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認知症老人の財産を狙い撃ちする弁護士2016/09/26 12:18

認知症老人からこうした全権委任状を取り付ければ……

老人の金を狙う弁護士たち


K弁護士が親父にサインさせた契約書。紛争などないところに事件を勝手に起こして、軽く100万円にはなろうかという着手金やら報酬金やら日当を支払え、という内容


NTTもNHKも、介護施設に入った認知症老人を追いかけてまで金を取ることはできないだろう。
それよりもやっかいなのは、認知症老人を狙って金を取ろうとする弁護士の存在だ。

お袋が亡くなったのは8年前。親父には「お袋が残しているはずの預金などはどうなっているのか」と何度も訊いたが、「知らない」の一点張りだった。
それが今回、ようやく一部が見つかった。

今回、親父が自分名義の預金をすっかり使い果たしていたことが判明し、住んでいる賃貸マンションの家賃も払えなくなり(実際には質素な生活をすれば年金の範囲内で家賃は払い続けられるはずだが、金が入ればすぐに買い物をしてしまう買い物依存症が治らないので不可能)、もともとの家に戻るか、家を売って金を作るかという話になった。
家には50代の今まで、まともに仕事をしたことがない妹がひとりで住んでいて、ゴミ屋敷になっている。
親父と妹はずっとまともに会話をしていないで、親子関係が崩壊している。「ここに一緒に住むなんてありえない」と言って家を出て、横浜のマンションを借りてひとり暮らしを始めた親父が、今さら戻るなんてことは到底無理だろうし、家を売って金にするといっても、ウルトラ級のゴミ屋敷を空にするだけでも何百万円もかかるだろうし、そこには妹が住んでいるのだから無理な話だ。
僕はどちらも無理だろうと思ったので、「そんなことを考えるより、年金だけで今の生活を続ける努力をしろ」と諭したが、買い物依存症は止まらず、年金が入るとすぐに使ってしまい、家賃を支払えなくなる。
家を売るにしても家に戻って娘と一緒に暮らすにしても、まずは二人で話し合わなければダメだろ、と言って、妹にもその旨、手紙を書いたが(僕と妹も、子供の頃からずっと会話がない)、それを読んだ妹がパニクって弁護士に相談したらしい。

その弁護士は、依頼者である妹にも、預金を使い果たしてあとは月々の年金しかない親父にもまとまった金はないが、死んだお袋の預金が残っていると知り、その金額を妹に調べさせて、そこからごっそり手数料を取ろうと考えついた。
そこでまずは認知症だと分かっている親父に近づき、オールマイティの委任状にハンコを押させた。

このことを僕は一切知らされていなかった。
親父が電話で「あのKという弁護士に依頼したのはよしみつか」と、妙なことを言ったので、初めてそういう危険人物に狙われていることを知り、「絶対に近づくな。近づけさせるな。連絡があっても無視して応じるな」と何度も言いきかせ、親父も「分かった」と繰り返していたが、しっかり騙されて契約書やら委任状やらに署名捺印させられていたことが今回の部屋の掃除で分かった。書類のコピーが出てきたからだ。
親父を問い詰めると、「事務所に呼ばれたから行っただけだ」「でも、そんな大金を払うような契約書なんか知らないし、署名なんかしていない」と言い張る。

その契約書はひどいもので、そもそも存在していない「遺産相続示談交渉事件」などと銘打っている。
着手金約30万、報奨金約60万、他に日当が1日3万2400円などとなっている。日当などはいくらでも「何日仕事をした」といえばつけられるわけで、軽く100万円はこのK弁護士に支払うような内容だ。
そもそもお袋の法定相続人のひとりである僕は、この件についてまったく知らされていないのだから、相続を巡る「事件」など存在していない。3人が話し合って協議書を作って銀行に持っていけばいいだけの話で、K弁護士が介入してくる余地など最初からないのに、妹がこういう弁護士に話を持ち込んだからつけ込まれた。
妹はお袋の口座のキャッシュカードを持っていたようで、すでに数百万円は使ってしまっていた。もちろんこれは犯罪だが、僕も親父もそれについて追及するつもりはないし、今からでも妹には法定相続分よりはるかに多い金額を渡そうと思っているので、「示談」も何も、事件そのものが存在していないのだ。
K弁護士は妹には支払い能力がない、親父には年金しかない、残る1人の僕は騙せないと知り、まずは認知症の親父から全権委任状を取り付けて、報酬を確保しようとしたのだろう。
この状況がようやく把握できたので、すぐさま神奈川弁護士会にK弁護士の行っていることは倫理的に許されるものではないと苦情を申し立てて受理された。
問題点は主に3点。
  1. そもそも相続を巡ってトラブルなど起きていない
  2. 認知症と分かっている独居老人に近づき、高額な報酬を約束させる内容の書類に署名・捺印させている
  3. 法定相続人のひとりである長男の僕にはこの間まったくなんの連絡もない

ちなみに妹はK弁護士の言いなりのようで、電話にも出ない。何度電話しても出ないのに業を煮やした親父が、不自由な足で家にまで行っても、居留守を使って出てこなかったという。

こういう事態を目の当たりにするのがいちばん嫌だった。

K弁護士としては、親父を騙せたとしても、僕からの委任状など到底望むべくもなく手詰まりになっているはずだ。そこで親父の年金を狙ったようで、年金の振込先口座を変更させていた。

これには本当に驚愕した。そこまでやるか……と。

認知症でまったく金の管理も物事の判断もできない親父がこれ以上高額な金を動かせないようにするために、年金の振込先口座から高額の送金はできないようにしてあったのだが、それなら……と、新たに年金の受け取り口座を100円で作らせて、そこに年金を振り込ませ、そこから着手金などを送金させる、あるいは引きだして渡すように画策したようなのだ。

危うく最後の砦である年金まで狙われるところだったが、気がついたのですぐにブロックした。

故人の口座はすべて凍結されている。これを解除して金を引き出すには法定相続人全員の同意書、印鑑証明書、戸籍謄本などが必要であり、K弁護士がいくら親父を騙してオールマイティな委任状にサインさせても、相続人のひとりである僕が同意しなければ凍結口座から金を引き出せない。
もし引き出そうとするなら、僕のサインとハンコを偽造するしかない。そこまでやるなら立派な犯罪なので、K弁護士は完全に罪に問われることになる。次は苦情申し立てではなく、K弁護士の懲戒請求手続きになるだろう。

……ということで、お袋の凍結口座はこのままずっと凍結のままにすることにした。

K弁護士が完全に手を引かない限り、お袋の凍結預金は「呪われた金」として凍結のままだ。
僕や親父が死んだ後、妹がまだ生きていれば、そのときは弁護士に100万円払ってお袋の預金をようやく下ろそうがなにしようが知ったことではない。


こういう話は「他人事」として読む限りは面白いかもしれないが、老人社会が進み、企業のモラル、職業モラルが著しく低下している今の日本では、ゴロゴロ転がっている話だ。
認知症が進んでいなくても、弁護士という肩書きを目にしただけで言うがままになってしまう老人たちは多いだろう。

ここまで赤裸々に書いたのは、多くの人たちが今抱えている、あるいはこれから抱え込む問題であり、リアルな情報として提供することに多少なりとも意味があると考えたからだ。
僕ももう長くは生きていられないし、残りの時間は有意義に過ごしたい。
肉体も相当疲れているが、精神をまともに保ち、創造的なことをやりつづけるためのコントロール術が必要だ。
そのテーマで本を書き、これを題材にして小説を書いて発表していこうと思っている。


K弁護士が認知症の親父を騙してサインさせた「全権委任状」



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