はロンドンで開催中の世界最大の「武器展」にブースを出して武器輸出などのPRをしている。
「日本の政策が変わってきているということを示すのが重要。我が国民や国土を守るための安保法制があり、装備移転三原則があるということ」(防衛省 堀地徹 装備政策課長)

「人を殺すために設計・製造しているわけではなくて、セルフディフェンスのためにしている。(安保法案成立で)ビジネスチャンスが増えるかなと思う」(出展した日本企業担当者)
「世界中の国に武器を売ってきたけど、これまで日本に売る機会はなかった。早速、日本側とコンタクトをとってみるよ」(米軍事企業担当者)

何をどう言いつくろったところで、武器は人を殺すための道具であり、あれば使うのが人間。
戦争に巻き込まれる可能性云々より前に、人を殺す道具を売るために政府が武器商人たちと一緒に外国の武器展でPRをする、戦争ビジネスに活路を求める国(そういうのを「普通の国」と呼ぶらしい)になりたがっている、すでになってしまったということを、しっかり認識しなければいけない。

「昔と今では『戦争』の意味も質も違う」と、日本の現政権やそれを支持する人たちは主張する。戦争ビジネスマンも同じことを言い訳として言う。
ある意味では確かにその通りだ。
昔と今では戦争の意味や質が違ってきている。
富国強兵をスローガンに武力増強に必死になっていた明治政府の時代とは違って、現代では、戦争は世界最大のビジネスツールになっている。
経済成長だのGDPだのというものとも密接にリンクしている。
でも、そういうものでビジネスゲームに参加しなくても、平和に、幸福に暮らせる国こそ、本当の意味で「強い国」なんじゃないの? 困難でも、そういう国をめざすのが賢い政治であり、強い経済なんじゃないの? 

太平洋戦争敗戦後、焼け野原から生き残った人たちが着の身着のままで立ちあがり、知恵を絞り、真面目に働き、「技術大国」と呼ばれるようになった日本の歴史。その戦後史の終わりは「やっぱり私たちは技術や勤勉さで勝負することはできませんでした。戦争ビジネスで巨大化した国際資本には勝てません。負けを認めます。なんでもしますから子分にしてください。今まで以上に金も命も差し出しますから」って白旗を掲げることだったのか。
本当に強い国になることを簡単に諦め、二度目の白旗を掲げたのが現政権であり、今回強行採決した安保法制の中身ではないのか。

日本はアメリカに二度負けたのだ。

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